経済産業委員会

2017-03-09 参議院 全163発言

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会議録情報#0
平成二十九年三月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                岩井 茂樹君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                石上 俊雄君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                北村 経夫君
                林  芳正君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                浜口  誠君
                平山佐知子君
                伊藤 孝江君
                石川 博崇君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  松村 祥史君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       田野瀬太道君
       経済産業大臣政
       務官       井原  巧君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      進藤 秀夫君
       内閣府大臣官房
       審議官      山本 哲也君
       金融庁総務企画
       局審議官     天谷 知子君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤江 陽子君
       文部科学大臣官
       房審議官     板倉周一郎君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      鍜治 克彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     田中 茂明君
       経済産業大臣官
       房審議官     中石 斉孝君
       経済産業大臣官
       房審議官     星野 岳穂君
       経済産業大臣官
       房審議官     小林 一久君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       渡辺 哲也君
       経済産業省産業
       技術環境局長   末松 広行君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       経済産業省商務
       情報政策局長   安藤 久佳君
       資源エネルギー
       庁資源エネルギ
       ー政策統括調整
       官        小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       中小企業庁長官  宮本  聡君
       中小企業庁事業
       環境部長     吉野 恭司君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
       国土交通省道路
       局次長      青木 由行君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       廣瀬 直己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業行政等の基本施策に関する件)
 (公正取引委員会の業務に関する件)
    ─────────────
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小林正夫#1
○委員長(小林正夫君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小林正夫#2
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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小林正夫#3
○委員長(小林正夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小林正夫#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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小林正夫#5
○委員長(小林正夫君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岩井茂樹#6
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。
 冒頭、去る三月六日の早朝に北朝鮮が四発の弾道ミサイルを発射をいたしまして、うち三発が日本の排他的経済水域に落下をいたしました。これは、有事における在日米軍基地への攻撃を想定した訓練で、日本の安全保障に対する重大な脅威であり、強く抗議をして、質問を始めたいと思います。
 さて、米国では、米国第一主義を掲げるトランプ政権が誕生しましたが、貿易立国である我が国にとって、自由貿易体制の堅持こそ大変重要なこととなってまいります。そこで、まずは我が国の通商政策について確認をさせていただきたいと思います。
 最初に、TPP後の通商政策について伺います。
 日本政府は、TPP協定の国内手続の完了に関して、一月の二十日に寄託国であるニュージーランドに通報をいたしました。これは、原署名国の十二か国の中で最も早く、我が国がTPP協定発効に向けた決意を改めて国内外に示す良い機会になったと思っております。
 しかしながら、トランプ大統領がTPP離脱に関する大統領令に署名をし、米国がTPPから正式に離脱することを関係国に通知をいたしました。先月の日米首脳会談では、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領の下で経済対話を立ち上げることが合意をされ、経済政策、そしてインフラ投資やエネルギー分野での協力、また貿易・投資ルールの三つを柱に、具体的には日米間で今後調整がされるものと思っております。しかし、二国間協議においては、仮に米国の要求が正しくない部分についてはノーと言わねばなりません。
 三月一日にUSTRは、WTOの紛争解決手続が米国にとって不利益になる場合、従うことはないと表明したとされております。さらに、通商法三〇一条の適用も検討するとしております。米国は、一九八〇年代から九〇年代にかけて、一方的制裁措置の発動を前提としたいわゆるスーパー三〇一条をてこに、日本市場の開放を迫りました。今回のUSTRの発表は、かつての通商摩擦をほうふつさせ、再び数量制限、制裁とセットになった市場開放が求められるのではないかと危惧をしております。
 今後開始される新たな経済対話では、農産物、そして自動車など、TPP交渉よりも更に厳しい要求が出される可能性もありますが、どのように対処をしていくのか、発効が見通せないTPPの今後の扱いと併せて、政府の見解をお聞かせください。
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松村祥史#7
○副大臣(松村祥史君) 先般のトランプ大統領のTPP離脱表明を受けての今後のTPPについての御質問かと思います。
 私どもは、米国には今日まで様々な機会でTPPの経済的意義や戦略的意義を説明をしてきたところでございます。その結果、日米首脳会談におきまして、委員御指摘のとおり、日米が主導をして、アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏をつくる必要性について一致することができたと思っております。
 そして、その上で、麻生副総理とペンス副大統領の下での日米経済対話の中でどのような枠組みが日米経済にとって最善であるかを議論を進めていくわけでございますけれども、そのときに、委員御指摘のとおり、ノーはノーと言えるのかと、こんな御指摘であろうかと思いますが、この点につきましては、この日米経済対話の中でどのような議論を進めていくか、こういったことを見詰めつつ、しっかりと、現在我が国においても、アメリカ内において、自動車産業メーカーはアメリカにとっても多大な生産や雇用、こういったものを生み出しております。こういったものをしっかりと理解をしていただきながら議論を進めてまいりたいと思いますし、主張すべきはしっかりと主張し、国益を守りつつ、日米主導で自由で公正な市場を世界に広げていくために努力をしてまいりたいと、このように考えております。
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岩井茂樹#8
○岩井茂樹君 主張すべきはしっかりと主張していくということで、是非その姿勢で取り組んでいただければと思います。
 二国間協議を行う場合に、一つ懸念というか御提案なんですけど、米韓のFTA、これを是非参考にしていただいて、どのようなメリットがあったのか、そしてどのようなデメリットがあったのか、十分検証をしてこれからに役立てていただければと思っております。
 さて、続きまして、通商分野のルール確立についてお尋ねをいたします。
 TPPの意義については様々な面があると思いますが、その一つにルールの確立が挙げられておりました。TPPの合意事項が世界貿易の規範になっていくというものであります。知的財産の保護、そしてローカルコンテント要求の禁止など、日本企業が投資を行う際、非常に意義あるものですし、中国もTPPのルールを無視することができなくなるという見方もございました。
 先月末から今月にかけて神戸でRCEP交渉が行われましたが、RCEPについて世耕大臣は、単に関税だけではなく、このエリアにおけるルールを含む質の高い内容になる必要があると、こう述べられております。TPPのような高いレベルの協定をRCEPなどの今後の通商交渉のモデルとなるようにし、米国のプレゼンスが弱まる中、主導権を狙う中国に対してどのように日本がルール作りをリードしていくかということが大変重要だと思っております。
 通商分野におけるルールの確立について、日本はTPP署名国と連携をしつつ戦略的に取り組むべきだと考えますが、政府の御見解をお聞かせください。
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松村祥史#9
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。
 このTPPの協定というのは数年間掛けまして議論をしてきたわけでございますけれども、これは、今後の通商交渉のモデルになり得る二十一世紀の世界のスタンダードになっていくことが非常に期待をされておりますし、非常に質の高いルールができ上がったものだと理解をしております。
 これを基礎といたしまして、日EUのEPAやRCEPなどの経済連携交渉においても、世耕大臣がおっしゃったような質の高い協定を目指し、自由貿易の推進に全力を尽くしておるところでございますが、私も昨年の十一月、フィリピンで行われましたRCEPの会合に参加をしてまいりました。その中においても、電子商取引でありますとか、また通関の円滑化、海賊版、模倣品対策の強化などのルールの議論がされたところでもございます。物品貿易だけではなくて、こうしたルール分野を含む交渉全体での質の高い合意を目指すことが極めて重要であると、このように考えております。
 本年、我が国で四月に行われます日・ASEAN特別経済大臣会合の機会などを活用いたしまして、各国に対して引き続き働きかけをしてまいりたいと、このように考えております。
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岩井茂樹#10
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 続きまして、通商政策から経済政策についての質問に移りたいと思います。
 最近話題の第四次産業革命への対応ということで質問をさせていただきます。
 前回の委員会で、経済成長を生み出すものの要因として、資本、労働力、生産性の三つがあるというような質問、そして人口減少社会の下では特にその中で生産性ということが大変重要だというような質問をさせていただきました。そのためにはイノベーションが大変重要で、例えば、自動運転を始めAI、ロボット等の第四次産業革命と呼ばれる分野は、我が国の成長分野としてもうこれはなくてはならない大変重要なものだと考えております。
 自動運転技術は高齢化と人手不足の中で大変期待が高まっておりまして、高齢化が進む我が国こそこういった技術の先進国になる必要があると思いますし、それにより、これから高齢化社会を迎えていく諸外国に対して実は大きなビジネスチャンスになってくるとも思っております。また、例えば新薬の開発でビッグデータをAIを用いて分析をして、そして有望な物質を絞り込むなど、商品、サービスの研究開発においてもこのAIというのは大変重要な鍵となってまいります。
 この分野は諸外国との厳しい競争の渦中にありますが、実は、予算のところを見ますと、予算の規模が諸外国に比べて少ないというのが現状ではないでしょうか。米国では一企業が数千億円を投じている一方で、日本では、例えば理研の革新知能総合研究センターの来年度予算、前年度と比べると倍とはいえ、二十九億五千万円にとどまっております。量では勝負にならないため質で勝負するという、そんな話も大事なんですが、やはり量も一定程度確保する必要があると考えております。
 そのために、民間投資を引き出す工夫を含め、政府はどのような取組を今後進めていくのか、御見解をお聞かせください。
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末松広行#11
○政府参考人(末松広行君) お答え申し上げます。
 先生お話しのとおり、今後、AI進展などでイノベーション大切、そのとおりの状況だと思っております。
 第四次産業革命がグローバルに進展し、自動走行、物づくり、医療、介護などの幅広い分野でIoTや人工知能といった技術革新と新たなビジネスモデルが結び付き、革新的な製品やサービスが次々と生まれております。こうした中、我が国が有するロボットなどの物づくりの技術力や自動車の高い国際市場シェアなどは、実世界のデータの利活用をめぐる国際競争において大きな強みになると考えております。さらに、世界に先駆けて直面する高齢化等の社会課題についても、第四次産業革命の技術を活用して、その解決に結び付けることでむしろチャンスに変えることが可能であります。こうしたチャンス、強みを生かすべく、限られた予算の中で予算措置も頑張るということでございまして、経済産業省におきましては、二十九年度のAI関連予算につきまして、二十八年度予算に比べて約一・六倍の二百五十七億円程度に増額しているところでございます。
 また、当初予算に加えまして、二十八年度第二次補正予算で措置いただきました約百九十五億円を活用させていただきまして、我が国が強みを有する物づくり技術と人工知能技術の融合を目指した研究拠点を整備することとしております。ここでは、高精度なセンサーや高速情報解析といった世界最先端の技術シーズを介護ですとか工場の現場などにおける革新的な製品やサービスにつなげるため、民間投資もお願いしながら、産学官一体による共同研究、実証事業を実施する予定であります。
 また、予算だけではというお話でございますが、従来から研究開発税制により民間企業の研究開発投資を支援しているところでございますが、平成二十九年度税制改正法案では、第四次産業革命型のサービス開発を適用対象に追加することとか、投資を増やした企業には税制支援を強化するというような見直しを盛り込んでおりまして、このようなことを通じて民間企業の研究開発投資の拡大をしっかり支援してまいりたいというふうに考えております。
 引き続き、日本の強みを生かせる分野を中心として、第四次産業革命で日本が世界の産業を引っ張っていけるよう、経済産業省としてもしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
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岩井茂樹#12
○岩井茂樹君 予算を始め税制も様々な政策を総動員をして取り組んでいるということで、引き続き、産業政策を所管する経済産業省として力強い施策をよろしくお願いをいたします。
 続きまして、プラットフォーム戦略という観点で御質問をさせていただきます。
 歴史的に我が国の産業というのは、まあ何でもそうなんですけど、技術はすばらしいのだけれども標準がなかなか取れず、プラットフォーマーに利益を、言い方悪いですけど、中間搾取されている分野が意外に結構あるんじゃないかなと感じております。
 例えば、過去には日本のゲームメーカーはプラットフォームとして世界を席巻をしておりました。今やゲームはスマートフォンで楽しむ時代となりまして、プラットフォーマーであるグーグルやアップル等のIT勢にその売上げを吸い取られているような、そんな状況ではないかなとも感じております。また、自動車産業に関して言えば、普及しつつある電気自動車では部品点数や工程が半減をして、日本勢の得意としてきた物づくりの比重が減り、自動運転や所有から利用への消費者行動のシフトで米グーグルやウーバーなどのIT勢の存在感が増しているのも事実でございます。
 AI等の第四次産業革命と呼ばれる分野はここでも重要となっております。将来のプラットフォームや標準を獲得していくことが我が国の競争力を確保する上でこれ大変重要なところだと思いますが、政府としてどう取組を今後行っていくのか、御見解をお聞かせください。
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松村祥史#13
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、自動車産業は電動化でありますとか自動運転化、又はコネクテッド化、所有から利用への変化等が、大きな環境変化に直面しつつあると、このように認識をしておりますし、こうした中にあって、自動車メーカーのみならず、IT企業も新しいプラットフォームビジネスを展開するなど、自動車をめぐる国際的な競争環境は変化しつつあると、共通の認識を持っております。
 こんな環境の中で、我が国の自動車産業がこれからも世界の中で高い競争力を引き続き保持することは、これはもう言うまでもないことでございまして、極めて重要なことだと認識をしております。
 そこで、私ども経済産業省といたしましては、まず、自動車産業が激化する競争に貴重な経営資源を集中して戦えるような、オールジャパンで戦えるような形が必要であると思っておりまして、その上で、各社が共通して利用する共有インフラは協調領域として設定をいたしまして、各社が協力して標準化活動や技術開発に取り組むよう支援を行っているところでございます。
 例えば、自動走行につきましては、国土交通省と共同で開催をしております自動走行ビジネス検討会におきまして、八分野の協調領域を設定したところでございます。この中で、例えば自動走行に不可欠な高精度地図の仕様の共通化でありますとか、またその国際標準化、また映像データベースの共有化などを進めているところでございます。さらに、この検討会は、もっと議論を進めてもらおうということで、協調領域の深化や拡充に向けた検討を進めていただいております。年度内には取りまとめる予定でもございます。
 引き続き、競争環境の変化に対応して、新たな付加価値を生み出す民間企業の努力を適切に支援をしてまいりたいと、このように考えております。
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岩井茂樹#14
○岩井茂樹君 まさに官民の協力だけではなくて、場合によれば省庁の連携という話も含めて、オールジャパンで取り組むという視点、大変重要だと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 続きまして、シェアリングエコノミーという概念について少し質問をさせていただきます。
 先ほど、人口減少社会での経済成長では特に生産性の向上が重要だというようなお話をいたしました。そのためにはイノベーションというのも必要ということも御指摘をいたしました。それによって新産業が創出をされ、結果として産業構造の転換がこれ図られていくんだろうなとも思っております。
 例えば、ウーバーやエアビーアンドビーなどの世界的にシェアリングエコノミーが新しい産業として急成長をしておりますけれども、シェアリングエコノミーは、眠っている既存の資源を有効活用していくという点で生産性の向上や平準化にもつながり、大きな可能性を秘めていると考えています。
 このような成長分野は、ただ、ちょっとこれは哲学的な話になるんですが、ダーウィンの進化論の適者生存の理論とでもいいましょうか、厳しい競争がなされており、日本企業が新たな革新的分野でも勝ち抜いていけるようしっかりと対応してほしいと思います。一方で、激しい競争の下では、今ある会社、事業が淘汰されていく可能性もございます。確かに、ただ既得権益を守りたいだけとか、あとは補助金に頼り切って自立はなかなか困難なケースでは、経済活性化のために、ある意味新陳代謝、これも必要だと思います。
 しかし、私は、このダーウィンの進化論の適者生存の理論だけでは足りないと考えておりまして、同じ進化について考えた今西錦司さんという方がいるんですけど、彼は日本に伝統的にある共生の思想というのを説いております。共生ですね、共に生きるなんですけれども、多様性を生かすという価値観なんですが、これを生かすことも実は日本経済にとって大変重要な視点ではないかなと考えております。
 例えば、日本の各地域には多様性のある中小企業がたくさんございます。その中で、今は小さいけれども未来のビジネスを生み出す可能性を秘めている大変やる気のある企業、これも本当に多いと思います。そういう企業はできるだけ応援をして、そして多様な主体が様々なチャレンジをしていくことが日本経済全体の活性化につながっていくと考えます。
 今国会では、審議予定の地域未来投資法案などは、地域の多様な中小企業の間で地域経済の好循環を生み出すもので、大いにこれ期待しております。
 このように、シェアリングエコノミーなどの新しい革新的なビジネスがグローバルに進展する中であっても、地域経済が活力を持ち、こうした変化と共生しながら、多様性を維持しながら発展していくことが実は重要だと考えておりますが、政府の御見解をお聞かせください。
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松村祥史#15
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。
 岩井委員御指摘のとおり、いわゆるシェアリングエコノミー、こういった革新的なビジネスの流れというのは、これはこれで極めて重要であると考えますし、これをまた国の成長に取り込んでいくということは同じ認識を持っておりまして、重要であると考えております。他方で、先生が御懸念されている部分は、地域経済の方々が、しっかりと、この担い手の方々が自然淘汰されて競争の激化の中で潰れてしまうのではないかと、こんな御質問の内容であったかなというふうに思います。
 実は今回、私どもは地域未来投資促進法案というものを出させていただいておりますが、これはそもそも、東京一極集中する企業群をそれぞれの地域の中で企業立地していただけませんかということで、十年ほど前に企業立地促進法というものを整備させていただきました。出ていただく企業の方々への税のインセンティブであるとか、また誘致してこられた首長さん方への固定資産税の減免した分の補填をするであるとか、こういった措置で企業立地を進めようということでございましたけれども、残念ながら、リーマン・ショック前は五十数兆円ありましたいわゆる投資がリーマン後三十兆円台に落ち込みまして、これが今ようやくアベノミクスの効果で四十兆円台まで回復をしてきたところでございます。そういう意味でも、地域の中で地域を牽引する企業の方々が地域経済をしっかり支えていただくことが重要であると考えております。
 そこで、今回の法案は、予算面、それから税制、規制緩和でありますとか、こういったことで地域をしっかりと引っ張っていただく企業を応援をしていこうというような観点でこれを整備させていただいているところでございます。この国会で提出をさせていただいておりますので、その中でまた十分な議論が行われることと思いますが、こういったことで、しっかりと共生の中で地域も躍動できるように応援をしてまいりたいと、このように考えております。
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岩井茂樹#16
○岩井茂樹君 ただいまの御説明を聞きまして、地域未来投資促進法案、大変期待をしておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 そして最後に、少し、ちょっと変わるんですが、日ロ関係について御質問いたします。
 私の地元である静岡県にある下田というところは、日ロの交流の原点である日露通好条約ゆかりの地でもあります。また、開国を求めて来航したプチャーチン提督のロシア軍艦のディアナ号にまつわるエピソードもいろんなところで実は残っているんですけれども、そんなことを背景に、一月に、今年の一月ですが、参議院の自民党日露懇話会の幹事として、実は団長は大臣でございますが、ロシアを訪問してきたところであります。
 日ロ間では、首脳同士で合意がなされた八項目の経済協力の具体化に向けた取組が進められていますけれども、領土問題に具体的な進展がないこともあって、ロシアへの譲歩、先食いへの懸念などの一部の評価もありました。しかし、私はそうではないと思うんですが、ただ、八項目の経済協力だけでもお互いにウイン・ウインになっているということがまだ十分説明というか理解されていないような、国民の間に、そんな気もしております。
 前回の質問で大臣から、日本企業にとってはロシアはまだフロンティアであり、本来のポテンシャルに比べてまだまだ貿易や投資額が非常に小さいので、日本企業にとってもこれは大きなチャンスになるというような御答弁がございました。
 議員交流もあります、議員間交流もあります、地域間交流もあります。経済の交流、中小企業の交流、様々なところはあるんですが、是非、大臣の思いのたけをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
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世耕弘成#17
○国務大臣(世耕弘成君) 去年年末のプーチン大統領来日に関しては、私は、やはり大きな成果があったと思います。特に、北方四島における共同経済活動、これ両首脳が膝詰めで九十五分話して、そして四島でやるということが合意をされた、これだけでも私は大変な成果だと思います。それに加えて、東京へ来てから、経済関係を中心に、これ八項目の協力プランに関連する八十二本の覚書が調印をされました。
 そしてもう一つ、非常に画期的だったのは、やはりプーチン大統領が記者会見で述べたことですね。あれ、残念ながら同時通訳が余りうまくなくて、テレビで中継を見ていた人にはほとんど伝わらなかったんですが、あれは非常に、まず平和条約の締結こそが重要だと、これロシアの首脳がこんなことを言ったのは初めてであります。さらに、先生との関連でいえば、実は記者からの質問に対して日ロの領土交渉の歴史をプーチン大統領が語ったんですが、そのとき、まさに一八五五年の日露通好条約に言及、これもロシアの首脳が言及するというのは珍しいんですね。というのは、あの条約はまさに得撫島と択捉島の間に国境を画定させた江戸幕府とロシア帝国の条約、これを向こうから言うというのはなかなかないことなんですが、そういう意味で本当に充実した会談だったというふうに思っています。
 そして、それのフォローアップとして、私は、ロシア経済分野協力担当大臣として、そして日露議員懇話会の会長として、先生にも御同行いただいて、参議院議員十名で行かせていただきました。あの訪問の意味は、やはりプーチン大統領来日から一か月を経ずして私が行ったことで、八項目の協力プラン、しっかり日本は本気でやるんだ、覚書で終わりにしないという姿勢を示せたということと、あれだけの議員が集団でロシアへ行くというのは近年なかったことだというふうに思いまして、日本の国会も、与党ということになりますが、サポートをしているということだと思います。
 特に、この八項目の協力プランをロシア国民によく知ってもらわなければいけない。日本と付き合うとこういうことが動き出すんだということを知ってもらわなければいけない。そのためにも議員の皆さんのサポート、そして議員交流をやってもらって、ロシア側の国会議員に理解してもらって、地元で語ってもらうということも非常に重要だというふうに思っております。
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岩井茂樹#18
○岩井茂樹君 ありがとうございます。以上で質問を終わります。
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滝波宏文#19
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 まず、昨年末に政府が廃炉の決定をした地元福井県に所在する高速増殖炉「もんじゅ」に関連し、質問したいと思います。
 「もんじゅ」については昨年十月二十日の本委員会においても質問させていただきました。その中で、本件は非常に多くの論点を抱えるものでありますが、とりわけ大きく三点、最終決定の前にしっかりと整理していただく必要があると申し上げました。一つ目には、地元立地の理解、納得を確保した上での結論を出していただかねばならないということ。二つ目には、日米原子力協定を含む安全保障上の問題。三つ目は、核燃料の最終処分との関係であります。
 この三点の中で最も重要な点は、一点目、地元立地地域の方たちの理解、納得を得ていくということであると申し上げたのですが、残念ながら、年末の時点で福井県も敦賀市も納得できないとして、現在、延長戦になっていると理解しております。この点、立地選出国会議員として大変大きな危機感を抱いております。
 年末年始、地元にずっと張り付いて、立地の声を聞いてきたわけでありますが、やはり特に重く強い意見として、建設をするときには、地元に日参してとにかく頼むと、丁寧丁寧に説明をして初めて立地というふうなことになるわけですけれども、出ていくときには、地元に話をしないで東京で勝手に決定して出ていってしまうんだと、こういう不満、嘆きが多く聞かれました。
 この話は高速炉だけではなく、軽水炉を含めた原子力政策全体に関わる話で、大変憂慮すべき事態だと思ってございます。もちろん、「もんじゅ」のこの廃炉の着手、するまでには地元自治体の了解を得なければならないということで、年末の決定で担保されていることは承知しておりますけれども、国と立地地域との信頼関係確保という観点から、本件にしっかりと対応していただく必要があると思います。
 ついては、ちょっとうまく、年末、全て収まっていればいいなと願っておりましたが、こういう状況でございますので、「もんじゅ」に関連して、あえて、あるべき姿について論じさせていただきたいと思います。
 顧みれば、「もんじゅ」は、つまるところ、省庁間のはざまで残念ながら死の谷にはまってしまったものだと思っております。これには大きく二つの側面がありまして、その一つは、この高速炉開発において、いわゆる実験炉、原型炉、まあ原型炉は「もんじゅ」でありますが、この第一、第二段階までが文科省、そして実証炉、実用炉、第三、第四段階が経産省と、実施所管省庁が分かれてしまっていることについての国の権限のはざまの問題です。
 一般に死の谷というのは、新しい企業が、起業したスタートアップが、イノベーションを研究段階から実用化に至る途中でお金が続かなくなる、こういうファイナンスの問題としてよく言われることが多い言葉ですが、今回は実施所管省庁の権限のはざまという死の谷、一つ目ですけれども、この死の谷にはまってしまった。
 この点、福井県知事も今回納得できていない理由として、廃炉の体制がきちんと整理されていないという問題を取り上げております。もちろん私は、決して西川知事や渕上敦賀市長、また県議会、敦賀市議会の代理としてここに立っているわけではありませんし、自分の考えで今申し上げているわけでありますが、立地地域の選出国会議員としてお話を、地域の有権者の声を踏まえてさせていただきたいと思います。
 その立場から、私は、やはりこの実施所管省庁が一体化したエネルギー省の設置、これが必要だと思っております。すなわち、「もんじゅ」の廃炉も含めて今後のエネルギー分野における各施策の実施に当たっては、文科省のエネルギー部隊が経産省にある資源エネルギー庁と合体して、一気通貫に研究段階から実用段階まで責任を持っていかねばならないと思っております。
 もちろん、これは一朝一夕でできることではないでしょう。ただ、少なくとも関係省庁が連絡会議を、どなたをヘッドにするか分かりませんけれども、適宜開催すると、こういった程度でこの問題が解決する、高速炉等開発の現場がしっかりと前に進むというふうなこととは思えません。少なくとも、この先エネルギー省の母体になるような、例えば本部設置とか、しっかりした実施所管省庁の一体化に向かう第一歩を踏み出していただきたいと思ってございます。
 この立地の声を踏まえた政府の見解、本件について伺いたいと思います。
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小澤典明#20
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
 先生御指摘の原子力関連の長期の技術開発を始め十数年単位の長期にわたって取り組むべき研究開発、これは、いかに円滑に実用段階に橋渡しをしていくべきかということ、そういう視点が極めて重要でございます。高速炉の開発に関しましては、まさにこれから実証のステージ、これに入るところでございまして、これまでの研究開発の成果と教訓を踏まえつつ、関係者が緊密な情報共有と責任の明確化を行った上で今後の具体的な道筋を描いていかなければならないと考えております。
 こうした考えの下、昨年末、原子力関係閣僚会議で決定した高速炉開発の方針におきましては、世耕大臣が議長を務めます高速炉開発会議の下、新たに戦略ワーキンググループを設置し、二〇一八年を目途に今後十年程度の開発作業を特定するロードマップを策定するということにしております。戦略ワーキンググループでは、当省及び文部科学省が緊密に連携すること、これはもとよりでございますが、関係者が一体となって検討を進め、実用化を見据えた研究開発の道筋をしっかりと議論し、具体化することが重要でございます。
 高速炉の研究開発から実証そして実用化までをにらんで、関係者一体となって取り組んでまいりたいというように考えております。
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滝波宏文#21
○滝波宏文君 これに関連して、次に実施機関の話をしたいと思います。
 高速炉開発等については、実施所管省庁の下で実施機関として研究開発法人である原子力機構が担当してきましたが、「もんじゅ」に関連して様々な方から話を聞くと、法人形態に由来する制約、硬直性に行き当たります。例えば、原子力機構がメーカーや事業者から何らかの対応をしなければならないと、こう指摘を受けた場合に、研究開発法人というのは独立行政法人の類いだと理解しておりますけれども、まず来年度予算を要求してそれが付かなければいけないので、対応はその先になりますよというふうなことになっている。
 このスピード感では、関係者からの信頼、協力関係の確立が不十分になっても仕方ない。とりわけ、この対応の必要が安全に関わる話であれば、立地としてもこの制約、大変心配なところがあります。関係者の信頼、協力を得るためには、私は、やはりこの際、研究開発法人の枠を取り払って、株式会社とは言いませんけれども、例えば認可法人のような、より柔軟な迅速な対応ができる法人形態に移行すべきではないかと思ってございます。
 この点、今回の年末の整理だと、文科省の下、原子力機構が「もんじゅ」からちょっと逆戻りして第一段階の実験炉である「常陽」も使いながら研究するという話と、別途、第三、第四段階に当たりますけれども、フランスのASTRIDを中心とした実用化については、これは経産省の下、中心に実施していくというふうになっておりまして、この実施機関レベルでも再び死の谷にはまっていかないかという憂慮をしてございます。
 もちろん、これも簡単ではないんでしょうが、「もんじゅ」を無駄死にさせないためにも、この際、さきに述べた、より柔軟、迅速な対応ができる法人形態も踏まえつつ、実施機関レベルにおいてもこの死の谷問題解決に向かって意義ある一歩を踏み出していただきたい。少なくとも、例えば法改正までするのに原子力機構の法人形態を維持したまま単に廃炉業務だけを追加する、こういう小手先の法律改正で終わらせるというようなことでは私は不十分だと思ってございます。この点、政府の見解を伺いたいと思います。
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田野瀬太道#22
○大臣政務官(田野瀬太道君) ありがとうございます。原子力機構の体制についての御質問をいただきました。
 委員御承知のとおり、原子力機構というのは、主務大臣から示された中長期の目標の下、具体的な業務執行が法人の自主性と自律性に委ねられるという国立研究開発法人として、法人の判断で柔軟な事業運営が認められている、そういう組織となっておるところでございます。
 「もんじゅ」につきましては、原子力機構が廃止措置を着実かつ計画的に実施できるよう、関係府省が一体となった事業の指導監督体制の整備、また、原子力機構においても、現場の判断で柔軟な業務運営が可能となるような仕組みを今後とも構築してまいりたいと、そのように考えておるところでございます。
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滝波宏文#23
○滝波宏文君 実施省庁間のはざまの話、実施機関のはざまの話含めて、しっかりやっていただきたいと思いますけれども、次に、大きくもう一つ、この省庁間のはざまで「もんじゅ」がはまってしまった死の谷について指摘したいと思います。
 それは何かと申しますと、原子力規制委員会と実施所管省庁とのはざまであります。本日も田中原子力規制委員会委員長においでいただいておりますけれども、そもそも原子力規制委員会は、原子力機構では「もんじゅ」の運営管理が十分できないのでほかの主体を見付けてこい、さもなければ廃炉にしろ、こういうのが当初の勧告でありましたけれども、ところが、廃炉が決まった途端に、今度は田中委員長は、廃炉という管理運営ができるのは原子力機構しかないというふうに言われました。廃炉が決まる前と決まった後で言っていることが矛盾しているんじゃないかという声、これ非常に強く地元で聞かれます。
 私も正直何だかよく分かりませんけれども、何とか無理くり整合性を取ろうとすると、結局、田中委員長はただただ「もんじゅ」を廃炉にしたいという思いだけだったのではないか、核燃料サイクルは嫌いなんだということだったんじゃないかというふうに思ってしまいます。田中委員長、結局そういうことだったんでしょうか。
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田中俊一#24
○政府特別補佐人(田中俊一君) まず、勧告について申し上げますと、勧告の内容は、「もんじゅ」の出力運転を前提として、その運営主体として原子力機構は不適切であると指摘したものであります。廃止措置の実施主体について述べたものではないということは申し述べておきたいと思います。
 「もんじゅ」の廃止措置は、その設置者である原子力機構が原子炉規制法に基づいて認可を受けた廃止措置計画に従って的確に実施する義務を負っております。したがって、原子力機構が行う必要があります。
 なお、当該勧告について幾つか御指摘がありましたけれども、原子力機構が出力運転の段階において保安上の措置を適正かつ確実に行うことができると認められないことから発出したものであり、「もんじゅ」を廃炉にしたいがために行ったものではないということを申し上げておきたいと思います。
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滝波宏文#25
○滝波宏文君 私がちょっと理解できないのは、三・一一で福島事故があったときに、稼働しているところが事故を起こしたわけじゃないんです、だけが起こしたわけじゃないんです。稼働していないところも炉が水素爆発を起こしている。したがって、その出力運転、稼働をしていることだけでそれだけの差が付く、機構は任せられる任せられないということについて、そもそも三・一一の教訓をちゃんと踏まえているのかというふうな疑問を私は持ってございますし、そもそも、結局「もんじゅ」は田中委員長にとどめを刺されたんだなというふうに、翻弄されたんだなというふうに感じてございます。
 私は、この三・一一後の新しい規制組織として規制委員会は、何よりこの立地地域の人々の気持ちを第一に踏まえて、それを最大の基礎として立ち直ることがあるべき新生規制委員会の姿だったんだと思ってございます。ところが、大変残念ながら、実際はそうなっていないんです。
 それが顕著に現れたのは、先月、まさに「もんじゅ」をめぐって起きました。規制委員会が突如、早く「もんじゅ」を廃炉にしろと機構に対して言って、それに対して福井県知事がびっくりして、文科省の局長を呼んで抗議をしたと。すなわち、安全確保のために昨年から、きちんとした廃炉の体制が取れるのか、取れるまでは廃炉着手はまかりならぬ、体制どうするんだ、こういうふうに国の方に問いかけていたのに、突然別の国の組織が出てきて、この立地自治体とのやり取り、経緯を全く無視して性急な話を出してきた。これが規制委員会が言ってきた話であります。
 私が聞いたところ、「もんじゅ」というのは非常に最先端なものなので、単純に燃料棒をどんどん引き抜いていくだけでは駄目で、一本抜くためにはその重さをバランスするためにダミー棒を代わりに入れて、それで次を抜くときもまたバランスを取りながら新しいダミー棒を入れていくと、こういう作業を丁寧に順々にやっていかなきゃいけないことを始めとして、多くの未知の部分があるので、リスクを抑えるためにも、燃料棒取り出しだけでも約五年半は掛かるというふうに聞いてございます。しかし、田中委員長以下の規制委員会は、なぜかそれでは駄目で、もうとにかく早く廃炉せよというふうにせかしたわけであります。
 すなわち、規制委員会は立地自治体の思いと逆を向いている。未知の廃炉作業において安全をしっかり確保していかなきゃならないと、こういう立地の気持ちを本当だったらしっかりくみ上げながら規制委員会が主導していく、これが理想の形であるはずですけれども、現状はそれに程遠いことが、大変嘆かわしく思っております。
 累次の質問を国会で積み上げておりますので概要だけ申し上げますが、田中委員長は、現地の視察は、この間、伊方、川内と行かれてようやく十一回になったと聞いておりますが、福島以外は島根と今回の川内、伊方だけ。引き続き、全国最大の原子力集積地である福井県には足を運ぼうともしておりません。四年半の任期で十一回ですから、僅かに年に二、三回のペース。一方、任期十か月の間に、関係する大臣の方々、高木復興大臣は三十九回の現地訪問、丸川環境大臣兼原子力防災担当大臣は二十六回と、年じゃないですよ、月で三、四回のペースだったわけです。この年に二、三回、それから月に三、四回、この現場主義に対する努力というのは、正直、雲泥の差だと私は思います。
 また、規制委員会委員長御就任三年目、ようやく西川知事が初めて田中委員長にお会いしたときに露呈されたのですが、田中委員長は、個別の知事さんに会うととても時間が足りないが、知事会の代表として来ていただき、その機会にお話を伺うことはあると思うと応じられたというふうに報道されております。
 西川知事は全国知事会の原子力発電対策特別委員長、これやっているので会ったのだと。すなわち、単なる一知事じゃ会わないよと、全国組織の代表じゃないと会わないよということじゃないかと思いますけれども、これは私、正直、全く納得ができません。一つでも原子力発電所があれば、立地が直面するリスクというのは、町の大小とか全国代表かどうかと、こういったことでは左右されないはずであります。立地自治体の長が来たら、もちろん時間の制約はその時々あると思いますけれども、時間の許す限り会うべきであって、私は委員長だから全国の代表者しか会わないんだと、こういう門前払いのような態度では全く論外だと思います。
 事ほどさように、田中委員長には、立地のコミュニケーション、現場主義への努力に大きな疑問があるわけです。そのため、先月ああいう、起こるべくして起きたんだなと思ったりもしますけれども、今回、「もんじゅ」の廃炉の進め方に関して立地の思いと明らかに大きくずれてしまったことについて田中委員長はどう考えているのか、やはり立地軽視、現場無視ではないのか、お伺いしたいと思います。
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田中俊一#26
○政府特別補佐人(田中俊一君) 「もんじゅ」の廃止措置について、幾つか御質問がありましたので、一つごとお答えいたします。
 まず、勧告をよく読んでいただければ分かりますけれども、「もんじゅ」を安全に運転する代わりの主体が見付からないのであれば、速やかにその安全を確保できるような措置をとっていただきたいということを申し上げてあります。
 そういう意味で、「もんじゅ」の場合には、やはり原子炉の場合は一般にそうですけれども、原子炉の炉心の中に燃料があるというのが一番リスクが大きいわけです。ですから、それを速やかに抜いていただきたいと。軽水炉、一般の発電炉であれば、燃料を抜くというのはほぼ日常茶飯事に行われていることですけれども、「もんじゅ」の場合には、今回改めて私も驚いたんですが、炉心から燃料を抜くのに五年半も掛かるということです。その抜くための燃料を取り扱う装置の点検に一年掛かるというんです。普通の原子力発電所であればとても考えられないような事態になっているということです。
 ですから、まず私どもがお願いしたのは、その燃料を取り扱う装置の点検というのは、別にこれは安全上の問題ではなくて装置の点検ですから、それを速やかにやっていただきたいと。と同時に、燃料を抜く部分に関して、普通、廃炉措置計画の認可というのは炉心から燃料を抜けた段階でそういった審査をするんですが、「もんじゅ」の場合はそういった、今先生御指摘のように、非常に難しい、いろんなリスクも伴うものですから、そういった段階から私どもはきちっと関与して安全を確保していくという体制を取っていくという判断をしたわけです。そのために、特別のもんじゅ廃止措置安全監視チームも設置して、それを継続的に見ていくということであります。
 燃料を抜く、それから全体の廃止措置には四十年ぐらいは掛かるという原子力機構からの申出がありましたので、それについてはまずリスクを低減するという、リスクの大きさを考えながら順次計画を立てていただきたいということで、それも速やかに計画を立てていただくようお願いしています。
 私どもは安全を確保するということ、それが多分、立地自治体にとっても最も大事なことだと、今先生御指摘のとおりです。そういうことを、そのためにやっているんであって、立地自治体に御相談しながら安全確保をどうするかということを考えるというのは少し筋が違います。我々が判断したことについて説明するという責任はあると思いますけれども、立地自治体が安全確保についてどうすべきだということ、気持ちは分かりますけれども、そこはまず順番が違うんだというふうに思います。
 それから、私が立地自治体に大臣と比べて行くのが少ないとかという御指摘もありましたけれども、私は大臣ではありません。ほかに原子力規制委員長としてきちっとした仕事を日々忙しく過ごしております。全くそれは比較にならないことだというふうに思います。
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滝波宏文#27
○滝波宏文君 委員長、今の話は正直ちょっと失言だと思います。大臣が日々の大事な仕事していないんですか。大臣も規制委員長と同様に、あるいはそれ以上に重い仕事をやっているし、プラス政治家でちゃんと選挙民、有権者との関係もつくらなきゃいけないんですよ、より大変なんですよ。その中で大臣の方々が月二、三回頑張って現地も見ているわけですよ。私は、むしろ委員長の努力不足だと思います。
 それから、さっきおっしゃったように、気持ちは分かるがとおっしゃいましたけど、何で知事がびっくりして呼ばなきゃいけないことになっているんですか。それは皆さんの説明が伝わっていないからじゃないですか。だから現地主義、立地地域とのコミュニケーションが大事だと私は言っているんですよ。単なる学会で話しているのと違うんですから、大事な、もう非常に強大な規制行政をやっているんですから、しっかりと立地地域とコミュニケーションを取っていただいて、現場に足を運んでいただいて、地域の人たちの心を酌み取る、その作業こそが大事なんだということがなぜ分からないのかというのが私には逆に疑問であります。
 今、その新しい炉規法、原子炉等の法律ですけれども、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、この改正法案、規制委員会の方から提出されております。この点について、以前から私が当委員会も含め質問申し上げてきた予見可能性及び適正手続の確保等の観点からの修正や、また、先ほどおっしゃっていましたけれども、「もんじゅ」の特性の話も大分されていました。今回の改正案には「原子力施設の安全上の特性に応じ、」というふうな言葉も法律上に明言されていて、専門家の世界で言われるいわゆるグレーデッドアプローチ、これも入れていくというふうな話になってございます。
 こういうものをきちんと私は積み上げていただかなきゃいけないし、当然そのことについて、ちゃんと立地自治体が、立地地域が分かるようにしなきゃいけないんですよ。それを、あなた方が説明をしているから大丈夫ですというんじゃなくて、説明が分かりましたというのは立地地域の人たちなんですから。そこを逆にしていただいたら大変私は困る。
 そういう意味で、今回の法改正、早急に法律通していただいた上で実体をちゃんと魂を込めていただくとともに、この立地とのコミュニケーションの向上、それから現場主義の徹底、そして国における他の関係省庁との連携も確保していただくことで、是非早急に成熟した規制行政に移行、脱皮してもらいたいと立地の立場から切に願います。
 そして、ここで、エネルギー政策全般を担っている経済産業大臣にお伺いいたします。
 これまで述べさせていただいて、実施所管省庁及び実施機関、規制機関との関係という現行体制の死の谷の問題について、私は、「もんじゅ」が無駄死ににならないようにするためには、研究から実用化まで、エネルギー省のようなより一貫した所管省庁体制を取るべきだと。また、実施機関も認可法人のようにより柔軟、迅速な行動の取れる法人形態に移行すべきと。そして、規制機関との関係も、国として、これ自治体等からすれば、規制機関だろうが何だろうが、いずれにせよ国の行政機関なので、国としてまとまって、しっかりとワンボイスですね、立地自治体地域と向かい合っていただき、その声をちゃんと受け止めてもらうようにしていかなければならない、こういうふうにそれぞれ思ってございますけれども、今ばらばらになっている現状の統合整理に向けた経産大臣の見解、決意をお伺いしたいと思います。
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世耕弘成#28
○国務大臣(世耕弘成君) 確かに、今原子力行政に関わる部分というのは、いろんな大臣の下、そして規制委員長の下に分かれております。特に、元々規制委員会は原子力保安院という形で経済産業省の中にあったわけですが、あの三・一一の事故を受けて利用と規制はしっかり分けようということで、独立性の強い規制委員会になっているわけであります。それ以外でも、例えば原子力の平和利用に関する外交交渉となると、これは岸田外務大臣のところになります。原子力防災対策ということになりますと、これは原子力防災担当大臣としての山本公一大臣ということになります。また、福島の廃棄物ですとか中間貯蔵、そういったことに関しては今村復興大臣とそして環境大臣としての山本大臣の所管ということになります。高速炉の研究ということになりますと、これは松野文科大臣ということになります。あるいは、原子力損害賠償審査会ということになると、これまた松野文科大臣になりまして、そして原子力の研究開発のいろんな調整ということになると鶴保科学技術政策担当大臣と。ぱっと挙げただけでもこれだけ多岐にわたっているわけであります。
 しかし一方で、安倍内閣というのはこういった省庁間またがることを官邸がコーディネーターとなってきちっと調整をするということをやってきております。今でも、例えば原子力関係閣僚会議ですとか、あるいは「もんじゅ」の取扱いについては高速炉会議というのを立ち上げて調整をさせていただきました。適宜、必要に応じて官邸が調整をするという機能は、安倍内閣ではこれはしっかりワークしているんではないかというふうに思います。
 地元の気持ちを込めて滝波委員の思い、エネルギー省に一元化してくれという思いもよく理解はできますけれども、組織論ありきではなくて、組織論に時間とエネルギーを掛けるんではなくて、こういうふうに柔軟に官邸が中心となりながら、そして私もエネルギー政策担当の大臣として自分もしっかり先頭を走りながら、各省庁間の調整ということをやっていくということがまず重要ではないかなというふうに考えております。
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滝波宏文#29
○滝波宏文君 福井県は、長年にわたり原子力の関係についてパイオニアの一つとして国策に協力してきた地域であります。今回のこの「もんじゅ」について、先ほど申し上げましたけれども、無駄死にすることのないように、しっかりと前に進むように関係各省の御協力を、そして御尽力をお願いしまして、ちょっといろんなところをお呼びしましたが、時間の関係で申し訳ございません、区切りの関係でここで終わらせていただきますが、どうかよろしくお願いいたします。
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