法務委員会

1959-12-11 参議院 全90発言

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会議録情報#0
昭和三十四年十二月十一日(金曜日)
   午後一時三十一分開会
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  委員の異動
十一月二十一日委員藤田藤太郎君辞任
につき、その補欠として千葉信君を議
長において指名した。
十二月一日委員後藤義隆君辞任につ
き、その補欠として津島壽一君を議長
において指名した。
十二月三日委員亀田得治君辞任につ
き、その補欠として清澤俊英君を議長
において指名した。
十二月七日委員平井太郎君辞任につ
き、その補欠として大沢雄一君を議長
において指名した。
十二月八日委員横山フク君辞任につ
き、その補欠として後藤義隆君を議長
において指名した。
十二月十日委員清澤俊英君辞任につ
き、その補欠として秋山長造君を議長
において指名した。
本日委員秋山長造君及び山口重彦君辞
任につき、その補欠として占部秀男君
及び鈴木強君を議長において指名し
た。
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 出席者は左の通り。
   委員長     大川 光三君
   理事
           井川 伊平君
           後藤 義隆君
           高田なほ子君
   委員
          大野木秀次郎君
           林田 正治君
           占部 秀男君
           鈴木  強君
           千葉  信君
           辻  武寿君
           赤松 常子君
  国務大臣
   法 務 大 臣 井野 碩哉君
   国 務 大 臣 石原幹市郎君
  政府委員
   警察庁長官   柏村 信雄君
   法務省刑事局長 竹内 寿平君
  最高裁判所長官代理者
   事 務 次 長 内藤 頼博君
   刑 事 局 長 樋口  勝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  説明員
   公安調査庁次長 関   之君
   警 視 総 監 小倉  謙君
  —————————————
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (国会構内乱入事件に関する件)
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大川光三#1
○委員長(大川光三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 初めに理事の補欠互選についてお諮りをいたします。十二月一日の委員異動に伴いまして、理事が一名欠員となっておりまするので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。前例によりまして成規の手続を省略して委員長の指名に一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大川光三#2
○委員長(大川光三君) 異議ないと認めます。
 それでは委員長から後藤義隆君を理事に指名いたします。
  —————————————
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大川光三#3
○委員長(大川光三君) 次に、本日の議事に入ります。去る十一月二十七日安保条約改定阻止国民会議第八次統一行動に際して、デモ隊の国会構内乱入事件が発生いたしまして、目下これが善後策について各方面において調査ないし折衝が行なわれておりまするが、そのうちデモを規制する案につきましては、八日に加藤衆議院議長から立案要綱が示され、新しい局面を迎えておりますることは、御承知の通りであります。当委員会といたしましては、事件が国会の権威保持の立場からいって、未曾有の不祥事であるばかりでなく、検討すべき法制上の諸問題を含んでいると考えまするので、一応事件の概要について、警察当局から説明を聴取した上で破壊的団体の介在の有無、事件との関係、当日の警備計画に関する諸問題、集団行進ないし集団示威運動等の規制に関する外国の事例、法制上の問題等について調査を行ない、よってかかる事件の再び繰り返されることのないよう、慎重なる検討を加えることの緊要なることを認めた次第であります。なお、これに関連して、裁判所周辺における集団示威運動等の事例についても、合わせて調査を行ないたいと存じます。また、本件調査に関して議員個人の責任問題の糾明などは、一切本委員会の調査の目的とするところではありませんので、当委員会の関知せざることはもちろん、委員各位におかれましても、個人の責任問題に関する質疑等はお差し控え下さるよう委員長から要望いたしておきます。なお、事件の概要につきましては警察庁からの説明プリントが配付してございますので、重ねて説明をわずらわすことを省略いたしまして、これより直ちに質疑を行ないます。御質疑のある方は、御発言を願います。
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井川伊平#4
○井川伊平君 去る十一月二十七日の国会の周辺に押し寄せて参りましたデモがついに国会の構内に乱入し、相当長い時間構内の一部を占拠しておりました事実がありました。また、昨日の何か国会周辺にデモが押し寄せてくるといううわさが盛んでありましたが、大したことがなくて済みましたことは、御同慶であります。言うまでもないことでありますが、国民は憲法によって集会、結社、表現の自由、請願をなす等の権利を保障されておりますが、しかし、これらの権利といえども、乱用は許されていないところであります。従ってデモの国会の構内に乱入し、これを占拠するがごとき行為及び国会における審議の妨害となるような行為は、厳に禁止すべきものと考えられます。つきましては、次のことについて法務大臣の御意見をお尋ねいたしたいと存じます。
 デモを行なう人たちの基本的人権を守るとともに、国会の尊厳の維持と審議の妨害を受けることのないようにすること等に関しまして、深く考慮しなくてはならないところでありますが、この間の調和をどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いいたしたいと存じます。
 それから、国会周辺のデモ規制に関しましては、さきに衆議院議長の試案が発表されましたが、これは国民の請願権とも関連いたしまして慎重に考慮すべき点が多々あるように考えられまするが、条例にのみまかせておいたのではおもしろくない。立法的、法律規制をする必要がある、こういうような考え方につきましての御意見をお伺いいたしたいと存じます。
 以上、三点につきましてお伺い申し上げます。
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井野碩哉#5
○国務大臣(井野碩哉君) お答え申し上げます。まず、第一の基本人権の問題とデモの関係の調和点はどこにあるかという御質問でございます。これはただいまお尋ねの通り、国民としましては集会、結社その他の自由を憲法によって保障されておりますが、その保障されております自由につきましても、ある制限のありますことは、憲法十二条に明らかにされておるところでございまして公の福祉に反しない限度においてそういうものが認められており、これは大審院の判例もそういうふうになっておりますので、すでにわれわれとしてもその通りだと考えております。でございますから、デモ、集会というものは、憲法によってその自由を認められておりますけれども、その限度は憲法によって制約されております。ですから調和点もおのずからその点に求めざるを得ないのではなかろうか、こう考えております。
 それから、第二の議長試案とデモ規制の関係でございますが、法務当局といたしましても、今回の事案にかんがみまして、現在の現行法では十分にいかない点があるのではなかろうか、やはり国会というような神聖なる殿堂であり、国会審議が平穏かつ自由に議せらるべきはずのものである以上、議会主義を原則とするために、わが国におきましては国会周辺というものを神聖化して、そこに不穏のデモの生じないようにすることは当然だと考えております。それには何らかの規制立法が必要ではなかろうかと、こう考えまして、その点の調査も進めて参りましたが、しかし、これは単に政府部内だけの問題でなく、国会の問題でございますから、国会ともよく一つ相談してこういう問題を取り扱いたいと考えておりましたところ、たまたま議長の方でこれを取り上げられまして、議長の方で立案をされたような次第でありまして、案自体の内容は、まだ試案でございますから、御批判申し上げる程度にはなっておりませんが、何らかの立法措置を必要とするということにつきましては、今の行き方について私は是なりと信じております。
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井川伊平#6
○井川伊平君 次に、警視総監にお伺いを申し上げますが、それは今次のデモ事件の実相についていろいろお伺いするわけでございます。すなわち、デモに対しまする参加人員の数はどのくらいであったか、それからデモの構成はどういうようになされておったか、その内容をできるだけ詳細に、それから行動の概要、それから負傷者がだいぶ出ておるようでありますが、そうしたような事故発生の状況、もし建造物その他の毀棄等がありましたならばそういうものの詳細、それから国会の構内に入って参りました、乱入いたしました人の数はどのくらいであったか、乱入時の前後の状況、こういう事柄についてお伺いをいたしたいと存じまするし、なお、デモに関する事前の情報があったのかどうか、情報があったとすれば、これに対しましてどういうような警備態勢がとられておったのか、事前の情報があり警備態勢が整えられておったのにかかわらず、国会の構内に乱入するあの行為を阻止できなかった特殊の事情があるとすれば、その詳細、こういう点につきましてお伺いいたしたいと存じます。
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小倉謙#7
○説明員(小倉謙君) 十一月二十七日の第八次統一行動と称せられる日における国会周辺の請願行動でございますが、この際に集まりました数は、おおむね二万四千二百名と私どもは見ておるのでありまして、そのうち学生が四千九百名、場所的に申し上げますると、チャペル・センター前に全部で約一万一千三百名、うち学生約二千名、人事院付近に六千七百名、うち学生一千四百名、特許庁付近に六千二百名、うち学生一千五百名、合わせまして先ほど申し上げましたように二万四千二百名、学生がその中で四千九百名、この程度であると思うのであります。学生以外は、労働組合あるいは各種の団体、ほとんどすべての安保改定に反対をしておりまする団体、組合等が参加いたしているのであります。この中で国会に入りました者の数は、一番多いときで約一万二千名くらいであったのではないかと思うのであります。
 そこで当日の行動の概要でありますが、先ほど申し上げました三カ所にそれぞれの集団が集まりまして、午後三時ごろからいわゆる請願行動と申しますか、国会の近くに向かいまして行動を起こして参ったのでございます。なかんずく特許庁前に集まりました六千余名、それからその方向に人事院の集団から回って参りました者たち、この勢いが激しいものがございまして、特許庁の方から総理公邸の方に回って参ります際に、グランド・ホテル前、あるいは総理公邸坂下等におきまして負傷者が数十名出ております。それから特許庁の反対の方向の横から第二議員会館の方向に出て参ったのでありまするが、その途中で通産省前、そのあたりでこれも約数十名の負傷者、警察官だけでそのような負傷者が出るというような激しい行動であったのであります。そこで、総理官邸付近及び衆議院第二議員会館付近に多数の集団が出て参ったのであります。また、地下鉄から出て参りました学生あるいは組合員が約三百名余であったと思いますが、これを警察力をもって総理官邸の方向に規制をしていると、こういうようなその方面の状況であります。
 一方、チャペル・センター前におきましては、三時半前からいろんな激励演説等がありまして、三時四十五分ごろからこれから国会に行くんだということで、全学連あるいは組合員などの若い者、これが先頭になりまして激しくこれを制止しておりまする警察部隊にぶつかって参ったのであります。チャペル・センター前におきましては、この集団を制止しますために、車道においては車を並べまして、これを制止しておったのでありますが、チャペル横の歩道のところに激しい突っ込みが行なわれまして、そこでチャペルの壁に押しつけられて助けてくれというような声が出たり、あるいは歩道と車道の間に立っておりまする道標に足をとられて倒れる、その上に折り重なって倒れるというような混乱の状況が出て参りまして、その際に双方に相当の負傷者が出ておるのであります。警察官のみでもこの付近で約百名の者が負傷をいたしておるような状況であります。そのような負傷者の救出、あるいは助けてくれというような声に対して、これ以上押えては死傷者が一そう出るというような状況でありましたところを、ついに先頭の者が制止線を突破して参りまして、これを無理に押えると、そういうような死傷者が出るという非常に悲惨な事態になるというような状況もうかがわれたのでありますが、この出てきたものを人事院の方向に流そうということで努力をし、一たんはその方向に流れかかったのでありますが、これが再び国会正門の方に向かって激しく出てくる、あとから続々とチャペル・センター前全体の一万余というものが押し寄せてくる、こういうような状況に相なったのであります。
 国会正門の前には、チャペル・センターで直接制止をしております警察部隊のほかに、相当の警察力をもって警備をいたしておったのでありますが、その少し前あたりに地下鉄から出てきたもので、総理公邸の方に制止をしておったもの及び総理公邸及び第二議員会館付近に特許庁等からずっと出てきましたあの集団が、またきわめて激しく抵抗をするというようなことで、その方に国会正門前の警察部隊の中から相当数を急派する、こういうような状況になっておったのであります。
 そういうような実情でありまして、ついに国会正門を激しい全学連及びその他の者によって、とびらを破られて突破される、こういうような状況に相なったのであります。最初にとびらを突破して入りました者、それを途中でまたとびらを締めまして制止したのでありますが、最初に入りました者は約三百余名であったと存じます。その後、さらに警察力をもって約二、三十分の間あとの集団に対して阻止をいたしておったのでありますが、そのころ、さらに総理公邸方面の集団が国会正門の方に向かって入ってくる、出てくる、また垣根を乗り越えて国会構内に入ってくる者がある。さらに初めに入りました三百余名の中の学生が正門の所に戻って参りまして、学生が力をもって正門をあけるというようなことがありまして、ついにそのあとの多数の集団も国会構内になだれ込んでくる、こういうような状況に相なったのであります。当時の乱入前後の状況は、そういうような状況でございますが、最も多いときには、先ほど申し上げましたように約一万二千名くらいに達したかと存じます。
 それから警察官の負傷者の数は三百二十八名、約三百二、三十名であります。そのうち入院いたしました者は十六名、二週間以上の負傷をいたした者が六十名余という状況でございます。
 それから第二にお尋ねのございました事前にこういう情報を察知しておったものかどうかということであります。警備上、これに対する措置はどうかという点でございますが、この第八次統一行動日とされておりました二十七日に、安保条約改定阻止国民会議において国会に対する請願行動を行なうということにつきましては、事前にもちろん承知をしておったのでありまして、私どもの従来の考え方でありまするが、たとえ請願あるいは陳情という名前であっても、そのような多数による行動というものは、事実上の集会でありデモである。これは公安条例に違反するおそれが濃厚であるという考えから、責任者であります国民会議の事務局の次長外一名を警視庁に招致いたしまして、そのような計画があるようだが、極力一つ合法的にやってもらいたいということを強く申し入れたのでありまするが、その責任者の話によれば、これは一人一人が請願を行なうのであるということで、これは許された憲法上の権利を行使するのである、こういうような主張をしまして、私どもの警告になかなか応じない、やはり予定通りやるのだというようなことの話があったのでありますが、私どもといたしましては、極力主催者において厳重に統制をとって間違いの起こらぬようにしてもらいたい、さらに計画についても、よく再検討してもらいたいという趣旨を申し述べたのであります。また、当日現場におきましても、すみやかにこういうような行動を切り上げて解散するように持っていくようにということを、責任者に対して何度も警告をいたしたのであります。また一方、全学連等におきまして、当日のこの大規模な請願行動に参加して国会の中にわれわれは突入するのだという計画があるという情報も事前に察知しておりまして、そういう意味でも、特に当日の警備には注意をいたしたのであります。従来国会周辺の警備には、多いときで三千名の警察官を配置しておるのが実情でございまするが、当日は五千七百名に上る警察官を配置いたし、また予備部隊としてそれぞれの部署において三千名の待機を命じておった実情でございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、まことに私ども遺憾に存じておるのでございますが、ああいうような不祥事に発展いたしまして、今後の警備について一そう検討をいたしたい、こういうふうに考えておりますが、一番問題の点は、私どもとしましてはああいうような行為が、いかに請願という名前をつけましても、これは法に認められない集会であり、集団示威運動であるという考えで取り締まりをいたしておるわけでありまするが、これを行なう人たち、ことに主催者あるいは指導をされる人たちの考え方は、これも憲法に認められた請願権の行使であって当然許された行為であるという考えを持たれ、また国会議員の方たちもこの計画に参画して、そうしてそのような考えで計画を指導され、また現場においても指導されておる。従いましておそらくこれは違法ではないのだというような考え方で非常に気勢を上げ、力を出される。これは私どもは違法である、こういう考えで取り締まりをするわけでありまして、どうしてもそこに激しいもみ合いということに相なるのであります。そこらの点がはっきりと明確にされるということを、私どもは望んであるのでありまして、こういうような多数の集団による請願あるいは陳情というものが容認されるものであるかどうかというような点を、ぜひ国会としても明確にしていただきたいということを希望いたしておる次第であります。
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井川伊平#8
○井川伊平君 ただいまお答えいただきました範囲につきまして、もう少しお伺いいたしたいのでありまするが、デモに参加いたしました各団体はどういうように組織されておったかという点に関しまして、たとえば指揮者がどういうような指揮の方法をとっておったといったようなこと、それから各デモ参加の団体間における連絡等は、どういうようにとられておったと認められておるか、こういう点につきまして、お知りの範囲のことをお答えいただきたいと存じます。非常に詳しくお伺いする趣旨ではございません。大体を知りたいわけであります。
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小倉謙#9
○説明員(小倉謙君) 今回の計画は、ただいま申し上げましたように、安保条約改定阻止国民会議の主催によるものでありまして、この安保条約改定阻止国民会議のメンバーである各種の組合あるいは団体が、今回の行動には参加いたしておるのであります。その団体名を申し上げますると、日本社会党、日本労働組合総評議会、中立労連、電気労連、全日本農民組合連合会、憲法擁護国民連合、日中国交回復国民会議、日中友好協会、日本平和委員会、原水爆禁止日本協議会、軍事基地反対連絡会議、人権を守る婦人協議会、青年学生共闘会議、平和と民主主義を守る東京共闘会議、こういうような団体でありまして、これらの団体の関係者あるいはその傘下の組合、団体、こういうような人たちが当日集まられたわけであります。
 また、事前の資料並びに現場における大体の実情というものから申し上げますと、この請願行動の総指揮はチャペル・センター前に置き、社会党の淺沼書記長を総指揮者とする国民会議の幹事会が当たる。それから動員される集団は三方面に結集するものとし、チャペル・センター前の集団につきましては、総指揮者は社会党の赤松勇氏、地評の飯崎及び都労連の藤沢、人事院前の集団につきましては、総指揮者が社会党の江田三郎、地評の山之内、国公労の林、公企労の大門、特許庁前の集団につきましては、総指揮者が社会党の山花秀雄氏、中立の野口、全医労連の伊藤というような、こういうような人たちがそういう責任者あるいは指揮者として当たられる、こういうようなことに事前の資料ではなっておりまするが、当日の状況におきましても、おおむねそういうような状況でありまするが、しかしながら具体的には、実際にそういう方たちがどういう場所でどういうふうにされたかということは、目下のところは明確に申し上げることはできない点がありまするが、大体そういうような計画になっておったように思います。
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井川伊平#10
○井川伊平君 今次行なわれましたデモにつきましては、届出があったかなかったか、届出があったとすれば、どういう形式の届けになっているか、これを簡単にお伺いしたい。
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小倉謙#11
○説明員(小倉謙君) これは届出がないのであります。届出がなくてこれは請願として許された行動であるという考え方で計画をされたということを察知いたしましたので、責任者を招致いたしまして警告を発した、こういうことであります。
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井川伊平#12
○井川伊平君 公安調査庁関係にお伺いを申し上げますが、破壊的団体が今次の国会デモに介入しておったようでありまするが、そういう事実があるかないか。介入があったといたしますならば、その破壊的団体の団体名、それからその団体の目的、構成、活動の状況並びに今次デモへの介入の態度と経路という点につきまして承りたいと思います。
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関之#13
○説明員(関之君) お答えをいたします。破壊的団体と私の方の役所で破防法上銘を打ちまして従来調査をしておりますのは、左は共産党であります。このデモに共産党が参加いたしたことはその通りでありまして、そのほかにこのデモ及びその前後の行動から見まして、全学連等の矯激な学生団体が破防法所定の破壊活動にきわめて近寄ってきた活動を展開してきたという点が、このデモを中心として看取されるところなのであります。
 そこでお尋ねの団体の目的、構成、活動状況ということに相なりまするが、まずここで申し上げたいのは、このデモを中心として、特に安保問題などについての共産党の活動ないしはその方針などが、どういうような状況になって展開しているかということを申し上げなければならないと存するのであります。共産党はこの安保条約の改定問題を、向こう流に申しますと、アメリカ帝国主義と日本の独占資本の体制整備の最も集中的な表現である、われわれはそれをどうしても阻止しなければならない。その阻止のために幅広い統一行動、統一戦線の結成、強化、推進という線でいく。そうして極力この線によって運動を展開するとともに、たとえ、この安保条約の阻止ができなくても、恒常的な今のアメリカ帝国主義や日本の独占資本に抗争する組織体制を作り上げていくというふうなところが、共産党の当面の最も最高の目標と相なっているわけであります。そこで、その目標のためにこの一年来、特に二、三ヵ月来熱心に運動をして参ったのであります。
 ところで一体、今度の安保条約改定阻止国民会議というものは、一つの統一行動、多くの団体がそこに参加して運動を展開する、中央において十三の団体が参加をしているわけでありまして、それはただいま警視総監から御説明があった通りでありまして、その十三の団体の中央組織に最初共産党が入るとか入らぬとか、いろいろ議論がありましたが、要するにオブザーバーとして中央組織に参加している。そこで、私どもはこの昨年来の勤評ないしは日中国交回復国民会議あるいは警職法反対というようないろいろのこの二年間の統一行動による運動組織におきまして、共産党の介入というものがどういうふうに発展したかという点を考えてみまして、この安保闘争における共産党の介入というものは一段と進んできた。従って彼らの立場から見るならば、目的は漸次達成しつつある。統一行動、統一戦線、そうして幅広くいろいろな団体の中に共産党を送り込むという戦術から見るならば、目的は漸次達成しつつある、こういうふうに思うのであります。
 そこで、その介入の度合いでありますが、中央においてはオブザーバーとして参加いたしたのであります。そうしてこれは警職法のときにもなかった現象であり、いわんや勤評のときにもなかったのでありまして、一つのある画期的な共産党の大衆運動に対する浸透介入の事実かと存ずるのであります。
 それからこの阻止国民会議は、全国的に今日まで約六百の組織を作りあげているわけでありますが、その府県段階、そうして市町村段階と、こうありまするが、その各段階の組織ごとに下へいくほど、共産党の介入状況がひどくなっているということを申し上げることができるのであります。府県におきましては、あるいは府県の事務局長、あるいは常任の委員とか、あるいは副委員長とか、中には委員長のところもあるようでありまするが、ほとんど大部分の府県に共産党のそういう者が介入しておりまして、人的構成から見ましても、共産党の影響力はかなり深く浸透する、こういうことに相なっておるわけであります。また、地方の市町村の地区組織になって参りますと、これは府県段階よりも一そう共産党の介入状況が強いのであります。まあ、そういうようなわけで、また現地のその組織体の活動に関する指導方法を見ましても、共産党の活動とその指導、その影響力というものは、相当の程度のものである、こういうふうにこれは判断いたさなければならないのであります。
 そこで、そのような介入の状況をもって共産党は進んで参ってきておりまして、当面しからばこの問題につきまして、安保闘争などの問題について何を考えているかという問題に相なるわけであります。
 第一は、今申し上げましたように、これは共産党がこの安保条約の問題を、党の言葉で申しますと、米国と日本との軍事同盟である、さらに東ア侵略の拠点をこれによって作るんだ、こういうようなまあその言葉を借りて言いますと宣伝をいたしておりまして、そうしてそれらは何としても阻止しなければならない。そうして米国帝国主義ないし日本独占資本のそういうような企図をどこまでも粉砕しなければならない、そういうようなやり方で幅広い統一戦線、統一行動の結成を目途としている、こういうのが共産党の方針でありまして、その立場におきまして、幅広い統一行動を求める、統一行動の結成を推進するという立場から、その当面の具体的な行動というものは、比較的他の団体が受け入れられるような方法をとってきている。従って全学連その他矯激な団体のごとき矯激な方法は打ち出しておりませんが、非常に他の団体なども受け入れるような方法、手段においてその問題の推進をはかっている。しかし、まあ当面そういうようなふうな戦線の拡大、そうして共産党の影響力の浸透、こういう面を目途としてそういう運動をしております。さて、今申し上げましたような人的のその推進、組織の中の浸透状況から見まして、その影響力というものは漸次拡大しつつあると、こういうふうに判断されるのであります。
 次に、共産党のねらいとするところは、たとえこの安保闘争は敗れるかもしれない、向こうから言うならば。安保は要するに批准されるかもしれない、しかしながらわれわれはその闘争を通じて、共産党の参加介入が、幅広い国民の共闘組織、アメリカ帝国主義ないしは日本の独占資本のその推進する諸政策に、今後長く反対するために幅広いところの共闘組織を作りあげていく、まあほんとうのねらいは、おそらくそこらのところにあろうかと、こう思うのであります。
 そういうような状況で共産党が戦っておりまして、従って今度のモデにおきましても、このデモが国民会議の決議として最初行なわれたものでありまして、その線に従い、まあ一応議論は尽くしましたが、国民会議の線に従って、このデモに参加いたしておるわけであります。このデモに参加した共産党員の総数は、これは詳しい数字はどうも算出がはなはだ困難でありまするが、学生の共産党員を加えておよそ千名前後というふうに私どもは踏んでいるわけであります。もちろん、これは今申し上げたのは、一般的な共産党の動向でありまして、中には共産党員の中にも非常に矯激なはね返りの考え方を持っている者もおりまして、デモの動員その他について、かなり積極的な役割を演じた者もあるように判断されるのであります。以上共産党のこの安保闘争ないしデモの問題につきまして状況を御説明いたしたのであります。
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大川光三#14
○委員長(大川光三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 十二月十一日付山口重彦君辞任、鈴木強君選任、秋山長造君辞任、占部秀男君選任、以上であります。
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井川伊平#15
○井川伊平君 引き続いてお伺い申し上げますが、今次国会デモの構内乱入事件によって指導的な活動をしておったと称せられておりまする全学連の実態と、最近における活動状況一応承りたいと存じます。
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関之#16
○説明員(関之君) 全学連はすでに御承知のことかと思いますが、全国の大学の学生自治会の連合的組織ということに相なるわけであります。今日約大学生が全国で六十万と踏まれますが、その中の二十九万ほどがこの全学連に結集している。それから全学連へ入っている学校も入っていない学校もある。入っている学校はおよそ百十校ぐらいかと、こう記憶しているのであります。さようなまあ状態でありまして、さてこの二十九万の全学連の方の加盟員がことごとくこのような考え方か、このデモに現わされたようなそういうような考え方を持っているかというと、これは私はそんなことはないと申し上げることができると思うのであります。問題とすることろは、この二十九万ほどの組織が、どういうふうな積極分子によって動かされているかという問題に相なると思うのであります。その積極分子の方々の構成は、この二十九万の全学連の中に、およそ二千近くの共産党員ないしはそれに準じて考うべき者がいる、こういうふうに思うのであります。そうしてその二千を中心としまして、周囲に約二、三千人の非常にこれに同調する動きやすい者がいる、そうしてさらにその周囲におよそ二万ほどのこれと協力する者がいる。で、この二万の数字はあるいは見方によっては四万ぐらいにふやして見るのが相当かと思いますが、まあ、大体そんな数字の者がいるわけであります。要するに二十九万の全学連を基盤として、そのようなまあ数字で占められるアクティビストが中心となって、全学連と称して各種の矯激な運動に打って出てくる、大体こういうふうにまあ組織的な面から見ますると、御説明申し上げることができるかと思うのであります。
 そこで、この学生連中がなぜそんなこういうような共産党ないしは国民会議の意思に反して突入的な矯激な行動に出るかという問題があるのでありますが、その全学連の委員あるいは各校の代議員などの大体の色分けを考えてみますと、その約四〇%は日本共産党代々木本部の指導に服している、このコントロールに服しているのでありますが、そのあとのおよそ六〇%は、その指導に服していないのであります。要するに、その六〇%の大体の考え方は、客観的な情勢、すなわち、革命ということが起きるか起きないか、つまり、われわれはどうして起こすかとかいうような問題について、この代々木の日本共産党よりは、より急激な、過激な考え方を持っているのであります。それで、共産党の方ではこれをトロッキストと非難いたしまして、そして、お前たちの考えは非常に極端だぞ、そんなことを考えたところで、お前たちだけで革命はできないぞというふうにして、再三これを戒しめ、また、実は昨年の六月一日に、六・一事件というのがありまして、これは共産党、さすがの共産党本部がこれらの矯激な学生連中に占拠されまして、そして二、三の共産党の幹部があやまり証文を取られたというような事件がありまして、このようなことは世界の共産党にない一つの現象でありまして、もうそのくらい一部において元気がよろしいのであります。そこで、その違ったそういうふうな考え方を持っておりまするから、たとえば今日のこのデモの問題であるとか、あるいはいろいろの問題についての戦術の具体的な考え方というものが、全部違ってくるわけであります。そこで、この今回の安保問題の闘争の仕方につきましても、この反日本共産党、反代々木派の学生連中は、これは主として社会主義学生同盟ないしは共産主義者同盟というような団体に結集されている分子でありまするが、これらの連中が、どうもその当初から、情報に現われているところによりますと、国民会議の決定の線をはずれて、たとえば国会に行けとか、あるいは国会の構内に侵入しろとかいうような、矯激なアジなどをしていることの情報が入ってきていたわけであります。そこで、そんなような考え方の相違、そしてやり方の違いというようなものがありまして、学生が今度のような矯激な行動に出てきたと、こういうふうに判断いたすのであります。
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井川伊平#17
○井川伊平君 次に、法務大臣及び御関係の方々のお答えを願いたいと思うのでありますが、今次デモ参加の全学連のうち、二名の者に対しまして逮捕状が発せられ、その執行について、大学の当局との交渉の経緯、及び、全学連のこれに対する態度、こういうことについてお伺いすることと、それから、大学の自治ということと警察権行使との関係について、これは非常にむずかしい問題になろうと存じますが、こういうことについてお伺いしたいのであります。司法権が発動した場合において、学園の自治と警察権介入の限度と申しましょうか、こういう点につきまして、お伺いを申し上げます。
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井野碩哉#18
○国務大臣(井野碩哉君) 大学の二人の学生の逮捕問題につきまして、学園との交渉については、むしろ、警察庁長官が直接に当たられておりますから、お答えをした方が適当だと思います。
 捜査権の問題につきましては、学問の自由と申しましても、憲法に保障されておりますけれども、現行犯その他につきましては、むろん、学内にも警察権が入ることはさしつかえないのでありまして、従って、捜査権並びに検挙の問題につきましては、警察庁の側におきましても、学内に入り得る。学内は治外法権ではないのでありますから、当然入り得る。しかし、その方法につきましては、今回警察庁がとられましたように、大学とも十分に話し合って、そして自治を尊重しつつ執行されたという、あの行き方は、私どもは非常にいい行き方であったと考えております。
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小倉謙#19
○説明員(小倉謙君) 東大生二名の逮捕と、東大当局との折衝状況といいますか、その他の事柄について、私の方で直接行ないましたので、御説明申し上げたいと存じます。問題になりました二人の学生、全学連の書記長の清水丈夫につきましては、二十七日の国会乱入の事件のありました翌日、二十八日に、逮捕状の発付を得て捜査に当たり、またいま一人の、東大法学部の自治委員長である葉山岳夫と申しますか、これにつきましては、十一月三十日に逮捕状を得て、即日捜査に当たったのであります。この両名と同じころに逮捕状の発付のありましたものにつきましては、それぞれ逮捕をいたしたのでありますが、この二人が、その後、一人は本郷の東大構内、一人は駒場の教養学部構内におるということを知りまして、直ちに警視庁といたしましては、本富士署並びに目黒署の両署長を通じまして、学校当局に、逮捕方についての協力を求めたのであります。これに対しまして、学校当局におきましては、今回の両名の逮捕につきましては、責任をもって学校において協力をする、しかしながら、現在学生は相当気勢が上がっておる際でもあるし、不測の事態の発生も予想されるので、強制捜査という、学内における逮捕状の執行は、できる限り一つしばらく待ってほしい、こういうような申し出があったのであります。その後学校当局の状況は、私どもの承知いたしましておるところでは、非常に誠意をもってこの問題に当たっておられまして、直接の説得、あるいは関係の学生に対する説得等、学長を初め、各幹部が熱意をもって当たっておられたのでありまするが、しかしながら、学生側といいますか、全学連の幹部といいますか、これはどこまでもこの両名を学内において守るのであるというような態度で、なかなかこれに応じてこないのであります。
 そこで、十二月の四日に、さらに警視庁といたしましては、総監名をもちまして、文書によって東大茅学長に対し、本人に対して、警察へ出頭をすすめること、あるいは大学の構内から退去を求めることなど、逮捕について一段と強力に一つ協力を願いたい、こういうお願いをしたのであります。その際茅学長は、全く警察の言われる通りである。さらに一そう現在の努力を続けて、何とか極力説得するから、もうしばらく様子を見てもらいたい、こういうお話であったのであります。
 そこで、私どもの考え方としましては、学内における捜査につきましては、特別緊急の事態の場合は別でありまするが、一応学校当局に連絡をとり、その協力を求めるということが、従来の慣行になっておりますし、また今回の事件は、普通の強盗とか、何とかというような事件とは違いまして、多くの学生が関係を持ちました二十七日の国会デモ乱入事件についての捜査でありまして、この点は逮捕の執行について、多数の学生が相当非常な関心を持っておる問題でありますので、時期を誤って逮捕を急ぎます場合には、相当の混乱となり、場合によっては思わない流血の惨事も発生しかねない、こういうような判断を持ちまして、極力学校当局の誠意ある努力にしばらくの間は待つという考えでおったのであります。しかしながら、なかなかその効果が現われないというので、再三にわたって協力方を要請しましたが、そのうちまず第一に法学部の学生大会において、東大構内におる葉山を学校構内から退去さすべきである、こういうような明確なる態度の表明が十二月の八日にあったのであります。これは四百三十対七十というような圧倒的な多数で、そういうような態度の表明がありましたのに続いて、八日九日と各学部の学生大会が行なわれて、それと同じような見通しも見受けられるというような状況になりました。そのころ九日の昼でありましたが、茅学長が私の部屋においでになりまして、それまでに学校当局が努力をされた実情並びに学生の動向、ただいまの法学部その他の学部の状況等も話をされまして、ぜひとも大学として何とかしたいということで、ここで警察が学内に強力に逮捕に来られるということになると、こういうような一般の学生の動向が非常にまた逆になってしまう、こういうような心配もされまして、もう少し猶予をしてもらいたいというようなお話がございましたので、私どもも今回の事件につきまして、一般の学生がほんとうに学内の自治活動あるいは社会運動について真剣な関心を寄せ、正しい態度をとるということはもちろん望むところでありますので、学長のお話を聞きまして、警視庁としても、いましばらく慎重な態度で待つ、こういうような考えで当日を見送ったのであります。翌十日の午前五時ごろでありますが、学長の方から連絡がありまして、その当時の実情の御説明があったのでありますが、その前に九日の夜あたりから、この当該の学生が、自分が自首して出ようというような気持をだんだん抱くようになった。そういうような情報がありましたので、私どもとしましては、それが一番よいことであるというので、期待をしておったのでありますが、やはり本人の気持だけでは、組織の中の一員でありまするから、それが実現するに至らなかったのであります。そのようなことも、ただいまの十日の午前五時の学長からの連絡でございまして、残念ながら自首ということはできないような状況である、しかしながら、本日の十日の午前十時ごろに学生は外に出る、他の学生と一緒にデモというような格好であるけれども、外に出るということになった。それでその際に警察官が逮捕されるという場合には、本人に対しても極力おとなしく逮捕されるようにということを申してある。他の学生に迷惑がかからぬように男らしく逮捕されるように、りっぱな態度で応ずるようにというようなことを申してあると、こういうような連絡がございまして、まあそういうようなことでありまするならば、私どもも自首という形を最も当時としては望んでおったのでありまするが、わずか数時間のことではありますし、学外において出てきたところを待ち受けて逮捕しよう、こういうような考えで、葉山は午前十時ごろ本郷の三丁目でしたかで逮捕しました。それから清水の方は渋谷の松濤町附近であったと思いますが、十二時半ごろ逮捕いたしたような次第でございます。
 なお、学内における学園の自治と捜査権の行使につきましては、先ほど法務大臣からお話がございました通りでございまして、学内といえども決して治外法権ではありませんので、当然捜査権が行使されることは申すまでもないのでございます。ただ、従来の慣行あるいは文部省の従来の御意向、それと私どもとの取りきめ等もありまして、学園における捜査は、緊急の場合、あるいは人の生命身体に危害が及ぶというような場合を除いては、一応学校当局に連絡し、学校当局が逮捕に協力する。その状況によって、あるいは逃走のおそれがあるというような場合には、もちろん、警察はそのようなことが当然ありましょうとも、学内において逮捕するわけでありますが、一応は学校当局の努力に待つと、こういうようなことで従来もやって参りましたし、今回もそういうような行き方で行なったわけであります。ただ、数日間というものが、ああいうように不当な状態にありましたことにつきましては、私どもも残念に思っておりまするが、しかしながら、ただいま申し上げましたようないきさつでございまして、まあこれを機会に学生がほんとうに正しい方向に自治活動なり社会運動というものについて考えてくれるならば、まあそういう意味においてはプラスであったのではないか、こういうふうに考えておるような次第であります。
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井川伊平#20
○井川伊平君 最高裁判所の関係の方につきまして御質問いたします。これは今回のデモと関係のないことでございますが、デモ禁止条例を違憲とする下級審の判決に対しまして上告しておる事件がある。その審理につきまして、最近検察庁当局より最高裁判所に対し、審理の促進方について何か要望されたように承っております。この申し出に対しまする最高裁判所側の見解はどうであったか、また、この申し出を受けました後、それに関連いたしまして、審理を促進することについて特にとられた措置があるかないか、あるとすればどういうことであったか、お伺いいたしたいと存じます。
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内藤頼博#21
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 ただいま御質問のございました公安条例の事件の審理の問題でございますが、十二月の四日に御指摘のございましたような書面が、最高検事総長の方から最高裁判所長官に提出されたのでございます。で、この昭和二十九年(あ)の第三千七百二十九号という静岡県の県条例違反の事件でございますが、この事件につきましては、この検事総長の申し入れが実はあるまでもなく、最高裁判所の方で特にこの審理については意を払っていたのでございます。すでに五年を経過いたしまして、大へん審理がおくれているということは、まことに御指摘の通りでございますが、この点につきましては、いろいろな事情もございます。ことに、御承知のような各種の根本的なやはり憲法問題を含むところの大きな事件が係属いたしまして、そういったようなことから日を費やしたような事情もあるわけであります。この静岡県条例違反の事件につきましても、その事件の進行と見合いながら、実は審理の手順と申しますか、手順を運んでいたわけでございまして、検事総長からの申し入れがございます前に、すでにその手順はつけてあるわけでございます。この事件の審理、裁判それ自体も、あるいは審理、裁判の順序ということにつきましても、これは全くその裁判官の決定によることでございまして、私どものいわゆる司法行政の面ではタッチいたさないことでございますが、私ども聞いておりますところでは、すでにいわゆる砂川事件、この事件の問題についても一応めどがついたようでございまして、従って、早急にこの県条例違反の事件についても審理、判決があるものと期待されるわけでございます。
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井川伊平#22
○井川伊平君 いま一つお伺いをいたしますが、これは今回のデモではなく、過去におけるデモについてでありますが、裁判所の周辺にデモが行なわれたことがあるようでありますが、それらのデモは、裁判所における審理の妨害あるいは事務の渋滞、そういうような弊害を来たした事実があるかないか。あるとすればどういうことでありましたか。事例をあまりたくさんでなくてもよろしいのですが、事例は少なくてもいいが、はっきりつかめるように一つお答え願いたい。
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内藤頼博#23
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君)
 御指摘のように、裁判所におきましても幾つかそういうデモによりまして、裁判所の仕事が妨げられたような事態を生じております。これはまことに遺憾なことでございまして、諸外国でもほとんどその例を見ないような事態が発生しております。こういう事態に対しまして、私どもまことに遺憾に存じておりますことは申すまでもないことでございます。その具体的な事例につきまして、若干を、ただいま刑事局長が参っておりますので、刑事局長から、御説明申します。
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樋口勝#24
○最高裁判所長官代理者(樋口勝君) ただいま御質問のございました法廷内外における最近のできごとでございますが、御承知のように、昭和二十五、六年から七、八年、九年ぐらいにかけまして、お尋ねのような、相当法廷の内外にわたりまして乱れました状態がおりおり現われたということは、御承知の通りでございますが、今のお尋ねの趣旨が、さような過去は一応おきまして、ごく最近における類似の顕著な事例というような御趣旨に承りましたので、一応手元に集めました資料に基づきまして、最近の事例のうち、また特に顕著な事例を御報告いたしたいと、かように存じます。これもまた、御承知のように、昭和三十年、三十一年、三十二年、この間は法廷の内外が、いろいろな原因もございましょうが、比較的静穏でございまして、特に混乱状態が起きまして、裁判の執務の上に障害を生ずるというような事例がほとんど希有になっておったわけでございますが、三十三年から本年にかけまして、過去におけるとやや類似の混乱状態が見られるようになってきているわけでございます。本年になりましてから、本年の一月からごく最近の十月、十一月、現在にわたります期間におきまして、東京を初め、各地におきます、主として地方裁判所でございますが、その法廷内外における乱れた状況というようなことを、事例別に一応集めますと、顕著なものとしては約三十近く、二十数件見られるわけでございます。
 まず、一般に通じまする大体の形と申しますると、あるいは勾留理由の開示の際、あるいはまた審理に入りました際に、開廷前に相当な数の組合員その他の傍聴者が、裁判所の構内に集団して参りまして、傍聴券の発付状況、発付の方法等についてそこに混乱が起きる、それからまた、それに関連しまして、構内あるいはその付近においていわゆるデモ的な行動に出る、また、法廷が始まりましてからは、裁判官の発言あるいは証人の尋問に対しまして、種々ばり雑言に類するような言を発するというようなことが、すべての事件に大体共通した態様でございますが、そのうち顕著な例と考えられますものを二、三拾いまして簡単に御報告いたしますると、昭和三十四年の三月二十日、静岡地方裁判所におきまするいわゆる安西郵便局事件と称せられている被告人七名の事件の第一回公判の際でございますが、開廷前に全逓の労組員約六十名が法廷付近でジグザグ行進を行ない、傍聴券の交付に際し、郵便局側のいぬがいるから、傍聴券を全部組合員に渡せというようなことを口に叫んで喧騒をきわめ、また、傍聴券の増発を求めた。これはもちろん許されなかっわけでございますが、さらに開廷中に及びまして、特別弁護人の申請の一部が却下され、また、被告人は裁判官、検察官の自己紹介を要求したが拒絶された。また、起訴状朗読に入りまして、被告人、傍聴人の怒声で喧騒をきわめたため、朗読が聞きとれず、弁護人は朗読前の段階に戻すような申し立ても行なわれた。また、傍聴中の検察事務官につきまして、被告人らに圧力を加えるものとしてその退廷を要求したため、その検察事務官は任意退廷をした。その後休憩中検察官と傍聴人との間に紛争を生じ、再開後、弁護人側から、審理は円滑に進行できない状態であるから閉廷されたいという申し出があって、結局その日は審理に入ることが不可能になりまして閉廷をした。
 次に、福岡地方のいわゆる国鉄志免炭鉱事件の第一回勾留理由開示の際の状態でございますが、国鉄労組行動隊約三百名を先頭に、支援労組員約二千名がジグザグデモを行ないながら正門から来庁いたしましたので、拡声機を通じましてデモ隊に自粛方を呼びかけましたが、労組員らは制止を聞き入れませんで、前庭において約十五分間にわたってデモを行ないました。開廷後、弁護団側から、被疑者六名に対する勾留理由開示の併合請求がございまして、裁判長はこの併合請求を却下いたしまして、被疑者一名に対する理由の朗読に入りましたが、弁護団側は、裁判の公正を欠くというような理由で裁判長及び陪席裁判官に対する忌避申し立てを前後六回に及んでいたし、また、異議申し立て四回をいたしております。で、これらの却下決定に対しましては、公判進行に違法性があるというような理由で即時抗告を、これまた前後六回に及んで申し立てをいたしておるようでございます。さようなことで午前中は過ぎまして、午後、開廷後、裁判長はさきの弁護団側の併合請求を一応いれまして、すでに勾留理由開示の済みました被疑者一名を除く、他の五名を入廷させました上で勾留理由の開示をいたしましたが、この間、法廷内の被疑者、傍聴人席から公判中に「そうだ」などと、弁護人あるいは他の被疑者らの発言の際にその発言を支持して、やゆ嘲笑の意味を含めたような不当の言動に出る者がありまして、特に、先ほど申し上げた忌避申し立ての際には一時騒然となりましたが、いずれもそのつど裁判長または警備員の注意によって、公判進行を阻害するような現実の事態は発生いたしませんでしたが、法廷の内容は相当喧騒をきわめたということになっております。
 それから、秋田地方の全林野の合川事件と称せられるものでございますが、これは第一回公判の模様でございまして、八月の二十七日に行われましたが、抽せんによりまして傍聴券を発行いたしましたところ、これはあらゆる場合にさような方法をとっておるわけでございますが、傍聴人はその方法について最初不満を述べ、また、警備員との間にも若干の紛争を起こしたわけでございます。で、法廷におきましては、傍聴人があるいは拍手、あるいは声援をもちまして被告人を迎え、裁判長の再三の注意によってようやく静まりましたが、人定質問に先立ちまして、弁護団側から、営林局、警察庁、検察庁に対し事前に傍聴券を交付したのではないか、あるいはまた、傍聴者の中に私服警官や検察庁職員が公務として入っている。あるいはまた、それらの傍聴は違法性があるというような、いろいろな質疑、これに対する応答が重ねられまして、次いで起訴状朗読後、弁護団の起訴状朗読に対する釈明を相当時間にわたって弁護団から求めまして、罪状認否に入らぬままに閉廷をいたしました。なお、法廷外におきましては、約五百名の労組員が……。
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大川光三#25
○委員長(大川光三君) ちょっとお待ち下さい。質疑の要点は、裁判所周辺のデモに中心を置いての御質問でございますから、法廷内のことはあまり詳しい御説明は必要はないと思います。ですから法廷内のことは簡単でけっこうでございます。
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樋口勝#26
○最高裁判所長官代理者(樋口勝君) 法廷外の周辺の模様といたしましては、先ほど申し上げました福岡の開廷前の模様、また、最近十月十七日に行なわれました京都におきまする京都府職労事件と称する事件の勾留理由開示の際に、やはり開廷前に弁護団が裁判官室において、係裁判官に対して傍聴券を全部組合に交付してくれというような要求をしたために、開廷が相当おくれたというような事例がございます。
 それからまた最後に、十月二十七日に行なわれました山口地方裁判所の勾留理由開示、いわゆる教課講習乱闘事件と称せられておるものでございますが、開廷前に約三日五十名の労組員が参りまして、構内にこれを全部入れてくれというような要求を開廷前に弁護団から係裁判官及び所長代理に面会を求めてさような申し入れを行なった。それで開廷の時刻になりましても、弁護団がその法廷の入口にまで参りましたが、法廷の中に入らないために弁護人なしで開廷いたそうとしましたところ、法廷内で相当な混乱が生じた、かようなことで、要するに、これは顕著な例を拾いましたものでございますが、ただいま申し上げたように、法廷外の周辺のさような騒擾が、混乱が、ひいてまた法廷内の混乱に結びつきまして、予定の審理がその日にはできかねたというような事例が若干見えましたので、その点を御報告いたします。
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林田正治#27
○林田正治君 私は警視総監に対しましてごく小さいことでありますけれども、しかし見方によっては大衆運動に対する取り締まりの根本の問題であると思いますから、簡単に御質問申し上げます。
 まず第一にお伺いいたしたいことは、今回の議会不法侵入に対して警察官はどういう装備をしておいでになりましたか。その装備の点を一つ伺いたいと思います。
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小倉謙#28
○説明員(小倉謙君) 装備といいましても、身につけておるものは普通の警察官の服装、要するに警棒、拳銃その他を持っておる普通の状態でございます。
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林田正治#29
○林田正治君 何か、警棒あるいは拳銃は所持しておったのですか。
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