内閣委員会

1966-10-28 参議院 全203発言

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会議録情報#0
昭和四十一年十月二十八日(金曜日)
   午前十一時三十三分開会
    —————————————
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     片山 武夫君     中沢伊登子君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     鶴園 哲夫君     前川  旦君
     黒柳  明君     北條 雋八君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     中村 英男君     加瀬  完君
     前川  旦君     鶴園 哲夫君
     野々山一三君     小柳  勇君
     北條 雋八君     渋谷 邦彦君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         熊谷太三郎君
    理 事
                柴田  栄君
                八田 一朗君
                伊藤 顕道君
                北村  暢君
    委 員
                源田  実君
                船田  譲君
                三木與吉郎君
                山本茂一郎君
                加瀬  完君
                小柳  勇君
                鶴園 哲夫君
                山本伊三郎君
                渋谷 邦彦君
                多田 省吾君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       国 務 大 臣  上林山榮吉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  清君
   説明員
       防衛政務次官   長谷川 仁君
       防衛庁長官官房
       長        海原  治君
       防衛庁防衛局長  島田  豊君
       防衛庁経理局長  大村 筆雄君
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  本日の会議に付した案件
○国の防衛に関する調査
 (防衛庁に関する件)
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熊谷太三郎#1
○委員長(熊谷太三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日、片山武夫君が辞任せられ、その補欠として中沢伊登子君が選任され、また、去る二十六日、黒柳明君が辞任せられ、その補欠として北條雋八君が、同日鶴園哲夫君が辞任せられ、その補欠として前川旦君が選任され、また本日、北條雋八君、中村英男君、前川旦君、野々山一三君が辞任せられ、その補欠として渋谷邦彦君、加瀬完君、鶴園哲夫君、小柳勇君が選任されました。
    —————————————
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熊谷太三郎#2
○委員長(熊谷太三郎君) この際、上林山防衛庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。
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上林山榮吉#3
○国務大臣(上林山榮吉君) 当委員会は私のお世話になる委員会でございますが、就任以来正式にごあいさつの機会がなくて今日に至ったわけでございますが、どうかいろいろと御指導、御支援を賜わりますよう、心からお願いいたしまして、一言だけごあいさつを申し上げます。
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熊谷太三郎#4
○委員長(熊谷太三郎君) それでは国の防衛に関する調査を議題といたします。
 なお、関係当局からの御出席は、上林山防衛庁長官、長谷川防衛政務次官、海原防衛庁官房長、島田同防衛局長、中井同教育局長、宍戸同人事局長、大村同経理局長、国井同装備局長、以上の方々でございます。
 質疑のおありになるお方は、順次御発言を願います。
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伊藤顕道#5
○伊藤顕道君 私は、上林山長官のお国入り問題に対して若干の質問をしたいと思いますが、ただ御承知のように、昨日、中国においてミサイル用の核弾頭の核実験があったわけですが、きわめて緊急性のある問題でありますので、お国入り問題に入る前に一、二この際お尋ねしておきたいと思います。
 日本時間で二十八日、きょうの午前一時五十分の北京放送は、中国は去る二十七日自国の領土においてミサイル核兵器の発射実験に成功した。そうして次のとおりに発表しているわけです。一つはミサイルの飛行は正常であったということであります。それから二つには、核弾頭は予定の距離で正確に目標に命中し、核爆発を実現したと、そこで日本の防衛庁長官であるあなたに隣国のこの現実をどう受けとめておられるか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
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上林山榮吉#6
○国務大臣(上林山榮吉君) ただいまの御指摘のミサイル核兵器の弾頭つきの発射を中共がやったということについては、御承知のように、これに対する一応の政府見解が官房長官から発表せられておりますので、これに対する官房長官の考え方は一応政府発表という意味において私ども承っているわけでございますが、この隣国、しかも一番近い隣国において核爆発が、しかもミサイルつきの核弾頭を持ったものが発射されたということは、それ自体かねてからわれわれは、日本は核は持たない、核を持ち得る科学的な力を持ちながらも核は持たない。こういう方針をとり、しかも徹頭徹尾核に対しては米国に依存していく、こういうような方針をとってきているわけでございますし、あわせてこういうような問題から私どもとしては、精神的にまことにいろいろな影響を日本に与えるんじゃないかと思って一応警戒いたしておりますが、ただ、これがどの程度のものであるかという専門的な見解につきましては、ただいまの段階では私どもの手元にどういう程度のもの、あるいはどういう種類のものであるというような詳しいものは入っておりません。ただ、これは米国の原子力委員会の発表によりますと、低威力ないし低い中程度の威力で、第一回の核実験とほぼ同規模と推定される、こういう意味の発表がありますが、これは先ほど申し上げましたように、この段階においてこのとおりであるという断定も私どもはいたしかねる状態でございますので、私どもで専門的な資料を他の政府機関とともに協力して集め得る資料を集めなければならない、こういうことをいま事務当局にも指示をしたところでございます。
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伊藤顕道#7
○伊藤顕道君 あなたは、いま政府の統一見解については、官房長官から談話があったというふうにいま御説明があったのでありますが、ところが、官房長官は前回の十七日の当委員会で出席を要請しても出られない、今回もいまのところまだ出ておらない。委員長が目下奔走中であるので、やがて委員会にお見えになるやもしれませんが、そこでかわってお伺いしたいのは、政府の統一見解というのは一体どういうことなのか、それを明らかにしていただきたい。
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上林山榮吉#8
○国務大臣(上林山榮吉君) 統一見解ということは、あるいはことばが適当かどうかわかりませんが、とりあえずの政府の見解を官房長官名で発表した。こういうふうにけさ報告を私ども受けた、こういう過程を通っておることでございまして、先ほどの内容からいっても従来も核実験に対してはわが国は反対をしてきておったのだ、核拡散の防止についてできるだけ努力を——できるだけということばもどうかと思いますが、核拡散防止については徹底的にひとつそういう実現するような方針でいかなければならぬ。あるいはこれがその期待を裏切って第四回目のこの種類の核実験が行なわれたということはまことに遺憾である、こういうような考え方でございますし、外務省もまたこの核爆発に対しましては、非公式の見解でありますけれども、直ちに抗議をする、こういうことだそうでございます。統一見解という意味のことばの修正と言いましょうか、そういう意味にお聞き取り願えれば幸いでございます。
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伊藤顕道#9
○伊藤顕道君 私が伺っているのは、官房長官が、統一見解であるとかないとか、そういう問題はさておいて、見解を発表されておる。あなたはそれを聞いておる、私どもは聞いていないわけです。だから、どういう内容の発表をされたのかどうか、そういうことを伺っておるわけです。
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上林山榮吉#10
○国務大臣(上林山榮吉君) ただいま申し上げたのがその内容の概略でございまして、そう三十分も一時間もかかって発表したのではなく、わずかの時間で、夜中にそういう情報を入手したので、直ちに一応の政府見解を発表しておきました、その内容はこうでございますといったのが先ほど申し上げたその内容でございます。
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伊藤顕道#11
○伊藤顕道君 中国の第一回の実験はたしか一九六四年の十月十六日と記憶しておりますが、それからわずか二年という短時日に驚くべき実験の成果となってあらわれたわけです。最初、その当時は大体十年くらいかかるだろうという防衛庁の見解もそうだったわけです。にもかかわらず、驚くべきこのようなスピードでこの実験に成功した。これには何かそこによって来たるものがなければならぬ、いかなる理由によってこのように十年と予想されたものがわずか二年で成功に達したのか、この点についてひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
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上林山榮吉#12
○国務大臣(上林山榮吉君) 専門的分野でございますから、事務当局から説明いたさせます。
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島田豊#13
○説明員(島田豊君) 中共の核実験につきましては、先生御指摘のように、一昨年の十月に第一回の核実験がございました。昨年の五月に第二回、本年の五月に第三回、今回は第四回目でございます。第一回、第二回につきましては原爆の実験である。第一回につきましては爆発の威力はおよそ二十キロ、第二回目の核爆発の威力はそれよりも若干大きいということが報道されておりますし、第三回目の核実験は熱核材料を含む核爆発ということが言われておりまして、これは水爆の予備的あるいは初歩的な実験ではなかったというふうに言われておるわけでございまして、その爆発の、ないし実験の詳細についてはいまだわれわれもよくわかりませんが、今回核弾頭装着のミサイルを発射したということは、そういう従来のテンポからしまして、かなり早いという感じを持っておりますが、しかしながら、今回の実験の射程距離あるいはその威力なりというものにつきましての詳細な資料はございませんので、ここで的確な判断を加えるということは、まだむずかしい時期にあると思います。先ほど御指摘の、十年ぐらいはかかるであろうということにつきましては、それは米国のいままでの言明したところによりますと、いわゆる大陸間弾道弾、ICBMが少なくとも十年ぐらいかかるであろうということを言っておったわけでありまして、中距離弾道弾の開発はおそらくそれ以前に行なわれるでありましょうし、今回のミサイルでございますけれども、このミサイルがどの程度のものであるかということについては、いまだにわれわれとしても推定を下す材料がございませんので、そのテンポが著しく早いかおそいかということにつきまして、いまここで確たる判断、断定を下す段階ではないというふうに考えております。
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伊藤顕道#14
○伊藤顕道君 このミサイル用の核弾頭開発の成功は、報道によると、アメリカでも非常に驚いておるということの状況を報告しておりますが、さらに考えられることは、いま目下展開中のベトナム戦争にも相当な圧力となるんではなかろうか、こういうふうに考えられるわけです。そこで日本の防衛庁長官としてはこのことをどういうふうに考えておるか、その点を明らかにしていただきたい。
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上林山榮吉#15
○国務大臣(上林山榮吉君) 専門的な意見は別といたしまして、各国からの報道によりますと、御指摘のように、米ソをはじめ世界各国、政治的に心理的にいろいろと影響を及ぼすばかりでなく、純軍事的にも無視できないのではないかという、相当のショックを受けているように報道では見受けられるところでございまして、私どもも、先ほど一言申し上げましたとおり、それぞれの方面に日本はもちろんのこと、極東などについても相当衝動を与えたのではなかろうか、こういうふうにいまの段階では推定をいたす次第でございます。
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伊藤顕道#16
○伊藤顕道君 いま核拡散防止条約の成立が非常に強まってきておる、こういうおりもおり、今回の実験を見たことについては、私どもから考えると、きわめて遺憾な事実であるわけです。そこで国の防衛を担当する長官としてはこのことをどう考えられ、どう処置しようとお考えになっておるか、この際お聞かせいただきたい。
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上林山榮吉#17
○国務大臣(上林山榮吉君) 伊藤委員も御承知のように、ただいまの御趣旨にもありますように、過去三回の中共の実験に対しても、そのつど政府は強く抗議をいたしてきているわけでございますが、私どもといたしましては、中共がそういうことをやりましても世界の世論にさからうような処置、たとえば日本も核を持てば科学的には持てるんだというような、そういうような方面に発展をすることを戒め、かつ同時に、極東その他の国々もこういう問題に対して正常なる——偏向的な判断でなく、核は世界各国が持たないような方向にいこうという正常なる平和的な強い願望というものを持ってもらいたいものだ、こういうように考えますと同時に、これに対する防御的な考え方というものを将来日本としてはいかにしていくべきかということがもっと真剣に勉強されなければならぬのではなかろうか、かように考えるのでございます。
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北村暢#18
○北村暢君 関連して一、二点お伺いいたしますが、あなたは、きのう衆議院の内閣委員会において、アメリカのマクナマラ国防長官との会見において、中国の核装備についての情報の交換等もやってこられた。その際に、たしか従来もそう言っておられたのですが、先ほどICBMの実現についてはもう十年かかるだろう。中距離弾道弾についてはそれより早い機会、まあ四、五年はかかるだろう、こういうことが従来、何回かの国会の審議においても防衛庁長官は言明しているところであります。昨日の衆議院の内閣委員会においても、あなたは、核兵器の運搬手段の開発というものはまあ四、五年はかかるであろうというような趣旨の報告をされたと思う。ところが、きょう、その報告をされた翌日、もうこういうふうに中国の誘導ミサイルの核実験が行なわれ、運搬手段の開発をされたということについては、外務当局も異常な驚きを示している。一体、いまの防衛庁長官の答弁を聞いておりましても、私は、外交手段による核拡散の防止については、これは当然われわれもそういう方向でいかなければならないと思うのでありますけれども、防衛庁長官としての答弁としては、この異常な事態に対して、確かに情勢としてはまだはっきり内容についてもつかんでおられないだろうけれども、どうもきのうあたり、あるいは防衛庁長官の訪米の内容等から察しても、だいぶ情勢判断に狂いがあったのじゃないかというふうに思うのであります。そういう点について、防衛庁長官として、景気のいい私は防衛対策を期待するのではないのだけれども、どうも聞いておるところによると、答弁が明確でない。防衛庁長官らしくない答弁しかしていないのですね。したがって、私は、この受け取り方を一体防衛庁長官としてどういうふうに受け取っておるか。この運搬手段というものについて従来の防衛庁の情勢判断していたのとはだいぶ違っているのじゃないですか。そういう面について、三次防との関連もあって、一体どのように考えておられるか。この点ひとつお伺いいたしたい。
 それからついででありますから、今回の防衛庁長官の訪米にあたって、一体、この三次防というものについて政府の統一した見解なり、おそらく閣議決定等なされていないと思うのでありますが、もう予算編成も相当進んだ段階において三次防等の問題についてどういう確たる見解をもって訪米せられたのか。そういうことから、今度の中国の誘導ミサイルの実験等についても、中国の核情勢についても意見の交換を行なわれたと思うのです。そういう点について、何かしらこうたよりない形で訪米をしたのじゃないかという印象を強く受けているわけです。ここら辺の点について答弁をひとつしていただきたい。
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上林山榮吉#19
○国務大臣(上林山榮吉君) 私、専門的知識を持っておりませんので、ただいま勉強中でございますが、表現の使い方が適当でないために、あるいはいろいろな疑問がお起こりになるのかもわかりませんけれども、日本にアメリカの空軍長官が来た場合の表敬のときのこの問題に対する見解を聞いた場合、あるいは今回アメリカに参りましてアメリカの方面のこれに関する見通しなどを聞いた場合、大体従来日本で、歴代の長官か知りませんが、言われておったのと、ほぼ感触は、一、二年のズレはかりにあるにいたしましても、大体その感触は一致しておったかのごとく私は承知をいたしておるのでございますが、その意味において、たとえば一九六八年に御指摘のようなことになるのじゃないか、あるいはそれから数年の間に、あるいはわずかの数ではあるけれども、中距離の弾道弾というようなものができるのじゃないか、大陸間弾道弾は十年以内にはむずかしいのじゃないかという、そうしたようなことについての一応の見解を持っておったわけでございますが、ただし、アメリカにおいても核の開発に並行してミサイルの開発を進めていたことは、ただその実現の時期のいかんは別にして、大体確認されていたようでございます。
 なお、この兵器としての使用可能の問題と開発の段階の問題とで多少の時間的なズレがあるいはあるかと思いますが、いずれにいたしましても、ただいまの御質問に対して以上のように申し上げておきたいと思いますが、なお、三次防のことについて一言お触れになりましたので、この問題について申し上げますならば、三次防の問題は、現段階では防衛庁内の一つの準備といいましょうか、あるいは成案を得ることに努力をして結論が大体出たというような段階で、御指摘のように、国防会議に付議して、これを正式に決定した段階ではないわけでございますので、この問題を携行してアメリカに行って打ち合わせをやったものではございません。また、この問題に対して具体的にアメリカからぜひこうしてもらいたいというような要請もまだなかったわけでございます。しかし、そうしたような段階のことは別といたしまして、こういうように多少感触として——私は専門的知識を先ほど持っていないことを申し上げておりますが、もっとその方面の知識もあるいは権威の方々にもお聞きしなきゃなりませんが、いずれにいたしましても、これは精神的にも非常に影響を受けておるが、日本の防衛的なあるいは防御的な問題として真剣に取り組まなければならぬ段階に来た、それは三次防の中にいわれている海や空の問題などに一体どういうふうに対処していけばいいか。大筋としては、ただいままで作業してまいりました三次防の内容にそう大きな変化はないと思いますけれども、この問題はもっと大事な問題でございまするので、防衛庁のみの見解をただいま申し上げることは、この程度にさせていただきたいと思いますが、なお、専門的なことについては、事務当局から申し上げます。
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島田豊#20
○説明員(島田豊君) 昨日、長官から、衆議院の内閣委員会において、米国側との意見交換の間に出ました中共の核開発の見通しという問題と関連いたしまして、本日の発表ということが非常に食い違うではないかというような御疑念が出されておるというふうに考えますが、これは先ほど長官もちょっとお触れになりましたように、これに対するいろいろな角度からの見方があるわけでございまして、いずれの場合におきましても的確な判断と申しますか、推定を下すことは、いずれにしてもむずかしい問題だと思いますが、たとえばMRBMにつきましてこれが六年、八年かかるか、あるいは二年かかるかということにつきましては、これは兵器としての完成された形において、それが兵器としての使用可能な形において、すなわち軍事的に威力を発揮し得る形において、これをとらえるかどうか、さらにまた開発につきましても、それは一挙に完成された形にまいるわけではないわけでございまして、いろんな段階を経るでございましょうし、また、ミサイルといいましても、これはどういう段階の実験であるかということについても、まだはっきりした材料がございませんので、したがいまして、その間にはたして食い違いがあるのかどうかということについては、私どもも十分確認できないわけでございまして、昨日、長官の御答弁とこの実験との間に大きな開きがあるかどうか、これは今後十分われわれとしても検討してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
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北村暢#21
○北村暢君 もう一点だけ。いまの防衛庁長官の答弁によると、三次防との関連において空と海の云々というようなことを、ばく然とこう言っておりますが、中国の核装備、特に運搬手段が開発されたということによって従来の核爆発実験の段階から兵器として使用する段階に来つつある、それが予測したよりも非常に早い段階に今日来ているということは、これはこの実験によって証明されているのだろうと思います。その点、私は、きのうまでのアメリカとの情報交換における認識と、今日きょうの認識とではだいぶ違ってこなければならないのじゃないか、こういうことなんですよ。われわれは、核兵器について、外交的手段によって核拡散防止からさらに発展して核実験禁止まで持っていくというのが私どもの願いであるけれども、現実の問題として防衛庁では、従来からの答弁によれば、この中国の誘導ミサイル、大陸間弾道弾、あるいは中距離弾道弾などというものを想定して三次防というものができているのでしょう。したがって、その三次防というものについて防衛庁の意見は大体一致したというのであるが、その情勢判断は従来の情報によるものであって、きょう今日このような中国の実験が成功したという報道について、これは当然防衛庁としてこの情勢下において情勢を検討するというのが、これは防衛庁としてはあたりまえのことではないかと私は思うのです。ですから、したがって、防衛庁長官として一体こういう問題について感覚が——感覚の問題なんですよ。私はそういう意味でお伺いしている。三次防は三次防なりでこのままでいいというような意見のようであり、変更する必要はないというような意見でありますけれども、そういうふうに単純に受け取っていいのかどうかということをお伺いしているのです。
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島田豊#22
○説明員(島田豊君) もちろん私どもといたしまして、今回の核実験を契機といたしまして、さらに従来の見通し等につきましても再検討しなければなりません。それはそのとおりであろうと思います。実は三次防と申しますのは、これは何と申しますか、要するに、外国からの核攻撃に対しましては、これは日米安保体制のもとにおきまして、米国の核抑制力に依存しつつ、わが国としては在来型兵器によりますところの局地戦以下の侵略に対処するという方針でいままでまいっておるわけでございますし、したがいまして、そういう意味におきましては、この三次防の性格に非常に大きな変更を加えなければならない、こういうふうには私は考えておらないわけであります。ただ、こういう事態の変化に即応いたしまして、まあ在来型兵器に対処するための防衛力整備につきましても、いろいろ考慮をしなければならないということは言えると思いますが、これに対する直接的な対抗手段、防御手段、そういうものにつきましては、先ほど申しましたような考え方でまいっておるわけでございます。したがいまして、三次防に全然影響ないかということになりますれば、そういうことはないということは申し上げられますけれども、直ちにこれに対して大きく変更を加えなければならない、こういうふうには考えておらないわけでございます。
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伊藤顕道#23
○伊藤顕道君 時間の制約がございますので、この中国の核実験の問題についてはさらに後日に譲ることにして、本論の長官のお国入り問題についてお伺いしたいと思います。
 前回の当委員会では政務次官と官房長中心にお伺いしたわけですが、本日は長官だけにしぼってお伺いしたいと思いまするので、そのおつもりで明確な御答弁をいただきたいと思います。
 で、もうすでに明らかになっておるように、九月二日長官はお国入りに際しまして最高幹部を含む約二十名から成る部下を率いて、また、西部方面隊、第八師団、国分各部隊からわざわざ音楽隊を計八十二名動員されて、選挙区の中心である鹿児島市を大パレードされておるわけです。このことについては衆議院でもいろいろ追及があり、お尋ねがあったわけですが、その行動は、一言にして言うならば、結局基地視察に名をかりた、しかもきわめて明確に巧妙で悪質な選挙運動そのものである、こういうふうに指摘せざるを得ないわけです。このことに対して長官は、衆議院の内閣委員会で昨日公私混同を認めておるわけです。しかも、配慮が足りなかった、こういうふうに答弁されておるわけです。しかし、私はそうは考えないわけです。この配慮が足りなかったというのは国会答弁用のことばであって、実際には十分事前に配慮されて、これは公私混同になるであろうということはもうどなたが考えても明確に判断できるわけです、長官ともあろう方がその区別がつかないはずはない。事前に明確に公私の混同になることは考えながらも、初めて防衛庁長官になられたその勢いで、ひとつ、なにかまわぬという気持ちで選挙運動にはきわめて効果的なこの大パレードをあえて展開された、これが真相ではなかろうかと私は考えるわけです。ほんとうのことをこの際おっしゃっていただきたい。
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上林山榮吉#24
○国務大臣(上林山榮吉君) 伊藤委員がおっしゃいましたように、当委員会においてすでに一応政務次官等からお聞きいただいたそうでございますが、概略そのとおりで、答弁のとおりでございますけれども、重ねての私みずからの口からというお話でございますので、お答えいたしたいと思います。
 私は最初は、公式の行事は公式の行事、あるいは地元の行事は地元の行事、こういうようなふうに原則的には配慮してやってくれ、あるいはそういうふうに期待をしておったわけでございますが、結果的に見ますと、御指摘のような結果が見られた。これは私が伊藤委員の御指摘を受けたように、最初から全部の計画についてきめこまかに配慮をすれば、こういうことにはならなかったであろう。いまにしておそ過ぎるのでございますが、そういうような考え方を持ってほんとうに配慮が足らなかったというふうに考えております。これが純粋の巧妙な選挙運動じゃないか、こういうふうに言われますと、私はそういう気持ちで計画的にやったのではないとお答えする以外に方法はないわけでございますけれども、これはいま申し上げたように、最初の配慮が不十分だった、こういうふうに考えております。
 私は、最初事務当局に申しましたのは、鹿屋や国分や熊本の部隊——言いかえますならば郷土部隊、どうしても北海道と九州は早目に視察したいものだし、まあ郷土部隊もひとつ見たいものだ、それと並行して県庁や県警本部や町村役場などもこの機会にひとつごあいさつをしたい、こういう点は確かにあったわけで、衆議院に伊藤委員も来てよく聞いておられたようでございますが、どうか私の心境を正直に言えといえば、これが正直な見解でございます。どうぞひとつ御推察をお願いをいたしたいと思います。
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伊藤顕道#25
○伊藤顕道君 そういう答弁ではとうてい推察できないわけですが、そこでなおお伺いいたしますが、陸海空三軍の権をあずかっている防衛庁長官として、いま御指摘申し上げたように、ともかく大音楽部隊を動員したり、最高幹部を含む幹部を率いたりして、選挙区をパレードをし、この点を追及されると、昨日衆議院内閣委員会でも、いまも御答弁があったように、特に空港に着かれたときにも、記者団の会見では、そうたいしたあやまちあった行動とは考えられない、そんな大きなあやまちではなかったというようにお答えになっているわけです。こういう考え方ですね、自衛隊を私したも同然ですが、なおかつしかも、これはたいした間違いではなかったというふうなこの考え方、これをせんじ詰めると、将来やはり自衛隊を政権の道具に使うところのいわゆるクーデター、こういうものの危険をはらむ問題である、こういうふうに考えるわけです。ただ誤解のないように、ここで私が上林山長官が、将来クーデターを起こすであろう、こういうことを言っておるのでありませんから、そういう誤解のないように、ただこの考え方を押していくと、自衛隊を自由にできるその立場の長官が、これをいつも私しようとして、この程度まではよかろう、この程度まではよかろうというので、だんだんこれが長じて自信を得て、最終的にはいわゆる政治のための道具に使う、こういうことが理論的に考えられるわけですね、この点については、こういう考え方はあなたはどういうふうに受けとめられますか、それを長官の考えとしてお答えいただきたい。
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上林山榮吉#26
○国務大臣(上林山榮吉君) 伊藤委員が長い将来をおもんばかられて、こういうことが積み重なっていけばクーデターも起こりかねないというその見解は一つの見解かもわかりませんが、私自身そういう意図はもちろんございません。そこで幹部を連れて行ったじゃないか、音楽隊を動員したじゃないか、こうおっしゃいますと、言いわけがましくなるので、できるだけそういう印象を払拭しながらお答えしたいのでございますけれども、事実はやっぱり事実として、事務当局からもお聞きいただいたと思いますが、私としては音楽隊を東京から連れて行けとかあるいは地元の音楽隊を動員せよとか、あるいは幹部諸君もほかの仕事はほっておいてみんなぼくのあとについてこいとか、こういうようなことはいたさなかったのでございます。ただ計画の当初に配慮がもっとこまかいところまで私がしておれば、こういう結果にはならなかったであろうときびしく自己反省をいたしておるのでございまして、その間の事情をおくみ取り願えれば幸いだと私は考えるわけでございますけれども、決してうそを申し上げているのじゃなくて、真相はそうである、ほんとうに自分では計画の当初配慮すればよかった、今後ひとつこういうことのないように、また誤解を受けるような処置がないように最善の努力をしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
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伊藤顕道#27
○伊藤顕道君 次にお伺いしておきたいのは、前回十七日の当委員会で要求した資料に関して、一、二お伺いしておきたいと思いますが、たとえば、その中で音楽隊だけに問題をしぼって、時間の関係もありますから、音楽隊だけにしぼってお伺いするわけですが、ここの資料によりますと、九月二日だけの鹿児島市のパレードで西部方面隊の音楽隊は三十二名、第八師団の音楽隊も三十二名、国分音楽隊は十八名、計八十二名、それから第二日の九月四日は、数は省略しますが三回やっておる、十八名、十八名、十八名。これは国分音楽隊を使っておる。それから三日目は七日で、これも伊集院町、加世田市、加世田市の公民館というふうに三回、これは第八師団の音楽隊だからそれぞれ三十二名、三十二名の三倍ということになります。それから四日目の九月八日は枕崎市、これも第八師団の音楽隊、これも三十二名、こういうふうにして四日間の延べ総計は実に二百六十四名の音楽隊を動員したということになるわけです。こういうふうな動員した目的は一体那辺にあるのかという昨日の衆議院の内閣委員会の質問に対して、防衛庁としてはそれは広報活動のためだ、そういうふうにお答えになっておるわけです。そこで、このことについてお伺いするわけですが、先ほども申し上げたような情勢の中での音楽隊でございますから、私はそうは考えない、そう考えられない、これは自衛隊の広報活動ではなくして、衆議院議員の上林山榮吉その人の広報活動である、即選挙運動だ、こういうふうに断定せざるを得ないわけです。この点についてもこの際ここで明確にしておきたいと思うわけです。長官の答弁を願います。官房長にはこの前聞いておる。
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海原治#28
○説明員(海原治君) 委員長の許可を得ましたので私からお答え申し上げます。
 音楽隊の派遣の理由につきましては、前回の当委員会におきましても御説明したとおりでございまして、お手元の資料を見ていただければおわかりいただけますように、それぞれの父兄会の会長から所定の手続を経まして要請が出ております。したがいまして、前回もお話し申し上げたと思いますが、それぞれの音楽隊を持っておりますところの部隊長は、「防衛庁の広報活動に関する訓令」、こういうものがございますが、これの示すところに従って音楽隊を派遣して「自衛隊と国民との親和を図る」こういう目的のもとの行事を行なったということでございます。前回も申し上げましたが、選挙運動ということにつきましては、私ども全然これはそういうことを考えるべき筋のものではございませんし、そのような状況でなかったということでございますので、御了承願いたいと思います。
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伊藤顕道#29
○伊藤顕道君 いま一回だけ官房長が代弁されたのは、もう事実だからやむを得ぬとして、今後はかたくお断わりしますから、こちらの指名した人から御答弁をいただきたい。重ねてお願いしておきます。
 ここにも、いま官房長の言われたような趣旨がございますが、音楽隊の派遣については、ここにある「防衛庁の広報活動に関する訓令」これによっておるわけですが、この該当条項は十二条、こういうことで、特に今回の面に関係があるのは、「部外行事に対する協力」と、そういう個々の、指摘されておると思う。そこで今回防衛庁としては、音楽隊の動員は広報活動だといま言われたわけですけれども、これは結局部下として長官がああいう事実をやったことに対して、選挙運動ではないかときめつけられれば、それは選挙運動でございますと言えないでしょう、その気持ちだけはわかります。その気持ちだけはわかりますけれども、これは完全に選挙運動そのものであることはきわめて明確です、これは。おそらく常識として当然、そういうふうに考えられるわけです。そういうことで結局、さてそういう前提に立てば、いま私の指摘しておるこの選挙運動という条項は、選挙運動に協力していいのかどうか、これは一体「広報活動に関する訓令」のどこに該当するのか、この点をこの際明らかにしていただきたいと思います。
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