大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十五年六月十一日(木曜日)
午前十時三十六分開議
出席小委員
小委員長 藤井 勝志君
木部 佳昭君 田村 元君
高橋清一郎君 登坂重次郎君
松本 十郎君 森 美秀君
阿部 助哉君 平林 剛君
堀 昌雄君 二見 伸明君
永末 英一君
小委員外の出席者
公正取引委員会
委員長 谷村 裕君
公正取引委員会
事務局取引部長 坂本 史郎君
大蔵政務次官 中川 一郎君
大蔵大臣官房審
議官 高木 文雄君
大蔵省証券局長 志場喜徳郎君
大蔵省銀行局長 近藤 道生君
大蔵委員会調査
室長 末松 経正君
—————————————
六月十一日
小委員奥田敬和君、木野晴夫君及び竹本孫一君
同日小委員辞任につき、その補欠として田村元
君、森美秀君及び永末英一君が委員長の指名で
小委員に選任された。
同日
小委員田村元君、森美秀君及び永末英一君同日
小委員辞任につき、その補欠として奥田敬和
君、木野晴夫君及び竹本孫一君が委員長の指名
で小委員に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
金融及び証券に関する件(歩積・両建及び証券
行政の現状)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時三十六分開議
出席小委員
小委員長 藤井 勝志君
木部 佳昭君 田村 元君
高橋清一郎君 登坂重次郎君
松本 十郎君 森 美秀君
阿部 助哉君 平林 剛君
堀 昌雄君 二見 伸明君
永末 英一君
小委員外の出席者
公正取引委員会
委員長 谷村 裕君
公正取引委員会
事務局取引部長 坂本 史郎君
大蔵政務次官 中川 一郎君
大蔵大臣官房審
議官 高木 文雄君
大蔵省証券局長 志場喜徳郎君
大蔵省銀行局長 近藤 道生君
大蔵委員会調査
室長 末松 経正君
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六月十一日
小委員奥田敬和君、木野晴夫君及び竹本孫一君
同日小委員辞任につき、その補欠として田村元
君、森美秀君及び永末英一君が委員長の指名で
小委員に選任された。
同日
小委員田村元君、森美秀君及び永末英一君同日
小委員辞任につき、その補欠として奥田敬和
君、木野晴夫君及び竹本孫一君が委員長の指名
で小委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
金融及び証券に関する件(歩積・両建及び証券
行政の現状)
————◇—————
藤
近
近藤道生#2
○近藤説明員 歩積み・両建て預金の問題につきまして、その経緯と現状の概略を初めに申し上げます。
大蔵省はかねてから過当な歩積み・両建て預金を自粛整理するように金融機関を指導し、また金融機関におきましてもこれにこたえてその自粛申し合わせを行なってきたのでございますが、御承知のようにその是正はなかなか行なわれない実情でございました。
昭和三十八年になりまして、衆議院大蔵委員会を中心といたしまして歩積み・両建て預金問題が大きく取り上げられたわけでございますが、種々の議論を経た後、昭和三十九年六月二十五日に同委員会におかれまして「大蔵省は新たなる指導基準を金融機関に示達し、一年間を目途として不当な歩積・両建が完全に解消するよう行政指導を強化する」こと等につきまして決議されたのでございます。
この決議を受けまして、同日付で大蔵省は各金融団体あてに、歩積み・両建て預金整理指導方針並びに自粛基準を示しました。これがいわゆる第一ラウンドの措置と呼ばれるものでございます。すなわち、この自粛基準におきましては、第一に、自粛整理されるべき過当な歩積み・両建て預金の範囲を明確にする基準を示しました。第二に、この自粛対象預金を、銀行は昭和四十年五月末までの一年間に、相互銀行及び信用金庫は昭和四十一年五月末までの二年間に、それぞれゼロにすることを目途として整理すべき旨を指示いたしております。第三に、全金融機関から各営業店ごとに毎年五月末及び十一月末現在で歩積み・両建て預金等に関する報告を徴求することを指示いたしております。これは今日まで継続して行なわれているところでございます。
各金融団体はこの銀行局長通達に従ってそれぞれ自粛措置を申し合わせ、実行したのでありますが、金融機関から毎年五月、十一月現在で徴しております報告によりますれば、各金融機関とも所定の期間にその整理を完了いたしたこととされております。
なお、大蔵省は歩積み・両建て預金の自粛整理を一そう促進するため、昭和四十年十月に歩積み両建て預金苦情相談所を設け、各財務局、財務部所在地の商工会議所におきまして週一回これを開設いたしております。昭和四十一年五月からはこの相談所を全国約百二十カ所に拡張いたしました。
第一ラウンドの措置は一応所期の成果をあげたのでありますが、昭和四十一年十月三十一日に至りまして、大蔵省は各金融団体に対し、貸し出し金に対する拘束性預金の比率の引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の引き下げを内容とする自粛措置の強化を指示いたしました。これがいわゆる第二ラウンドの措置であります。各金融団体はこの通達に従ってそれぞれ自粛措置の強化を申し合わせております。
この規制措置は、銀行については昭和四十三年十一月、相互銀行については昭和四十四年十一月、信用金庫については昭和四十五年十一月がそれぞれ目標期限になっておりますが、各金融機関からの報告では、銀行、相互銀行においては所定の期限内に目標を達成しております。また信用金庫についてもおおむね予定どおりに自粛措置が進められております。
このように、第一、第二ラウンドの措置の目標が達成され、歩積み・両建て預金の自粛整理が次第に進められてきましたものの、なお拘束性預金に関する世の非難にはきびしいものがあり、その自粛整理の一そうの徹底が必要と認められるに至りましたので、昨年九月、金利表示の年利建て移行を機会に、大蔵省はあらためて各金融団体に対し、拘束性預金比率の一そうの引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の一そうの引き下げ、債務者に対してその預金の拘束の有無の通知の励行等を内容とする自粛措置の徹底についての通達を発したのであります。
歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては以上のほか、銀行検査におきまして常時、検査の重点項目の一つとして取り上げてきております。
次に現状でございますが、以上の結果、歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては、昭和三十八年当時から見れば全般的にはかなりの改善が行なわれたのであります。すなわち、第一に、自粛対象預金のみならず、広く拘束性預金一般につきまして一定基準に従いその対応する貸し出し金の金利が引き下げられております。第二に、拘束性預金の貸し出し金に対する割合、いわゆる拘束性預金比率はかなり大幅に低下いたしました。都銀につきまして申し上げますと、昭和三十九年五月末で一二・二%でありましたものが、昨年十一月末には四・八%にまで下がっております。他の金融機関につきましてもほぼ同様であります。
また公正取引委員会におかれましても、独自の立場から毎年二回中小企業者を対象に拘束預金の実態についてアンケート調査を行なっておられますが、その調査結果も大勢としては大蔵省調査とほぼ同様の傾向を示しております。その調査結果を都銀について見ますと、拘束性預金比率が三十九年三月末で三二・一%であったものが、四十四年十一月末では八・一%と、かなりの低下を見ております。他の金融機関もほぼ同様であります。
次に、今後の方針でございますが、このように歩積み・両建て預金の整理のための措置につきましては一応その形は整ったのでございますが、事柄の性質上その根はなかなかに深いものがございます。したがって、今後はその整えられた規制の方式をより実効あらしめるために、実施面において一段のくふうと努力を重ねてまいりたいと存じております。
その具体的な手段といたしましては、第一に、金融機関検査の際に重点項目として検査、指導することであります。第二に、公正取引委員会と密接な連絡をはかりつつ実効ある指導を進めることでございます。第三に、歩積み・両建てが行なわれる根本的な原因の一つとして、預金獲得の際の過当競争があると考えられます。金融機関の経営態度がいたずらに表面的な預金残高の誇示等の過当競争に走らない、量より質の競争に向かうよう指導、くふうしてまいりたいと考えております。第四に、歩積み・両建ての整理にあたっては、債務者の側においても泣き寝入りをしないような慣行をつくり上げることが重要であります。不満があれば苦情相談所等を大いに活用していただきたいと存じます。またそのためには、金融機関の債務者に対する預金の拘束の有無の通知の励行を特に重視して指導していく必要があろうかと存じます。
以上、歩積み・両建ての預金規制についての経緯と現状と今後の方針について、簡単に申し上げた次第でございます。
この発言だけを見る →大蔵省はかねてから過当な歩積み・両建て預金を自粛整理するように金融機関を指導し、また金融機関におきましてもこれにこたえてその自粛申し合わせを行なってきたのでございますが、御承知のようにその是正はなかなか行なわれない実情でございました。
昭和三十八年になりまして、衆議院大蔵委員会を中心といたしまして歩積み・両建て預金問題が大きく取り上げられたわけでございますが、種々の議論を経た後、昭和三十九年六月二十五日に同委員会におかれまして「大蔵省は新たなる指導基準を金融機関に示達し、一年間を目途として不当な歩積・両建が完全に解消するよう行政指導を強化する」こと等につきまして決議されたのでございます。
この決議を受けまして、同日付で大蔵省は各金融団体あてに、歩積み・両建て預金整理指導方針並びに自粛基準を示しました。これがいわゆる第一ラウンドの措置と呼ばれるものでございます。すなわち、この自粛基準におきましては、第一に、自粛整理されるべき過当な歩積み・両建て預金の範囲を明確にする基準を示しました。第二に、この自粛対象預金を、銀行は昭和四十年五月末までの一年間に、相互銀行及び信用金庫は昭和四十一年五月末までの二年間に、それぞれゼロにすることを目途として整理すべき旨を指示いたしております。第三に、全金融機関から各営業店ごとに毎年五月末及び十一月末現在で歩積み・両建て預金等に関する報告を徴求することを指示いたしております。これは今日まで継続して行なわれているところでございます。
各金融団体はこの銀行局長通達に従ってそれぞれ自粛措置を申し合わせ、実行したのでありますが、金融機関から毎年五月、十一月現在で徴しております報告によりますれば、各金融機関とも所定の期間にその整理を完了いたしたこととされております。
なお、大蔵省は歩積み・両建て預金の自粛整理を一そう促進するため、昭和四十年十月に歩積み両建て預金苦情相談所を設け、各財務局、財務部所在地の商工会議所におきまして週一回これを開設いたしております。昭和四十一年五月からはこの相談所を全国約百二十カ所に拡張いたしました。
第一ラウンドの措置は一応所期の成果をあげたのでありますが、昭和四十一年十月三十一日に至りまして、大蔵省は各金融団体に対し、貸し出し金に対する拘束性預金の比率の引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の引き下げを内容とする自粛措置の強化を指示いたしました。これがいわゆる第二ラウンドの措置であります。各金融団体はこの通達に従ってそれぞれ自粛措置の強化を申し合わせております。
この規制措置は、銀行については昭和四十三年十一月、相互銀行については昭和四十四年十一月、信用金庫については昭和四十五年十一月がそれぞれ目標期限になっておりますが、各金融機関からの報告では、銀行、相互銀行においては所定の期限内に目標を達成しております。また信用金庫についてもおおむね予定どおりに自粛措置が進められております。
このように、第一、第二ラウンドの措置の目標が達成され、歩積み・両建て預金の自粛整理が次第に進められてきましたものの、なお拘束性預金に関する世の非難にはきびしいものがあり、その自粛整理の一そうの徹底が必要と認められるに至りましたので、昨年九月、金利表示の年利建て移行を機会に、大蔵省はあらためて各金融団体に対し、拘束性預金比率の一そうの引き下げ、拘束性預金に対応する貸し出し金の金利の一そうの引き下げ、債務者に対してその預金の拘束の有無の通知の励行等を内容とする自粛措置の徹底についての通達を発したのであります。
歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては以上のほか、銀行検査におきまして常時、検査の重点項目の一つとして取り上げてきております。
次に現状でございますが、以上の結果、歩積み・両建て預金の自粛整理につきましては、昭和三十八年当時から見れば全般的にはかなりの改善が行なわれたのであります。すなわち、第一に、自粛対象預金のみならず、広く拘束性預金一般につきまして一定基準に従いその対応する貸し出し金の金利が引き下げられております。第二に、拘束性預金の貸し出し金に対する割合、いわゆる拘束性預金比率はかなり大幅に低下いたしました。都銀につきまして申し上げますと、昭和三十九年五月末で一二・二%でありましたものが、昨年十一月末には四・八%にまで下がっております。他の金融機関につきましてもほぼ同様であります。
また公正取引委員会におかれましても、独自の立場から毎年二回中小企業者を対象に拘束預金の実態についてアンケート調査を行なっておられますが、その調査結果も大勢としては大蔵省調査とほぼ同様の傾向を示しております。その調査結果を都銀について見ますと、拘束性預金比率が三十九年三月末で三二・一%であったものが、四十四年十一月末では八・一%と、かなりの低下を見ております。他の金融機関もほぼ同様であります。
次に、今後の方針でございますが、このように歩積み・両建て預金の整理のための措置につきましては一応その形は整ったのでございますが、事柄の性質上その根はなかなかに深いものがございます。したがって、今後はその整えられた規制の方式をより実効あらしめるために、実施面において一段のくふうと努力を重ねてまいりたいと存じております。
その具体的な手段といたしましては、第一に、金融機関検査の際に重点項目として検査、指導することであります。第二に、公正取引委員会と密接な連絡をはかりつつ実効ある指導を進めることでございます。第三に、歩積み・両建てが行なわれる根本的な原因の一つとして、預金獲得の際の過当競争があると考えられます。金融機関の経営態度がいたずらに表面的な預金残高の誇示等の過当競争に走らない、量より質の競争に向かうよう指導、くふうしてまいりたいと考えております。第四に、歩積み・両建ての整理にあたっては、債務者の側においても泣き寝入りをしないような慣行をつくり上げることが重要であります。不満があれば苦情相談所等を大いに活用していただきたいと存じます。またそのためには、金融機関の債務者に対する預金の拘束の有無の通知の励行を特に重視して指導していく必要があろうかと存じます。
以上、歩積み・両建ての預金規制についての経緯と現状と今後の方針について、簡単に申し上げた次第でございます。
藤
谷
谷村裕#4
○谷村説明員 拘束預金に関する公正取引委員会の検討並びに実態調査の実施の経緯について申し上げます。
いわゆる不当な両建て・歩積み預金の問題は、金融機関がその取引上優越した地位を利用して貸し出し先企業に不当な拘束預金をさせているという形において、独占禁止法で規定しております不公正な取引方法の一類型に該当するものと考えられ、公正取引委員会としても昭和三十年代の初期ごろに具体的な違反の案件というようなものも取り上げまして調査し、また処理した事例もあったわけでございます。また大蔵省は、ただいまお話がありましたように、従来ともしばしば不当な歩積み・両建て預金の解消のための指導を行なってまいったわけでありますが、いま説明がありましたように、必ずしもそれは十分に実効をあげるわけにはいかなかったようでございました。
そこで公正取引委員会といたしましても、従来のように当事者の申告を待って事案を処理するという消極的な態度をもってしては事態の改善に十分の効果をあげることができないという判断をいたしまして、積極的にこれと取り組むことといたしました。それは、ちょうど先ほど説明がありましたように、昭和三十八年の大蔵委員会でいろいろ問題が起こり、脚光を浴びたころからのことでございます。
そこで第一段階といたしまして、全国銀行協会連合会あるいは相互銀行協会、信用金庫協会等を通じまして、その傘下にある主要金融機関に対し文書をもって、不当な両建て・歩積み預金の解消についての自粛を促し、事態が改善されない場合には必要な措置をとる旨警告を行なったわけであります。また全国労働金庫協会、全国信用組合中央協会、商工組合中央金庫、農林中央金庫に対しても右警告の趣旨を通知するとともに、関係官庁、各都道府県知事及び日本銀行にも連絡をいたしまして、その協力を求めたということでございます。
その後、公正取引委員会といたしましてはしばらく事態の推移を見守っておったわけでございますが、大蔵省のほうでも監督を一段と強化し、金融機関も自粛の措置を実施する方向をとったわけでございますが、なかなか十分な効果が必ずしも期待したとおりには出てこないということで、昭和三十九年の秋ごろからいわゆる特殊指定問題というのが検討されたわけでございます。これは、公正取引委員会のほうとしていわば金融業における不公正な取引方法としてはこういうのが該当するという形でもって、一つの特殊の指定を法に基ついてしよう、そういう考え方も出てきたわけでございます。と同時に、不当な両建て・歩積み預金についての実情把握ということ、金融機関の自粛状況をできれば広範に知るために、いわゆる中小企業者のうちからある程度抽出いたしました調査対象に、アンケート調査という形でもっていろいろと実情を調べるというのを、昭和三十九年三月末現在で第一回の実施をやったわけでございます。
その後、先ほど話が出ましたように、衆議院の大蔵委員会で決議が行なわれまして、その際に、公取のほうも不公正な取引方法と認められるいわば具体的な基準について検討を進める、そしてまた金融機関の自粛状況も常時監視すべきである、かようなご決議をいただいたわけでございます。それを受けまして公取の内部におきましては、特殊指定の問題について検討を継続するといたしますとともに、アンケート調査について年二回やっていこうということにいたしまして、そのときから始めまして計十二回のアンケート調査をやっているわけでございます。
アンケート調査につきましては、お手元にたしか参考資料として差し上げてあるかと思うのでございますが、回収率というのはこれはなかなか思うようにいかないのでございますが、それでも対象になる中小企業者の数もかなりふやしております。そして集まってきました数字で大体見ておりますと、これは狭義の拘束預金で見ますと、いわゆる拘束預金額の総借り入れ額に対する割合は、第一回に調査しましたときには二九・三%という高い数字であったのでございまが、それからだんだんに漸減する傾向をたどってまいりまして、去年の十一月三十日現在でいたしました十二回の調査では、狭義の拘束預金率が八・四%という率になっております。しかし中小企業者のほうの調査で見ますと、この狭義の拘束預金だけというのではいけないのでありまして、もっと広く、広義の拘束預金と申しますか、それで見てみる必要があるわけでございます。それで見ますと、昭和四十年三月末現在で見ましたときが大体三二・八%という数字になっていますが、ある程度減ってまいっておりますけれども、去年の十一月調査では二〇・二%という数字になっておりました。自粛と申しますか、その傾向が、先ほど説明のありましたように、進んでおることは認められるのでございますが、なおそれでいいかということになれば、それはもう少しやってもらわなければならないというふうに思われるわけでございます。
さような次第でございまして、現在もいろいろの意味で、特に金融問題が中小企業者との関係において、また中小企業者と限らず、一般にその金融の対象になっておる事業者との間において問題がある時期でございますし、公正取引委員会といたしましては今後ともかような調査を継続してやってまいりますとともに、拘束預金の自粛のあり方を私どもの立場から警戒しながら見守っていくようにいたしたい。かような状況でございます。
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この発言だけを見る →いわゆる不当な両建て・歩積み預金の問題は、金融機関がその取引上優越した地位を利用して貸し出し先企業に不当な拘束預金をさせているという形において、独占禁止法で規定しております不公正な取引方法の一類型に該当するものと考えられ、公正取引委員会としても昭和三十年代の初期ごろに具体的な違反の案件というようなものも取り上げまして調査し、また処理した事例もあったわけでございます。また大蔵省は、ただいまお話がありましたように、従来ともしばしば不当な歩積み・両建て預金の解消のための指導を行なってまいったわけでありますが、いま説明がありましたように、必ずしもそれは十分に実効をあげるわけにはいかなかったようでございました。
そこで公正取引委員会といたしましても、従来のように当事者の申告を待って事案を処理するという消極的な態度をもってしては事態の改善に十分の効果をあげることができないという判断をいたしまして、積極的にこれと取り組むことといたしました。それは、ちょうど先ほど説明がありましたように、昭和三十八年の大蔵委員会でいろいろ問題が起こり、脚光を浴びたころからのことでございます。
そこで第一段階といたしまして、全国銀行協会連合会あるいは相互銀行協会、信用金庫協会等を通じまして、その傘下にある主要金融機関に対し文書をもって、不当な両建て・歩積み預金の解消についての自粛を促し、事態が改善されない場合には必要な措置をとる旨警告を行なったわけであります。また全国労働金庫協会、全国信用組合中央協会、商工組合中央金庫、農林中央金庫に対しても右警告の趣旨を通知するとともに、関係官庁、各都道府県知事及び日本銀行にも連絡をいたしまして、その協力を求めたということでございます。
その後、公正取引委員会といたしましてはしばらく事態の推移を見守っておったわけでございますが、大蔵省のほうでも監督を一段と強化し、金融機関も自粛の措置を実施する方向をとったわけでございますが、なかなか十分な効果が必ずしも期待したとおりには出てこないということで、昭和三十九年の秋ごろからいわゆる特殊指定問題というのが検討されたわけでございます。これは、公正取引委員会のほうとしていわば金融業における不公正な取引方法としてはこういうのが該当するという形でもって、一つの特殊の指定を法に基ついてしよう、そういう考え方も出てきたわけでございます。と同時に、不当な両建て・歩積み預金についての実情把握ということ、金融機関の自粛状況をできれば広範に知るために、いわゆる中小企業者のうちからある程度抽出いたしました調査対象に、アンケート調査という形でもっていろいろと実情を調べるというのを、昭和三十九年三月末現在で第一回の実施をやったわけでございます。
その後、先ほど話が出ましたように、衆議院の大蔵委員会で決議が行なわれまして、その際に、公取のほうも不公正な取引方法と認められるいわば具体的な基準について検討を進める、そしてまた金融機関の自粛状況も常時監視すべきである、かようなご決議をいただいたわけでございます。それを受けまして公取の内部におきましては、特殊指定の問題について検討を継続するといたしますとともに、アンケート調査について年二回やっていこうということにいたしまして、そのときから始めまして計十二回のアンケート調査をやっているわけでございます。
アンケート調査につきましては、お手元にたしか参考資料として差し上げてあるかと思うのでございますが、回収率というのはこれはなかなか思うようにいかないのでございますが、それでも対象になる中小企業者の数もかなりふやしております。そして集まってきました数字で大体見ておりますと、これは狭義の拘束預金で見ますと、いわゆる拘束預金額の総借り入れ額に対する割合は、第一回に調査しましたときには二九・三%という高い数字であったのでございまが、それからだんだんに漸減する傾向をたどってまいりまして、去年の十一月三十日現在でいたしました十二回の調査では、狭義の拘束預金率が八・四%という率になっております。しかし中小企業者のほうの調査で見ますと、この狭義の拘束預金だけというのではいけないのでありまして、もっと広く、広義の拘束預金と申しますか、それで見てみる必要があるわけでございます。それで見ますと、昭和四十年三月末現在で見ましたときが大体三二・八%という数字になっていますが、ある程度減ってまいっておりますけれども、去年の十一月調査では二〇・二%という数字になっておりました。自粛と申しますか、その傾向が、先ほど説明のありましたように、進んでおることは認められるのでございますが、なおそれでいいかということになれば、それはもう少しやってもらわなければならないというふうに思われるわけでございます。
さような次第でございまして、現在もいろいろの意味で、特に金融問題が中小企業者との関係において、また中小企業者と限らず、一般にその金融の対象になっておる事業者との間において問題がある時期でございますし、公正取引委員会といたしましては今後ともかような調査を継続してやってまいりますとともに、拘束預金の自粛のあり方を私どもの立場から警戒しながら見守っていくようにいたしたい。かような状況でございます。
—————————————
藤
堀
堀昌雄#6
○堀小委員 ただいま御報告がありましたように、歩積み・両建て預金の問題は当金融小委員会においていろいろと論議をいたしまして、決議が出まして以来大幅に改善をされてまいりまして、当初の状態に比べますと中小企業の負担はかなり軽減をされてきたということは、大蔵省及び公正取引委員会の努力にまつところもあり、その点については正しく評価をしていきたいと思います。
ただこの問題については、それでは一体拘束預金というのはどこまで下げられるのかどうかという問題が実は一つあろうかと思います。そこで一つこれを例示として現在の大蔵省の資料によりますと、この拘束預金の問題は特に中小企業の問題が大きいわけでありますから、都市銀行で見ますと、この拘束預金比率は昨年の十一月で一二・八%、地方銀行で一二・四%、ここまで下がってきたわけでありますが、さらに私はこれはもう少し下げられるのではないだろうか。そのことは、実はこの第二ランウドをやりましたときの基本的な考え方の中には、実は地方銀行なり都市銀行なり相互銀行、信用金庫のグループにおいて、グループ内でこの拘束預金比率の分布が変わっているわけであります。拘束預金比率の非常に低い金融機関と、そのグループの中でも高い金融機関とがある。本来、そのグループの中で低い金融機関があるということは、やればできるということを示しているのだから、そこで高いほうのものは大幅にシフトをさせて低いほうに近づける、現在低いものも、現在より少しでもより低くしようというジャンル別シフト方式というのが実は第二ラウンドの発想の根底に立っているわけであります。そういう意味では私は、現在の時点における各ジャンルの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の最も低い拘束預金比率というところまでは、全体がそこまでいけてもいいのではないか、そういうふうに現状で判断をしておるわけです。
そこで最初にお伺いをしたいのは、いまの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の中小企業向けの部分についての拘束預金の最低比率は一体幾らになっておるか、ちょっとこれをいまのジャンル別に答えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →ただこの問題については、それでは一体拘束預金というのはどこまで下げられるのかどうかという問題が実は一つあろうかと思います。そこで一つこれを例示として現在の大蔵省の資料によりますと、この拘束預金の問題は特に中小企業の問題が大きいわけでありますから、都市銀行で見ますと、この拘束預金比率は昨年の十一月で一二・八%、地方銀行で一二・四%、ここまで下がってきたわけでありますが、さらに私はこれはもう少し下げられるのではないだろうか。そのことは、実はこの第二ランウドをやりましたときの基本的な考え方の中には、実は地方銀行なり都市銀行なり相互銀行、信用金庫のグループにおいて、グループ内でこの拘束預金比率の分布が変わっているわけであります。拘束預金比率の非常に低い金融機関と、そのグループの中でも高い金融機関とがある。本来、そのグループの中で低い金融機関があるということは、やればできるということを示しているのだから、そこで高いほうのものは大幅にシフトをさせて低いほうに近づける、現在低いものも、現在より少しでもより低くしようというジャンル別シフト方式というのが実は第二ラウンドの発想の根底に立っているわけであります。そういう意味では私は、現在の時点における各ジャンルの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の最も低い拘束預金比率というところまでは、全体がそこまでいけてもいいのではないか、そういうふうに現状で判断をしておるわけです。
そこで最初にお伺いをしたいのは、いまの都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫の中小企業向けの部分についての拘束預金の最低比率は一体幾らになっておるか、ちょっとこれをいまのジャンル別に答えていただきたいと思います。
近
近藤道生#7
○近藤説明員 まず相互銀行の場合で申し上げますと、最低の拘束性預金比率が五・〇から七・四までの間のものが一行ございます。それから信用金庫につきましては二・四が一行ございます。相銀、信金につきましては大体以上のとおりでございます。
この発言だけを見る →堀
堀昌雄#8
○堀小委員 都市銀行、地方銀行はないようでありますが、いまのお話の相互銀行で見て大体どのくらいになりますか——六%くらいでしょうか。六%くらいということになりますと、相互銀行の現在の平均というのが一八・一%でありますから、まず三分の一程度のところが下限にある。それから信用金庫についていいますと、二・四%というのはちょっと低過ぎるくらい低いのでありますが、要するに五%程度というものが少しあるわけですから、これも二四・七という平均値から見ますと、これはやはりかなりまだ下げ得る余地はあるのではないか。もちろん、拘束預金比率が非常に小さいということの中には各種のいろんな条件がその銀行、金融機関にあるかもわかりませんから、ただ機械的にすぐこれをもって基準とすることの当否は別でありますけれども、おそらく、相銀、信金でこの程度のものがある以上は、地銀、都銀におきましても、当然、平均が一二・四ということは信金の場合の二分の一、それから相銀の場合の三分の二ということでありますから、いずれもそれから見て下限がさらに低いものがあるだろうことは予想される。ですから、拘束預金比率をだんだん下げていくといういまの考え方、特に第二ラウンドの発想というものはどこかで区切る必要はないのであって、継続的に——私が最初に申し上げたようにある程度低いものをそれ以下にすることはなかなか困難であります。金融機関単位として五%程度というところまできておれば、これはそれ以上に下げることはやや現在の全体のバランスから見て無理があろうかと思いますが、その他のものは要するに非常に高いところ、おそらく平均値から見ますと三五なり四〇ぐらいのものも入っておる、下が五%程度くらいですから。そういう分布になっているわけですから、それをだんだん、大きいものはより大幅に、中位のものはやや小幅にということで、やはりもう少しこれを年々シフトをさせていくという方針は、私は全金融機関の分布の状況に応じてなお行ない得るものではないのか、こういうふうに考えますが、その点についての銀行局の見解を承りたいと思います。
この発言だけを見る →近
近藤道生#9
○近藤説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、実は従来から、たとえば四十四年の五月末現在と比較いたしますと、先ほど申し上げました相互銀行の最低の五%ないし七・四%という刻みのものは一つもなかったわけでございまして、七・五ないし九・九というところが三行ございました。それが次第に低くなりまして、現在先ほど申し上げたような数字になっております。
それから高いほうにつきましてもただいまお示しのとおりでございまして、現在三五ないし三七・四というようなところが一行ございますが、これは四十四年の五月末には四〇ないし四二・四というようなところに位置をいたしておりました。それが次第にシフトをいたしてまいったということでございますが、信用金庫につきましてもほぼ同様でございまして、ただいまやはりお示しのように四五ないし四七・四というようなところが昨年の五月末現在には一つございましたが、それが次第にシフトいたしまして、現在は最高が三七・五ないし三九・九というようなところまでシフトいたしてまいっております。このような調子で、まあ将来も次第にシフトをしていく、そのスピードもできるだけ速いほうがいいというふうに考えております。
この発言だけを見る →それから高いほうにつきましてもただいまお示しのとおりでございまして、現在三五ないし三七・四というようなところが一行ございますが、これは四十四年の五月末には四〇ないし四二・四というようなところに位置をいたしておりました。それが次第にシフトをいたしてまいったということでございますが、信用金庫につきましてもほぼ同様でございまして、ただいまやはりお示しのように四五ないし四七・四というようなところが昨年の五月末現在には一つございましたが、それが次第にシフトいたしまして、現在は最高が三七・五ないし三九・九というようなところまでシフトいたしてまいっております。このような調子で、まあ将来も次第にシフトをしていく、そのスピードもできるだけ速いほうがいいというふうに考えております。
堀
堀昌雄#10
○堀小委員 そこで、こういう分布を見て感じますことは、これは特に相互銀行、信用金庫というのは地域性があるわけです。この歩積み・両建て比率が依然として非常に高いのは一体どういう地域にあるのか、低いのは一体どういう地域にあるのか。これと地域性の関係は調査ができておりましょうか。
この発言だけを見る →近
近藤道生#11
○近藤説明員 ただいままで特に地域についてどういう地域が高いかということよりも、どうもやはり経営のしぶりというようなほうによりウエートがあるような感じをいたしてはおりますが、まだ必ずしもその分析は明確ではございません。
この発言だけを見る →堀
堀昌雄#12
○堀小委員 この歩積み・両建て問題はきょうを皮切りに自後何回かずっと続けてやっていただきますが、歩積み・両建ての問題が非常に分布の幅が広いということ、この分布の幅が金融機関によって広いということは一体何に基因しているのかということですね。たとえば相互銀行である分布が出ている。それから信用金庫にも出ている。そうすると、私がいま伺ったのは地域性の問題として、ある地域は、まあほかも歩積み・両建てがあるからまあまあこっちもやっておるというか、その地域性の中にそういう条件があるのか。本来競争が原則としてあるわけですから、もしそういう地域の中にいろいろアンバランスの問題がかなりあるとすれば、これはおそらくその選択の時期にはかなりそれも変わってくるのではないだろうか。ですから、きょうは初めてでありますから、まず私はこれをひとつ都銀、地銀、相銀、信金すべてについてその分布についての分析、それは地域性の問題もあるだろうと思います、あるいは経営のあり方、たとえばそれを単純な言い方で言いますと、大きいものか小さいものか、預金量なりあるいは統一経理基準による何らかの標準、計数によってこれを分析してみるとどういうことになるのか。要するに、私どもはこの問題をやってまいりますときには、全体の水準を下げることも確か非常に意味があります。しかし同時に、借り入れをしておるのは全体の平均値で実は借り入れをしておるのではなくて、個々の金融機関で借り入れをしておる。そうすると、さっきお話のありましたように、三五%もの拘束預金比率を行なっておる金融機関が現状依然としてある。片方には五%程度のものもある。たいへんな金利負担の相違がこの二つの金融機関の中にはあるわけで、それを対象とする中小企業はこれはたいへんな負担の相違があるわけでありますから、まずやはりこの問題を解明する一つの方向としては、なぜこのような分布に差があるかというところからひとつ分析を少し本格的に始めてもらいたいと思うのであります。その分析の中から、私どもはいまの機械的なシフト方式だけでなしに、要するにそういう歩積み・両建てが許されておる背景は一体何かというところにメスを入れるならばより効果的なシフトを行なわせることも実は可能なのではないであろうか、こういうふうな感じがするわけでありますので、これらについてはひとつ次回の金融小委員会までにこの分布の中身の分析を十分銀行局として検討をしていただいて、資料として提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →近
堀
堀昌雄#14
○堀小委員 そこで、この大蔵省のほうの資料はそういうことでありますが、ちょっと資料的に見ておりますと、相互銀行、信用金庫の間にもまだ依然として、平均値だけで見ましても六%の差がある。相互銀行と地方銀行との間にも実は六%の差がある。六%ずつ、こうなっておるわけでありますけれども、これはやはり金融機関というものの強弱といいますか、力の量によって実は時間を延ばして、信用金庫が一番終わりに来ておるわけでありますけれども、もうそろそろ、実はこれだけの時間をかけてきたのでありますから、もう少し私は相互銀行、信用金庫もそれなりの努力をさせる必要が生じておるのではないかと思いますので、ひとつその点を特につけ加えておきたいと思います。
次に、公正取引委員会のほうの資料から拝見をして感じることでありますけれども、いま大蔵省のほうで出しておられる拘束預金というものと、それから公正取引委員会の狭義の拘束預金、広義の拘束預金、こう二通りあるわけです。そこでこの関係ですね。要するに大蔵省の拘束預金というのは分母が貸し出し額と、こうなっているわけですね。そうして公取のほうの分母は借り入れ金プラス手形割引限度額、こういうふうな計数のとり方になっておりますが、まずこの分母は大体同じなのか、やや差があるのかどうか。ちょっと私ここのところは取り扱い上よくわからないので、これはどちらか答えられるほうから、このとり方というのは、どこかに差ができるのかどうか、分母のほうは。ちょっとそれを最初に伺いたい。
この発言だけを見る →次に、公正取引委員会のほうの資料から拝見をして感じることでありますけれども、いま大蔵省のほうで出しておられる拘束預金というものと、それから公正取引委員会の狭義の拘束預金、広義の拘束預金、こう二通りあるわけです。そこでこの関係ですね。要するに大蔵省の拘束預金というのは分母が貸し出し額と、こうなっているわけですね。そうして公取のほうの分母は借り入れ金プラス手形割引限度額、こういうふうな計数のとり方になっておりますが、まずこの分母は大体同じなのか、やや差があるのかどうか。ちょっと私ここのところは取り扱い上よくわからないので、これはどちらか答えられるほうから、このとり方というのは、どこかに差ができるのかどうか、分母のほうは。ちょっとそれを最初に伺いたい。
近
近藤道生#15
○近藤説明員 一番大きな相違点は、分母におきまして手形割引限度額というものがございますが、これと実績との間に食い違いがあるかと存じます。大蔵省調査のほうは、その点は実績の数字をとっておりますので、その点で少し食い違いが出てこようかと思います。
この発言だけを見る →堀
堀昌雄#16
○堀小委員 公取のほうに伺いますが、公取のほうでは限度額をこえた実績額もあるようですから、その場合にはそれを実績をもって限度額のところに置いた、こういうふうに書いてあるのですが、限度額と実績額の差というものは、大体公取の調査ではどの程度の差があるのでしょうか。
この発言だけを見る →谷
坂
堀
堀昌雄#19
○堀小委員 これはやはり出ているデータがきちんとした数で出ておりますから、二つ並べて出ているものを比較をするときにはやはりベースは一体どうだということが少しある程度共通しておりませんと、ただ一つ一つとってみてそのトレンドを見るのはいいのですが、どうしてもわれわれはそのトレンドだけではなくて、ちょっと重ねて見たいというふうな感じがしますと、そのベースのところがある程度共通していないと非常に問題があるので、これは次回でけっこうですから、公取のほうで十二回調査については、大体いまの限度額と実績との間はどのくらいの乖離があるのか、それを一つ。それで、もしその乖離を実績額で置きかえてみたら、そうしたら計数はどういうふうになるんだということになれば、少なくとも分母だけはこれは共通だ、こういうことになりますから、そういうまず乖離の状態、それから実績額に置きかえた場合における計数等、それをひとつ次回までに準備をしていただきたいと思います。
その次に今度こっちのほう……
この発言だけを見る →その次に今度こっちのほう……
谷
谷村裕#20
○谷村説明員 お話し中、中断して恐縮でございますが、大蔵省のほうでやっております調査は金融機関を相手にいたしまして、悉皆調査で現場もうんと握れるところでやっております。私どものところは中小企業者にアンケート調査をしておりまして、いまのような形で限度額ならわかっているけれども、ある時点における実績額はどのくらいであるかということまで、出入りのあるものをうまくつかめるかどうかについて、私必ずしも自信がありませんので、その御要望は承っておきますけれども、お答えすることができるかどうかについてはちょっと留保させていただきます。
この発言だけを見る →堀
堀昌雄#21
○堀小委員 わかりました。確かにおっしゃるとおりのことだと思います。そこで今度は、この五月にもうすでに調査がございましたから、この次、十一月になりますか、ひとつ今後の調査ワクの中にいまの限度額と、ある時点における実績額をもう一つ入れてもらうような調査方式にしていただければ、少し先のほうではいまの問題の処理ができるかと思いますから。現在のところ、いまは委員長のおっしゃったようにそういう調査がしてないものは、これはちょっと資料でお出しいただくことは無理かもしれませんが、もし何らかの推計方法か何か出せるならばともかく、出せなければ十一月調査からベースがそろうようなかっこうで考えていただきたいと思います。
その次は、今度は分子のほうなんですが、大蔵省で拘束預金といっておるものと、それから公取委員会の狭義の拘束預金というものとは大体共通するのかどうか。これは大蔵省のほうでもわかっておることだと思いますから、ちょっとその点で答えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →その次は、今度は分子のほうなんですが、大蔵省で拘束預金といっておるものと、それから公取委員会の狭義の拘束預金というものとは大体共通するのかどうか。これは大蔵省のほうでもわかっておることだと思いますから、ちょっとその点で答えていただきたいと思います。
近
堀
堀昌雄#23
○堀小委員 そうすると分子のほうは、狭義の拘束預金と大蔵省の拘束預金が共通をしておる、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。——わかりました。
そこで、実はこの資料を拝見しておって一つ問題点がありますのは、公取の調査では、広義の拘束預金というのは第三回目の四十年の三月の調査以後続けられているわけでありますが、確かに広義の拘束預金のほうも減ってはまいりました。当初、四十年三月三十一日には三二・八%であったものが、今日では二〇・二%まで下がっております。下がってはきていますが、ところが、これはどういうことでこうなったかよくわかりませんけれども、第六回の四十一年十一月三十日の調査のときに一九・六%になってからは、二一・六、二〇・三、一九・七、二五・三、二二・一、二〇・二と、広義の拘束預金は、少なくともこのアンケート調査による限りは昭和四十一年の五月以来、多少の出入りはありますが、二〇%台でずっときている。狭義のほうは順次下がってきて、八・四%のところまで下がってきておるけれども、広義のほうは下がらない。ここに私は現在の歩積み・両建て問題の第二の問題点があると思うのです。
公正取引委員会の資料を拝見いたしますと、いろいろな形で的確に分析をしていただいておりますけれども、その中で広義の拘束預金について感じられますことは、銀行の差というものが比較的少ない。狭義のほうは、これは公取の資料でありますが、都市銀行は八・一まで下がってきておるのに、広義のほうは二一・三にとどまっている。地方銀行は六・九が一八・五、相互銀行は一一・八が二三・〇、信用金庫は一五・四が二六・〇ということで、今度は年次別に変化がないだけではなくて、金融機関別の中にもあまり差がない。やはり二〇%台前後にあるということは、これは何といいますか、全体として共通した条件の中にあるということを認めないわけにいかないと思うわけであります。その広義の拘束預金というものについて、いろいろとここで出されておるわけでありますけれども、その中で、当座預金を残しておいてくれとか、いろいろな間接手段でありますが、それによって、表向き銀行局の調査では出てこないような拘束預金、それから時期をずらして預金をとるとか、なかなか金融機関側として巧みな拘束方法を次々と発想をしておるという感じがしてならないわけであります。
そこで第二の問題は、私がいまの前段で申し上げております狭義の拘束預金、この問題についてまず全体を減らすこと、これはもちろん当然重要でありますけれども、二段目に広義の拘束預金も減らさなければ、これは金融機関側としては表向きは拘束預金を減らしました、しかし実質は依然として二〇%台でカバーをしておりますということでは、これは借り入れをする側にすれば何だかたいへんもどかしい問題として残ってくるのではないか、こういう感じがしておるわけであります。これのもとになるのは、私はやはり現在の金融機関が預金獲得を非常に熱心にやりますために、預金をとる場合の一番簡単な方法は何といっても借り入れをしておるもの、取引上の弱い立場にあるものから預金をさせることが最も手っとり早くて効果的であることは間違いありません。ですからどうしても、預金獲得競争が強く行なわれておればこういう形になる一つの客観的な情勢はあると思いますけれども、この問題については大蔵省のほうでは調査がありませんから、中身が私どもにはよくわかりません。さっき申し上げたような分布の問題、ここが実は調査がないのですからよくわからないわけでありますが、もし実際に行なわれておるとすると、平均値として出ているものでありますから、幅はともかくとして、やはりこれも少し分布はあるんじゃないだろうか、こういう感じがするわけであります。
そこで、この点については公取のほうは基礎資料があるでしょうから、この広義の拘束預金の分布については資料が出していただけるだろうと思うのですが、どうでしょうか。
この発言だけを見る →そこで、実はこの資料を拝見しておって一つ問題点がありますのは、公取の調査では、広義の拘束預金というのは第三回目の四十年の三月の調査以後続けられているわけでありますが、確かに広義の拘束預金のほうも減ってはまいりました。当初、四十年三月三十一日には三二・八%であったものが、今日では二〇・二%まで下がっております。下がってはきていますが、ところが、これはどういうことでこうなったかよくわかりませんけれども、第六回の四十一年十一月三十日の調査のときに一九・六%になってからは、二一・六、二〇・三、一九・七、二五・三、二二・一、二〇・二と、広義の拘束預金は、少なくともこのアンケート調査による限りは昭和四十一年の五月以来、多少の出入りはありますが、二〇%台でずっときている。狭義のほうは順次下がってきて、八・四%のところまで下がってきておるけれども、広義のほうは下がらない。ここに私は現在の歩積み・両建て問題の第二の問題点があると思うのです。
公正取引委員会の資料を拝見いたしますと、いろいろな形で的確に分析をしていただいておりますけれども、その中で広義の拘束預金について感じられますことは、銀行の差というものが比較的少ない。狭義のほうは、これは公取の資料でありますが、都市銀行は八・一まで下がってきておるのに、広義のほうは二一・三にとどまっている。地方銀行は六・九が一八・五、相互銀行は一一・八が二三・〇、信用金庫は一五・四が二六・〇ということで、今度は年次別に変化がないだけではなくて、金融機関別の中にもあまり差がない。やはり二〇%台前後にあるということは、これは何といいますか、全体として共通した条件の中にあるということを認めないわけにいかないと思うわけであります。その広義の拘束預金というものについて、いろいろとここで出されておるわけでありますけれども、その中で、当座預金を残しておいてくれとか、いろいろな間接手段でありますが、それによって、表向き銀行局の調査では出てこないような拘束預金、それから時期をずらして預金をとるとか、なかなか金融機関側として巧みな拘束方法を次々と発想をしておるという感じがしてならないわけであります。
そこで第二の問題は、私がいまの前段で申し上げております狭義の拘束預金、この問題についてまず全体を減らすこと、これはもちろん当然重要でありますけれども、二段目に広義の拘束預金も減らさなければ、これは金融機関側としては表向きは拘束預金を減らしました、しかし実質は依然として二〇%台でカバーをしておりますということでは、これは借り入れをする側にすれば何だかたいへんもどかしい問題として残ってくるのではないか、こういう感じがしておるわけであります。これのもとになるのは、私はやはり現在の金融機関が預金獲得を非常に熱心にやりますために、預金をとる場合の一番簡単な方法は何といっても借り入れをしておるもの、取引上の弱い立場にあるものから預金をさせることが最も手っとり早くて効果的であることは間違いありません。ですからどうしても、預金獲得競争が強く行なわれておればこういう形になる一つの客観的な情勢はあると思いますけれども、この問題については大蔵省のほうでは調査がありませんから、中身が私どもにはよくわかりません。さっき申し上げたような分布の問題、ここが実は調査がないのですからよくわからないわけでありますが、もし実際に行なわれておるとすると、平均値として出ているものでありますから、幅はともかくとして、やはりこれも少し分布はあるんじゃないだろうか、こういう感じがするわけであります。
そこで、この点については公取のほうは基礎資料があるでしょうから、この広義の拘束預金の分布については資料が出していただけるだろうと思うのですが、どうでしょうか。
坂
坂本史郎#24
○坂本説明員 ただいまの点はいま検討しておりますので、また次回のときにどういう御返事を申し上げられるか、その辺少し時間をかしていただきたいと存じます。
それから先ほどの御質問、手形割引の限度額と実際額を区別して書かせるべきではないかという堀先生の御質問がございまして、ちょっと私間違って、つまびらかにしないというようにお答え申し上げましたが、若干この資料の中にもその点を区別したものがございます。お手元に資料がございますと思いますが、八ページから九ページというところに第5表、それから5表の2というのがございます。これによりますと、第5表の左から四番目の位置に3というのが書いてございますが、これが手形割引限度額ということでございます。それから第5表の2の3というのが手形割引の実際額という資料でございまして、計を見ますとだいぶ金額に違いがございますが、一応実際額のほうで見ますれば、先ほどの大蔵省の御説明にもありましたように、より両者の差が縮まるのではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →それから先ほどの御質問、手形割引の限度額と実際額を区別して書かせるべきではないかという堀先生の御質問がございまして、ちょっと私間違って、つまびらかにしないというようにお答え申し上げましたが、若干この資料の中にもその点を区別したものがございます。お手元に資料がございますと思いますが、八ページから九ページというところに第5表、それから5表の2というのがございます。これによりますと、第5表の左から四番目の位置に3というのが書いてございますが、これが手形割引限度額ということでございます。それから第5表の2の3というのが手形割引の実際額という資料でございまして、計を見ますとだいぶ金額に違いがございますが、一応実際額のほうで見ますれば、先ほどの大蔵省の御説明にもありましたように、より両者の差が縮まるのではないかというふうに考えております。
堀
堀昌雄#25
○堀小委員 わかりました。
時間がありませんからいまのところまで伺うことにして、あとひとつ銀行局のほうに、現在行なわれておることの中で、公取の資料を拝見して気がついたことが一つありますが、現在金融機関は債務者に対して年二回、拘束預金があなたは幾らありますよということを通知することになっておるようでありますね。ところがこの調査を見ると、通知をされておるものもあるけれども、どうも通知をしていないものがあるということが公正取引委員会のほうの調査で明らかになっておるわけですね。そこで、このことは実はそんなにむずかしくないと思うのですね。これはやり方の指導方針で、何といいますか、複写方式か何かにしておいて、出したものだけはちゃんとあとへ残るというかっこうにしておけばいい。本来の預金者、貸し出しをしておるものに対しては拘束預金がない人というのは例外でしょうから、みんなあるんでしょうから、それは全部当然出されていいものではないのか、こう思います。手続、方法をせっかく指導しておりながら、企業側のアンケートで三〇%程度落ちているということのようでありますから、これは何とか全部が行なわれることにすることは非常にいいことではないかと思いますので、その点を直ちにひとつぜひやっていただきたいと思います。
それから、ここに書いてあります広義の拘束預金、これに対する対策について次回までに銀行局側として考えられるもの、ここに公正取引委員会が例示しておられるものもありますが、皆さんのほうで考えられる広義の拘束預金のパターンといいますか、そういうものを書き出していただいて、それに対する適切な処理方針といいますか、そういうものを検討して次回の委員会でひとつ報告していただきたい、かように思いますがどうでしょうか。
この発言だけを見る →時間がありませんからいまのところまで伺うことにして、あとひとつ銀行局のほうに、現在行なわれておることの中で、公取の資料を拝見して気がついたことが一つありますが、現在金融機関は債務者に対して年二回、拘束預金があなたは幾らありますよということを通知することになっておるようでありますね。ところがこの調査を見ると、通知をされておるものもあるけれども、どうも通知をしていないものがあるということが公正取引委員会のほうの調査で明らかになっておるわけですね。そこで、このことは実はそんなにむずかしくないと思うのですね。これはやり方の指導方針で、何といいますか、複写方式か何かにしておいて、出したものだけはちゃんとあとへ残るというかっこうにしておけばいい。本来の預金者、貸し出しをしておるものに対しては拘束預金がない人というのは例外でしょうから、みんなあるんでしょうから、それは全部当然出されていいものではないのか、こう思います。手続、方法をせっかく指導しておりながら、企業側のアンケートで三〇%程度落ちているということのようでありますから、これは何とか全部が行なわれることにすることは非常にいいことではないかと思いますので、その点を直ちにひとつぜひやっていただきたいと思います。
それから、ここに書いてあります広義の拘束預金、これに対する対策について次回までに銀行局側として考えられるもの、ここに公正取引委員会が例示しておられるものもありますが、皆さんのほうで考えられる広義の拘束預金のパターンといいますか、そういうものを書き出していただいて、それに対する適切な処理方針といいますか、そういうものを検討して次回の委員会でひとつ報告していただきたい、かように思いますがどうでしょうか。
近
近藤道生#26
○近藤説明員 ただいま問題になりました広義と狭義の差というのが実は一番歩積み・両建て預金の問題の核心でもあろうかと存じます。そこで先ほど冒頭に申し上げました今後の方針というところでございますが、一応形は整ったけれども、事柄の性質上、根が非常に深い。したがって、今後こういう方法でやってまいりたいと申し上げました一番の気持ちも、実はその広義と狭義の差のところをどうやってつくかというところにあるわけでございまして、基本的な手段として、第一に金融機関検査でできるだけ具体的にトレースするという問題。それから第二に、やはり公正取引委員会でいろいろ資料をとっておられますので、これをできるだけ活用させていただきまして個別にも当たってみるということ。それから第三に、ただいま堀委員から御指摘がございましたように、まさに預金獲得の際の競争が根本原因と考えられますので、この点につきましていわゆる効率化行政というのがそれを修正するという方向に大きく向いておることは事実でございますが、さらにこの預金獲得競争をどういう方向からチェックをしてまいったらよろしいか、この辺が根本的な一つの問題点であろうかと思います。それから最後には、やはりただいまおっしゃいました債務者に対する通知、これが当面一番手っとり早い、しかも有効な方法であろうかと思いますので、この励行を特に重視して指導してまいるということを考えておるわけでございます。なお次回までにさらにこまかい分析などをさせていただきます。
この発言だけを見る →堀
堀昌雄#27
○堀小委員 あとの質問者の時間もありますから、歩積み・両建てにつきましては本日はこの程度にさしていただき、次回引き続き質問さしていただくことにして、私の質問を一応ここで終わります。
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この発言だけを見る →—————————————
藤
志
志場喜徳郎#29
○志場説明員 それではお求めによりまして、証券行政の現状についておもな点、簡単に申し上げたいと思います。
まず、最近の株式市況及びこれに関連する問題という点について申し上げたいと思います。
御承知のとおり、株式価格は四月の下旬に相当の値下がりをいたしました。本年に入りましてからの最高の株価水準に対しまして、五月にいわゆるボトム的なところまで落ち込んだわけですが、約二〇%の下落率を示したわけであります。ごく最近では一四%程度の下落率というところまで回復しております。この間、主要諸外国におきましても異常な下落を示しておりまして、たとえばアメリカでございますと二二%程度の下落、イギリスで二五%程度の下落、西独で二七%程度の下落、フランスで一七%程度の下落、イタリアで一四%程度の下落というふうに、かなりの下落を示しておるわけでございます。いずれもその後、現在若干の持ち直しと申しますか、上昇を見ておりますけれども、今日でも二〇%程度から一三%程度というような、本年の高値に対しましての下落を示した段階におるわけでございます。
その原因につきましてはいろいろといわれておりますし、分析もできるかと思いますが、ただいま申し上げました主要諸外国の下落でもおわかりになりますように、その大きな要因は、やはりアメリカの経済を中心としまして、インフレと企業収益との関係ということから、株価の基本的な基礎でありますところの個々の企業の収益の動向につきまして、収益減退の現実ないしはそのおそれというようなところから、投資者間あるいは機関投資家に危惧の念を生じまして、これが一部の国際的な投資信託の解約ないしはそれに基づく換金売りというような気配が出てまいりましたことと相まちまして、大きな心理的動揺を来たしたということがやはり大きな比重を持っているのではないかと思われます。その後、各国その点についていろいろと関心を持たれまして、国際的な投信の健全化等につきましても関係者間でいろいろと協議なり交渉が行なわれている段階でございますし、漸次そういう心理上の不安も除去されつつある段階でございまして、それに伴って先ほど申したような回復過程をたどっておるということでございます。
わが国の場合は、外人投資が一昨年及び昨年の二年間だけでも売り買い差し引き十億ドルに達する買い越しということになっておりまして、その外人投資の売買の動向というものがかなりの影響をもたらすところから、その行き先に対する、あるいはビヘービアに対する心理的な不安なり予想というものがかなりの影響を及ぼしたということはいなめないと思うのでありますが、ほかに、これも外人買いにも関係しますが、昨年の秋以降いわゆる値がさ株という問題が生じたというふうに、それに関連して信用取引の膨張もあったというようなところから、その株価が、まあ結果論になる面もございましょうけれども、若干行き過ぎと見られる程度まで過熱ぎみではなかったか。それが今回、各国に比較いたしましても、わが国の企業収益の動向だけから見た場合よりも、それを上回る下落をもたらしたのではなかろうかというふうに分析されるわけでございます。しかし、そういうふうに海外の動揺というようなものが現に静まってまいりますると、今後はわが国の経済、各企業の収益の動向という、この基本的な点に目を向けました投資判断、価値判断というものが漸次回復してまいると思うわけでございまして、すでにその萌芽も見えつつあるわけでございます。今後はそれらを中心にして、しかし、国際化しております証券取引の段階におきましては、あるいは今後におきましては海外要因も決して無視できませんが、今回の経験を貴重な経験といたしまして、今後冷静な判断なりそういうものが望まれると思うわけでございます。
これらの状況にかんがみまして、今後の問題といたしましてまず考えられますることは、何と申しましても外人投資というものが、現在ストックで申しますと約二十億ドルに達していやしないか、邦貨で七、八千億円と思いますけれども、わが国のような、企業ごとに見ました場合に株式資本の割合が総資産のうちの八%程度である、内部留保を含めましていわゆる自己資本の割合が一六、七%である、こういう、いわゆる過小資本、過小株式という中におきまして、一銘柄をとりましても二〇%あるいは三〇%に及ぶというような部分を外人によって取得される、こういうことになりますると、やはり外国関係というものが大きな問題でございまして、しかし、この要因をできるだけモダレートなものにしますためには、根本的にはただいま申しましたわが国の企業の株式資本の過小性というもの、これの是正という問題が基本的な問題でございます。
それに関連しまして、浮動株の割合というものがかなり低い。東京証券取引所第一部でも約二〇%でございまして、ほかは金融機関あるいは関係先の企業にいわゆる持ち合い株あるいは安定株主ということで持たれておるわけでありますが、そういう浮動株の割合を、もう少しやはり株主の層を広くし厚くするということでありませんと、乱高下的な現象はある程度避けられないという気もいたすわけでございまして、この辺の二面の是正ということが基本的な問題でございますが、しかしこれは従来からいわれておりますことあるいは危惧されておりましたことが今日の現象面で出ましたということであります。この是正につきましてはなかなか日時を要する。しかし、今後はこの問題にいよいよ本格的に取り組んで、あらゆる施策をもってこれを是正するということが、かかる暴騰、暴落とでも言うべきような乱高下に対処する基本的なあり方ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。
同時に証券取引の内部の問題といたしまして、そういうふうに現物というものが海外の投資家によって多く持たれるというようなことを考えますと、流通の範囲を広くする、そうして公正な、なだらかな価格形成にするという見地から、やはりわが国の現状におきましてはある程度の信用取引の量というものが存在しなければならないというふうにも思うわけでございますが、同時に、信用取引はえてして過当に過熱ぎみになる、ないしはその反動として萎縮し過ぎるという要素を絶えず持っておるわけでございまして、信用取引にはそういう投機的ないしは思惑的要素のからむことは避けられませんが、あまりにも過熱化しあるいは鎮静化し過ぎるということをどういうふうにすればなだらかな程度でとどめることができるであろうかという、つまり信用取引に関連する諸制度につきまして、ただいま申しましたような観点から改善を加える必要があるのではあるまいかという問題意識が出てきておる次第でございます。
それから同時に、今日でもそうでございますが、外人が売ってくるといいます場合に、たとえばわが国の証券会社が在外の子会社ないしは支店におきましてドルその他の外貨を適宜保持しているということがあると仮定いたしますと、海外の投資家が日本の株を換金のためその他、売りたい買いたいといったような場合に、その現地におきまして外貨による売買取引が行なわれるという可能性も出てまいるわけでございます。今日その事態がございませんので、ダイレクトに日本の市場に対して売買の注文を発してくる。会員といたしましてはそれを市場集中いたさなければなりませんので、もろに売買として出てくる。それがやはり、いろいろな海外の情勢というものは一般投資家その他におきまして十分な情報というものがございませんので、心理的な要因として非常に過大な期待を持ったりあるいは過大な不安を持ったりということにつながりやすいわけでございまして、その点から証券会社が海外におきましてしかるべき外貨を保有するというようなことも必要ではあるまいかということで、それぞれ折衝してまいりたいと思っておる次第でございます。
と同時に、これにも関連いたしますけれども、本邦証券会社の在外の営業所、子会社等を通ずる活動につきまして、漸次その拡大とか充実ということをはかっておりますけれども、いよいよその必要性が強いのではないかというふうに考えまして、そういった意味で証券会社に対し、海外要員の養成というような面につきましても鋭意努力をするように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
それから、ただいま申しましたように証券取引は次第に国際化しつつあり、そのわが国の市場にもたらす影響も無視できないほどになりつつある重要な問題でございますが、同時に、証券業務の資本自由化という問題も起こってまいっておるわけでございまして、いずれこの問題は避けて通ることができない、こういうふうに感ずるわけでございますので、これに対処いたしまして、わが国の市場の秩序というものを適正に保持しながら、前向きに健全に業務の自由化がこなされてまいりますように、今後の証券会社の免許の与え方の問題、ないしは外国の証券会社が今日ではわが国に支店を持つ、開設するということは現行法では許されておりませんが、やはりこれにつきましても所要の立法を準備いたしまして、支店がわが国及び外国の投資家ないしは発行会社等の需要に適切に呼応できますような立法準備をしなければなるまい。同時に免許の方針も考えていかなければなるまいかという問題も考えておる次第でございます。
同時に、かような証券業務の自由化、資本自由化ないしは証券取引の内外における交流の活発化ということになってまいりますと、産業界のほうで、例の企業経営の乗っ取りという観点から、その乗っ取り防止について何らかの措置が必要ではないかという問題が提起されておるわけでございます。
この問題につきましては、すでに昭和四十二年五月に、第一次の資本自由化のおり行なわれました外資審議会の専門委員会におきまして若干の報告がなされてございまして、これは単に証券部門に限りませず、その他の法律の分野に広く及んでおるわけでございますが、その中から乗っ取り防止ということで提案されている自由化対策として三つばかり掲げられておるわけでございます。
一つは、事業会社の定款におきまして、株式の譲渡について取締役会の承認を要する、いわゆる譲渡制限は商法上できるわけでございますが、この制限がついた株式でも取引所に上場を認めたらどうかという問題がございます。今日ではその上場は認めておりませんが、そういう問題。それから、あらゆる取引は相対取引を許さないですべて市場を経由するという市場集中制度ということはどうかというような問題とか、ないしは企業経営の乗っ取りを意図しましたテークオーバービッドにつきまして所要の規制を設けることはどうかというような、おおよそ三点についての問題提起がなされておるわけでございます。
しかし私ども考えました場合に、この最初の譲渡制限された株式の上場というものにつきましては、その後取引所関係におきましても検討されましたけれども、適当でないということで、現に諸外国でもそういうことは許しておりませんし、自由な取引ということになりますとこれは適当でないということを私どもも考えております。また市場集中につきましても、フランスにおきまして取引仲買い人は政府の公務員であるという特殊な市場制度もあるぜいもありましてこの集中制度を行なったようでありますが、これは本質的に何ら乗っ取り防止ということに役立たないということでありますのみならず、外国人だけの取引についてかようなことを差別待遇することはできませんので、あらゆる国内取引についてすべて市場に集中すべしという義務を課することになるわけでございまして、これはとうてい立法の実際といたしましてもできない、かように感ずるわけでございます。
残るところはいわゆるテークオーバービッドの規制の問題でございます。これはすでに主要国でもございますが、これすらも本質的に乗っ取りを禁止するということではございませんで、テークオーバーする場合のその中身というものにつきましていわゆるディスクローズさせるという制度でございます。しかしながらこれもやはり、一つの秩序ある取引という観点から見ますと適当でないという判断もございまして、私どもこの点についての立法化につきましては検討してまいりたい、かように存じておるわけでございます。と同時に、ただいまわが国の企業が国内あるいは国外でいろいろと各種の証券を発行していくということは考えられますが、市場というものが国際化してまいりますと、外国で発行した証券でございましても流通面において日本の市場に舞い戻ってくるというような、相互に交流いたしますので、この発行市場のコントロールの問題、なかんづくディスクローズの問題といたしまして、国外で発行するものについても所要の規制を投資者保護の観点からもする必要があるのではないかということが、今後の証券取引法の国際化に対処する改正の一環として検討せられるべきであるというふうに感じておるわけでございます。
その他種々ございますが、時間もございませんので、証券会社の現況について若干触れておきますと、一昨年の四月、全面的に免許制度に移行したわけでございます。その後、幸い市況の好転ということもございますが、免許制度につきまして、ぜい肉を取り除いた、資産的にも人的にも一応きれいな、むだのない姿で発足いたしたこともございまして、一昨年の九月、昨年の九月、いずれもそれまでの各年度の収益に比べて新記録をつくるというような高収益に恵まれましたわけでございますが、昨年の十月以降本年の三月までの半年間の仮決算の状況を見ましても、全国の証券会社合計いたしまして、税引き後の利益で四百十六億円の利益をあげておりまして、これは昨年の九月分までの税引き後の利益四百十二億円に匹敵するほどでありまして、いえば、昨年未曽有の高収益でありました年間分の利益を本年度は上半期で得たということでございます。その後、四月の暴落もございまして、取引数量も減ってまいりまして、五月におきましては、月別の決算をいたしますればおそらく若干の赤字ではないかと思いますけれども、現在までのところさような健全な経理、財務内容になっておりまして、内部留保も全国で約二千百三十五億円ばかりになっておりまして、資本金に対する純資産も約二・三三倍というふうに、財務体質的にも強化されてまいっております。今回暴落もありましたけれども、比較的証券業界といたしましては落ちついており、企業経営的にいわゆる取りつけ騒ぎのような不安な状態が起こってないと申しますことも、このような証券会社の個々の財務体質の改善強化ということが根底にあるということであろうと思いまして、今後とも自由化のためにも一そう財務内容の充実、企業経営の健全化、合理化につきまして、極力私どものほうといたしましても指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
はなはだ尽くすべき点を尽くさないおそれもありますが、一応御説明申し上げたわけでございます。
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この発言だけを見る →まず、最近の株式市況及びこれに関連する問題という点について申し上げたいと思います。
御承知のとおり、株式価格は四月の下旬に相当の値下がりをいたしました。本年に入りましてからの最高の株価水準に対しまして、五月にいわゆるボトム的なところまで落ち込んだわけですが、約二〇%の下落率を示したわけであります。ごく最近では一四%程度の下落率というところまで回復しております。この間、主要諸外国におきましても異常な下落を示しておりまして、たとえばアメリカでございますと二二%程度の下落、イギリスで二五%程度の下落、西独で二七%程度の下落、フランスで一七%程度の下落、イタリアで一四%程度の下落というふうに、かなりの下落を示しておるわけでございます。いずれもその後、現在若干の持ち直しと申しますか、上昇を見ておりますけれども、今日でも二〇%程度から一三%程度というような、本年の高値に対しましての下落を示した段階におるわけでございます。
その原因につきましてはいろいろといわれておりますし、分析もできるかと思いますが、ただいま申し上げました主要諸外国の下落でもおわかりになりますように、その大きな要因は、やはりアメリカの経済を中心としまして、インフレと企業収益との関係ということから、株価の基本的な基礎でありますところの個々の企業の収益の動向につきまして、収益減退の現実ないしはそのおそれというようなところから、投資者間あるいは機関投資家に危惧の念を生じまして、これが一部の国際的な投資信託の解約ないしはそれに基づく換金売りというような気配が出てまいりましたことと相まちまして、大きな心理的動揺を来たしたということがやはり大きな比重を持っているのではないかと思われます。その後、各国その点についていろいろと関心を持たれまして、国際的な投信の健全化等につきましても関係者間でいろいろと協議なり交渉が行なわれている段階でございますし、漸次そういう心理上の不安も除去されつつある段階でございまして、それに伴って先ほど申したような回復過程をたどっておるということでございます。
わが国の場合は、外人投資が一昨年及び昨年の二年間だけでも売り買い差し引き十億ドルに達する買い越しということになっておりまして、その外人投資の売買の動向というものがかなりの影響をもたらすところから、その行き先に対する、あるいはビヘービアに対する心理的な不安なり予想というものがかなりの影響を及ぼしたということはいなめないと思うのでありますが、ほかに、これも外人買いにも関係しますが、昨年の秋以降いわゆる値がさ株という問題が生じたというふうに、それに関連して信用取引の膨張もあったというようなところから、その株価が、まあ結果論になる面もございましょうけれども、若干行き過ぎと見られる程度まで過熱ぎみではなかったか。それが今回、各国に比較いたしましても、わが国の企業収益の動向だけから見た場合よりも、それを上回る下落をもたらしたのではなかろうかというふうに分析されるわけでございます。しかし、そういうふうに海外の動揺というようなものが現に静まってまいりますると、今後はわが国の経済、各企業の収益の動向という、この基本的な点に目を向けました投資判断、価値判断というものが漸次回復してまいると思うわけでございまして、すでにその萌芽も見えつつあるわけでございます。今後はそれらを中心にして、しかし、国際化しております証券取引の段階におきましては、あるいは今後におきましては海外要因も決して無視できませんが、今回の経験を貴重な経験といたしまして、今後冷静な判断なりそういうものが望まれると思うわけでございます。
これらの状況にかんがみまして、今後の問題といたしましてまず考えられますることは、何と申しましても外人投資というものが、現在ストックで申しますと約二十億ドルに達していやしないか、邦貨で七、八千億円と思いますけれども、わが国のような、企業ごとに見ました場合に株式資本の割合が総資産のうちの八%程度である、内部留保を含めましていわゆる自己資本の割合が一六、七%である、こういう、いわゆる過小資本、過小株式という中におきまして、一銘柄をとりましても二〇%あるいは三〇%に及ぶというような部分を外人によって取得される、こういうことになりますると、やはり外国関係というものが大きな問題でございまして、しかし、この要因をできるだけモダレートなものにしますためには、根本的にはただいま申しましたわが国の企業の株式資本の過小性というもの、これの是正という問題が基本的な問題でございます。
それに関連しまして、浮動株の割合というものがかなり低い。東京証券取引所第一部でも約二〇%でございまして、ほかは金融機関あるいは関係先の企業にいわゆる持ち合い株あるいは安定株主ということで持たれておるわけでありますが、そういう浮動株の割合を、もう少しやはり株主の層を広くし厚くするということでありませんと、乱高下的な現象はある程度避けられないという気もいたすわけでございまして、この辺の二面の是正ということが基本的な問題でございますが、しかしこれは従来からいわれておりますことあるいは危惧されておりましたことが今日の現象面で出ましたということであります。この是正につきましてはなかなか日時を要する。しかし、今後はこの問題にいよいよ本格的に取り組んで、あらゆる施策をもってこれを是正するということが、かかる暴騰、暴落とでも言うべきような乱高下に対処する基本的なあり方ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。
同時に証券取引の内部の問題といたしまして、そういうふうに現物というものが海外の投資家によって多く持たれるというようなことを考えますと、流通の範囲を広くする、そうして公正な、なだらかな価格形成にするという見地から、やはりわが国の現状におきましてはある程度の信用取引の量というものが存在しなければならないというふうにも思うわけでございますが、同時に、信用取引はえてして過当に過熱ぎみになる、ないしはその反動として萎縮し過ぎるという要素を絶えず持っておるわけでございまして、信用取引にはそういう投機的ないしは思惑的要素のからむことは避けられませんが、あまりにも過熱化しあるいは鎮静化し過ぎるということをどういうふうにすればなだらかな程度でとどめることができるであろうかという、つまり信用取引に関連する諸制度につきまして、ただいま申しましたような観点から改善を加える必要があるのではあるまいかという問題意識が出てきておる次第でございます。
それから同時に、今日でもそうでございますが、外人が売ってくるといいます場合に、たとえばわが国の証券会社が在外の子会社ないしは支店におきましてドルその他の外貨を適宜保持しているということがあると仮定いたしますと、海外の投資家が日本の株を換金のためその他、売りたい買いたいといったような場合に、その現地におきまして外貨による売買取引が行なわれるという可能性も出てまいるわけでございます。今日その事態がございませんので、ダイレクトに日本の市場に対して売買の注文を発してくる。会員といたしましてはそれを市場集中いたさなければなりませんので、もろに売買として出てくる。それがやはり、いろいろな海外の情勢というものは一般投資家その他におきまして十分な情報というものがございませんので、心理的な要因として非常に過大な期待を持ったりあるいは過大な不安を持ったりということにつながりやすいわけでございまして、その点から証券会社が海外におきましてしかるべき外貨を保有するというようなことも必要ではあるまいかということで、それぞれ折衝してまいりたいと思っておる次第でございます。
と同時に、これにも関連いたしますけれども、本邦証券会社の在外の営業所、子会社等を通ずる活動につきまして、漸次その拡大とか充実ということをはかっておりますけれども、いよいよその必要性が強いのではないかというふうに考えまして、そういった意味で証券会社に対し、海外要員の養成というような面につきましても鋭意努力をするように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
それから、ただいま申しましたように証券取引は次第に国際化しつつあり、そのわが国の市場にもたらす影響も無視できないほどになりつつある重要な問題でございますが、同時に、証券業務の資本自由化という問題も起こってまいっておるわけでございまして、いずれこの問題は避けて通ることができない、こういうふうに感ずるわけでございますので、これに対処いたしまして、わが国の市場の秩序というものを適正に保持しながら、前向きに健全に業務の自由化がこなされてまいりますように、今後の証券会社の免許の与え方の問題、ないしは外国の証券会社が今日ではわが国に支店を持つ、開設するということは現行法では許されておりませんが、やはりこれにつきましても所要の立法を準備いたしまして、支店がわが国及び外国の投資家ないしは発行会社等の需要に適切に呼応できますような立法準備をしなければなるまい。同時に免許の方針も考えていかなければなるまいかという問題も考えておる次第でございます。
同時に、かような証券業務の自由化、資本自由化ないしは証券取引の内外における交流の活発化ということになってまいりますと、産業界のほうで、例の企業経営の乗っ取りという観点から、その乗っ取り防止について何らかの措置が必要ではないかという問題が提起されておるわけでございます。
この問題につきましては、すでに昭和四十二年五月に、第一次の資本自由化のおり行なわれました外資審議会の専門委員会におきまして若干の報告がなされてございまして、これは単に証券部門に限りませず、その他の法律の分野に広く及んでおるわけでございますが、その中から乗っ取り防止ということで提案されている自由化対策として三つばかり掲げられておるわけでございます。
一つは、事業会社の定款におきまして、株式の譲渡について取締役会の承認を要する、いわゆる譲渡制限は商法上できるわけでございますが、この制限がついた株式でも取引所に上場を認めたらどうかという問題がございます。今日ではその上場は認めておりませんが、そういう問題。それから、あらゆる取引は相対取引を許さないですべて市場を経由するという市場集中制度ということはどうかというような問題とか、ないしは企業経営の乗っ取りを意図しましたテークオーバービッドにつきまして所要の規制を設けることはどうかというような、おおよそ三点についての問題提起がなされておるわけでございます。
しかし私ども考えました場合に、この最初の譲渡制限された株式の上場というものにつきましては、その後取引所関係におきましても検討されましたけれども、適当でないということで、現に諸外国でもそういうことは許しておりませんし、自由な取引ということになりますとこれは適当でないということを私どもも考えております。また市場集中につきましても、フランスにおきまして取引仲買い人は政府の公務員であるという特殊な市場制度もあるぜいもありましてこの集中制度を行なったようでありますが、これは本質的に何ら乗っ取り防止ということに役立たないということでありますのみならず、外国人だけの取引についてかようなことを差別待遇することはできませんので、あらゆる国内取引についてすべて市場に集中すべしという義務を課することになるわけでございまして、これはとうてい立法の実際といたしましてもできない、かように感ずるわけでございます。
残るところはいわゆるテークオーバービッドの規制の問題でございます。これはすでに主要国でもございますが、これすらも本質的に乗っ取りを禁止するということではございませんで、テークオーバーする場合のその中身というものにつきましていわゆるディスクローズさせるという制度でございます。しかしながらこれもやはり、一つの秩序ある取引という観点から見ますと適当でないという判断もございまして、私どもこの点についての立法化につきましては検討してまいりたい、かように存じておるわけでございます。と同時に、ただいまわが国の企業が国内あるいは国外でいろいろと各種の証券を発行していくということは考えられますが、市場というものが国際化してまいりますと、外国で発行した証券でございましても流通面において日本の市場に舞い戻ってくるというような、相互に交流いたしますので、この発行市場のコントロールの問題、なかんづくディスクローズの問題といたしまして、国外で発行するものについても所要の規制を投資者保護の観点からもする必要があるのではないかということが、今後の証券取引法の国際化に対処する改正の一環として検討せられるべきであるというふうに感じておるわけでございます。
その他種々ございますが、時間もございませんので、証券会社の現況について若干触れておきますと、一昨年の四月、全面的に免許制度に移行したわけでございます。その後、幸い市況の好転ということもございますが、免許制度につきまして、ぜい肉を取り除いた、資産的にも人的にも一応きれいな、むだのない姿で発足いたしたこともございまして、一昨年の九月、昨年の九月、いずれもそれまでの各年度の収益に比べて新記録をつくるというような高収益に恵まれましたわけでございますが、昨年の十月以降本年の三月までの半年間の仮決算の状況を見ましても、全国の証券会社合計いたしまして、税引き後の利益で四百十六億円の利益をあげておりまして、これは昨年の九月分までの税引き後の利益四百十二億円に匹敵するほどでありまして、いえば、昨年未曽有の高収益でありました年間分の利益を本年度は上半期で得たということでございます。その後、四月の暴落もございまして、取引数量も減ってまいりまして、五月におきましては、月別の決算をいたしますればおそらく若干の赤字ではないかと思いますけれども、現在までのところさような健全な経理、財務内容になっておりまして、内部留保も全国で約二千百三十五億円ばかりになっておりまして、資本金に対する純資産も約二・三三倍というふうに、財務体質的にも強化されてまいっております。今回暴落もありましたけれども、比較的証券業界といたしましては落ちついており、企業経営的にいわゆる取りつけ騒ぎのような不安な状態が起こってないと申しますことも、このような証券会社の個々の財務体質の改善強化ということが根底にあるということであろうと思いまして、今後とも自由化のためにも一そう財務内容の充実、企業経営の健全化、合理化につきまして、極力私どものほうといたしましても指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
はなはだ尽くすべき点を尽くさないおそれもありますが、一応御説明申し上げたわけでございます。
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