農林水産委員会

1977-05-19 衆議院 全88発言

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会議録情報#0
昭和五十二年五月十八日(水曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 農産物の価格等に関する小委員
      阿部 文男君    今井  勇君
      加藤 紘一君    片岡 清一君
      佐藤  隆君    菅波  茂君
      福島 譲二君    向山 一人君
      森田 欽二君    山崎平八郎君
      竹内  猛君    馬場  昇君
      松沢 俊昭君    美濃 政市君
      瀬野栄次郎君    野村 光雄君
      稲富 稜人君    津川 武一君
      菊池福治郎君
 農産物の価格等に関する小委員長
                山崎平八郎君
—————————————————————
昭和五十二年五月十九日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 金子 岩三君
   理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君
   理事 菅波  茂君 理事 山崎平八郎君
   理事 竹内  猛君 理事 美濃 政市君
   理事 瀬野栄次郎君
      熊谷 義雄君    佐藤  隆君
      玉沢徳一郎君    中野 四郎君
      羽田野忠文君    平泉  渉君
      福島 譲二君    向山 一人君
      森   清君    森田 欽二君
      岡田 利春君    柴田 健治君
      島田 琢郎君    新盛 辰雄君
      野坂 浩賢君    馬場  昇君
      吉浦 忠治君    神田  厚君
      津川 武一君    菊池福治郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  羽田  孜君
        農林大臣官房長 澤邊  守君
        農林省構造改善
        局長      森  整治君
        食糧庁長官  大河原太一郎君
        水産庁次長   佐々木輝夫君
 委員外の出席者
        経済企画庁物価
        局物価調整課長 海野 恒男君
        環境庁企画調整
        局環境審査室長 大塩 敏樹君
        文部省体育局学
        校給食課長   古村 澄一君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    —————————————
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  菊池福治郎君     山口 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     菊池福治郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ————◇—————
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菅波茂#1
○菅波委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長の指名により私が委員長の職務を行います。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 日ソ漁業交渉について政府から説明を聴取いたします。佐々木水産庁次長。
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佐々木輝夫#2
○佐々木政府委員 日ソ間の漁業取り決め締結交渉につきまして、本日までの経過の概要を御報告いたします。
 去る五月三日、三度目の訪ソをしました鈴木農林大臣とイシコフ漁業大臣との間で五月五日以来話し合いが続けられておりますが、去る十七日の会談におきまして基本的な問題についての両者の立場にかなりの歩み寄りがうかがわれましたものの、昨十八日の会談においてソ側から重要な修正提案がございまして、引き続き両大臣間での協議が続けられている状況にございます。
 すなわち、去る五月五日の会談において、わが方はソ側に対し、わが国海洋二法の成立を背景とした二つの案を示しました。第一案は、日ソ双方の二百海里水域内操業に関する双務協定を締結すること、第二案は、ソ連二百海里水域内でのわが方の操業に関する協定及び、わが方二百海里水域内でのソ連の操業に関する協定を同時に締結することであります。第三案は、従来行われてきましたいわゆる日ソ協定締結交渉を継続し、わが方二百海里水域内でのいわゆるソ日協定は別途交渉することとなるというものでありまして、ソ側が第三案による交渉継続を希望した結果、五月七日以来いわゆる日ソ協定の交渉が行われてきたわけであります。
 わが方といたしましては、本件交渉に当たっては、純然たる漁業問題として協定を結ぶべきであるとの基本方針を定め、北洋漁業におけるわが国の伝統的操業を維持すること及び日ソ平和条約締結交渉におけるわが方の立場に影響を与えない形での妥結に全力を挙げてまいりました。
 このようなわが方の立場はなかなかソ側の理解することとならず、交渉は難航をいたしておるわけでございますが、わが方としては、去る十三日、累次のソ側との折衝の結果を踏まえまして、わが方として考えられるぎりぎりの案を提出する一方、十六日には福田総理からブレジネフ書記長及びコスイギン首相に対し親電をもって日ソ友好の大局的な見地から交渉の早期妥結を図るよう呼びかけが行われました。
 これらの結果、去る十七日の会談におきまして、純然たる漁業問題として本件協定を締結するとの立場で交渉の早期妥結を図るということにつきまして両大臣間の基本的な合意を見、これらの立場を協定中に明記するとの方向で専門家会議において案文の詰めが行われたわけでございます。
 これらに基づき、昨十八日、第七回の両大臣間会談が行われたのでございますが、冒頭申し上げましたとおり、この会談におきましてソ連側から協定全般の性格にかかわる重要な修正提案がございまして、引き続き大臣間での協議が続行されることとなっております。
 本件漁業交渉は、現在協議中の協定案文の取りまとめのほかに、今後漁獲割り当ての問題等残されている問題は決して少なくないわけでございますが、妥結へ向けて一層の努力を払いつつあるということをとりあえず御報告いたしたいと思います。
    —————————————
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菅波茂#3
○菅波委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
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馬場昇#4
○馬場(昇)委員 ただいま御報告ございました日ソ漁業交渉についても質問をいたしたいのですけれども、理事会の申し合わせで来週に集中審議をするということでございますので、そのときに質問をいたしたいと思います。しかし、きょう私が有明海の諌早湾の干拓工事について質問をするわけでございますけれども、その質問の前提となるという意味で日ソ漁業交渉について、内容には触れませんで一言質問を申し上げておきたいと思います。
 非常に長い困難な交渉をやってきたわけでございますが、この日ソ漁業交渉で政府は、特に農林省は水産行政として日ソ漁業交渉から今日のところどういう教訓を得ておるのか、何を学んでおるのか、こういう基本姿勢についてまず聞いておきたいと思います。
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羽田孜#5
○羽田政府委員 基本的な問題についてお答えをしたいと思います。
 今回の日ソ漁業交渉は、ソ連によりますところの二百海里漁業水域設定という新しい二百海里体制の枠組みのもとで始まっただけに、かつてなく厳しい交渉となったわけでございます。
 政府といたしましては、かかる世界の厳しい現実は現実として十分直視しつつも、わが国漁業の中に占める遠洋漁業の重要性にかんがみ、漁業外交をさらに積極的に展開するとともに、海外漁業協力を一層推進することによりましてわが国海外漁場を確保することが必要であると考えております。
 また、今国会で御審議いただき、また成立を図っていただきましたところの領海法及び漁業水域に関する暫定措置法のもとにわが国周辺水域における漁業面の体制整備を図り、外国人漁業につき適切な規制を加えつつ、沿岸漁場の計画的整備、栽培漁業の積極的展開、漁港及び漁村環境の整備など沿岸・沖合い漁業の一層の振興を図ってまいりたいというふうに考えます。
 なお、サバ、イワシなどの多獲性魚の消費拡大、また加工技術の開発など水産物の有効利用を図るなど諸般の施策に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
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馬場昇#6
○馬場(昇)委員 私は、この日ソ漁業交渉の中で、これは農林省の担当ではないかもしれませんけれども、従来の日本の外交についていろいろ反省しなければならぬ点があるんじゃないか。日ソに限って言いますならば、日ソ平和条約の締結交渉、こういうものに対して政府は熱意がなかったのじゃないか。さらにミグ問題等につきましての処理の仕方、このやり方がソ連をものすごく刺激したんじゃないかとか、あるいは日本の外交の対米一辺倒、こういう外交をやってきた、これが日ソ漁業交渉等にいろいろ影響しているのじゃないか。さらに領海問題、漁業水域問題等についての情勢の分析、こういうもの等について甘さがあったんじゃないか。いろいろ反省しなければならぬ点が多くあると思うのですけれども、農林水産委員会でございますが、ただいま政務次官も申されたわけでございますけれども、私は、この日ソ漁業交渉の中で水産行政として学ばなければならないことは、やはり二百海里時代に対応する日本としての漁業政策というものを根本的に見直しする必要があるんじゃないか、そうして二百海里時代に対応する長期的な計画を立てなければいけないんじゃないか、これが日ソ漁業交渉の中から水産行政が学ばなければならない大きい教訓ではないか、こういうぐあいに思います。いま次官が答弁されました内容もこういうことを含んでおるのではないかと思うのです。
 そこで、この学ばなければならない最大の教訓の中で一番大きい問題としては、何といっても日本の沿岸漁業の振興、ここに最重点を置かなければいけない、こういうぐあいに思います。領海、漁業水域の審議の中で、この委員会で鈴木農林大臣は、近海指向型に大転換を図るという姿勢をとらなければならない、その大転換を図るという内容について、大規模な計画は五十一年度から開始されております沿岸漁場整備七カ年計画を繰り上げてでも実施しなければならない、それだけではなしに必要とあれば新しい立法をする必要もあろう、こういうことを答弁なさっておるわけでございます。さらに答弁の中で農林大臣は、日本の近海に三千万ヘクタールの二百メートルより浅い開発可能な海域があるのだ、その三分の一の一千万ヘクタールを開発すると、今日近海で大体百十万ヘクタールの漁場しか開発していないわけですけれども、それを一千万ヘクタール開発すると日本の近海において今日の全漁獲量に匹敵する一千万トンの漁獲が可能になる、こういうこともしたいのだということを答弁されておるわけでございます。さらにこの漁業交渉の中で全漁連のだれかが、ソ連とか米国などの海域での漁業はしょせん農業にたとえて言いますと小作農だ、二百海里時代は自作農であるべき日本沿岸漁業を充実すべきだ、こういうことを言っておられるのを聞いたことがあるのですけれども、こういう諸点について、沿岸漁業振興についての決意のほどをここで伺っておきたいと思います。
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羽田孜#7
○羽田政府委員 ただいま先生からお話がございましたとおり、新しい海洋秩序の時代を迎えまして、何といってもみずからの国の周辺の漁場の整備、また開発が最も緊要なことではないかと思います。そういった意味で大臣も今日まで各答弁におきましてその決意のほどを申し上げてきたのではなかろうかと思います。
 そこで、沿岸漁場の整備開発につきましては、御案内のとおり沿岸漁場整備開発法に基づきまして魚礁設置事業あるいは増養殖場造成事業などを計画的に推進する制度が発足しております。この制度のもとに事業の拡大を図っていくことによりまして、新たな海洋秩序のもとでの要請に十分こたえていけるのじゃなかろうかと考えます。なお、本年度予算におきましては七十五億四千万円、対前年比一三七%と他の公共事業の伸び率に比較しまして大幅な増額を見ておるところでございまして、来年度以降におきましても、さらに事業の促進を図るために積極的に努めてまいりたい、このように申し上げたいと思います。
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馬場昇#8
○馬場(昇)委員 どうも沿岸漁業の振興という従来のレールの上を突っ走る、少しスピードは増すのだという感じに私は受け取れたのですけれども、少なくとも私が鈴木農林大臣から聞いた委員会の答弁は、そうではなしに抜本的に沿岸漁業を振興するのだ、特別立法でもつくってそれをやらなければならない時代だ、さらに沿岸だけで、近海だけでいまの全漁獲量の一千万トンぐらいをとれるような体制を抜本的につくり上げたいのだ、こういうような非常に意欲的な姿勢がうかがわれておったのですけれども、いまの次官の答弁では、何かいままでのレールの上を走ってちょっとスピードを増すぐらいだという感じにしか聞こえないのですけれども、その辺はどうですか。
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羽田孜#9
○羽田政府委員 まさに御指摘のとおり、いま歴史的な新しい一つの時代を迎えたわけでございますので、今日までに引かれましたレールをより有効に、こういった時代を踏まえまして積極的にやっていきたいという気持ちで実は御答弁しておるわけでございます。
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馬場昇#10
○馬場(昇)委員 やはりその全漁連のだれかが言いましたように、よその領海でとるというのは小作農ですからね。自分のところの近海でとる、いわゆる自作農によって自立していくのだという立場で漁業政策、水産政策を進めていかなければならぬ。大体方向は一致しておりますが、もう少し馬力をかけていただきたいと思うのです。
 そこで質問に入りますが、そういう流れの一環として九州の有明海、この漁場としての価値について水産庁はどういうぐあいに考えておられるのか。ある学者によりますと、九州有明海については日本一の生産力を持っていると言ってもよろしいのだと言い切る学者もおるわけでございますけれども、この九州有明海の漁場としての価値について水産庁の認識を伺っておきたいと思います。
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佐々木輝夫#11
○佐々木政府委員 有明海は日本の内海、内湾の中でも非常に干満の差が大きくて、また干潟生物等を含むいろいろな多種類の生物がすんでおるという非常に特殊な性格を持った、漁場としても重要度の高いところであると考えております。
 現状では特にノリ養殖を初めアサリとかハマグリといった貝類、あるいはカレイ類とかボラ、スズキ、それからガザミなどのカニのたぐい、こういったものが相当生産をされておりまして、五十年での生産量は大体八万五千トンぐらい、金額で約四百六十三億円ぐらいというふうに推定をいたしております。
 今後とも有明海の漁場というのは、こういった日本の沿岸漁業の中でも特殊な環境を生かして沿岸漁業の重要な一翼を担う地域であろうというふうに判断しております。
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馬場昇#12
○馬場(昇)委員 私も有明海に関係のある県の住民として、あの有明海を本当に一大養魚場にという考え方で漁業に対してものすごい力を入れますと本当にりっぱな漁場になる、これが二百海里時代の、そして先ほどから御答弁がありました沿岸漁業、近海漁業を振興する最も重要な地点だ、こういうぐあいに言えると思うのです。
 そこで、二百海里時代を迎えて漁場としての価値をさらに高めた大切な有明海について、その諌早湾の干拓工事を始めようとしておられるわけです。この有明海諫早湾の干拓工事というのは何のための工事か、だれのための事業か、その事業の内容はどういうものか、事業の主体はどこがやるのか、いつから始めるのか、この有明海諌早湾の干拓工事のこういう全貌について簡単でいいですからお示しをいただきたいと思います。
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森整治#13
○森(整)政府委員 いわゆる長崎南部総合開発事業でございますが、御承知のように諌早市ほか八力町村の地域にわたりまして、一つは海面の約一万百ヘクタールを複式堤防で締め切りまして農地を約五千四百ヘクタール、それから淡水湖を約三千六百ヘクタールを造成する。あわせまして周辺の既耕地の約三千二百ヘクタールの灌漑用水を補給するという計画でございます。
 この淡水湖によって開発されました水資源は農業用水のほかに長崎県と共同事業で実施いたします都市用水の供給をも行うという内容のものでございます。この事業は農地の造成でございますから、ただいま営農の計画として考えられておりますことは、酪農の経営と肥育の経営と野菜の経営、堆厩肥を野菜にも使う、こういうことで計画が立てられておるわけでございます。一つは、農地の造成によりまして地域農業の近代化と構造改善を図るということと、長崎市など三市六町の水道用水といいますか、水不足を解消いたしまして民生の安定に資しようという内容のものでございます。もちろん干拓でございまして、恐らくわが国最後の干拓ではなかろうかというふうに思われる大計画であることは間違いございませんが、相当な長さにわたります、約十キロの潮受け堤防、それから内部の堤防が二十七キロ、排水機場が二カ所、排水路が約八十キロメートル、地区内道路が二百三十キロ、畑灌の揚水機場が三カ所というようなことでございます。もちろんこれだけ大規模な計画でございますから、実施主体といたしましては農林省が直轄事業で行うということを考えておりまして、事業の実施に当たりましては、当然実施区域、あるいはこれによって影響を及ぼす区域の関係住民、関係者の同意を得るということで、今後、法手続を了した上で着工いたしたいというふうに考えている事業でございます。
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馬場昇#14
○馬場(昇)委員 長崎南部総合開発事業というようなことをおっしゃいましたが、まさに長崎県に関係するような話です。少なくとも有明海というのは佐賀県、福岡県、熊本県、みんな関係するわけでございます。それを長崎県の開発だと言うような物の考え方というのは基本的に間違っておるというぐあいにも思うわけでございますが、私が聞いているところでは、いま干拓というのはやらないというのが農林省の方針ではなかったのか。米過剰時代で、そういう農林省の考え方じゃなかったかと私は記憶しておるわけでございます。そしてまた、干拓をやりましたところでも、ただいまの話では酪農をやるんだ、野菜をやるんだ、こういうことをおっしゃいましたけれども、米をつくらせろという非常に大きい問題が干拓地帯で起こっていることは御承知のとおりでございます。大切な沿岸漁場をつぶしてこういう干拓をして農地をつくる必要があるのかという点も、非常に疑問を持っておるわけでございます。
 さらに、いま、いつから着工するんだというふうなことを聞きましたけれども、それをはっきり言われなかったのですけれども、計画ではいつから着工して何年ぐらいででき上がるんだと、もう少し具体的にお答えいただきたいと思うのです。
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森整治#15
○森(整)政府委員 この事業は現在、全体実施設計の段階にございまして、事業内容につきまして、関係市町村を中心に説明会を実施し、理解を求めているわけでございます。長崎南部の総合開発計画事業につきましては、前半、実施設計をしまして、今年度後半に着工するという一応の予算を計上をいたしておるわけでございますが、もちろんこの干拓に。きましては、非常に膨大な事業でございますし、関係する方々も非常に多数にわたるということで、特に慎重を期したいという考え方でありますが、現在まで、諌早湾の湾内における漁業権の問題、これは全部消滅をするという区域になるわけでございますが、これにつきましては、長崎県ですでに昨年の九月、関係漁民の理解を得まして漁業補償の大筋の妥結をしておる、そういう段階で予算の編成に入ったわけでございます。そこで残されておるものは、今後、いろいろな工事に伴う補償問題ですとか、それから有明海における漁業に間接的な影響があるであろうそういう問題につきましては、実は委員会が設けられておりまして、その委員会の影響に関する調査報告が出るという予定で予算を編成いたしたわけでございます。その委員会の環境に関する影響評価というのはその後出されましたけれども、漁業に関する影響評価につきましては、まだ報告が出ておりません。そういう段階でございますので、今後漁業のどういう範囲まで事業におきます影響があるだろうかということについては、現在、影響の範囲、程度等につきましてはその委員会の結論を待っておるわけでございますが、その結果が出ますれば、関係漁民の方々の理解と協力を得るよう努力をしてまいりたい。
 そこで、長崎だけというふうには私ども考えておりませんで、やはり佐賀、熊本、福岡と、有明海に関連いたします三県につきまして漁業への影響等も考えられますので、まだ結論が出ておりませんから確たることは申し上げられませんが、いまの反対を受けておりますところからすれば、当然そういう影響というものを考えてまいるわけでございますが、これにつきましてはその報告が出次第、本事業に対します理解が得られるように御説明もし、反対があればそれについての話もいろいろ承って、その上で着工をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
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馬場昇#16
○馬場(昇)委員 後で具体的に問題点を指摘したいのですけれども、いまの話を聞いただけでも、基本的な問題というのはまだほとんど解決をしていない、調査も終わっていない。そういう段階で、先ほどの答弁によりますと、本年度後半に着工したいんだ、こんなでたらめな話はないと思う。
 そこで政務次官、先ほどあなたは、新しい二百海里時代で沿岸漁業の振興は全力を挙げてやらなければならない、こういうことをおっしゃったわけでございますか、ここは漁場をつぶすわけです。それで農地をつくる。もちろん酪農を振興しなければならないという点は私はわかるのですよ。ところが、現在あるりっぱな、全国的にも有数な漁場をつぶしてそこに酪農を振興しなければならないのか。そのマイナスとプラスの兼ね合いですね。酪農はそういうりっぱな漁場をつぶさないでほかのところにやってしかるべきじゃ、ないか、これが日本のすべての農畜産物、水産物の生産を向上し、食糧自給を高めることになるわけでございますが、この計画を一言で言いますと、これは高度経済成長政策の遺物だ、私はそう思うのですよ。そうして、こういう安定成長時代、食糧危機時代というときにあっては、水産物の漁場をつぶしながら酪農をするということをやっちゃいかぬ。酪農は、現在ある漁場なんかつぶさないで別にやるべきじゃないか。これは明らかに高度経済成長政策時代の遺物だ。そういう考え方の延長の上にこの工事は立っておると私は思うのですけれども、少なくともこの事業は、沿岸漁業を振興するといういま最も重要な二百海里時代の政策と反する、阻害をする、こういうぐあいに思うのですが、次官、どうですか。
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羽田孜#17
○羽田政府委員 この計画は実は昭和二十数年のころから始まって、先ほど来担当からそれぞれ御答弁申し上げてまいりましたような必要性の中で今日まで進められてきた計画であります。しかるに、今日新たな、まさにショッキングともいうべき大きな問題が突如として起こってきたわけでございまして、その辺でどのように調整し、あるいはどのように調和させていくかという新たな問題が起こってきたというふうに考えております。しかし今日までも、これが魚にどんな影響を及ぼすかという点については、いま先化からまだ御不満であるという御指摘もございましたし、また私どもの方でも実はその影響といいますか、そういうものを得ているもので問題のある点もございます。こういった問題も慎重に検討しながら計画を進めてまいりたいというふうに考えておるわけです。
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馬場昇#18
○馬場(昇)委員 いまいみじくも言われましたように、これは明らかに高度経済成長政策時代に考えた一つの企画なんですよ。だからいま言われましたように、新しい二百海里時代で沿岸漁業をどう振興しなければならないかという新しい緊急な課題が出てきたわけですから、そしてまた高度経済成長政策時代は終わったわけですから、これは当然この時点で再検討すべき課題であろう。いま、どう調和するかということで再検討したいというようなことを言われましたけれども、これは本当に再検討しなければならぬ課題であろうと思うのです。
 そこで、具体的な話の前提にもう一つ聞いておきたいのですけれども、開発というものは、何といっても地域住民の理解と納得なしには行ってはならないし、行う筋合いのものでもない、こういうぐあいに思うのです。そしてこの諌早湾の干拓を考えてみますと、これは有明海全体に大きな影響を与える、そして貴重な海を失う、また自然破壊にもなるということは明らかであるわけでございます。先ほど言われた、この湾内の十二漁協が二百四十六億八千万で漁業権の放棄をしたということは私も知っておるわけでございますけれども、諌早湾を締め切るということは何も湾内十二漁協に関する問題ではない。これは明らかに熊本とか佐賀とか福岡の漁民にも関係するのです。そういう意味で、福岡とか佐賀とか熊本、こういうところの漁民の納得は得ておるのかどうか。熊本県の漁連は佐賀、福岡の漁連と連絡をとりながら、やってはいけないという抗議運動を起こそうとしておるのです。また佐賀の有明海の漁連会長も、こういうことをされたら海流や腐泥物の堆積で大変なことになる、そういうことは干潟で干拓をした歴史で明らかだということで反対をしておるのです。
 端的に聞きますが、熊本、佐賀、福岡の漁民の賛成は得ておるのかどうか、どういう話をしておるのかということが第一点です。
 第二点は、漁民とともに県民全体に影響を与えるわけですから、県民を代表した熊本の県知事、佐賀、福岡の県知事は何と言っているのか、もう納得をしておるのか。私が聞いたところによりますと、熊本県知事は、まだ熊本県の漁民の了解も受けていない、そういう漁民の了解を受けられないようなものは工事に着工してもらっては困るとはっきり言っております。そして、干拓による有明海の漁業資源、海流への影響、こういう調査も十分実施していない、その資料もまだ私のところには全然来ていない、こういうことも言っております。そして、海域が狭くなるわけですから、こういうことをすると漁業の秩序も混乱をするのだ、現にいまでも長崎の漁民が熊本県の海域を侵犯して、被害を出して非常に困っておるのだ、そういうことがこれをやるとさらに進む、こういうことを熊本県知事ははっきり言っておるわけでございます。
 そこで、漁民の了解を得ておるのか、あるいは三県知事の了解を得ておるのか、三県知事はどう言っておるのか。先ほども言われましたのですけれども、この問題は決して長崎県だけの問題ではなしに、広範な地域にはかり知れない影響を及ぼすわけですから、一地域の問題でないわけですから、いま言いました関係漁民並びに県知事との交渉状況、その向こうの考えを明らかにしていただきたいと思うのです。
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森整治#19
○森(整)政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、まあ直接ではないにしても、間接的に事業によります漁業への影響もあるだろうということで、有明海に対する影響という問題につきましては、検討の委員会がまだ報告を出しておりませんものですから、漁業に関する影響という漁業編というものの報告が出ておりませんものですから、まだ佐賀、福岡、熊本の漁民の了解を得ておるという段階ではございません。また、知事さんにもそういう影響報告をもとにいたしまして御説明をし、そこでどういう御意見が出るかというふうに私ども理解をしておりまして、そういうものが出され次第お話し合いをしたいというふうに考えておるわけでございます。結論から申しますと、先生御指摘のように、関係の知事さんが了解をしておるという段階にはまだなっておりません。
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馬場昇#20
○馬場(昇)委員 ところが予算も十億組んで、先ほど言われたように本年度後半に着工したい、こういう計画が一方的に進んでいるわけです。それから地域住民の了解なんか全然進んでいないわけです。いまあなたは、直接ではなくても間接に影響するというようなことを言われましたけれども、有明海のあの諌早湾を締め切るということは、その三県には間接どころかもう直接影響するわけですよ。間接に影響するという物の考え方が甘い。三県には直接影響するわけです。だから当事者と言っても過言ではないのですよ。そういう問題はありますが、まあ押し問答したってしょうがありませんので念を押しておきますけれども、関係三県の漁民なりあるいは知事なりの了解なしには、納得なしには着工しない、そういうことは言えますか。
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森整治#21
○森(整)政府委員 本件につきましては、関係の漁連の会長も農林省にお見えになりまして、水産庁並びに事業の担当の私どもも御懇談を申し上げておりますし、鈴木農林大臣にもお会いになりまして、大臣から、皆さんの理解を得られないで強行着工をすることはいたしませんということは明言をいたしておるわけでございまして、私どももその線に沿って、あくまでも理解と御協力を得られるという段階まで着工はいたさない方針でございます。
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馬場昇#22
○馬場(昇)委員 住民の理解のない開発というのは開発ではないと私は思うわけです。ですからいま言われましたように、関係する県の了解を得なければ着工しないということは当然な姿勢であろうと思いますので、ぜひそのようにやっていただきたいと思うのです。
 そこで、地域住民もいろいろ心配しておりますので、この工事の及ぼす具体的な影響についてまだ十分調べていないというふうな話ですけれども、もう二十年以来のことなんですよね。そしてもう二十億円ぐらいこの調査費に金を使ったのじゃないかと私は聞いておるわけでございますけれども、この辺について、現在検討されております段階について具体的に聞きますので答えていただきたいと思うのです。
 まず、この工事が有明海の自然に及ぼす影響、こういうことについてお聞きしておきたいと思うのです。潮汐とか潮流、こういうものが主になるわけでございますけれども、こういうことを地元の人は言っているのです。諫早湾を初めその沿岸、あの付近の空気は非常においしい、そう言われております。そして有明海の潮流というものは、有明海の熊本県側の東沿岸に沿って、ずっと時計の針を逆さまに回すようなかっこうで北上していくのです。そして湾の奥で向きを変えまして、今度は西海岸に沿ってずっと諌早湾に入ってくるわけです。諌早湾の干潟というのは、御承知のとおり三千ヘクタールぐらいございます。その潟の厚さというのは二十メートルくらいあると言われておるわけでありまして、その干潟の浄化作用は非常に大きいわけでございます。だから、諌早湾というのは、有明海全体のいい意味での浄化槽の役目を果たしておる、こういうぐあいに言われておるわけでございます。この有明海の潮流、自然というものに対して浄化槽の役目を果たしております諌早湾を締め切りました場合に、私はものすごく影響があるのじゃないかと思うのですけれども、この点についてはどうですか。
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森整治#23
○森(整)政府委員 この事業によります有明海の海象、漁業に及ぼす影響につきましては、従来からいろいろ検討を重ねてまいりましたけれども、特に学識経験者によります委員会を設けまして、有明海の海象の変化の予測、これと漁業への影響の有無について検討を行っておるわけでございます。そのうち、先ほど漁業への影響というのはまだ報告が出ておらないと申し上げましたけれども、海象に及ぼす影響につきましては委員会の報告が出ております。ちなみにこの委員会の委員長は塚原九大教授でございまして、すべて大学の先生並びに農林省の水産研究所の部長さんも参加をしておるという委員会でございます。
 そこで、まず潮位でございますけれども、大潮時にプラス七センチの影響があるということで、最大潮位が五メートル前後ということでございますから、約一・四%であるという報告になっております。
 それから潮流の問題でございますが、大潮、上げ潮時で潮受け堤防がつくられるわけでございますから、その限られた海域で流速が変化する。北側と南側と言っておるのですが、北側の方で最大秒速十五センチ、南側で最大三十センチというふうに変化をする。それから流向、流れの方向が、締め切りのところで東西流が南北流に変わるが、流向の変化は最大堤防からの距離が約六キロということでせいぜい、せいぜいというのはおかしいですが、沖合い六キロまでの海域で潮流の変化があるけれども、有明海中央部ではほとんど変化しないといっておるわけでございます。
 あとは、漂砂の現象がどういうふうになるかということでございますが、若干……(馬場(昇)委員「質問に答えてください。その辺は後で資料を求めますから。」と呼ぶ)そういうことでございまして、その限りにおいては大きな変化がないというふうな報告と私どもは理解をしておるわけでございます。これはまた見方によりまして、そうでないという御意見があるのかもしれませんけれども、私どもはそういう理解をしておるわけでございます。ことに、漁業に及ぼす影響につきましてはまだ結論を得ていない段階でございます。こういうことでございます。
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馬場昇#24
○馬場(昇)委員 これはもう現地の人たちが一番よく知っているのですよ。だから、あなたはいまその影響は余りないような報告をなさいましたけれども、私が指摘しましたのは、諌早湾というのは有明海の浄化槽みたいなかっこうになっておるということはだれでも知っているわけですよ。そこを締め切ってしまったら浄化槽がなくなる、こういうかっこうになるのは常識でわかるわけですよ。だから、押し問答してもしようがありませんけれども、あの河口の調査なんかは行われているじゃないか。私が聞きますと、住民が資料を出してくれと言っても資料が十分出ない、こういうものすごい不満を住民は持っております。これはお願いをしておきますけれども、そういういろいろな調査資料というのは、住民の要求があれば必ず公開をして見せる、こういうことはぜひやっていただきたいと思うのです。これは後でお答えいただきたいと思います。
 それからまた、魚についてもまだ調査中だと言われておりますけれども、これは私が申し上げておきますからよく聞いておいていただきたいのですけれども、諌早湾の奥の方が魚のふ化場になっているのですよ。そして、あの諌早湾で幼期を過ごす魚、稚魚というのはいっぱいおるわけですよ。こういうものに影響があることは明らかでございます。有明海の魚というのは、マエツとかチョウセンエツとかアリアケシラウオとかヤマノカミとかハゼグチとかムツゴロウ、デンベイシタビラメとかアリアケヒメシラウオとか、こういうのがいっぱいおるわけですが、こういうものには必ず影響があることは明らかでございます。さらに貝類について言いましても、有明海というのは、先ほども御答弁いただきましたように、もう昔から有数の貝類の産地として知られておるわけでございまして、養殖も現在非常に盛んでございます。タイラギとかアゲマキとかアサリとかハマグリとかサルボウとかあるいはクマサルボウとかハイガイとか、こういうものがいっぱいおって、もうものすごい貝類の産地であるわけでございますが、これに影響があることはまた明らかでございます。さらに、ノリとかカニとか、こういうものに影響することも明らかでございます。まだこれは出ていないと言われましたけれども、これは、先ほど言った日本の中で有数の魚介類の生産地有明海がこの工事によってものすごい被害、影響を受けることは、もうだれが見ても明らかであるわけでございます。こういうことを十分調査されまして、この調査の資料というようなものについてはすべて隠さず、秘密にせず住民に公開していただきたい。この公開の問題についてはいかがですか。
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森整治#25
○森(整)政府委員 いままでございます関係資料につきましては、現地におきましてすでにすべて公開をいたしております。それから、先ほども私が申しました調査報告というのは、非常に重要な資料でございますから、その進捗に合わせまして報告書等関係資料が出ますれば、それも今後当然公開をいたしまして、事業の理解と協力を求めていくというつもりでございます。
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馬場昇#26
○馬場(昇)委員 私は住民から聞きましたが、いま公開するとおっしゃったから安心したのですけれども、どれだけ尋ねていってもある資料を出さない。それで、住民が非常に不満を持っておりますから、ひとつその点よろしくお願いしたいと思うのです。
 次に、環境庁に聞きたいのですけれども、あそこの諫早湾の干潟というところは全国有数の水鳥の渡来地になっておるわけでございます。カモとかシギとかがたくさん渡来してくるわけでございます。そしてまた、全国的にも珍しいところのツクシガモとかあるいはダイシャクシギとか、こういうものが多く渡来して、あそこで越冬する、こういうところでございます。あそこを締め切りましたら、こういう鳥類というのがどうなるのか。これは当然すめなくなってくる。この影響について環境庁はどのような判断をなさっておるのかということが第一点です。
 第二点は、御承知のように有明海というのはカドミウム汚染でものすごい問題になったことがございます。それから昭和四十八年、第三水俣病事件であれだけ大混乱を起こしたことは御承知のとおりでございます。ここで十年間工事をするわけでございますから、工事によって、または潮流の変化によって、現在深いところに眠っているそういうカドミウムとかあるいは水銀とかを目覚めさせてここから公害を起こす可能性は十分ある。この辺について検討なさっておるのか、あるいはこのことについて環境庁はどう対処しようとしているのかお聞きしておきたいと思います。
 それから環境庁に基本的な問題についてお尋ねしておきたいのですけれども、自然保護憲章に「開発は総合的な配慮のもとで慎重に進められなければならない。それはいかなる理由による場合でも、自然環境の保全に優先するものではない。」とはっきり書かれております。これをこの諌早湾の埋め立てに守るのかどうかということをきちんと環境庁に聞いておきたいと思います。海というのは決してあいている空間ではないわけですから、人間の生活の母体ですから、そういうことを含めまして、この自然保護憲章を守るのかどうかということを聞いておきたいのです。
 それから、これは政務次官に聞きたいのですけれども、地域開発の主体は、先ほどから言っておりますように、あくまでも地域住民であります。これは先ほども答弁があったのですけれども、重なるようでございますけれども、地域住民の納得しないような行動は絶対しない、こういう原則を守っていただくかどうか、こういうことでございます。この辺についてまず答弁いただきたいと思います。
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大塩敏樹#27
○大塩説明員 お答えいたします。
 諫早湾の干拓計画につきましては、その実施に先立ちまして公有水面埋立法に基づく手続によりまして、所管大臣から環境庁長官の意見を求められることになると存じます。現在その意見照会が行われる段階になっておりませんし、また具体的な環境上の調査の内容等についての報告を受けておりませんので、個別、具体的なお答えはいたしかねるわけでございますが、先ほどお話がございましたように、この地域は干潟でございますので、当然鳥類との関係が問題になる。まだ水質に関連いたしますが、底質の中の重金属等についても、一般的にこういった事業を実施する場合には調査がなされるのは当然である、そのように考えております。環境庁といたしましては、まだこの問題に対してどのような基本的な考え方をとるのか決めてはおりませんが、一般的に開発は環境保全が図られる範囲内で行うべきであるというのが基本的な考え方でございます。先ほどお話がございましたような自然保護憲章等の基本的な考え方に基づきまして具体的な案件として処理していきたいと考えております。
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羽田孜#28
○羽田政府委員 私に対して御質問のございました点につきましては今後とも関係者並びに関係各県の皆様方の十分な御理解をいただきながら進めてまいりたい。先ごろ関係者に対して大臣が申し上げましたものをよく私どもも重視しながらやってまいりたいと考えます。
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馬場昇#29
○馬場(昇)委員 いま環境庁から聞いたのですけれども、これだけ長い期間調査もし、研究もし、問題になっておるのです。反対運動もあるわけです。それに、環境庁が悪いのか、農林省が悪いのか知りませんけれども、少なくともまだ環境庁は、公有水面埋め立ての問題について問い合わせがないから何も行動を起こしていない。これは、環境庁としてはこういう問題があることは御存じですから、自主的、自発的にやるべきじゃなかろうか、こうも思いますし、また農林省としても、こういうことをやるのだから、環境庁と連絡をとりながら、当然事前にそういう調査、研究も環境庁と協力しながらやるべきだ。全くその面について何も行われていないということは怠慢以外の何物でもないと思うのですよ。そういう点についてはぜひ環境庁と、公有水面埋め立ての意見を聞く云々の前に、先ほどから言っておりますような自然あるいは公害、ものすごい影響があるのですから、いま直ちに相談をしながらやっていただきたいということを申し上げておきたいのです。それについても答弁を求めたいと思うのです。
 そこで、これは杞憂かもしれませんが、この諌早湾の埋め立ての工事の計画を私ずっと調べてみました。これはもう二転三転四転五転していますね。こういうことで、この開発というのは、さっき農地をつくるとおっしゃいましたが、都市用水の確保ということも言われましたが、工業用水の確保、これが大体主じゃないか、こう批判されるような動きもまたあったわけでございます。これが第一義の問題だ。七百ヘクタールぐらいの工業用地をつくりたいんだ、こういうようなことを言う人もおりますし、さらにここを埋め立てたところから土を持ってきて、そこに石油コンビナートをつくるのだ、そういう計画がねらいではないか、こういうようなことを言っておるんもおるわけでございますし、また最近に至っては、「むつ」の問題につきまして、長崎県が「むつ」を受け入れる条件に新幹線がどうの何がどうのと言っておる、その中に、「むつ」を受け入れるかわりにこの諌早湾の干拓工事を国が一生懸命やってくれ、こういう取引の材料に使っているのじゃないか、こういう批判さえもあるわけでございます。そういう問題につきましてもいろいろ住民は批判も持っているし、心配も持っているわけでございますので、そういう点についてのはっきりした基本的な姿勢についてお尋ねをしておきたいと思います。
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