予算委員会

2018-11-01 衆議院 全346発言

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会議録情報#0
平成三十年十一月一日(木曜日)
    午前八時五十九分開議
 出席委員
   委員長 野田 聖子君
   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君
   理事 坂本 哲志君 理事 田中 和徳君
   理事 堀内 詔子君 理事 宮下 一郎君
   理事 逢坂 誠二君 理事 渡辺  周君
   理事 伊藤  渉君
      秋本 真利君    伊藤 達也君
      池田 佳隆君    石崎  徹君
      石破  茂君    今村 雅弘君
      衛藤征士郎君    小田原 潔君
      小野寺五典君    奥野 信亮君
      鬼木  誠君    金田 勝年君
      河村 建夫君    岸田 文雄君
      古賀  篤君    笹川 博義君
      鈴木 俊一君    田野瀬太道君
      竹本 直一君    野田  毅君
      橋本  岳君    平沢 勝栄君
      藤丸  敏君    古屋 圭司君
      堀井  学君    村上誠一郎君
      盛山 正仁君    山口  壯君
      山本 幸三君    山本 有二君
      吉野 正芳君    和田 義明君
      小川 淳也君    岡本あき子君
      川内 博史君    武内 則男君
      長妻  昭君    本多 平直君
      道下 大樹君    宮川  伸君
      早稲田夕季君    奥野総一郎君
      後藤 祐一君    階   猛君
      西岡 秀子君    石田 祝稔君
      太田 昌孝君    岡本 三成君
      鰐淵 洋子君    大串 博志君
      藤野 保史君    宮本  徹君
      浦野 靖人君    松原  仁君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (マイナンバー制度担当) 石田 真敏君
   法務大臣         山下 貴司君
   外務大臣         河野 太郎君
   文部科学大臣       柴山 昌彦君
   厚生労働大臣       根本  匠君
   農林水産大臣       吉川 貴盛君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    原田 義昭君
   防衛大臣         岩屋  毅君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       渡辺 博道君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       山本 順三君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (消費者及び食品安全担当)
   (少子化対策担当)
   (海洋政策担当)     宮腰 光寛君
   国務大臣
   (クールジャパン戦略担当)
   (知的財産戦略担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     平井 卓也君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (経済財政政策担当)   茂木 敏充君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)
   (男女共同参画担当)   片山さつき君
   国務大臣         櫻田 義孝君
   内閣官房副長官      西村 康稔君
   財務副大臣       うえの賢一郎君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   会計検査院長職務代行検査官          柳  麻理君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   海堀 安喜君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 生川 浩史君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        塚原 浩一君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  石田  優君
   予算委員会専門員     石上  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     橋本  岳君
  石崎  徹君     池田 佳隆君
  笹川 博義君     岸田 文雄君
  田野瀬太道君     堀井  学君
  竹本 直一君     藤丸  敏君
  野田  毅君     鬼木  誠君
  山本 幸三君     古賀  篤君
  武内 則男君     長妻  昭君
  太田 昌孝君     石田 祝稔君
  岡本 三成君     鰐淵 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     石崎  徹君
  鬼木  誠君     野田  毅君
  岸田 文雄君     笹川 博義君
  古賀  篤君     山本 幸三君
  橋本  岳君     和田 義明君
  藤丸  敏君     竹本 直一君
  堀井  学君     田野瀬太道君
  長妻  昭君     岡本あき子君
  石田 祝稔君     太田 昌孝君
  鰐淵 洋子君     岡本 三成君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     秋本 真利君
  岡本あき子君     道下 大樹君
同日
 辞任         補欠選任
  道下 大樹君     宮川  伸君
同日
 辞任         補欠選任
  宮川  伸君     武内 則男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成三十年度一般会計補正予算(第1号)
 平成三十年度特別会計補正予算(特第1号)
     ――――◇―――――
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野田聖子#1
○野田委員長 これより会議を開きます。
 平成三十年度一般会計補正予算(第1号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官海堀安喜さん、文部科学省大臣官房長生川浩史さん、厚生労働省子ども家庭局長浜谷浩樹さん、国土交通省水管理・国土保全局長塚原浩一さん、国土交通省住宅局長石田優さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野田聖子#2
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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野田聖子#3
○野田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岸田文雄さん。
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岸田文雄#4
○岸田委員 おはようございます。自由民主党の岸田文雄です。
 まず、新しい内閣がスタートして初めての予算委員会の審議となります。これから年末を迎え、来年、平成の時代が終わり、新しい時代がスタートする。こうした歴史の節目に当たって、総理、そして閣僚の皆様方、ぜひ国民のためにしっかり責任を果たしていただきますよう御期待を申し上げます。
 その上で、きょうは十一月の一日です。十一月の一日は何の日か、御存じでいらっしゃいますか。調べましたら、十一月一日というのはいろんな記念日が重なっております。随分多くの記念日が十一月一日とされています。例えば、紅茶の日とかすしの日とか、あるいは生命保険の日とか、あるいは泡盛の日なんというのも十一月一日であります。
 その中で、政治的に重要な記念日として、自衛隊記念日というのがあります。我が国の自衛隊は、昭和二十九年の七月一日に発足をしました。しかしながら、七月から十月、この時期は大変災害が多い、こうした災害への対応に忙殺されることになってしまう、こういったことから、あえて自衛隊記念日を十一月一日まで移動させた、こういった経緯があるということであります。
 今も昔も変わらぬ現実ということなんでありましょうが、ことしも本当に多くの大型の災害が連続して発生をいたしました。きょう審議する補正予算も、まさに災害対応が中心ということになっています。きょうは、冒頭、この災害対応、国土強靱化、ここから質問を始めさせていただきたいと思います。
 ことしを振り返りますときに、六月には、大阪北部地震が発生しました。七月には、西日本豪雨災害が発生しました。九月には、台風二十一号の大きな被害も発生しました。また、北海道胆振東部地震が同じく九月に発生をいたしました。
 改めて、この多くの災害において被災された皆様方にお見舞いを申し上げる次第ですが、こうした災害を振り返りますときに、私は幾つか特徴があると思います。
 例えば、ことしの災害、広域にわたって同時多発的に被害が発生するということで、近隣の自治体同士の協力がなかなか難しい、こういった事態が各地で発生した、こういったこともありました。また、今までの想定を超える風とか雨が記録されることによって想定外の大きな被害が発生する、こういったこともありました。
 さらには、被害の内容が、洪水氾濫であったり、土砂災害であったり、ため池の崩壊であったり、大型の停電であったり、液状化であったり、あるいは水道管の破裂であったり、本当に多岐にわたっています。
 よって、被害の状況あるいは現地のニーズ、実に多岐にわたっている、こういったことも一つ特徴としてあるのではないかと思います。こうした特徴を見てみますと、国の果たすべき役割、責任、大きいものがあるなと改めて感じています。
 総理も、ことし、本当に多くの被災地を視察して回られました。総理は、ことし発生した大きな災害を振り返られ、どのように感じておられるか、そして、今後、こうした災害を前にしてどのように復興復旧を進めていかれようとしておられるのか。基本的な考え方をまず質問させていただきます。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 まず、大阪北部地震、そして西日本豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など、大規模な災害が相次ぎました。お亡くなりになられた方々と御遺族に対して深く哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 私自身、被災現場を視察し、自然災害の猛威を改めて実感をいたしました。
 近年、災害が激甚化する中、国民の命を守る防災・減災対策あるいは国土強靱化を進めることは、我が国の政治、経済、社会にとって喫緊の課題であるということを痛感しております。
 広域で多数の被害者を発生させる大規模災害は、現場の市町村、都道府県のみでは対応に困難をきわめるところであり、国の職員を直ちに現地に派遣して、被災地の状況を直接把握し、被災自治体と連携し迅速に対策を講じていくこととしているほか、自治体同士の支援体制も大幅に拡充するなどの対応に努めております。
 また、財政面でも自治体がちゅうちょすることなく対策を進めることができることが重要であり、政府としては、この夏の一連の災害に対して、国が十分な予備費を活用して、発災直後直ちにプッシュ型支援を実施するとともに、生活やなりわいの再建に向けた支援策の実施、激甚災害の指定などの対策を迅速に講じ、一連の災害で生じた被害の状況や地域ごとの復旧復興の進捗等に応じて必要な財政措置を講ずるため、平成三十年度補正予算案に九千三百五十六億円を計上しているところでございまして、早期の成立の御理解と御協力をお願いしたいと考えております。
 これまでの想像を超える災害が発生する中、今後とも、大規模災害発生時に被災地で迅速な応急復旧対策が講じられるように、国が前面に立って、都道府県、市町村と連携しながら災害対応に全力を尽くしていくことが重要であると考えております。
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岸田文雄#6
○岸田委員 総理がおっしゃるように、まずはこの補正予算を迅速に成立をさせ、その上でしっかりとした政府の対応を進めていかなければならないと思います。
 そして、今後防災、減災に取り組む基本的な考え方として、一つ申し上げたいことがあります。
 私も、党の政務調査会長として被災地を随分回らせていただきました。その中で、どこに行っても言われることがありました。たびたび耳にしたことがありました。それは、河川の堤防の補強あるいは砂防ダムの整備など、平時から対策を講じていたところ、これは比較的被害が少なかった、しかし一方で、計画段階のままであって手つかずだったところ、これは大きな被害が出た、こういった趣旨のことでありました。岡山においても兵庫においても、あるいは広島においてもこういった事例に出会いました。
 例えば、大阪港とその周辺地域においては、昭和三十六年に、第二室戸台風の際に約十三万戸が浸水をいたしました。その後、海岸あるいは河川堤防、水門、こうした整備を行った結果、今回の台風二十一号においては、過去最高の潮位を記録したにもかかわらず、市街地の高潮浸水を完全に防止することができた、こういった指摘があります。
 かかった費用、これは維持管理費を含めて約一千五百億円と言われています。これに対しまして、この被害防止の効果ですが、今回の台風二十一号による被害想定だけでも約十七兆円という試算があります。整備以来たびたび大型災害が起こっているわけですから、整備以来今日までに防いだ被害はどれだけ大きなものがあるのか、改めて感じます。
 こうした事例を見るにつきましても、平時から先手を打って災害に備えていた方が、一旦災害が発生して、そして、インフラ、被災者の生活、なりわい、復興復旧する、こういったことよりもはるかに社会的コストが小さい、何よりもとうとい命を守ることができる、こういったことなのではないかと思います。
 総理に以前、財政再建の重要性ということについて質問させていただいたことがありました。財政との関係においても、こうした災害対策については、財政状況が厳しいからできないというのではなくして、財政状況が厳しいからこそ、より社会的コストが小さくて済む徹底した事前の取組、あるいは、防災、減災、国土強靱化、こういったものに力を入れていく、こういった考え方をとるべきではないかとも思います。
 今後、予算編成等に臨むに当たりまして、基本的な姿勢として、総理、この辺につきましてどうお考えか、お聞かせいただけますか。
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安倍晋三#7
○安倍内閣総理大臣 基本的な考え方としては、私も、今政調会長が言われた考えのとおりでございます。
 近年の災害というのは、何年に一度という災害が相次いで発生をしているわけであります。大規模災害が発生している。いわば、大規模災害によって多くの人々が被災する、あるいはお亡くなりになる方も出てくる。そして、被災した市町村は復旧復興に大変な努力を重ねていかなければいけませんし、復旧復興に当たっては、多くの人たちが困難な生活を強いられるわけでございます。
 それを事前に防止するための対策をしっかりと打っていくことは、財政においても、むしろそうしたことによって発生する大きな損害を事前に防止し得るわけでありますし、少なくとも、それによって被害を受ける人たちが生じないということにもなっていくだろうと思います。
 事前防災の重要性はますます増しているというふうに認識をしておりまして、河川はもとより、災害に対する事前の備えを広範に進めていく必要があります。
 現在、インフラの総点検を進めており、政府としては、その結果やこれまで培ってきた経験や教訓を踏まえて、国土強靱化基本計画を年内に見直すとともに、防災、減災、国土強靱化のための緊急対策を年内に取りまとめ、三年間集中で実施することとしております。
 事前防災を進めていく上で大切なことは、行政による公助はもとより、国民一人一人がみずから取り組む自助、そして、地域、企業、学校、ボランティアなど互いに助け合う共助を組み合わせ、地域全体で防災意識を高め、常に防災、減災の視点を持ってあらゆる自然災害に備える防災意識社会を構築していくことと考えています。
 地域全体の防災力を向上させるため、自主防災組織の結成等を促進するとともに、自主防災組織の活動の中心となるリーダー等の育成支援等を図ってまいりたいと思います。
 ハードだけではなくて、こうしたソフトもしっかりと充実をさせながら、ソフト、ハードを組み合わせた対策を総動員して、政府一丸となって事前防災にしっかりと取り組んでいく考えであります。
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岸田文雄#8
○岸田委員 総理おっしゃるように、事前防災に取り組むことの重要性、そして、ソフト、ハード両方の面からの対応が必要だという点、私も同感であります。
 そこで、もう一問だけ、災害対応で、ソフト面で一つ御質問させていただきたいと思います。
 災害時、倒壊や火災などによって多くの方々が命を落とされることになります。こうした直接死だけではなくして、避難生活中の苦労に伴う心筋梗塞あるいは肺炎などによる災害関連死、これが多数発生いたします。東日本大震災では三千六百七十六名が関連死と認定されています。熊本地震においては、直接死五十名に対して、災害関連死二百四名とされています。西日本豪雨においても災害関連死が報告をされています。
 災害関連死の主な要因、心筋梗塞と肺炎と言われています。避難生活でのストレス、あるいは衛生環境の劣悪さ、こういったことが原因となります。
 避難所の開設、運営、これは基本的には基礎自治体と住民自身が行いますが、大規模災害においては十分手が回らないということで、被災者が被災者を支える、こういった構図になってしまいます。
 イタリアにおいては、一九八〇年のイルピニア地震で災害関連死が直接死よりも多かった、こういったことを反省して、大規模災害においては、自治体ではなくして政府主導で支援を行う、こういった体制をとることによって、それ以後は災害関連死が直接死を上回ることがなくなった、こういったことが報告をされています。
 内閣府においては、首都直下型地震の人的被害、最大二万三千人と予測していますが、これは直接死のみに限られています。避難者二百万人と言われているこの災害ですので、災害関連死、かなりの数に上ることが想定をされます。
 政府として、首都直下地震あるいは南海トラフ地震、こうした地震における災害関連死についての予防、どのように考えておられるか、取組をされておられるのか、これは防災担当大臣にお願いいたします。
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山本順三#9
○山本国務大臣 このたび、国家公安委員長及び防災それから国土強靱化担当大臣になりました山本でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 このたびの夏の一連の災害におきまして、大変多数の方々がお亡くなりになられました。心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 先ほど、岸田議員の方から、災害関連死についての御質問がございました。
 政府といたしましては、災害が直接の原因ではないいわゆる関連死、これが少しでも少なくなるように、全力を挙げて今努力をしているところでございますけれども、特に、被災者の方々の生活環境の変化による心身機能の低下であったり、あるいは生活習慣病の悪化、それから心の問題等が生じることが想定をされておりますので、看護師、保健師、栄養管理士等のチームによる戸別訪問や巡回相談等の健康相談等が可能な体制の確保を地方公共団体に促しているところでございます。
 今後とも、過去の災害における知見等を生かして、災害が直接的な原因で亡くなる方が一人でも少なくなるように、政府、自治体、関係者がしっかりと連携して取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、参考までに、保健師の派遣について、これは累計数でありますけれども、平成三十年七月豪雨では、岡山県、広島県、愛媛県でそれぞれに十八チーム、三十七チーム、九チーム、それから、平成三十年北海道胆振東部地震においては、北海道で十六チームを派遣しているというところでございます。
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岸田文雄#10
○岸田委員 ぜひ、こうした災害関連死ということについても問題意識を持って、政府としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたが、首都直下型地震、南海トラフ地震を始め、地震ということだけ考えても、今後、大きな地震のリスクが指摘をされています。
 また、地球温暖化に基づく気候変動ということについても、ノーベル賞をとったIPCC、気候変動に関する政府パネルの予測ですと、二十一世紀末までに世界の平均気温は四・八度上がるということであります。このことによって降雨量がふえる、四度上がると大体降雨量が世界全体で一・三倍にふえる、こういった指摘もあります。
 かつては、我々は、災害は忘れたころにやってくると言ったものですが、今や、忘れたころどころか、息つく暇なくやってくる、こういった時代になっているということを感じます。
 我々人間は、災害をとめることはできません。しかし、あらかじめしっかり備えることで、苦しみや悲しみ、被害を小さくする、こういったことはできるわけです。ぜひ、政府のしっかりとした取組をお願いいたします。
 その上で、次の話題に移ります。
 消費税率の引上げ対策ということについて、一つお伺いしたいと思います。
 先月十五日、臨時閣議において、総理が来年の消費税率引上げについて発言をされました。それ以来、毎日のように、税率引上げに関するさまざまな対策が報じられています。
 しかしながら、ポイント還元ですとか、柔軟な価格づけですとか、大型耐久消費財に係る税制措置ですとか、プレミアム商品券ですとか、景気への影響に備えたセーフティーネットの話ばかりがクローズアップされているような気がしてなりません。どうも、税率引上げの本来の趣旨、そもそも何のために消費税率を引き上げるのか、こういった議論が忘れられているような感すらいたします。
 消費税率の引上げ、これは平成二十四年八月の税と社会保障の一体改革があり、社会保障の充実、安定化とそのための安定財源確保、そして財政健全化、この同時達成が主眼となってきました。そして、昨年の衆議院の総選挙においても、二%の税率引上げによる税収のうち半分を国民に還元し、幼児教育の無償化等を進めていく、こういったことを訴えたわけであります。
 もちろん、経済への影響を回避するための方策、あるいは所得の少ない方への配慮、これは必要なことですが、そこにはおのずと一定の規模や期間といった節度も求められると思いますし、国民の理解を得るためには、まずは、消費税率の引上げの意義、これをしっかり説明した上で、弱い立場の人々、景気への配慮、こういったことについても説明する、こういった順番で説明するべきではないか、このようにも思います。
 改めて、何のために消費税を引き上げるのか、税率引上げの趣旨、そしてその達成に向けた総理の決意をお聞かせください。その上で、中小・小規模事業者あるいは地方経済に配慮してどのような対応を考えておられるのか、これを御説明いただきたいと存じます。
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安倍晋三#11
○安倍内閣総理大臣 税率引上げについては、趣旨についてはおおむね政調会長から御説明があったとおりであります。
 少子高齢化が進んでいく中で、伸びていく社会保障費に対してしっかりと対応していく、財政の健全化を図りつつ、そうした社会保障の伸びに対応し、今私どもが提供している社会保障のサービスをしっかりと質を維持していく上においても、そして、子育て世代、子供たちの世代に対してしっかりと投資をしていく上においても、消費税率を引き上げていく必要があるわけでございます。
 その中でも、昨年、私どもは、与党として消費税率を引き上げた際、五分の四近くを借金を返していくことに使っていたのでございますが、それを、半分は、これはまさに子供たちの世代に投入していく、幼児教育を無償化をしていく、そして真に必要な子供たちに対しては高等教育を無償化をしていくという決定をし、全世代型の社会保障制度を構築していく上において必要な対策をとっていくという判断をしたところでございます。こうしたことをしっかりと進めていく上においても、まさに消費税率を引上げをしていく必要があるわけでございます。
 それと、国の信認を維持する、財政上の国の信認を維持していく上においても、しっかりと財政の健全化を図っていく上においても、消費税率の引上げが必要であるということであろう、こう思っております。
 この観点から、我々としては、来年、リーマン・ショック級の出来事がない限り、消費税率を二%引き上げ一〇%としていきたい、このように考えているところでございます。
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岸田文雄#12
○岸田委員 ありがとうございました。
 今の総理の決意をしっかり踏まえた上で、党としましても、新たに設置した経済成長戦略本部、この本部におきまして、消費税率の引上げと経済への影響等につきましてしっかり議論をしてまいりたいと思います。
 そして、もう一つこの消費税に関しましてお伺いしたいと思いますのは、軽減税率についてであります。社会に大きな影響を与え得る課題だと思っています。
 そもそも、今、見ておりますと、どういう状態が一〇%でどういう場合が八%なのか、明確に認識できている国民、そう多くはないのではないかと思います。しかも、その対象、家計消費の四分の一を占める飲食料品ということであります。国民に対する説明、あるいは実際に現場で代金を受け取る事業者の対応に対する支援、残り十一カ月となっています、この時間の範囲内でしっかりやり切らなければならない、こういった課題でもあります。
 しかしながら、軽減税率につきましては、なかなかまだ見えてきていない、このように感じてなりません。この軽減税率への取組について、より具体的に御説明をいただけませんでしょうか。
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麻生太郎#13
○麻生国務大臣 ありがとうございます。
 軽減税率の話につきましては、円滑な実施に向けてどうやっていくかという話につきましては、これまでも、いろいろ御指摘が前々からあっておりましたし、これは二度ほど延期をいたしておりますので、その間に、時間も少々かかったとは思いますけれども、いわゆる具体的な事例を含みますQアンドAをいろいろやらせていただいて、パンフレットをつくらせていただいたり、税務署、商工会等における事業者向けの説明会というのを、いろいろ御協力もいただきまして、これまでに約二万九千回ほど実施、約八十三万人ぐらいの方に参加していただいておるんですけれども、税務署や等々において個別の相談等々も引き受けて、いろいろやらせていただいております。
 事業者間での対応方法というのに関しましても、これはいろいろ横展開が図られるというようなことは、業種によっていろいろ内容のやり方が違っておりますので、それに応じて、必要となります対応についてもきめ細かく相談に応じるということをやらせていただいておるところです。
 これに伴いまして、レジがいろいろ、導入をした方がいいというので、軽減税率対応のレジの導入等々につきましてはいわゆる補助金を出しますということで、それに対する補助金の締切りの期限の延長もさせていただく等々、それなりに丁寧な対応を行ってきているところであります。
 いずれにいたしましても、引き続き、関係団体等々と緊密に連絡して、制度の周知徹底、広報等々について引き続き努めますとともに、来年の十月の実施に向けて、事業者の準備状況等々を踏まえつつ、いろいろ必要な措置というのを更に検討し、軽減税率制度の円滑な実施というものにきちんとした形でつなげてまいりたいと考えております。
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岸田文雄#14
○岸田委員 ぜひ、制度の円滑な実施に向けてしっかり御準備いただかなければならないと思います。御努力を改めてお願いを申し上げます。
 その上で、次に、外国人材の受入れについてお伺いいたします。
 出入国管理法の改正に向けて、我が党におきましても、先週から今週にかけて、法務部会を中心に、各分野からのヒアリングですとか法案審査ですとか、さまざまな議論を積み重ねてきました。所属議員の関心も高く、活発な議論が行われました。党内手続について終えたわけでありますが、改めて関心の高さを感じた次第です。
 どうしてそこまで関心が高いのかということについて考えますに、それは、この問題の本質、これは単に外国人の出入国あるいは在留の管理といったテクニカルな面だけではなくして、今般の改正によって将来の我が国の社会がどう変わっていくのか、国の形そのものにもかかわるものだということでこれだけ関心が高まっている、こういったことなんだと思います。
 私も党の政調会長として全国を回っておりますと、どこへ行っても、人手不足、何とかしてくれという声を耳にいたします。
 もちろん、総理は、それを安易に外国人材の受入れによって解決しようなどということを言っておられるのではなくして、まずは、ソサエティー五・〇の推進など生産性を向上させる、あるいは女性や高齢者の就業促進をしっかりやる、さまざまな方策、これをしっかり尽くした上で、なお、必要であれば外国人材も考えなければいけない、こういった問題意識を持ち、説明をされていると承知をしています。
 要は、少子高齢化、人材不足、のっぴきならないところまで来ている、こういったことなのだと思います。
 そして、この大きな議論が行われ、そして今も行われているわけですが、その中でよく耳にする議論として、今回の取組、移民政策とどこが違うのかということが言われます。
 今回の取組は移民ではない、移民政策ではない、こういった説明を政府としては繰り返しておられます。移民ということに対する定義が、そもそも国際的に定まったものがなかなか見当たらない、こういった事情もあります。また、今回の我が国の取組が諸外国における取組とは違う、こういったことも理解できます。
 しかしながら、政府においては、この部分について、もう少し国民にわかりやすい、丁寧な説明をお願いしなければならないと思います。この点については、ぜひ引き続き努力をしていただきたいと思います。
 その上で、例えばこういった聞き方をしたらどうでしょうか。
 政府は、移民政策と今回の取組は違うと言っておられます。それでは、今の日本に移民政策を導入した場合と、そして今の政府の取組を導入した場合と、十年後、二十年後、それぞれ日本の国はどう変わっていくのか、その二つの道筋は結果としてどう違ってくるのか。こういったことについてお答えいただくことによって移民政策との違いを説明する、こういったことはできないかと思いますが、これにつきまして、いかがお考えでしょうか。
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山下貴司#15
○山下国務大臣 新たに所管大臣となりました、法務大臣の山下でございます。
 お答えいたします。
 確かに、岸田政調会長がおっしゃったように、移民や移民政策の概念は多義的なものであります。そして、政府としては、例えばということで、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人そしてその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策をとることは考えていないということで説明しており、また、今回の制度改正はこの方針に沿ったものであるというふうに考えております。
 この新たな受入れ制度は、先ほど岸田政調会長がおっしゃった深刻な人手不足に対応するための、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、真に必要な業種に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を期限を付して我が国に受け入れようというものであります。
 したがって、先ほど例として挙げた政策とは異なって、今回、新たな人材受入れの方針については、深刻な人手不足が生じている分野に限って外国人を受け入れるということでございます。そして、我が国においてこの分野で働きたいという外国人のニーズにも応えるというものであります。
 そうしたことから、日本人との共生という観点からも、将来にわたって適切な制度の運用が期待できるものというふうに考えております。
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岸田文雄#16
○岸田委員 ぜひ、政府においても、国民に対してわかりやすい説明をこれからも心がけていただいて、努力をしていただきたいと思います。
 そして、その上で、もう一つお聞きしたいことがあります。
 総理は、先月二十四日の所信表明演説の中で、外国人材の生活確保、そして日本人と同等の報酬、こういったことについて決意を表明されました。
 もちろん、職場での待遇、これは重要でありますが、自治体あるいは受入れ企業側の環境整備ですとか、医療、福祉サービスですとか、賃貸住宅への入居支援ですとか、災害時の対応ですとか、さまざまな場面を想定して、先手先手で準備を進めていかなければなりません。しかも、特定技能二号については家族の在留も認めることから、こうした課題の一つ一つについて、より丁寧な、細やかな対応が必要になります。
 これらについては、法律が成立したとしても、基本方針、政令、省令を通じてしっかりと具体化していかなければならない、こういった課題だと思います。我が国が多文化あるいは多様性を受け入れる、そして共生できる社会になるためにも、しっかりとした受入れ体制を整備していくべきだと考えます。
 また、これは世界に目を転じますと、今後、アジアほか諸外国においても人口減少が進む中で、有能な外国人材の争奪戦になってくる、こういった指摘もあります。こうした必要とされる外国人材がみずから働く国を選ぶ、こういった観点からも、我が国は、しっかりとした受入れ体制、これを整備しなければならないと考えます。
 こういった観点から、どのような受入れ体制を構築されるのか、基本的なお考えをお願いいたします。
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山下貴司#17
○山下国務大臣 今、岸田政調会長がおっしゃったように、優秀な人材、そして我が国で活躍していただく外国人材を集めるためには、やはり受入れ体制の整備、これは極めて重要でございます。
 そうした中で、先ほど御指摘がありましたように、七月二十四日、外国人材の受入れ・共生のための関係閣僚会議、これが設置されまして、官房長官と私が議長ということでやらせていただいております。
 そして、この会議などにおいて、外国人の受入れの環境整備については、外国人材の受入れ・共生のための総合対応策として、例えば、地域における多文化共生の取組の促進、支援、あるいは公営住宅、民間賃貸住宅等への入居支援、そして、防災対策等の充実、社会保険の加入促進などの取組や具体化に向けて、関係閣僚が集まって検討を進めているところでございます。
 そして、今回の人材不足、極めて深刻でございます。これに対応するための新たな受入れ制度ということで、優秀な人材を我が国に引きつけるために、これらの方を、労働者としてのみならず、我が国で働く、我が国で一緒に生活していく方として受け入れ、我が国がその処遇や生活環境について一定の責任を負うべきものであるというふうに政府挙げて考えておるところでございます。
 外国人を社会の一員として受け入れていくという視点に立って、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
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岸田文雄#18
○岸田委員 いずれにしましても、この問題は我が国の国の形にもかかわる問題だと思いますし、国際社会において我が国がどうやってこれから生きていくのか、こういったことにもかかわる課題だと思います。
 法律が成立した後も、基本方針や省令、政令、さまざまな形でしっかりとした制度を構築していかなければならない課題です。政府においては、こうした強い思いを持ってしっかりと取り組んでいただきたい、このように考えます。
 その上で、外交について幾つかお伺いいたします。
 まず最初にお伺いしますのは、日中関係についてです。
 ことし五月、李克強首相が訪日されました。そして、安倍総理、先日、我が国の総理としては二国間訪問として七年ぶりとなります訪中をされました。日中関係、大きく動いていると感じます。
 今回の訪中において、第三国市場協力フォーラムの開催ですとか、イノベーション、知的財産に関する対話の立ち上げですとか、外交当局間の戦略的意思疎通の強化に向けたメカニズムの構築ですとか、さらには、日中海上捜索救助協定の署名、青少年交流強化のイニシアチブ、さらには金融協力などについても成果が上がったと聞いています。こうした幅広い分野での成果、これは大変歓迎すべきことであります。
 二〇一三年ごろ、当時は、首脳会談も外相会談も両国の間では開けない、こうした厳しい緊迫した状況でありました。その当時から考えますと、大変大きな変化だと思います。総理も大変御苦労されました。私も、外務大臣として日中関係の改善に努力をした人間として、今の大きな変化、これは大変うれしく思い、歓迎しています。
 ただ、その一方で、東シナ海においては、依然、領海侵入あるいは資源開発の問題、こういった問題が存在します。また、第三国協力等の協力を進めること、これは大変結構なことだと思いますが、一方で、国際社会においては、中国の一帯一路政策のあり方について疑問あるいは批判、これがあるということも事実であります。
 我が国として、どのように質や理念を担保していくのか、こういったことについては考えていかなければならない、こういったことだと思います。この点につきまして、総理、お考えをお聞かせいただけますか。
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安倍晋三#19
○安倍内閣総理大臣 日中関係については、岸田会長が今お触れになったように、大変、安倍政権になってからも厳しい状況が続きました。その中で、当時外務大臣であった岸田外務大臣が、この日中関係をマネージするために粉骨砕身していただいたことについて、改めて敬意を表し、御礼を申し上げたいと思います。
 今回、おかげさまで、私は日本の総理大臣としては七年ぶりの公式訪問を果たすことができました。その前には李克強総理が中国の国務院総理として日本を八年ぶりに訪問し、日中関係は正常な軌道に戻ったと言えると思います。次はいよいよ新たな次元に押し上げていく必要があるんだろうと思います。
 習近平主席、李克強総理と、これからの日中関係の道しるべとなる三つの原則を確認しました。そして、この原則の上に、ともに世界の平和と繁栄に建設的な役割を果たしていくことで一致をしたところであります。
 一つは、国際スタンダードの上に競争から協調へ、そして、隣国同士として互いに脅威とならない、そして、自由で公正な貿易体制を発展させていくということでございますが、そこで、今委員が触れられた一帯一路との関係はどうなんだということだろうと思います。
 いわゆる一帯一路につきましては、私たちは、透明性、開放性、そして経済性と対象国の財政の健全性が大切ですね、これが国際スタンダードですよということを申し上げてきました。そうしたものをしっかりと確保しなければ、対象国にとって真に持続可能な、必要な、いわばその国の将来利益になるものにはならない、こう考えているところでございます。
 その中で、今言った原則にかなうものについて日本が第三国において中国とビジネス協力をしていくということは、これは第三国の利益ともなる、まさにウイン・ウイン・ウインになるものであろう、こう思う次第でございます。
 それは、つまり、対象国にとっても、日本が参加し、先ほど申し上げました国際スタンダードにかなう条件が確保され、その国の将来にとってもいい、そして債務の持続性もちゃんとある、経済性もちゃんと確保されている、透明でありオープンなものであるということになる。むしろ日本が参加することによって、その国の将来に資するものとなり、地域や平和にも資する。この考え方からこうした協力は行っていきたい、こう考えているところでございます。
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岸田文雄#20
○岸田委員 ぜひ、日本の今日まで培った国際的な信用あるいは力、こういったものをしっかりと発揮して、日中関係の安定にも努力していただきたいと思います。
 そして、もう一つこれに関してお伺いしたいことは、こうした日本と中国の接近の背景には、米中、アメリカと中国の貿易戦争と言われるような激しい対立があるという指摘があります。また、米ロ、米国とロシアの関係を考えても、今、中距離核戦力、INFの全廃条約についてアメリカが離脱をする、こういったことが取り沙汰されています。そして、このINF全廃条約の離脱には、同条約にかかわっていないために中距離核戦略を充実させている中国を牽制する、こういった意味合いがある、こういった指摘もあります。
 こうした米中ロの一連の動き、これはかつての米ソの冷戦になぞらえて新冷戦、新しい冷戦と称する向きもあります。総理は、この新冷戦の動きについてどのように感じておられるでしょうか。
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安倍晋三#21
○安倍内閣総理大臣 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしていく使命を有しています。これは私の揺るぎない信念であるということは申し上げておきたい、こう思う次第でございます。
 そこで、INFにつきましても、我が国は、この条約が軍備管理・軍縮において歴史的に果たしてきた役割を重視しており、米国が主張するところのロシアによる深刻な条約違反を契機としてこの条約が終了せざるを得ないような状況は望ましくないと考えておりまして、同時に、米ロ以外の国々が、INF全廃条約で廃止が義務づけられている射程五百キロから五千五百キロまでの地上発射型のミサイルを開発し、これを実戦配備している状況が出てきていることも認識する必要があると思います。
 そして、我が国としては、地域の安全保障に与える影響も踏まえつつ、米ロ間の動き等を緊密にフォローし、米国としっかりと連携しつつ、ロシアや中国とも意思疎通を図っていきたいと考えております。
 そこで、こうした動きの中において、新冷戦という言葉が今使われ始めておりますが、私自身は新冷戦という言葉は使いませんが、日中関係の動き、そして米ロ関係の動きを大きな関心を持ってフォローしてきております。
 米中については、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない、ルールに基づく多角的貿易体制を重視する我が国としては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきと考えておりまして、このことは、米国にも中国にもさまざまなレベルで伝えています。
 米ロについては、ともに世界の大国であり、北朝鮮やイランやシリア等の問題は、米国とロシアの関与なしにはこの問題は解決することはできません。そういう問題であるからこそ対話を行うべきだという、このことについては、米国にもロシアにも、トランプ大統領にもプーチン大統領にも、それぞれ申し上げているところでございます。
 また、日中関係にも、隣国であるがゆえにさまざまな課題があるのは事実でございますが、東シナ海など海洋の問題については、私から日本の強い懸念を改めて伝えました。
 その上で、海洋安全保障分野において、五月に合意した防衛当局間の海空連絡メカニズムの初の年次会合の年内開催や、海上法執行機関の交流の推進等で一致をしたところでございます。
 さまざまな問題がありますが、隣国であるがゆえにあるわけでありますが、しっかりとこれから首脳間においてもマネージしていきたい、このように考えております。
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岸田文雄#22
○岸田委員 いずれにしましても、国際社会の大きな構造の変化にもしっかり関心を持ちながら、日本の生きる道をしっかり考えていかなければならないと思います。
 そして、今の質問の中に出ましたINFの全廃条約の離脱問題について、これは河野大臣に一つお伺いしたいと思います。
 日本、言うまでもなく、唯一の戦争被爆国であります。核兵器のない世界の実現に向けて国際社会をリードしていく使命があると思います。
 私も、被爆地出身の外務大臣であった時代、こういった我が国の責任を強く感じながら、オバマ大統領の被爆地訪問などさまざまな取組を進めた、こういったことでありましたが、しかし、その中で改めて厳しい現実にもぶち当たりました。
 核兵器国と非核兵器国の対立ですとか、あるいは核軍縮の進め方をめぐる核兵器国と非核兵器国の対立。あるいは、核兵器禁止条約をめぐる非核兵器国同士の立場の違い。そもそも核兵器国を巻き込まなければ現実は全く動かないという厳しい現実。さまざまな経験をいたしました。
 その中で、先ほどのINF全廃条約問題、トランプ米国大統領が、十月二十日、米国とソ連が一九八七年に結んだINF全廃条約について、ロシアが違反を続ければ米国は離脱をする、こういった表明をしました。これは、米ロを含む核兵器国の核軍縮交渉義務を定めたNPT体制の後退につながる、こういったことではないかと私は認識をします。
 我が国はNPT体制を重視してきました。この我が国として、こういった事態にどう対応するのか。米国あるいはロシア、さらには中国に対して我が国ははっきりと物を言うべきではないか、働きかけるべきではないか、このように感じますが、河野大臣、どうでしょうか。
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河野太郎#23
○河野国務大臣 唯一の戦争被爆国として、我が国は核兵器のない世界の実現に向けてさまざまな取組をリードしていかなければならないと思います。岸田政調会長にも、賢人会議をつくっていただいたり、さまざまな取組をしていただきました。それをしっかりと続けてまいりたいと思います。
 INF全廃条約というのが核軍縮、核管理に果たしてきた役割は非常に大きいと思っておりまして、米国が主張するところのロシアによる深刻な条約違反というのが起こるというような状況は好ましいものではないというふうに思っております。
 今、米ロの間で新しい条約の交渉という可能性もあるんだろうというふうに思っておりますので、もし万が一アメリカがここから離脱するようなことがあるならば、これは新しい条約の制定に向けて両国で努力をしていただかなければなりませんし、当然に、中国にもこうした核軍縮の網をかけていかなければなりません。
 新しい条約ができるならば、これは米ロだけでなく、中国もしっかりと入ってもらって、核を保有している国がNPTによる義務をきちんと守れるような、そういう状況をつくれるように、日本としても先頭に立って努力をしてまいりたいと思います。
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岸田文雄#24
○岸田委員 我が国は、二〇一五年のNPT運用検討会議において大変残念な思いをしました。ぜひ、二〇二〇年のNPT運用検討会議、日本としてしっかりとした存在感を示していただきたいと思います。
 そして、最後に、韓国についてお伺いいたします。日韓関係です。
 北朝鮮情勢が動く中にあって、日韓、日米韓の連携はまことに重要です。また、ことしは日韓パートナーシップ宣言二十周年という節目の年です。しかしながら、最近の日韓関係、好ましくない事態が立て続けに起こっています。
 先月だけでも、韓国国際観艦式への自衛艦派遣見送り、韓国国会議員十数名による竹島上陸が行われました。そして、つい先日、三十日には、韓国大法院が徴用工裁判に関する判決を言い渡し、日本企業に賠償を命じました。これは明らかに一九六五年の日韓請求権協定に反し、両国友好の法的基盤を根底から覆しかねない、こういった事態です。さらには、慰安婦問題で韓国政府が和解・癒やし財団の解散を示唆しています。これは、世界が評価した二〇一五年十二月の日韓合意をないがしろにするものであると思います。
 こうした事態は、日韓関係あるいはアジア太平洋の安定、こういったものにもマイナスの影響を与える、このように心配をしています。
 日韓関係をどのようにマネージしていくのか、これを、最後、総理にお願いいたします。
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安倍晋三#25
○安倍内閣総理大臣 日韓関係については、九月の国連総会の際の文在寅大統領との会談を始めさまざまな機会に、未来志向の日韓関係構築に向けて協力していくことを累次確認してきたにもかかわらず、御指摘の韓国主催国際観艦式における自衛艦旗掲揚の問題や韓国国会議員の竹島上陸、あるいは韓国大法院の判決など、それに逆行するような動きが続いていることは大変遺憾であります。
 旧朝鮮半島出身労働者の問題につきましては、この問題については、一九六五年の日韓請求権協定によって完全かつ最終的に解決しています。今般の判決は、国際法に照らせば、あり得ない判断であります。日本政府としては、国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて、毅然として対応していく考えでございます。
 なお、政府としては、徴用工という表現ではなくて、旧朝鮮半島出身労働者の問題というふうに申し上げているわけでございますが、これは、当時の国家総動員法下の国民徴用令においては募集と官あっせんと徴用がございましたが、実際、今般の裁判の原告四名はいずれも募集に応じたものであることから、朝鮮半島の出身労働者問題、こう言わせていただいているところでございます。
 日韓の間の困難な諸課題をマネージしていくためには、日本側のみならず、韓国側の尽力も必要不可欠でありまして、今回の判決に対する韓国政府の前向きな対応を強く期待しているところでございます。
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岸田文雄#26
○岸田委員 終わります。ありがとうございました。
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野田聖子#27
○野田委員長 この際、橋本岳さんから関連質疑の申出があります。岸田さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。橋本岳さん。
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橋本岳#28
○橋本委員 おはようございます。自由民主党の橋本岳でございます。
 きょうは、予算委員会で質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。補正予算の審議でございまして、災害対策が中心ということですから、これを中心に伺いたいと思います。
 まずは、平成三十年七月の豪雨災害、あるいは、ことしはたくさんほかにもいろいろな災害がございまして、多くの方が亡くなられました。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様には心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 私は、岡山県倉敷市というところに住んでおります。西日本豪雨災害におきまして倉敷市の真備町が大きな被害を受けた、もちろんそのほかにもいろいろなところでいろいろなことがございましたけれども、この中でいろいろな体験をし、感じたことをもとに、まずは質問したいと思います。
 まずは、代表質問のとき、本会議でこの間行われました、何名かの方から、災害対応が遅いんじゃないかというお話がございました。ただ、私は、この指摘は全く当たらないと思っております。
 今回、七月の豪雨災害では、広範囲にわたって多くのところでいろいろなことが同時多発的に起こりました。その中で、真備町の話をすれば、六日の深夜から七日の零時ごろに洪水が起こったのではないのかと、これはちょっとわからないんですけれども、証言の報道等からそう言われておりますが、七日の夜中、六日の夜中に洪水が始まった。
 最初の自衛隊員が真備町に到着したのが七日の午前五時と聞いております。その朝には岡山県知事が災害救助法の適用を決定して、七時には県と内閣府がこれを発表している。その日の朝十時には関係閣僚会議が行われております。そして、その日の午後一時半ごろには緊急消防援助隊の愛知県の大隊が真備町に到着をし、救助活動を始めている。あるいは、防災ヘリ等、各県からも来ていただいて救助活動が直ちに始まっています。
 翌日八日から、国土交通省のポンプ車が二十台ぐらい、ずらっと川沿いに並びまして、排水を開始しました。これが時間がかかるかと思っていたら、翌日にはこれがすっかり排水が完了するということで、迅速さに驚いたわけでございますが、その九日、ですから、二日後には小此木大臣が、当時の防災大臣が視察をしていただいており、その二日後、十一日には総理にも真備町あるいは倉敷市の避難所にもお越しをいただきました。ありがとうございました。
 その週末、十四、十五、十六が、その災害が起こって最初の週末であります、一週間後でありますが、そのころには政府の方で被災者の生活再建支援法の適用の決定、あるいは特定非常災害の指定、激甚災害の指定の見込みの公表ということをしていただきまして、これが大きな安心を被災者あるいは被災自治体に与えたと思っています。
 まだそのころ、現場の方では、避難所に多くの方がおられました。クーラーであるとかあるいは段ボールベッドであるとかが、その週末のころに、順次ではありますけれども、導入をされているということでございますし、また、十五日には、小田川など決壊した箇所の三カ所が、緊急対策を国土交通省でされて、締切りをされたという発表もされております。ここまで一週間ちょい。
 例えば、断水がしておりましたけれども、十六日には小田川の南側で飲用水の供給が開始、二十四日には全体が再開をしているとか、あるいは、そのころには、各大臣、もう何人もおられますので個々には申しませんが、現地をごらんいただいて、環境大臣には瓦れきの状態を見ていただきましたし、農水大臣には被害を受けた農地の状況などを見ていただきました。
 そして、そうしたことをあわせて、八月の二日、生活・生業再建支援パッケージというので予備費を支出するということで、これだけのことをやるということを政府でお決めをいただいたということでございまして、もうこの先はちょっと割愛をいたしますけれども、実に迅速に私は取り組んでいただいたと思っております。
 もちろん、政府だけではなくて、いろいろな自治体の方、ボランティアの方、企業の方、いろいろな方それぞれの協力があってそうしたことが進んだと思っておりますが、これは真備だけじゃないんですね。それが広島県だとか愛媛県だとかでもあり、あるいは台風なんかも来たりしてという中で行われたということでありまして、これがどうして遅いと言われるのか、私には全く理解できません。そのことはまず申し上げたいと思いますし、いろいろな方々の迅速な対応に心から感謝を申し上げなければいけないとまず思っております。
 ただ、復旧復興というのはまだ道半ば、これはできるだけ早くやはり進めていただきたいし、今後、発生というのがやはり起きないように取り組んでいただきたいと思っておりますし、もし反省点があれば今後に生かしていただきたい、そうした観点から、きょうは質問をしたいと思っております。
 まず、今回の豪雨災害で、岡山県におきまして広範囲に被害が出たのは、倉敷市真備町における小田川及びその支流の決壊と、それから岡山市東区における砂川の決壊でありました。
 やはり、川ですから、壊れたのが壊れたままだと安心して暮らせません。しかも、前のまま直すんじゃなくて、できればより改善をして改修をしていただきたいと思っておりますし、そうでなければ住民は安心することができないわけでありますが、この二点、国管理の場所があったり県管理の場所があったりします、ただ、川はつながっていますから、どこもちゃんと直してもらわないと困るわけでありまして、この迅速な改修について、見通しをお伺いしたいと思います。
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石井啓一#29
○石井国務大臣 まず、倉敷市の小田川につきましては、本年九月に策定をいたしました真備緊急治水対策におきまして、国及び岡山県が連携をいたしまして、河川激甚災害対策特別緊急事業をおおむね五年間で集中的に実施をいたしまして、再度の災害を防止することとしております。
 この真備緊急治水対策におきましては、小田川の合流点の下流へのつけかえ事業のほか、堤防のかさ上げや河道掘削等を行いまして、従前よりも安全度を高める抜本的対策も行うこととしております。
 また、岡山市の砂川につきましては、予備費を活用した緊急的な河道掘削等の対策を実施するとともに、補正予算も活用しながら、被災箇所の本復旧を行うこととしております。
 砂川の抜本的対策につきましては、現在、岡山県が被災要因の分析及び具体的な対策の検討を行っているところでありまして、国土交通省といたしましても、技術的なアドバイス等を行っているところであります。
 引き続き、被災地の皆さんがなるべく早く安心していただけるよう、岡山県の御要望等もお伺いしながら、必要な、技術的、さらには財政的な支援を行ってまいりたいと考えております。
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