公害対策並びに環境保全特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十九年九月十一日(水曜日)
午前十時二十二分開議
出席委員
委員長 角屋堅次郎君
理事 坂本三十次君 理事 登坂重次郎君
理事 森 喜朗君 理事 渡部 恒三君
理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
理事 木下 元二君
田中 覚君 戸井田三郎君
橋本龍太郎君 松本 十郎君
岩垂寿喜男君 小林 信一君
米原 昶君 坂口 力君
折小野良一君
委員外の出席者
環境庁大気保全
局長 春日 斉君
環境庁大気保全
局自動車公害課
長 小林 育夫君
通商産業省機械
情報産業局次長 野口 一郎君
通商産業省機械
情報産業局自動
車課長 富永 孝雄君
運輸省自動車局
整備部公害防止
課長 北川 清君
参 考 人
(いすゞ自動車
株式会社社長) 荒牧 寅雄君
参 考 人
(鈴木自動車工
業株式会社専務
取締役) 鈴木 修君
参 考 人
(ダイハツ自動
車工業株式会社
社長) 伊瀬 芳吉君
参 考 人
(東洋工業株式
会社社長) 松田 耕平君
参 考 人
(トヨタ自動車
工業株式会社社
長) 豊田 英二君
参 考 人
(日産自動車株
式会社社長) 岩越 忠恕君
参 考 人
(富士重工業株
式会社社長) 大原 榮一君
参 考 人
(本田技研工業
株式会社社長) 河島 喜好君
参 考 人
(三菱自動車工
業株式会社社
長) 久保 富夫君
特別委員会調査
室長 綿貫 敏行君
—————————————
本日の会議に付した案件
公害対策並びに環境保全に関する件(昭和五十
一年度自動車排出ガス規制問題)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十時二十二分開議
出席委員
委員長 角屋堅次郎君
理事 坂本三十次君 理事 登坂重次郎君
理事 森 喜朗君 理事 渡部 恒三君
理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
理事 木下 元二君
田中 覚君 戸井田三郎君
橋本龍太郎君 松本 十郎君
岩垂寿喜男君 小林 信一君
米原 昶君 坂口 力君
折小野良一君
委員外の出席者
環境庁大気保全
局長 春日 斉君
環境庁大気保全
局自動車公害課
長 小林 育夫君
通商産業省機械
情報産業局次長 野口 一郎君
通商産業省機械
情報産業局自動
車課長 富永 孝雄君
運輸省自動車局
整備部公害防止
課長 北川 清君
参 考 人
(いすゞ自動車
株式会社社長) 荒牧 寅雄君
参 考 人
(鈴木自動車工
業株式会社専務
取締役) 鈴木 修君
参 考 人
(ダイハツ自動
車工業株式会社
社長) 伊瀬 芳吉君
参 考 人
(東洋工業株式
会社社長) 松田 耕平君
参 考 人
(トヨタ自動車
工業株式会社社
長) 豊田 英二君
参 考 人
(日産自動車株
式会社社長) 岩越 忠恕君
参 考 人
(富士重工業株
式会社社長) 大原 榮一君
参 考 人
(本田技研工業
株式会社社長) 河島 喜好君
参 考 人
(三菱自動車工
業株式会社社
長) 久保 富夫君
特別委員会調査
室長 綿貫 敏行君
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本日の会議に付した案件
公害対策並びに環境保全に関する件(昭和五十
一年度自動車排出ガス規制問題)
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角
角屋堅次郎#1
○角屋委員長 これより会議を開きます。
公害対策並びに環境保全に関する件、特に昭和五十一年度自動車排出ガス規制問題について調査を進めます。
本日は、参考人として、いす父自動車株式会社社長荒牧寅雄君、鈴木自動車工業株式会社専務取締役鈴木修君、ダイハツ自動車工業株式会社社長伊瀬芳吉君、東洋工業株式会社社長松田耕平君、トヨタ自動車工業株式会社社長豊田英二君、日産自動車株式会社社長岩越忠恕君、富士重工業株式会社社長大原榮一君、本田技研工業株式会社社長河島喜好君及び三菱自動車工業株式会社社長久保富夫君、以上の方々が御出席になっております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ、また遠路にもかかわらず、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
本委員会といたしましては、従来より大気汚染対策の問題につきましては、総量規制の制定を見るなど鋭意努力をしておるところであります。しかしながら光化学スモッグによる汚染につきましては、年々その被害が激増し、大都市のみならず、全国各地に広がりつつある深刻な現状について、国民の一人一人が抜本的対策を望んでいることは御承知のとおりであります。
近年、わが国におけるモータリゼーションの進展はとみに著しく、自動車の保有台数が二千六百万台をこえていることは、あらためて申し上げるまでもありませんが、この狭い国土に人と車がひしめき、その密度たるや、アメリカなどとは比較にもなりません。天候がよければ、すぐ光化学スモッグが発生し、被害が生ずる事実と、一方、連休で自動車走行の少ない日には澄んだ空気が得られるなど、大気汚染の一因が自動車の排出ガスであることは、だれでも認めるところであります。
もちろん自動車の効用につきましては、十分理解するものでありますが、国民の健康は何よりも優先して守る必要があり、自動車メーカーに対して排気ガス規制問題については、その社会的責任を強く求められているのは当然と考えます。
その対策として、五十年度規制の技術開発の努力には敬意を表するものでありますが、さらに国民が望み、そして注視しているNOx対策を中心とした五十一年度規制については、その実現が危ぶまれているとの報道がなされており、本問題については、当委員会といたしましても大きな関心をもって臨んでいるところであります。
本日は、わが国の自動車メーカーのほとんどから御出席をいただいておりますので、参考人におかれましては、どうか忌憚のない御意見を承りたいと存じます。
なお、議事の整理上、御意見の開陳は、おのおの十五分程度に要約してお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただくようにお願いいたします。
それでは、荒牧参考人からお願いいたします。荒牧参考人。
この発言だけを見る →公害対策並びに環境保全に関する件、特に昭和五十一年度自動車排出ガス規制問題について調査を進めます。
本日は、参考人として、いす父自動車株式会社社長荒牧寅雄君、鈴木自動車工業株式会社専務取締役鈴木修君、ダイハツ自動車工業株式会社社長伊瀬芳吉君、東洋工業株式会社社長松田耕平君、トヨタ自動車工業株式会社社長豊田英二君、日産自動車株式会社社長岩越忠恕君、富士重工業株式会社社長大原榮一君、本田技研工業株式会社社長河島喜好君及び三菱自動車工業株式会社社長久保富夫君、以上の方々が御出席になっております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ、また遠路にもかかわらず、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
本委員会といたしましては、従来より大気汚染対策の問題につきましては、総量規制の制定を見るなど鋭意努力をしておるところであります。しかしながら光化学スモッグによる汚染につきましては、年々その被害が激増し、大都市のみならず、全国各地に広がりつつある深刻な現状について、国民の一人一人が抜本的対策を望んでいることは御承知のとおりであります。
近年、わが国におけるモータリゼーションの進展はとみに著しく、自動車の保有台数が二千六百万台をこえていることは、あらためて申し上げるまでもありませんが、この狭い国土に人と車がひしめき、その密度たるや、アメリカなどとは比較にもなりません。天候がよければ、すぐ光化学スモッグが発生し、被害が生ずる事実と、一方、連休で自動車走行の少ない日には澄んだ空気が得られるなど、大気汚染の一因が自動車の排出ガスであることは、だれでも認めるところであります。
もちろん自動車の効用につきましては、十分理解するものでありますが、国民の健康は何よりも優先して守る必要があり、自動車メーカーに対して排気ガス規制問題については、その社会的責任を強く求められているのは当然と考えます。
その対策として、五十年度規制の技術開発の努力には敬意を表するものでありますが、さらに国民が望み、そして注視しているNOx対策を中心とした五十一年度規制については、その実現が危ぶまれているとの報道がなされており、本問題については、当委員会といたしましても大きな関心をもって臨んでいるところであります。
本日は、わが国の自動車メーカーのほとんどから御出席をいただいておりますので、参考人におかれましては、どうか忌憚のない御意見を承りたいと存じます。
なお、議事の整理上、御意見の開陳は、おのおの十五分程度に要約してお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただくようにお願いいたします。
それでは、荒牧参考人からお願いいたします。荒牧参考人。
荒
荒牧寅雄#2
○荒牧参考人 いすゞ動車の社長荒牧でございます。
弊社は、ディーゼルトラック及びバスと、小型ガソリン車の製造、販売をいたしておりますが、会社概要につきましては、お手元に提出してございます「いすゞ案内」をごらんいただきたく存じております。
では、昭和五十一年度排出ガス規制対策の推進状況につきまして、お手元に提出してあります説明資料を参照しながら御説明申し上げます。
まず、技術開発体制でございますが、説明資料の二ページ及び三ページに組織と担当項目を、四ページの別表−1に昭和四十年以降の排出ガス対策研究施設と研究者数の推移を説明し、五ページの別表−2に排出ガス対策研究開発費の推移をそれぞれ示しております。
表でごらんいただけますように、開発にはあらゆる部門の技術者がそれぞれの専門分野で研究を行ない、それらを総合して推進しております。
研究施設につきましては、規制値が強化されますたびに高精度のものを必要としますので、逐年陳腐化いたしますことと、研究規模を拡大することによりまして、毎年追加設置をいたしております。
研究者数並びに研究開発費も逐年ごらんのように増加いたしております。
弊社といたしましては、ガソリン車の排気対策のほかに、ディーゼル車の排気対策、騒音対策、車両の安全対策など重要な法規制対策の研究を推進せねばなりませんので、ガソリン車の排気対策に、現在研究者を百二十八名(別表−1)投入していることと、研究開発費を現在までに約七十億円(別表−2)投入しておりますことは、弊社の規模といたしましては、きわめて大きな数字でございます。
しかしながら、これだけではとうてい足りませんので、昭和四十六年七月に、米国のGM社と安全、公害に関する技術提携契約を結び、技術導入をはかりますとともだ、国内はもとより欧米の大学、研究所、触媒メーカー、公害防止機器メーカー等と委託研究または共同研究をしております。英、米、独等二十社ぐらいに及んでおるのでございます。
さらに、昨年九月には、本田技研工業株式会社と契約を結び、CVCC方式の技術導入をはかるなど、可能な限りの努力を傾注いたしておるのでございます。
次に、排気対策技術の研究経過を申し上げます。
すでに皆さま御承知のとおりと存じますが、ガソリン機関の排気は、燃焼がよければCO、HCは少なくなりますが、NOxは大となります。また逆に、燃焼が悪ければNOxは少ないが、COとかHCは大となります。このように逆な現象を同時に克服いたさなければ、この基準には合格しないのでございます。NOxを少なくするためには、まず燃焼を悪くする、そうして後にまた還元触媒を使ってOを取り去る。またCO、HCを少なくするためには、御承知のように酸化触媒を使ってCO2またはH2Oとするのでございます。
かような原理を中心にいたしまして、このやり方を大別いたしますと、第一番に燃焼あと処理方式の研究、第二番に燃焼改善そのものによるアプローチの努力、第三番目に、通常のガソリンエンジン以外の原動機の検討であります。
まず、一の燃焼あと処理方式でありますが、説明資料の六ページに記載してありますように、昭和四十一年よりAIR、すなわち二次空気噴射装置、それからサーマルリアクター、排気熱反応方式、とにかくCO、HCをよくすることでございます。EGR、排気ガス再循環装置、これは一ぺん燃えたガスでございますから、それをもう一ぺん回すのですから、燃焼が悪くなる方法の一つでございます。それから酸化触媒コンバーター、いま申しましたCO、HCをCO2またはH2Oにする、そして無害のものにしていくというコンバーターです。それから還元触媒コンバーター、これはNOxからOxというものを取り除いて、Nだけにして無害にもっていこう。こういうものの研究を進めてまいりました。
二の燃焼改善によるアプローチでありますが、資料の六ないし七ページに記載してありますように、昭和四十六年より逐次、電子制御ガソリン噴射システム、ECGI、層状給気燃焼方式、これはなかなかむずかしゅうございますけれども、濃い燃料を送ってやって、最初にNOxを出さないようにして、そして順次自然に回りながら燃やしてやる、こういう方法でございます。それから次にCVCC、御承知の本田技研さんの開発エンジンでございますが、原理、考え方は大体同じようなことでございます。などの研究を進めてまいりました。
三の通常のガソリンエンジン以外の原動機ということの検討につきましては、資料の七ページに記載してありますように、昭和四十五年より電気自動車の研究をしております。
なお弊社は、小型高速ディーゼルエンジンについて長年の経験と市場実績を持っておりますが、ディーゼルエンジンは、もともと排気の有害成分が少なく、また燃料消費量も少のうございますので、エネルギークライシスに対処するエンジンとして将来のために、振動、騒音対策等ということを中心にいたしまして、さらにまたNOxを少なくするための排気対策の研究も進めております。
次に、五十一年規制に対応する技術開発状況について申し上げます。
弊社は、NOx低減対策として、資料の一〇ページに記載されております五種類のシステムを重点的に検討してまいりました。
一番は、気化器と、それから排気ガスの再循環装置、EGR、さっき申しました燃えた排気ガスをもう一ぺん回すということによって燃焼を悪くするというふうなEGRと、それから酸化触媒を使った組み合わせ。二番目は、電子制御燃料噴射、ECGI、それからさっき申したEGRを組み合わせ、さらにまた、これに酸化触媒を加えて組み合わせていく。三番目には、デュアル・コンバーター・システム、すなわち気化器プラスEGRプラス還元触媒プラス酸化触媒のこの四つの組み合わせ。四は、クローズドループECGIシステム、すなわち電子制御燃料噴射プラスEGRプラスO2センサー、つまりオキシゼンセンサーを使う、プラス三元触媒、CO、HC、NOxともに触媒するという組み合わせでございます。五番目は、サーマルリアクターであります。
次に、これらのシステムと問題点について申し上げますならば、一番に対する試験結果を資料の一二ページ、別表−3に示しますと、五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格しません。試験データで見られますように、このシステムでNOxを低減するにはEGRの量を増加し、空燃比を小さくせねばなりません。空気と燃料の比率を小さくせねばなりません。EGR量をあまりに増加すれば燃焼が不安定となり、運転がしにくくなりますし、空燃比を小さくすれば濃い混合気となり、HC、COが増大いたします。このような制約がございますので、このシステムでは五十一年規制に合格することができません。
二に対する試験結果を資料の一三ページ、別表−4に示しております。五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格いたしません。このシステムもEGR量を増加すればNO2は低減しますが、一と同様の理由で制約を受けますので、五十一年規制に合格することができません。したがいまして、五十年規制に合格したからといって、その技術を延長させて、それで五十一年規制の対策ということにはなりません。五十一年規制に対しては、別の手段でNOxの低減方策を講じなければならないのでございます。
三のデュアル・コンバーター・システムは、前述の一のシステムに還元触媒を追加して、NOxの低減をはかろうとするシステムでありまして、試験結果を資料の一四ページ、別表−5−1に示しております。ごらんのように装置類の組み合わせによっては初期値、最初の値としましては五十一年規制に近いものを得られております。しかしながら直ちに還元触媒の劣化が著しく、耐久試験で五十一年規制に合格することができません。資料の一五ページ、別表−5−2に還元触媒の耐久試験の結果が示してございます。この表に見られますとおり、わずか六千四百キロメートル程度の走行でNOxは二・五から三・九倍に劣化しております。最大の問題点は、還元触媒の耐久性の問題でございまして、弊社といたしましては、国の内外の触媒メーカーにコンタクトをいたしておりますが、いまだに合格するものが得られないでおります。
四は、電子制御燃料噴射装置と三元触媒を用いてNOxを低減しようとするシステムで、排出ガス中の残留酸素をオキシゼンセンサーによって検出して電子制御装置にフィードバックし、燃料噴射を微妙に制御して排出ガスの成分を改善し、さらに三元触媒によって排気中のCO、HC、NOxを同時に処理しようとするシステムであります。試験結果を資料の一六ページ、別表16に示しますが、表に見られるとおり、実験初期値は五十一年規制値に近いも一のを得られましたが、三元触媒の耐久性がなく、三万キロメートル走行後には、COは二・九倍、HCは五倍に、NOxは四・八倍に、それぞれ悪化しており、五十一年規制値を大幅に上回り合格いたしません。最大の問題点は、三元触媒とO2センサーの耐久性であります。
五のサーマル・リアクター・システムは、触媒を用いないで、どの程度NOxが低減できるかを追求するために研究しているシステムでございまして、空燃比を相当に濃くして、まず燃焼室の中ではNOxの発生を押え、燃え残って排出された燃料の成分を排気集合管の中で燃焼させる方式であります。試験結果を資料の一七ページ、別表—7に示しておりますが、現在のところ、五十一年規制値にははるかに及んでおりません。
さらに別な手段としてCVCC方式の研究を開始しましたことは先ほど申し上げました。日なお浅く、データを報告できる段階には至っておりませんが、今後も一研究を推進いたします。
弊社は、−設立以来、高品質をもって顧客に奉仕するという理念で経営いたしてまいりました。したがいまして、このたびの排出ガス規制に対しましても、あらゆる努力を傾注いたしまして研究を推進しておりますが、現時点におきましては、残念ながら規制値を満足させる試験結果を得るに至っておりません。このことは、五十一年排出ガス規制値が、現在の技術水準に対してきわめてきびしく、困難なものであることを意味しておると私は考えております。
私は、今後も排出ガスの改善に向かって米国ゼネラルモーターズ社の技術導入なども一含めまして、全社をあげて推進いたす所存でございますが、現状に対する皆さまの御理解をお願いいたす次第でございます。
以上、弊社の状況説明と意見を申し述べさせていただきました。
御清聴まことにありがとうございました。
この発言だけを見る →弊社は、ディーゼルトラック及びバスと、小型ガソリン車の製造、販売をいたしておりますが、会社概要につきましては、お手元に提出してございます「いすゞ案内」をごらんいただきたく存じております。
では、昭和五十一年度排出ガス規制対策の推進状況につきまして、お手元に提出してあります説明資料を参照しながら御説明申し上げます。
まず、技術開発体制でございますが、説明資料の二ページ及び三ページに組織と担当項目を、四ページの別表−1に昭和四十年以降の排出ガス対策研究施設と研究者数の推移を説明し、五ページの別表−2に排出ガス対策研究開発費の推移をそれぞれ示しております。
表でごらんいただけますように、開発にはあらゆる部門の技術者がそれぞれの専門分野で研究を行ない、それらを総合して推進しております。
研究施設につきましては、規制値が強化されますたびに高精度のものを必要としますので、逐年陳腐化いたしますことと、研究規模を拡大することによりまして、毎年追加設置をいたしております。
研究者数並びに研究開発費も逐年ごらんのように増加いたしております。
弊社といたしましては、ガソリン車の排気対策のほかに、ディーゼル車の排気対策、騒音対策、車両の安全対策など重要な法規制対策の研究を推進せねばなりませんので、ガソリン車の排気対策に、現在研究者を百二十八名(別表−1)投入していることと、研究開発費を現在までに約七十億円(別表−2)投入しておりますことは、弊社の規模といたしましては、きわめて大きな数字でございます。
しかしながら、これだけではとうてい足りませんので、昭和四十六年七月に、米国のGM社と安全、公害に関する技術提携契約を結び、技術導入をはかりますとともだ、国内はもとより欧米の大学、研究所、触媒メーカー、公害防止機器メーカー等と委託研究または共同研究をしております。英、米、独等二十社ぐらいに及んでおるのでございます。
さらに、昨年九月には、本田技研工業株式会社と契約を結び、CVCC方式の技術導入をはかるなど、可能な限りの努力を傾注いたしておるのでございます。
次に、排気対策技術の研究経過を申し上げます。
すでに皆さま御承知のとおりと存じますが、ガソリン機関の排気は、燃焼がよければCO、HCは少なくなりますが、NOxは大となります。また逆に、燃焼が悪ければNOxは少ないが、COとかHCは大となります。このように逆な現象を同時に克服いたさなければ、この基準には合格しないのでございます。NOxを少なくするためには、まず燃焼を悪くする、そうして後にまた還元触媒を使ってOを取り去る。またCO、HCを少なくするためには、御承知のように酸化触媒を使ってCO2またはH2Oとするのでございます。
かような原理を中心にいたしまして、このやり方を大別いたしますと、第一番に燃焼あと処理方式の研究、第二番に燃焼改善そのものによるアプローチの努力、第三番目に、通常のガソリンエンジン以外の原動機の検討であります。
まず、一の燃焼あと処理方式でありますが、説明資料の六ページに記載してありますように、昭和四十一年よりAIR、すなわち二次空気噴射装置、それからサーマルリアクター、排気熱反応方式、とにかくCO、HCをよくすることでございます。EGR、排気ガス再循環装置、これは一ぺん燃えたガスでございますから、それをもう一ぺん回すのですから、燃焼が悪くなる方法の一つでございます。それから酸化触媒コンバーター、いま申しましたCO、HCをCO2またはH2Oにする、そして無害のものにしていくというコンバーターです。それから還元触媒コンバーター、これはNOxからOxというものを取り除いて、Nだけにして無害にもっていこう。こういうものの研究を進めてまいりました。
二の燃焼改善によるアプローチでありますが、資料の六ないし七ページに記載してありますように、昭和四十六年より逐次、電子制御ガソリン噴射システム、ECGI、層状給気燃焼方式、これはなかなかむずかしゅうございますけれども、濃い燃料を送ってやって、最初にNOxを出さないようにして、そして順次自然に回りながら燃やしてやる、こういう方法でございます。それから次にCVCC、御承知の本田技研さんの開発エンジンでございますが、原理、考え方は大体同じようなことでございます。などの研究を進めてまいりました。
三の通常のガソリンエンジン以外の原動機ということの検討につきましては、資料の七ページに記載してありますように、昭和四十五年より電気自動車の研究をしております。
なお弊社は、小型高速ディーゼルエンジンについて長年の経験と市場実績を持っておりますが、ディーゼルエンジンは、もともと排気の有害成分が少なく、また燃料消費量も少のうございますので、エネルギークライシスに対処するエンジンとして将来のために、振動、騒音対策等ということを中心にいたしまして、さらにまたNOxを少なくするための排気対策の研究も進めております。
次に、五十一年規制に対応する技術開発状況について申し上げます。
弊社は、NOx低減対策として、資料の一〇ページに記載されております五種類のシステムを重点的に検討してまいりました。
一番は、気化器と、それから排気ガスの再循環装置、EGR、さっき申しました燃えた排気ガスをもう一ぺん回すということによって燃焼を悪くするというふうなEGRと、それから酸化触媒を使った組み合わせ。二番目は、電子制御燃料噴射、ECGI、それからさっき申したEGRを組み合わせ、さらにまた、これに酸化触媒を加えて組み合わせていく。三番目には、デュアル・コンバーター・システム、すなわち気化器プラスEGRプラス還元触媒プラス酸化触媒のこの四つの組み合わせ。四は、クローズドループECGIシステム、すなわち電子制御燃料噴射プラスEGRプラスO2センサー、つまりオキシゼンセンサーを使う、プラス三元触媒、CO、HC、NOxともに触媒するという組み合わせでございます。五番目は、サーマルリアクターであります。
次に、これらのシステムと問題点について申し上げますならば、一番に対する試験結果を資料の一二ページ、別表−3に示しますと、五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格しません。試験データで見られますように、このシステムでNOxを低減するにはEGRの量を増加し、空燃比を小さくせねばなりません。空気と燃料の比率を小さくせねばなりません。EGR量をあまりに増加すれば燃焼が不安定となり、運転がしにくくなりますし、空燃比を小さくすれば濃い混合気となり、HC、COが増大いたします。このような制約がございますので、このシステムでは五十一年規制に合格することができません。
二に対する試験結果を資料の一三ページ、別表−4に示しております。五十年規制には合格しますが、五十一年規制にはNOxが合格いたしません。このシステムもEGR量を増加すればNO2は低減しますが、一と同様の理由で制約を受けますので、五十一年規制に合格することができません。したがいまして、五十年規制に合格したからといって、その技術を延長させて、それで五十一年規制の対策ということにはなりません。五十一年規制に対しては、別の手段でNOxの低減方策を講じなければならないのでございます。
三のデュアル・コンバーター・システムは、前述の一のシステムに還元触媒を追加して、NOxの低減をはかろうとするシステムでありまして、試験結果を資料の一四ページ、別表−5−1に示しております。ごらんのように装置類の組み合わせによっては初期値、最初の値としましては五十一年規制に近いものを得られております。しかしながら直ちに還元触媒の劣化が著しく、耐久試験で五十一年規制に合格することができません。資料の一五ページ、別表−5−2に還元触媒の耐久試験の結果が示してございます。この表に見られますとおり、わずか六千四百キロメートル程度の走行でNOxは二・五から三・九倍に劣化しております。最大の問題点は、還元触媒の耐久性の問題でございまして、弊社といたしましては、国の内外の触媒メーカーにコンタクトをいたしておりますが、いまだに合格するものが得られないでおります。
四は、電子制御燃料噴射装置と三元触媒を用いてNOxを低減しようとするシステムで、排出ガス中の残留酸素をオキシゼンセンサーによって検出して電子制御装置にフィードバックし、燃料噴射を微妙に制御して排出ガスの成分を改善し、さらに三元触媒によって排気中のCO、HC、NOxを同時に処理しようとするシステムであります。試験結果を資料の一六ページ、別表16に示しますが、表に見られるとおり、実験初期値は五十一年規制値に近いも一のを得られましたが、三元触媒の耐久性がなく、三万キロメートル走行後には、COは二・九倍、HCは五倍に、NOxは四・八倍に、それぞれ悪化しており、五十一年規制値を大幅に上回り合格いたしません。最大の問題点は、三元触媒とO2センサーの耐久性であります。
五のサーマル・リアクター・システムは、触媒を用いないで、どの程度NOxが低減できるかを追求するために研究しているシステムでございまして、空燃比を相当に濃くして、まず燃焼室の中ではNOxの発生を押え、燃え残って排出された燃料の成分を排気集合管の中で燃焼させる方式であります。試験結果を資料の一七ページ、別表—7に示しておりますが、現在のところ、五十一年規制値にははるかに及んでおりません。
さらに別な手段としてCVCC方式の研究を開始しましたことは先ほど申し上げました。日なお浅く、データを報告できる段階には至っておりませんが、今後も一研究を推進いたします。
弊社は、−設立以来、高品質をもって顧客に奉仕するという理念で経営いたしてまいりました。したがいまして、このたびの排出ガス規制に対しましても、あらゆる努力を傾注いたしまして研究を推進しておりますが、現時点におきましては、残念ながら規制値を満足させる試験結果を得るに至っておりません。このことは、五十一年排出ガス規制値が、現在の技術水準に対してきわめてきびしく、困難なものであることを意味しておると私は考えております。
私は、今後も排出ガスの改善に向かって米国ゼネラルモーターズ社の技術導入なども一含めまして、全社をあげて推進いたす所存でございますが、現状に対する皆さまの御理解をお願いいたす次第でございます。
以上、弊社の状況説明と意見を申し述べさせていただきました。
御清聴まことにありがとうございました。
角
鈴
鈴木修#4
○鈴木参考人 私、鈴木自動車工業の鈴木でございます。
私どもの排ガスの規制対策問題につきまして御説明を申し上げたいと思います。
まず、私どもの会社でございますが、自動車のほかにオートバイ、雪上車、船外機等を生産いたしておりますが、これらのエンジンはすべてツー・サイクル・エンジンでございます。この点が他のメーカーさんと異なっている点かと思います。また、自動車の生産、販売も一、軽自動車すなわち三百六十ccの排気量の車だけでございまして、これまた他のメーカーさんと違っている点かというふうに思っております。次に、この軽自動車、三百六十ccという車も日本独特のものでございまして、ツー・サイクル・エンジンの自動車を量産しているのも日本のみでございまして、アメリカはじめ、ほかにはないというふうに思っております。
このように、ガソリンを燃料とする自動車といいますと、一般にフォアサイクルというふうにお考えでございますが、ツーサイクルのエンジンで自動車をつくっているというのが実情でございます。もちろんロータリーというようなこともございます。
そこで、自動車の排気浄化対策そのものは、そのエンジンの排気特性と申しますか、メカニズムによってきまってまいります。その点でツー・サイクル・エンジンの機構や特性を御説明申し上げたいと思います。
いささか技術的になりますが、お手元へ資料として提出をさせていただきました図1をごらんいただきたいと思います。この図はツー・サイクル・エンジンのシリンダーの内部を示しているのでございますが、ガソリンと空気の混合したものが入りまして、ピストンで圧縮をされ、プラグが点火をして爆発を起こし、動く力になっているわけでございます。この繰り返しでございますが、右のほうの「排気」とありますのは、その爆発すなわち燃焼した排気といいますか、燃えかすが出ていき、左のほうから同時に次の新しいガスと空気のまざったものが入ってまいります。一方、フォアサイクルの場合は、図を見ていただきますとおわかりかと存じますが、ツーサイクルと本質的に異なっておりまして、爆発して燃焼した排ガスといいますか燃えかすを、一たん全部出してしまってから新しいガスと空気のまざったものをシリンダーの中に入れるという、排気と吸気、それぞれ独立をしているわけでございます。
先ほど申し上げたように、ツーサイクルは排気と吸気を同時に行なうために、完全に燃えかすが出てしまわない、一部がシリンダーの中に残って、その中へ新しいガスが入ってまいります。このために燃焼温度が低く、NOxの発生が少ないという結果になっております。一般に燃焼温度が高い場合にNOxが多く、低いとNOxが少ないといわれている点でございます。また、ツーサイクルの場合、先ほど排気、燃えかすの出るのと、掃気すなわち新しいガスが入っているのと同時であるために、一部燃えかすが残ることも一申し上げましたが、逆に新しいガスの一部がそのまま出てしまいます。これを普通吹き抜けといっておりますが、このように一部吹き抜けてしまうので、HCが多く排出されるということにもなるわけでございます。
以上整理してみますと、エンジン特性によってツーサイクルはHCが多く、フォアサイクルはNOxが多いという結果になっております。このことから昭和四十八年規制は、エンジンの特性を認めたきわめて合理的な設定かというふうに考えております。
資料の表1に、昭和四十八年のそれぞれの規制値がございますけれども、ツーサイクルのNOxは〇・三グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルのNOxは二・一八グラム・パー・キロメートル、約七分の一ということになっております。半面HCはツーサイクルが一六・六グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルは二・九四グラム・パー・キロメートルと約六倍になっております。ツーサイクルはエンジン特性としてNOxは少なく、一部エンジンの改良を加えることによって、昭和五十一年規制値の〇・二五グラム・パー・キロメートルは、昭和五十年でも一達成が可能な見通しでございますから、あとはCOと吹き抜けた未燃焼ガス、すなわちHCをエンジンから出たあとで、もう一度どこかで燃やすことによって排気は浄化できるということでございます。
私どもは、この考え方で、再燃焼方式を主体にして実は開発を進めてまいりました。しかしながら、運転条件、いわゆるアクセルの踏み方により、排出ガスの流れる量は変化しますので、常に安定してすべてを燃やすということが、なかなか困難でございます。一部が燃えたり燃えなかったりするので、浄化のばらつきがございます。これが解決困難な問題点の一つになっております。また、このように排出ガスを燃やすと多量の熱が発生をいたしまして、ガス温度が大体千度から千百度ということでございます。この温度は、たとえばアルミで六百六十度、銅で千八十三度ぐらいで溶けることと比べていただければ想像がつく値でございます。このように、もう一度燃やせばと申し上げましたが、研究を進める中で、進めば進むほど予想しなかった困難な問題が次々と発生をいたしております。
すなわち、浄化装置の二次燃焼室は高温度に耐えられるように特殊耐熱鋼を使用しておりますが、加熱、冷却の繰り返しと、排気圧及び振動に耐え得る構造と強度が要求をされます。この装置の完成には、さらに長い実験とテストが必要であると考えております。浄化装置の温度上昇防止対策として二次燃焼室を二重構造にいたしましたり、あるいはファンを設けて新しい空気を送って冷却するという、いわゆるフィルムクーリング方式を採用いたしましたが、エンジンルーム内の温度の上昇により、一部、部品の中には保証温度の限界に近くなるものがあり、さらに改善のための研究を進めておりますが、軽自動車という限られたスペースの中でHCを燃やす対策と燃えたあとの熱の対策の解決に迫られているのが実情でございます。
さらに、ユーザーの千差万別な運転のしかたに対しても一、ばらつきがないよう高い信頼性を確保するには、もっと時間をかけて積み重ねる必要があろうかと思います。
ただいまホット・テン・モード対策車についてのみ申し上げましたが、本年一月告示によりコード・イレブン・モードの測定法が新しく追加をされまして、測定法は実は二つになりました。ツーサイクルの場合は、エンジンの始動直後に浄化装置の温度を急激に上げてHCを燃焼させるためにコールド・イレブン・モード専用の装置が必要となって、この二つの測定法にそれぞれ独立した専用の装置をつけなければなりません。したがいまして、現在ホット・テン・モードに全力をあげている段階で、さらにコールド・イレブンモードが追加され、排気浄化対策の成否が企業の存亡にかかわるだけに、設計、研究者の六〇%を投入し、研究試作費の八〇%をかけて、ここ数年努力いたしておりますが、五十一年四月の生産化は非常に困難な状況となっております。私どもの技術開発の現状からたいへん御迷惑をおかけいたしておるわけでございます。その点、深くおわびを申し上げたいと思います。
なお、資料、表1として昭和四十八年、五十年、五十一年のツーサイクル、フォアサイクル別の規制値の表を添付させていただきました。これは昭和四十八年が、エンジン特性によりましてツーサイクル、フォアサイクルのHC、NOxがそれぞれ異なった値となっております。昭和五十年、五十一年はエンジン特性を一切考慮せず、同一数値とするとのお考えのように伺っておりましたけれども、ごらんのように、ホット・テンモードでツーサイクルで対策容易なNOxは〇・三グラム・パーキロメートル、フォアサイクルが一・二グラム・パー・キロメートル、ツーサイクルで対策困難なHCはフォアサイクルと同一の〇・二五グラム・パー・キロメートルと、ややバランスが欠けていると考えられましたので、添付をさせていただきました。
なお、残された期間、全力をあげて努力をする所存でございます。よろしくお願いをいたします。
これで説明を終わります。長時間ありがとうございました。
この発言だけを見る →私どもの排ガスの規制対策問題につきまして御説明を申し上げたいと思います。
まず、私どもの会社でございますが、自動車のほかにオートバイ、雪上車、船外機等を生産いたしておりますが、これらのエンジンはすべてツー・サイクル・エンジンでございます。この点が他のメーカーさんと異なっている点かと思います。また、自動車の生産、販売も一、軽自動車すなわち三百六十ccの排気量の車だけでございまして、これまた他のメーカーさんと違っている点かというふうに思っております。次に、この軽自動車、三百六十ccという車も日本独特のものでございまして、ツー・サイクル・エンジンの自動車を量産しているのも日本のみでございまして、アメリカはじめ、ほかにはないというふうに思っております。
このように、ガソリンを燃料とする自動車といいますと、一般にフォアサイクルというふうにお考えでございますが、ツーサイクルのエンジンで自動車をつくっているというのが実情でございます。もちろんロータリーというようなこともございます。
そこで、自動車の排気浄化対策そのものは、そのエンジンの排気特性と申しますか、メカニズムによってきまってまいります。その点でツー・サイクル・エンジンの機構や特性を御説明申し上げたいと思います。
いささか技術的になりますが、お手元へ資料として提出をさせていただきました図1をごらんいただきたいと思います。この図はツー・サイクル・エンジンのシリンダーの内部を示しているのでございますが、ガソリンと空気の混合したものが入りまして、ピストンで圧縮をされ、プラグが点火をして爆発を起こし、動く力になっているわけでございます。この繰り返しでございますが、右のほうの「排気」とありますのは、その爆発すなわち燃焼した排気といいますか、燃えかすが出ていき、左のほうから同時に次の新しいガスと空気のまざったものが入ってまいります。一方、フォアサイクルの場合は、図を見ていただきますとおわかりかと存じますが、ツーサイクルと本質的に異なっておりまして、爆発して燃焼した排ガスといいますか燃えかすを、一たん全部出してしまってから新しいガスと空気のまざったものをシリンダーの中に入れるという、排気と吸気、それぞれ独立をしているわけでございます。
先ほど申し上げたように、ツーサイクルは排気と吸気を同時に行なうために、完全に燃えかすが出てしまわない、一部がシリンダーの中に残って、その中へ新しいガスが入ってまいります。このために燃焼温度が低く、NOxの発生が少ないという結果になっております。一般に燃焼温度が高い場合にNOxが多く、低いとNOxが少ないといわれている点でございます。また、ツーサイクルの場合、先ほど排気、燃えかすの出るのと、掃気すなわち新しいガスが入っているのと同時であるために、一部燃えかすが残ることも一申し上げましたが、逆に新しいガスの一部がそのまま出てしまいます。これを普通吹き抜けといっておりますが、このように一部吹き抜けてしまうので、HCが多く排出されるということにもなるわけでございます。
以上整理してみますと、エンジン特性によってツーサイクルはHCが多く、フォアサイクルはNOxが多いという結果になっております。このことから昭和四十八年規制は、エンジンの特性を認めたきわめて合理的な設定かというふうに考えております。
資料の表1に、昭和四十八年のそれぞれの規制値がございますけれども、ツーサイクルのNOxは〇・三グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルのNOxは二・一八グラム・パー・キロメートル、約七分の一ということになっております。半面HCはツーサイクルが一六・六グラム・パー・キロメートル、フォアサイクルは二・九四グラム・パー・キロメートルと約六倍になっております。ツーサイクルはエンジン特性としてNOxは少なく、一部エンジンの改良を加えることによって、昭和五十一年規制値の〇・二五グラム・パー・キロメートルは、昭和五十年でも一達成が可能な見通しでございますから、あとはCOと吹き抜けた未燃焼ガス、すなわちHCをエンジンから出たあとで、もう一度どこかで燃やすことによって排気は浄化できるということでございます。
私どもは、この考え方で、再燃焼方式を主体にして実は開発を進めてまいりました。しかしながら、運転条件、いわゆるアクセルの踏み方により、排出ガスの流れる量は変化しますので、常に安定してすべてを燃やすということが、なかなか困難でございます。一部が燃えたり燃えなかったりするので、浄化のばらつきがございます。これが解決困難な問題点の一つになっております。また、このように排出ガスを燃やすと多量の熱が発生をいたしまして、ガス温度が大体千度から千百度ということでございます。この温度は、たとえばアルミで六百六十度、銅で千八十三度ぐらいで溶けることと比べていただければ想像がつく値でございます。このように、もう一度燃やせばと申し上げましたが、研究を進める中で、進めば進むほど予想しなかった困難な問題が次々と発生をいたしております。
すなわち、浄化装置の二次燃焼室は高温度に耐えられるように特殊耐熱鋼を使用しておりますが、加熱、冷却の繰り返しと、排気圧及び振動に耐え得る構造と強度が要求をされます。この装置の完成には、さらに長い実験とテストが必要であると考えております。浄化装置の温度上昇防止対策として二次燃焼室を二重構造にいたしましたり、あるいはファンを設けて新しい空気を送って冷却するという、いわゆるフィルムクーリング方式を採用いたしましたが、エンジンルーム内の温度の上昇により、一部、部品の中には保証温度の限界に近くなるものがあり、さらに改善のための研究を進めておりますが、軽自動車という限られたスペースの中でHCを燃やす対策と燃えたあとの熱の対策の解決に迫られているのが実情でございます。
さらに、ユーザーの千差万別な運転のしかたに対しても一、ばらつきがないよう高い信頼性を確保するには、もっと時間をかけて積み重ねる必要があろうかと思います。
ただいまホット・テン・モード対策車についてのみ申し上げましたが、本年一月告示によりコード・イレブン・モードの測定法が新しく追加をされまして、測定法は実は二つになりました。ツーサイクルの場合は、エンジンの始動直後に浄化装置の温度を急激に上げてHCを燃焼させるためにコールド・イレブン・モード専用の装置が必要となって、この二つの測定法にそれぞれ独立した専用の装置をつけなければなりません。したがいまして、現在ホット・テン・モードに全力をあげている段階で、さらにコールド・イレブンモードが追加され、排気浄化対策の成否が企業の存亡にかかわるだけに、設計、研究者の六〇%を投入し、研究試作費の八〇%をかけて、ここ数年努力いたしておりますが、五十一年四月の生産化は非常に困難な状況となっております。私どもの技術開発の現状からたいへん御迷惑をおかけいたしておるわけでございます。その点、深くおわびを申し上げたいと思います。
なお、資料、表1として昭和四十八年、五十年、五十一年のツーサイクル、フォアサイクル別の規制値の表を添付させていただきました。これは昭和四十八年が、エンジン特性によりましてツーサイクル、フォアサイクルのHC、NOxがそれぞれ異なった値となっております。昭和五十年、五十一年はエンジン特性を一切考慮せず、同一数値とするとのお考えのように伺っておりましたけれども、ごらんのように、ホット・テンモードでツーサイクルで対策容易なNOxは〇・三グラム・パーキロメートル、フォアサイクルが一・二グラム・パー・キロメートル、ツーサイクルで対策困難なHCはフォアサイクルと同一の〇・二五グラム・パー・キロメートルと、ややバランスが欠けていると考えられましたので、添付をさせていただきました。
なお、残された期間、全力をあげて努力をする所存でございます。よろしくお願いをいたします。
これで説明を終わります。長時間ありがとうございました。
角
伊
伊瀬芳吉#6
○伊瀬参考人 ただいま御指名をいただきましたダイハツ工業株式会社社長の伊瀬でございます。
本日は、懸案の自動車排出ガス規制につきまして、このような席で私たちの実情を御説明申し上げる機会を得ましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。
当社におきましては、自動車の排出ガス、交通騒音など、いわゆる自動車による公害問題を一日も早く解決しなければならないという社会的責任を常々痛感いたしておりまして、現生産車に対する技術的な対策はもちろんのことでありますが、一般的に無公害車といわれる電気自動車の研究開発にも、先日お届け申し上げました説明書の資料−1にございますように、早くから技術陣をあげて取り組んでまいりました。
本日は、当社の自動車排出ガス対策の現状につきまして御報告申し上げ、同時に企業としての皆さん方へのお願いを率直に申し述べさせていただきたいと存ずる次第でございます。
当社では、乗用車といたしまして大衆乗用車並びに軽乗用車を、トラックといたしましては小型トラック並びに軽トラックを製作いたしておりますが、エンジンの型式から大別いたしまして、軽自動車以外の小型車には一部のディーゼルエンジンを含みまして、主としてフォアサイクル・ガソリンエンジンを搭載いたしております。また、軽自動車にはツーサイクル・ガソリンエンジンを使用いたしております。したがいまして、これらのエンジンにつきまして、排出ガス対策の技術開発を行なってまいりましたので、それぞれについて申し述べさせていただきます。
まず、フォアサイクル・ガソリンエンジンの排出ガス対策から申し上げますと、特に窒素酸化物対策につきましては、各メーカーともその技術開発を重点に行なっておられますが、当社の場合も同様でございまして、排気を再吸入させて燃焼温度を低下させ、NOxの発生を少なくするEGR方式、すなわち排気還流方式や還元触媒によりましてNOxを無害の窒素と酸素に分解させる方式あるいは炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を同時に無害化させる三元触媒方式、さらには排気リアクター方式など、現生産エンジンの排気処理法につきまして、〇・二五グラム・パー・キロメートルというNOx低減目標の可能性、燃料消費量への影響、運転性能への影響等、あらゆる角度から比較研究してまいりました。
また、そのほかに希薄空燃比、すなわち薄い燃料混合比における燃焼によってNOxを低下させるために、希薄燃焼方式や副室成層燃焼方式など、エンジンのモディフィケーション方式によりまして数機種試作いたしまして、研究開発には、技術陣をあげて努力してまいりました。資料12に、過去三カ年にわたり排出ガス対策として投入いたしました投資額並びに人員を御参考までにまとめさしていただいておりますが、投資額では最近三カ年の累計約三十億円、人員では毎年四百名近い技術員を投入しておることになっております。
その結果、昭和五十年規制に対しましては、触媒方式が燃料消費や出力、運転性能の面で最もすぐれていると判断いたしまして、一応実用化のめどを立てておりますが、このような浄化装置の採用は、各国の自動車の業界では未知の分野でもありますので、一般使用による耐久性、信頼性等につきましては、まだ研究の余地が残されていることを申し上げさしていただきます。
同時に、昭和五十一年NOx対策にも全力をあげて各種の研究開発を行なっておりますが、その実施につきましては、遺憾ながら、まだめどが立っておりません。昭和五十一年NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルという低減目標に対しましては、触媒方式が最良であるという判断で開発を進め、初期の走行におきましては、所定の浄化性能が得られますものの、耐久性に乏しく、短い走行距離で劣化し、まだ目標を達成することができない状況にあります。
昭和五十年規制に用いる酸化触媒につきましても、初めのうちは耐久性の問題で実用化が危ぶまれておりましたが、数年間の開発によりまして実用化のめどがついてまいりましたような状態で、NOx用触媒の開発につきましても、触媒メーカーと協力して進めておりますが、この種の開発は総合的な見地から大きなバックアップが必要であり、現在のところ、まだ実用化のめどが立っていないと申し上げられます。
当社では、一部の機種、すなわち千ccクラスのエンジンにつきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、すでにデータを提出いたしておりますとおり、現状では十台の平均値として〇・九五グラム・パー・キロメートルが得られております。しかしながら、千cc以外のエンジン機種を塔載した乗用車の生産もいたしておりますので、他の機種につきましても、さらに研究開発中でございます。
このようなわけで、昭和五十一年NOx低減目標につきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、実施時期の延期をお願い申し上げた次第でございます。
次に、軽自動車に塔載のツーサイクル・ガソリンエンジンについてでありますが、ツーサイクル・エンジンは、先ほども一お話がありましたように、その構造上、フォアサイクル・エンジンに比べて、炭化水素は五倍ないし六倍と多いが、逆にNOxは七分の一ないし八分の一と低いという特徴がございます。したがって、大気汚染防止上最も重要な昭和五十一年NOx低減目標を達成するためには、小さい車には現状の軽乗用車用エンジンのツーサイクルが最適であると判断いたしまして、その浄化対策を進めてまいりました。その結果、昭和五十一年NOx低減目標の達成の見通しは十分あると考えております。
しかしながら、一方におきまして炭化水素の排出が多いために、その無害化にはフォアサイクル・エンジンの数倍の熱量が発生いたしますので、酸化触媒やその容器、あるいはアフターバーナーなどが著しく高温となり、実用上の耐久性に現状では欠けております。
さらに本年一月に設定されましたコールド試験に対しましては、フォアサイクル・エンジンと違いまして、ツーサイクル・エンジンでは特別の始動装置を不可欠といたします。これはコールド・スタートのときに炭化水素を浄化装置とは別の装置によって燃焼させ、浄化装置の温度を急上昇させまして、早く反応温度に到達させる必要があるからでございます。この特殊な始動装置の開発にも総力を傾けてまいりましたが、何ぶんリードタイムが短いのと、前に申し上げましたように発熱、高温の問題がございまして、触媒や耐熱材料の改良、改善は行なわれつつありますが、現時点では、まだ商品化の見通しが立たず、期限内に実用化できる自信がただいまのところございません。
現状では、昭和五十年規制によるツーサイクルの炭化水素規制は、昭和五十一年規制によるフォアサイクルのNOx低減目標と同じようにきわめて困難であると考えております。本年一月、昭和五十年規制が制定され、社会的背景の中で、社運をかけて開発に努力を重ねてまいりましたが、ツーサイクル・エンジンの炭化水素低減につきましては、前に申し上げましたように、新しい困難性が加わってくるような現状で、残念ながら所期の技術的成果をおさめることはできませんでした。
この間、十分の成果が得られなかったことに対しまして、深く反省いたしておりますが、前述のように触媒、耐熱、材料の改善もおいおい進んでまいると思いますので、ツーサイクル・エンジン塔載の軽乗用車につきましては、諸般の事情を勘案されまして、昭和五十年規制の実施時期について、特に御配慮をいただきたいと存じます。
以上、当社の自動車排出ガスの対策の実情を申し上げ、あわせて実施時間について格別の御配慮を賜わりたいとお願いを申し上げさせていただいた次第であります。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、懸案の自動車排出ガス規制につきまして、このような席で私たちの実情を御説明申し上げる機会を得ましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。
当社におきましては、自動車の排出ガス、交通騒音など、いわゆる自動車による公害問題を一日も早く解決しなければならないという社会的責任を常々痛感いたしておりまして、現生産車に対する技術的な対策はもちろんのことでありますが、一般的に無公害車といわれる電気自動車の研究開発にも、先日お届け申し上げました説明書の資料−1にございますように、早くから技術陣をあげて取り組んでまいりました。
本日は、当社の自動車排出ガス対策の現状につきまして御報告申し上げ、同時に企業としての皆さん方へのお願いを率直に申し述べさせていただきたいと存ずる次第でございます。
当社では、乗用車といたしまして大衆乗用車並びに軽乗用車を、トラックといたしましては小型トラック並びに軽トラックを製作いたしておりますが、エンジンの型式から大別いたしまして、軽自動車以外の小型車には一部のディーゼルエンジンを含みまして、主としてフォアサイクル・ガソリンエンジンを搭載いたしております。また、軽自動車にはツーサイクル・ガソリンエンジンを使用いたしております。したがいまして、これらのエンジンにつきまして、排出ガス対策の技術開発を行なってまいりましたので、それぞれについて申し述べさせていただきます。
まず、フォアサイクル・ガソリンエンジンの排出ガス対策から申し上げますと、特に窒素酸化物対策につきましては、各メーカーともその技術開発を重点に行なっておられますが、当社の場合も同様でございまして、排気を再吸入させて燃焼温度を低下させ、NOxの発生を少なくするEGR方式、すなわち排気還流方式や還元触媒によりましてNOxを無害の窒素と酸素に分解させる方式あるいは炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を同時に無害化させる三元触媒方式、さらには排気リアクター方式など、現生産エンジンの排気処理法につきまして、〇・二五グラム・パー・キロメートルというNOx低減目標の可能性、燃料消費量への影響、運転性能への影響等、あらゆる角度から比較研究してまいりました。
また、そのほかに希薄空燃比、すなわち薄い燃料混合比における燃焼によってNOxを低下させるために、希薄燃焼方式や副室成層燃焼方式など、エンジンのモディフィケーション方式によりまして数機種試作いたしまして、研究開発には、技術陣をあげて努力してまいりました。資料12に、過去三カ年にわたり排出ガス対策として投入いたしました投資額並びに人員を御参考までにまとめさしていただいておりますが、投資額では最近三カ年の累計約三十億円、人員では毎年四百名近い技術員を投入しておることになっております。
その結果、昭和五十年規制に対しましては、触媒方式が燃料消費や出力、運転性能の面で最もすぐれていると判断いたしまして、一応実用化のめどを立てておりますが、このような浄化装置の採用は、各国の自動車の業界では未知の分野でもありますので、一般使用による耐久性、信頼性等につきましては、まだ研究の余地が残されていることを申し上げさしていただきます。
同時に、昭和五十一年NOx対策にも全力をあげて各種の研究開発を行なっておりますが、その実施につきましては、遺憾ながら、まだめどが立っておりません。昭和五十一年NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルという低減目標に対しましては、触媒方式が最良であるという判断で開発を進め、初期の走行におきましては、所定の浄化性能が得られますものの、耐久性に乏しく、短い走行距離で劣化し、まだ目標を達成することができない状況にあります。
昭和五十年規制に用いる酸化触媒につきましても、初めのうちは耐久性の問題で実用化が危ぶまれておりましたが、数年間の開発によりまして実用化のめどがついてまいりましたような状態で、NOx用触媒の開発につきましても、触媒メーカーと協力して進めておりますが、この種の開発は総合的な見地から大きなバックアップが必要であり、現在のところ、まだ実用化のめどが立っていないと申し上げられます。
当社では、一部の機種、すなわち千ccクラスのエンジンにつきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、すでにデータを提出いたしておりますとおり、現状では十台の平均値として〇・九五グラム・パー・キロメートルが得られております。しかしながら、千cc以外のエンジン機種を塔載した乗用車の生産もいたしておりますので、他の機種につきましても、さらに研究開発中でございます。
このようなわけで、昭和五十一年NOx低減目標につきましては、今回の環境庁ヒヤリングにおきまして、実施時期の延期をお願い申し上げた次第でございます。
次に、軽自動車に塔載のツーサイクル・ガソリンエンジンについてでありますが、ツーサイクル・エンジンは、先ほども一お話がありましたように、その構造上、フォアサイクル・エンジンに比べて、炭化水素は五倍ないし六倍と多いが、逆にNOxは七分の一ないし八分の一と低いという特徴がございます。したがって、大気汚染防止上最も重要な昭和五十一年NOx低減目標を達成するためには、小さい車には現状の軽乗用車用エンジンのツーサイクルが最適であると判断いたしまして、その浄化対策を進めてまいりました。その結果、昭和五十一年NOx低減目標の達成の見通しは十分あると考えております。
しかしながら、一方におきまして炭化水素の排出が多いために、その無害化にはフォアサイクル・エンジンの数倍の熱量が発生いたしますので、酸化触媒やその容器、あるいはアフターバーナーなどが著しく高温となり、実用上の耐久性に現状では欠けております。
さらに本年一月に設定されましたコールド試験に対しましては、フォアサイクル・エンジンと違いまして、ツーサイクル・エンジンでは特別の始動装置を不可欠といたします。これはコールド・スタートのときに炭化水素を浄化装置とは別の装置によって燃焼させ、浄化装置の温度を急上昇させまして、早く反応温度に到達させる必要があるからでございます。この特殊な始動装置の開発にも総力を傾けてまいりましたが、何ぶんリードタイムが短いのと、前に申し上げましたように発熱、高温の問題がございまして、触媒や耐熱材料の改良、改善は行なわれつつありますが、現時点では、まだ商品化の見通しが立たず、期限内に実用化できる自信がただいまのところございません。
現状では、昭和五十年規制によるツーサイクルの炭化水素規制は、昭和五十一年規制によるフォアサイクルのNOx低減目標と同じようにきわめて困難であると考えております。本年一月、昭和五十年規制が制定され、社会的背景の中で、社運をかけて開発に努力を重ねてまいりましたが、ツーサイクル・エンジンの炭化水素低減につきましては、前に申し上げましたように、新しい困難性が加わってくるような現状で、残念ながら所期の技術的成果をおさめることはできませんでした。
この間、十分の成果が得られなかったことに対しまして、深く反省いたしておりますが、前述のように触媒、耐熱、材料の改善もおいおい進んでまいると思いますので、ツーサイクル・エンジン塔載の軽乗用車につきましては、諸般の事情を勘案されまして、昭和五十年規制の実施時期について、特に御配慮をいただきたいと存じます。
以上、当社の自動車排出ガスの対策の実情を申し上げ、あわせて実施時間について格別の御配慮を賜わりたいとお願いを申し上げさせていただいた次第であります。
御清聴ありがとうございました。
角
松
松田耕平#8
○松田参考人 東洋工業の松田でございます。当社の低公害車開発の経緯について申し述べさせていただきます。
昭和五十一年排出ガス規制の目標値は、窒素酸化物の平均排出レベルを五十年規制値の約五分の一の〇・二五グラム・パー・キロメートルにまで低減しようとするものですが、東洋工業はこの目標達成のためあらゆる努力をいたしましたが、現時点においては残念ながら、この目標値を昭和五十一年度に量産において達成する技術を開発できておりません。わが社が、政府がお示しになった五十一年規制目標値を達成する見通しが立っておりませんことに対し、まず深くおわび申し上げる次第であります。
顧みますに、わが社の低公害車の研究開発は、排出ガスを浄化することが、われわれ自動車産業に携わるものの最大の社会的責任の一つであるとの自覚のもとに、昭和四十年に排出ガス研究対策会議を社内に設置したときから本格化したといえます。以来、この低公害車の研究開発に対して、概算延べ百七十五億円の研究開発費、並びに、延べ約一千万人時の研究員を投入して研究開発を推進してまいりましたが、わが社のごとき後発メーカーでありながら、ロータリーエンジン、フォアサイクル、ツーサイクル、ディーゼルエンジン等、多くのエンジン機種について精一ぱいの努力をしたものと考えております。
この間、排気ガス研究センターを建設し、フォード、モービルオイルを中心とした、国際的な企業間排気制御共同研究グループに参加するなど、研究開発体制を整えてきました。
わが社の低公害車の開発方針は、現状の排出ガス規制にパスすることを第一目標とするのではなく、蓄積された技術を社会の要請に反映するため、現在可能な最高のものを、社会に提供することであると考えております。
その研究開発の成果として、四十七年十月には、国内向け低公害車ルーチェロータリーAPを発売し、その当時としては、世界で最も清浄な排出ガスレベルを、量産車で初めて達成いたしました。また、四十八年二月には、米国でもわが社のロータリーエンジン車は、米国の一九七五年マスキー規制値に適合することを、米国環境保護庁のテストで確認いたしました。
さらに、四十八年五月には、五十年排出ガス規制値を達成するロータリーエンジン塔載低公害車マツダREAPSを発表することができ、その後、四十八年十月には、レシプロエンジン車についても、業界に先がけて低公害車・マツダCEAPSを発表し、これらの低公害車には、物品税、自動車取得税の一部を免税するという、国の低公害車優遇税制の最初の指定を受けました。そして、現在では、五十年四月より実施されます五十年排出ガス規制値に合格するマツダ低公害車は、六車種五十九タイプに達しております。
次に、昭和五十一年排出ガス規制に対する東洋工業の考え方及び現状について申し述べます。
現在、わが社はツーサイクル三百六十ccエンジンを除いた自動車につきましては、五十一年目標値を達成するために、二つの方針のもとに窒素酸化物の低減を追求しています。その一つの方針は、五十年規制に採用している浄化システムをべースにその改善をはかることであり、他の一つは、革新的なアイデアに基づく技術開発を目ざすという方針であります。
一般的に、〇・二五グラム・パー・キロメートルの窒素酸化物平均排出量の意味するものは、採用される窒素酸化物対策のシステムにもよりますが、量産時における排出レベルは、実験車のそれより悪化すること、使用中の劣化の問題、さらには低い窒素酸化物の測定精度の問題等によりまして、少くとも、実験車での開発目標は、初期値〇・一七ないし〇・一八グラム・パー・キロメートルの平均値を達成しなければなりません。
まず、五十年規制に採用している浄化システムの改善をはかるプロジェクトでは、サーマルリアクター方式または酸化触媒方式をベースとして、エンジンの改良、さらには排出ガス再循環装置を装着して窒素酸化物の低減を目ざしております。排出ガス再循環装置を採用しますと、この影響で、エンジンから排出される一酸化炭素、炭化水素の排出量が増加し、一酸化炭素、炭化水素の浄化装置であるサーマルリアクター、または酸化触媒の負担が多くなって、使用中の劣化の問題や走行性能を悪化させる問題等で窒素酸化物の低減には限界があり、〇・六グラム・パー・キロメートルを割る平均値を量産において達成することには大きな壁があります。
この壁を破るためのプロジェクトとして、五十一年対策とは異なる革新的なアイデアに基づいて、窒素酸化物の低減の極限を追求しております。たとえばロータリーエンジンでの成層燃焼という方式を採用した実験車では、その窒素酸化物の排出レベルは、現在、五十一年規制目標値に近い〇・三グラム・パー・キロメートルの平均値を得ているものもあり、これらの方法による窒素酸化物低減のポテンシャルについては非常に希望を持っています。しかし、このシステムを商品化するには、まだ解決すべき多くの問題をかかえており、現在、量産化の見通しは立っておりません。
次に、軽自動車用ツーサイクルミ百六十ccエンジンですが、元来、ツーサイクルエンジンは窒素酸化物の排出レベルは低いが、炭化水素のレベルが高いという特性を持っておるため、五十年規制を達成することにも大きな問題があります。わが社では、エンジン改造により、エンジンから排出する炭化水素の低減をはかり、加えて、酸化触媒方式により五十年規制達成を目ざしております。特に冷間始動時の炭化水素の排出レベルが問題ですが、これに対し、エンジンを始動したとき、急速に触媒の温度を上げて浄化させる装置を開発し、耐久試験を実施しております。現在、ほぼ一車検の間、保証できるデータが得られており、二車検保証を目ざして開発を進めております。しかしながらコスト高などに問題がありますので、現在、これらを含めて、解決に努力いたしております。
ツーサイクルエンジンの窒素酸化物については、すでに昭和五十年窒素酸化物平均排出規制値〇・三グラム・パー・キロメートルを量産時に達成する見通しを得ており、目下、エンジン改造を中心として、五十一年規制目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルの開発に努力しております。
以上、わが社の研究開発の現状を申し述べましたとおり、われわれの真剣な努力にも一かかわらず、現時点においては、まだ窒素酸化物の平均排出目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルのレベルを昭和五十一年度において達成する技術を持ち合わせていないことは、最初に申し上げましたとおりでございます。この昭和五十一年目標値を達成する可能性及び実施可能時期の見通しが得られるのは、昭和五十一年後半になると考えております。
しからば、昭和五十一年目標値に既定方針どおり対応できないということであれば、昭和五十一年度から実施可能な窒素酸化物の低減可能レベルはわが社の場合いかほどかということについて申し述べます。
われわれの窒素酸化物低減のアプローチといたしましては、リードタイムとの関係から見まして、先に申し上げました二つの方針のうち、五十年規制に採用している浄化システムをベースにその改善をはかり、低減の限界を追求する方法で対処することになります。このアプローチにより、五十一年度より、われわれが達成できる窒素酸化物の低減限界値は、ロータリーエンジンでは〇・六グラム・パー・キロメートル、従来のレシプロエンジンでは〇・七グラム・パー・キロメートルが量産可能な平均値であります。
いずれにいたしましても、東洋工業といたしましては、これからも、より完全な排出ガス対策を施した車の開発を目ざして努力を重ねていく決意でございますので、今後とも一そうの御指導、御支援をいただきますよう心よりお願い申し上げます。
終わります。
この発言だけを見る →昭和五十一年排出ガス規制の目標値は、窒素酸化物の平均排出レベルを五十年規制値の約五分の一の〇・二五グラム・パー・キロメートルにまで低減しようとするものですが、東洋工業はこの目標達成のためあらゆる努力をいたしましたが、現時点においては残念ながら、この目標値を昭和五十一年度に量産において達成する技術を開発できておりません。わが社が、政府がお示しになった五十一年規制目標値を達成する見通しが立っておりませんことに対し、まず深くおわび申し上げる次第であります。
顧みますに、わが社の低公害車の研究開発は、排出ガスを浄化することが、われわれ自動車産業に携わるものの最大の社会的責任の一つであるとの自覚のもとに、昭和四十年に排出ガス研究対策会議を社内に設置したときから本格化したといえます。以来、この低公害車の研究開発に対して、概算延べ百七十五億円の研究開発費、並びに、延べ約一千万人時の研究員を投入して研究開発を推進してまいりましたが、わが社のごとき後発メーカーでありながら、ロータリーエンジン、フォアサイクル、ツーサイクル、ディーゼルエンジン等、多くのエンジン機種について精一ぱいの努力をしたものと考えております。
この間、排気ガス研究センターを建設し、フォード、モービルオイルを中心とした、国際的な企業間排気制御共同研究グループに参加するなど、研究開発体制を整えてきました。
わが社の低公害車の開発方針は、現状の排出ガス規制にパスすることを第一目標とするのではなく、蓄積された技術を社会の要請に反映するため、現在可能な最高のものを、社会に提供することであると考えております。
その研究開発の成果として、四十七年十月には、国内向け低公害車ルーチェロータリーAPを発売し、その当時としては、世界で最も清浄な排出ガスレベルを、量産車で初めて達成いたしました。また、四十八年二月には、米国でもわが社のロータリーエンジン車は、米国の一九七五年マスキー規制値に適合することを、米国環境保護庁のテストで確認いたしました。
さらに、四十八年五月には、五十年排出ガス規制値を達成するロータリーエンジン塔載低公害車マツダREAPSを発表することができ、その後、四十八年十月には、レシプロエンジン車についても、業界に先がけて低公害車・マツダCEAPSを発表し、これらの低公害車には、物品税、自動車取得税の一部を免税するという、国の低公害車優遇税制の最初の指定を受けました。そして、現在では、五十年四月より実施されます五十年排出ガス規制値に合格するマツダ低公害車は、六車種五十九タイプに達しております。
次に、昭和五十一年排出ガス規制に対する東洋工業の考え方及び現状について申し述べます。
現在、わが社はツーサイクル三百六十ccエンジンを除いた自動車につきましては、五十一年目標値を達成するために、二つの方針のもとに窒素酸化物の低減を追求しています。その一つの方針は、五十年規制に採用している浄化システムをべースにその改善をはかることであり、他の一つは、革新的なアイデアに基づく技術開発を目ざすという方針であります。
一般的に、〇・二五グラム・パー・キロメートルの窒素酸化物平均排出量の意味するものは、採用される窒素酸化物対策のシステムにもよりますが、量産時における排出レベルは、実験車のそれより悪化すること、使用中の劣化の問題、さらには低い窒素酸化物の測定精度の問題等によりまして、少くとも、実験車での開発目標は、初期値〇・一七ないし〇・一八グラム・パー・キロメートルの平均値を達成しなければなりません。
まず、五十年規制に採用している浄化システムの改善をはかるプロジェクトでは、サーマルリアクター方式または酸化触媒方式をベースとして、エンジンの改良、さらには排出ガス再循環装置を装着して窒素酸化物の低減を目ざしております。排出ガス再循環装置を採用しますと、この影響で、エンジンから排出される一酸化炭素、炭化水素の排出量が増加し、一酸化炭素、炭化水素の浄化装置であるサーマルリアクター、または酸化触媒の負担が多くなって、使用中の劣化の問題や走行性能を悪化させる問題等で窒素酸化物の低減には限界があり、〇・六グラム・パー・キロメートルを割る平均値を量産において達成することには大きな壁があります。
この壁を破るためのプロジェクトとして、五十一年対策とは異なる革新的なアイデアに基づいて、窒素酸化物の低減の極限を追求しております。たとえばロータリーエンジンでの成層燃焼という方式を採用した実験車では、その窒素酸化物の排出レベルは、現在、五十一年規制目標値に近い〇・三グラム・パー・キロメートルの平均値を得ているものもあり、これらの方法による窒素酸化物低減のポテンシャルについては非常に希望を持っています。しかし、このシステムを商品化するには、まだ解決すべき多くの問題をかかえており、現在、量産化の見通しは立っておりません。
次に、軽自動車用ツーサイクルミ百六十ccエンジンですが、元来、ツーサイクルエンジンは窒素酸化物の排出レベルは低いが、炭化水素のレベルが高いという特性を持っておるため、五十年規制を達成することにも大きな問題があります。わが社では、エンジン改造により、エンジンから排出する炭化水素の低減をはかり、加えて、酸化触媒方式により五十年規制達成を目ざしております。特に冷間始動時の炭化水素の排出レベルが問題ですが、これに対し、エンジンを始動したとき、急速に触媒の温度を上げて浄化させる装置を開発し、耐久試験を実施しております。現在、ほぼ一車検の間、保証できるデータが得られており、二車検保証を目ざして開発を進めております。しかしながらコスト高などに問題がありますので、現在、これらを含めて、解決に努力いたしております。
ツーサイクルエンジンの窒素酸化物については、すでに昭和五十年窒素酸化物平均排出規制値〇・三グラム・パー・キロメートルを量産時に達成する見通しを得ており、目下、エンジン改造を中心として、五十一年規制目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルの開発に努力しております。
以上、わが社の研究開発の現状を申し述べましたとおり、われわれの真剣な努力にも一かかわらず、現時点においては、まだ窒素酸化物の平均排出目標値〇・二五グラム・パー・キロメートルのレベルを昭和五十一年度において達成する技術を持ち合わせていないことは、最初に申し上げましたとおりでございます。この昭和五十一年目標値を達成する可能性及び実施可能時期の見通しが得られるのは、昭和五十一年後半になると考えております。
しからば、昭和五十一年目標値に既定方針どおり対応できないということであれば、昭和五十一年度から実施可能な窒素酸化物の低減可能レベルはわが社の場合いかほどかということについて申し述べます。
われわれの窒素酸化物低減のアプローチといたしましては、リードタイムとの関係から見まして、先に申し上げました二つの方針のうち、五十年規制に採用している浄化システムをベースにその改善をはかり、低減の限界を追求する方法で対処することになります。このアプローチにより、五十一年度より、われわれが達成できる窒素酸化物の低減限界値は、ロータリーエンジンでは〇・六グラム・パー・キロメートル、従来のレシプロエンジンでは〇・七グラム・パー・キロメートルが量産可能な平均値であります。
いずれにいたしましても、東洋工業といたしましては、これからも、より完全な排出ガス対策を施した車の開発を目ざして努力を重ねていく決意でございますので、今後とも一そうの御指導、御支援をいただきますよう心よりお願い申し上げます。
終わります。
角
豊
豊田英二#10
○豊田参考人 ただいま委員長より御指名をいただきましたトヨタ自動車工業株式会社の社長豊田でございます。
本日は、国会の場におきまして私どもの実情につきまして御説明する機会を与えていただきましたことを深く感謝を申し上げる次第であります。
私どもトヨタは、創業以来、よい品、よい考えを基本理念として努力してまいりました。今回の大気の清浄化につながる自動車の排出ガス対策につきましては、メーカーとしての社会的責任を深く自覚するとともに、わが社の総力を結集し、あらゆる可能性を追求しつつ、その技術開発に最大限の努力を傾注してまいりました。
すなわち、昭和三十九年より排出ガス対策に関する研究に着手し、昭和四十年にはプロジェクトチームを組みました。さらに、より深い研究を進めるために、同年東富士研究所を着工いたしました。昭和四十三年には、第一次排気ガス実験棟が完成いたしましたので、排気プロジェクトチームのうち、先駆的研究部門を東富士研究所に移しました。そして開発を展開する部門として本社技術部門の体制を整えてまいりました。
研究開発費として、昭和四十五年から昭和四十八年までに約二百九十五億円を投入し、昭和五十年末までに、さらに約四百二十四億円を投入する予定であります。研究者は、昭和四十五年に五百十九名でございましたが、その後、逐年増加し、昭和四十九年には千八百七十名の規模になっております。
このように、私どもは五十一年規制を達成することをトヨタの基本方針として、最大の努力を傾注いたしております。
五十一年規制の技術面について申し上げますと、委員の先生方すでに御高承のとおり、一酸化炭素及び炭化水素を低減する方法と窒素酸化物を低減する方法とは、燃焼温度の点から考えて相反する関係にあり、この三成分を同時に低減するのは、なかなか容易ではございません。特に乗用車の五十年規制は、規制が実施されていなかった時期に比べ、一酸化炭素は五%以下に、炭化水素は四%以下に、窒素酸化物は三九%以下にするという大幅な低減が要求されております。さらに五十一年規制は、窒素酸化物を八%以下に低減しなければならないというきびしいものでございますが、これは技術的に非常に困難な水準でございます。
ここで、トヨタがこれまで研究開発を行なってまいりました五十一年規制に対する排出ガス対策技術につき御説明申し上げたいと存じます。
窒素酸化物に対するきわめてきびしい数値を達成する道は、第一にガソリンと空気の割合、すなわちどのような混合比を使うか、第二に還元触媒を用いるか、第三にガソリンの性質、組成等を変えるかの三つの手法に分類されます。トヨタはこれらのすべてに対しまして、技術力を動員し、目標を〇・二五グラム・パー・キロメーター達成の一点にしぼり、研究、開発を実施いたしてまいりました。
その第一の、混合比からの研究といたしましては、濃混合比方式としては、リアクターシステムまたはこれに酸化触媒を組み合わせたシステム等を、また理論混合比方式としては、三成分の同時処理システム等を、あるいはまた希薄混合比方式としては、トヨタ燃焼制御方式等を対象といたしました。なお、この分類の一つとして、本田CVCCがあり、これも導入、研究をいたしました。
第二の、触媒を用いる方式としては、還元触媒を加えたデュアル触媒コンバーターシステムその他の研究、開発を重ねてまいりました。
機能部品としては、サーマルリアクターは自社開発のほか豊田中央研究所、日本自動車部品総合研究所、米国のデュポン社にも開発を委託しました。
また、酸化触媒は約五千種に及ぶ研究のほか、海外十八社を含む三十五社の約二百種を研究し、還元触媒は約四百種の自社開発に加えるに、十四社で約四十種に及ぶ検討をいたしました。さらに、三成分触媒は自社のほか海外を含む七社を対象にそれぞれ研究、開発を実施いたしました。このほかにガソリン噴射等も日本一社、海外六社に対し、共同研究をいたしました。
次に、第三の供給燃料の性質、組成等を変更させる方式といたしましては、後述いたしますJPLの水素添加方式をも含んだトヨタ独自の燃料処理方式等を研究いたしてまいりました。
このように、考えられるすべてに対しまして幅広く研究、開発を展開、推進いたしました。これらの研究の結果、このきわめてきびしい〇・二五グラム・パー・キロメーターの数値は、現在の燃焼制御方式では到達不可能に近い見通しを持ちましたので、還元触媒方式による解決策を見出すべく、ここ数年間、広範囲の努力と探索を進めまして、初期値は達成することはできましたが、触媒の耐久性等が、なお不足のため五十一年規制値を完全に満足することはできませんでした。また、燃料の性質、組成等の変更につきましては、鋭意研究中でありますが、十分な見通しを得るには若干の年月を必要とします。
なお、燃焼制御方式につきまして、ふえんいたしますと、ある程度の窒素酸化物の値に押えることはできますが、実用的に規制値を満たすことはできず、また、現在の希薄燃焼制御方式から出る窒素酸化物を、還元触媒をもってさらに浄化することは技術的に不可能であります。
さらに別種の研究につきましても、世界的規模で評価、検討をいたしました。たとえば未公表の研究として、西独ジーメンス社の改良燃料によるもの、米連邦航空宇宙局の委託によるジェット・プロパルション・ラボラトリーによる水素添加による燃焼制御または米国ドレッサー社の燃料微粒化による燃焼制御等を含めまして、研究につとめてまいりました。
このように社内の研究、開発のみならず、国際的にも評価を加え、考えられるすべてについて研究、開発を実施いたしましたが、現時点では〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することはできませんでした。
続きまして、暫定値について申し上げますと、私どもはいままで申し上げましたとおり、昭和四十七年十月五日の環境庁方針告示に従い、〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することのみに目標を定め、そのためのシステムを組み、研究、開発を実施してまいりました。ところが、本年六月聴聞会において、環境庁より暫定規制値を提案してほしい旨の御要望がありましたので、即日検討に入りました。しかし暫定規制値の設定には、いままでの開発結果を再検討し、さらに〇・二五グラム・パー・キロメーター対策用のシステムとは別のシステムに組み直し、耐久性等を含め、どこまで可能かを広範囲な製品について研究する必要があります。それには検討期間が不足の点もありまして、先般、環境庁には、とりあえず次のとおりお答えをいたしました。
すなわち、五十年対策システムの延長上でたえ得る数値として、一部の車種について一・〇ないし一・一グラム・パー・キロメーター、その後の目標値としては、全車種に対し、五十二年ないし五十三年に〇・九グラム・パー・キロメーターのレベルになるかと思いますが、今後暫定規制値対策のシステムについて研究を進め、おおむね一年後にその結果を御報告申し上げることにいたした次第であります。
特に窒素酸化物の暫定規制値に関連いたしまして、試験法がきまっておりますので、窒素酸化物はほぼ車両の重さに比例して排出されます。すなわち軽い車より重い車のほうが排出量が多くなりますので、車両重量と窒素酸化物排出量は相関性があることに御留意をいただきたいと存じます。
このような技術的問題のほかに、生産と品質保証という面からのばらつきの問題と、開発目標値と規制値の関係や耐久性の確認、さらには開発より生産に至るまでのリードタイム等を十分御配慮いただきますようお願い申し上げます。
さて、いままで御説明申し上げましたとおり、あらゆる有効と思われます方法につきまして、幅広く検討を加え、研究につとめてまいりました。また今後も努力を続けますので、近い将来独自の方法によって、さらによい結果を得ることを確信いたしております。
つきましては、私どものこのような実情から、五十一年規制値等につきまして若干の要望をさせていただきたいと存じます。
五十一年規制は、五十年規制のまま、さらに二年間継続されるようお願いいたします。
その後につきましては、五十年規制による大気汚染減少効果等の実績や、技術開発の進歩及び社会経済情勢の変化等を勘案して、総合的判断に立って妥当な規制値を再検討していただきたいと存じます。
次に、規制の達成に関連して、組成性状を明確化した無鉛ガソリンの健全なる供給、測定機器の開発、特に精度向上及び標準ガスの開発等について、具体的、実質的な推進をお願いいたします。
以上、私どもがここ十年来、本問題に関しまして、たどりました経過を申し上げ、かつ若干の実情を申し述べさせていただいた次第でございます。
なお、本問題は、資源、コスト、その他国民経済、国民生活、ひいては国民の福祉等広範な影響を及ぼすものと考えますので、大所高所の見地から格別の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、国会の場におきまして私どもの実情につきまして御説明する機会を与えていただきましたことを深く感謝を申し上げる次第であります。
私どもトヨタは、創業以来、よい品、よい考えを基本理念として努力してまいりました。今回の大気の清浄化につながる自動車の排出ガス対策につきましては、メーカーとしての社会的責任を深く自覚するとともに、わが社の総力を結集し、あらゆる可能性を追求しつつ、その技術開発に最大限の努力を傾注してまいりました。
すなわち、昭和三十九年より排出ガス対策に関する研究に着手し、昭和四十年にはプロジェクトチームを組みました。さらに、より深い研究を進めるために、同年東富士研究所を着工いたしました。昭和四十三年には、第一次排気ガス実験棟が完成いたしましたので、排気プロジェクトチームのうち、先駆的研究部門を東富士研究所に移しました。そして開発を展開する部門として本社技術部門の体制を整えてまいりました。
研究開発費として、昭和四十五年から昭和四十八年までに約二百九十五億円を投入し、昭和五十年末までに、さらに約四百二十四億円を投入する予定であります。研究者は、昭和四十五年に五百十九名でございましたが、その後、逐年増加し、昭和四十九年には千八百七十名の規模になっております。
このように、私どもは五十一年規制を達成することをトヨタの基本方針として、最大の努力を傾注いたしております。
五十一年規制の技術面について申し上げますと、委員の先生方すでに御高承のとおり、一酸化炭素及び炭化水素を低減する方法と窒素酸化物を低減する方法とは、燃焼温度の点から考えて相反する関係にあり、この三成分を同時に低減するのは、なかなか容易ではございません。特に乗用車の五十年規制は、規制が実施されていなかった時期に比べ、一酸化炭素は五%以下に、炭化水素は四%以下に、窒素酸化物は三九%以下にするという大幅な低減が要求されております。さらに五十一年規制は、窒素酸化物を八%以下に低減しなければならないというきびしいものでございますが、これは技術的に非常に困難な水準でございます。
ここで、トヨタがこれまで研究開発を行なってまいりました五十一年規制に対する排出ガス対策技術につき御説明申し上げたいと存じます。
窒素酸化物に対するきわめてきびしい数値を達成する道は、第一にガソリンと空気の割合、すなわちどのような混合比を使うか、第二に還元触媒を用いるか、第三にガソリンの性質、組成等を変えるかの三つの手法に分類されます。トヨタはこれらのすべてに対しまして、技術力を動員し、目標を〇・二五グラム・パー・キロメーター達成の一点にしぼり、研究、開発を実施いたしてまいりました。
その第一の、混合比からの研究といたしましては、濃混合比方式としては、リアクターシステムまたはこれに酸化触媒を組み合わせたシステム等を、また理論混合比方式としては、三成分の同時処理システム等を、あるいはまた希薄混合比方式としては、トヨタ燃焼制御方式等を対象といたしました。なお、この分類の一つとして、本田CVCCがあり、これも導入、研究をいたしました。
第二の、触媒を用いる方式としては、還元触媒を加えたデュアル触媒コンバーターシステムその他の研究、開発を重ねてまいりました。
機能部品としては、サーマルリアクターは自社開発のほか豊田中央研究所、日本自動車部品総合研究所、米国のデュポン社にも開発を委託しました。
また、酸化触媒は約五千種に及ぶ研究のほか、海外十八社を含む三十五社の約二百種を研究し、還元触媒は約四百種の自社開発に加えるに、十四社で約四十種に及ぶ検討をいたしました。さらに、三成分触媒は自社のほか海外を含む七社を対象にそれぞれ研究、開発を実施いたしました。このほかにガソリン噴射等も日本一社、海外六社に対し、共同研究をいたしました。
次に、第三の供給燃料の性質、組成等を変更させる方式といたしましては、後述いたしますJPLの水素添加方式をも含んだトヨタ独自の燃料処理方式等を研究いたしてまいりました。
このように、考えられるすべてに対しまして幅広く研究、開発を展開、推進いたしました。これらの研究の結果、このきわめてきびしい〇・二五グラム・パー・キロメーターの数値は、現在の燃焼制御方式では到達不可能に近い見通しを持ちましたので、還元触媒方式による解決策を見出すべく、ここ数年間、広範囲の努力と探索を進めまして、初期値は達成することはできましたが、触媒の耐久性等が、なお不足のため五十一年規制値を完全に満足することはできませんでした。また、燃料の性質、組成等の変更につきましては、鋭意研究中でありますが、十分な見通しを得るには若干の年月を必要とします。
なお、燃焼制御方式につきまして、ふえんいたしますと、ある程度の窒素酸化物の値に押えることはできますが、実用的に規制値を満たすことはできず、また、現在の希薄燃焼制御方式から出る窒素酸化物を、還元触媒をもってさらに浄化することは技術的に不可能であります。
さらに別種の研究につきましても、世界的規模で評価、検討をいたしました。たとえば未公表の研究として、西独ジーメンス社の改良燃料によるもの、米連邦航空宇宙局の委託によるジェット・プロパルション・ラボラトリーによる水素添加による燃焼制御または米国ドレッサー社の燃料微粒化による燃焼制御等を含めまして、研究につとめてまいりました。
このように社内の研究、開発のみならず、国際的にも評価を加え、考えられるすべてについて研究、開発を実施いたしましたが、現時点では〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することはできませんでした。
続きまして、暫定値について申し上げますと、私どもはいままで申し上げましたとおり、昭和四十七年十月五日の環境庁方針告示に従い、〇・二五グラム・パー・キロメーターを達成することのみに目標を定め、そのためのシステムを組み、研究、開発を実施してまいりました。ところが、本年六月聴聞会において、環境庁より暫定規制値を提案してほしい旨の御要望がありましたので、即日検討に入りました。しかし暫定規制値の設定には、いままでの開発結果を再検討し、さらに〇・二五グラム・パー・キロメーター対策用のシステムとは別のシステムに組み直し、耐久性等を含め、どこまで可能かを広範囲な製品について研究する必要があります。それには検討期間が不足の点もありまして、先般、環境庁には、とりあえず次のとおりお答えをいたしました。
すなわち、五十年対策システムの延長上でたえ得る数値として、一部の車種について一・〇ないし一・一グラム・パー・キロメーター、その後の目標値としては、全車種に対し、五十二年ないし五十三年に〇・九グラム・パー・キロメーターのレベルになるかと思いますが、今後暫定規制値対策のシステムについて研究を進め、おおむね一年後にその結果を御報告申し上げることにいたした次第であります。
特に窒素酸化物の暫定規制値に関連いたしまして、試験法がきまっておりますので、窒素酸化物はほぼ車両の重さに比例して排出されます。すなわち軽い車より重い車のほうが排出量が多くなりますので、車両重量と窒素酸化物排出量は相関性があることに御留意をいただきたいと存じます。
このような技術的問題のほかに、生産と品質保証という面からのばらつきの問題と、開発目標値と規制値の関係や耐久性の確認、さらには開発より生産に至るまでのリードタイム等を十分御配慮いただきますようお願い申し上げます。
さて、いままで御説明申し上げましたとおり、あらゆる有効と思われます方法につきまして、幅広く検討を加え、研究につとめてまいりました。また今後も努力を続けますので、近い将来独自の方法によって、さらによい結果を得ることを確信いたしております。
つきましては、私どものこのような実情から、五十一年規制値等につきまして若干の要望をさせていただきたいと存じます。
五十一年規制は、五十年規制のまま、さらに二年間継続されるようお願いいたします。
その後につきましては、五十年規制による大気汚染減少効果等の実績や、技術開発の進歩及び社会経済情勢の変化等を勘案して、総合的判断に立って妥当な規制値を再検討していただきたいと存じます。
次に、規制の達成に関連して、組成性状を明確化した無鉛ガソリンの健全なる供給、測定機器の開発、特に精度向上及び標準ガスの開発等について、具体的、実質的な推進をお願いいたします。
以上、私どもがここ十年来、本問題に関しまして、たどりました経過を申し上げ、かつ若干の実情を申し述べさせていただいた次第でございます。
なお、本問題は、資源、コスト、その他国民経済、国民生活、ひいては国民の福祉等広範な影響を及ぼすものと考えますので、大所高所の見地から格別の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
どうもありがとうございました。
角
岩
岩越忠恕#12
○岩越参考人 日産自動車の岩越でございます。
参考人といたしまして、昭和五十一年度自動車排出ガス規制に取り組んでおります日産自動車の現状について御報告申し上げます。
現在、わが国の公害問題、特に大気汚染問題につきましては、自動車からの排出ガスがその一因であり、大気清浄化のために定められました規制値を一日も早く達成することが、私どもの大きな社会的責任であると思っております。
このために全社をあげて日夜努力を重ねてまいっておりますけれども、まことに遺憾ながら実験段階における初期値といたしましては、規制値を満足する値も一部得られておりますが、後ほど詳しく御報告申し上げますとおり、走行を重ねるにつれまして満足しなくなり、あるいは耐久上問題を生ずるという状態を来たし、または、運転性能が著しく落ちることによって、いまだ実用化できるめどをつかむに至っておらない状況にございます。全力を振りしぼって努力いたしておりますとは申しながら、大気清浄化計画の中で自動車に課せられております課題を満たし得ない点につきましては、まことに遺憾に存ずるものでございます。しかし、今後とも窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルの目標値を一日も早く達成すべく、全力をあげて開発に努力を引き続き傾注いたす所存でございますことを御報申し上げます。
いささか言いわけめいてたいへん恐縮でございますが、日産自動車の現状について、その内容を御報告させていただきます。
当社が排出ガス低減対策に取り組んでおります概要の一端につきまして申し上げますと、排出ガスを低減させるための技術開発には広範囲かつ多岐にわたる技術と、それに伴う各種の実験を必要といたしますので、中央研究所、設計実験等の各部門がそれぞれ業務を分担いたしまして研究開発を進めますとともに、これら部門の総合的な連携を深めて、より効果的な開発を促進させるために、排気対策委員会を設けて、総合的見地から万遺漏なきを期しております。
一方、自動車産業は総合産業でございますから、たとえば電子制御、触媒、各種制御機器等の排気対策に関連するメーカーさんとの協力体制も大切でございますので、安全公害対策会議並びに安全公害特別委員会を設けて、研究開発の促進をはかっている次第でございます。私は、このために必要とする研究開発費につきましては、技術陣の必要とするものは、すべて認めるという方針のもとに、排気対策関係に限りましても、昭和四十六年から四十九年、本年末でございますけれども、四百七億円余を投入してまいりました。
四十九年度について申し上げますと、全研究開発費の五三%となっておりまして、また研究開発人員といたしましては、現在約千六百名でございますが、日夜、一丸となって努力を重ねておる状況にございます。
ところで、昭和四十一年以降、わが国の自動車排出ガス規制は漸次強化されてまいりましたが、私どもは規制値を上回る諸対策を実施するとともに、実施時期の面でも、規制に先がけて、極力技術開発の段階に応じて実施できるものは先行採用いたしてまいりました。
これらの諸対策によってどの程度排出ガスが低減しているかについて数字で御報告いたしますと、昭和四十年に比較いたしまして、現在の私どもの自動車は、炭化水素約六〇%減、一酸化炭素約七〇%減、窒素酸化物では約四〇%減になっております。五十年排出ガス対策車ではさらに低減され、炭化水素、一酸化炭素では九〇%以上の減、窒素酸化物では約六〇%の減少となる見込みでございます。
それでは、続きまして、五十年排出ガス対策の概要について御報告申し上げます。
私どもといたしましては、五十年型車の排出ガス対策として、三つの方式を基本として進めております。
第一は、エンジン改良方式に酸化触媒を付加する方式、第二は、トーチ点火層状燃焼方式、NVCCで、第三はロータリーエンジンによる方式でございます。
これらの方式の詳細につきましては、すでに御提出申し上げました補足資料をごらんいただくことといたしまして、ここでは時間の関係もございますので、省略させていただきたく存じます。
これらの三方式のうち、現状では省資源の見地から、燃料消費量が最も少なく、また、これまでの開発成果が確立しておりますエンジン改良方式に酸化触媒を付加するシステムを主体として、トーチ点火層状燃焼方式とロータリーエンジンは、開発状況及びこれらの特徴を勘案いたしながら、一部の車種に採用いたしたく存じております。
いずれにいたしましても、五十年排気対策につきましては、規制値達成は可能でございます。
しかしながら、排出ガスを低減させますには、エンジン各部の改良と各種低減装置を採用いたしておりますが、このほかにも車両全般にわたる改造が必要となってまいります。主要な個所といたしましては、エンジンルームの形状、冷却システムの仕様、排気系統、触媒システム装着のための床部の形状、防熱板の採用等、数え上げたら限りがないほどでございまして、自動車全体に及ぶといっても一過言ではございません。現状では、五十年排出ガス対策車を実際の生産に移すために、工場の準備体制、部品供給体制の確立に全力を傾注いたしております。
この五十年排出ガス規制に対処するためには、先ほども御報告いたしましたが、革新的な技術の採用並びに大幅な車両としての改造が必要でございますが、このような大幅な変更は、私どもといたしましては初めての経験でございます。したがいまして、万全の配慮を払ってはおりますものの、革新的技術でありますので、たとえば予期し得なかったようなトラブルが多少なりとも懸念されるのであります。このような事態の発生を未然に防止するために種々の対策を施すなど、従来のいかなる新技術採用のときよりも、はるかに多くの努力を払わせております。
さらに、お客さまのあらゆる使用条件に対応するサービス体制を確立することが必要でございます。端的に申し上げますれば、品質の安定した生産体制、万全のサービス体制が伴わなければ、いかに優秀な排出ガス対策車を開発いたしましても、その効果を十分発揮することは保証できないと考えておるものでございます。
当社では昭和四十五年ごろから排気中の窒素酸化物を大幅に低減するにはどうしたらよいかという研究開発に着手いたしております。現在実験段階における初期値といたしましては規制値を満足する数値も一部得られてはおりますけれども、耐久性の問題とか、運転性が著しく劣るとか等対策技術の諸困難性から、本日までのところ、いまだ実用に供し得るめどをつかむには至らない状況にございます。五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成すべきことを緊急の責務と考え、最大の努力を重ねましたものの、かかる実情を御報告せざるを得ませんことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
五十一年排出ガス規制対策に現在、鋭意開発実験中のシステムといたしましては、先ほど御報告いたしました五十年窒素酸化物の規制基準一・二グラム・パー・キロメートルを目標としたシステムの改良によって、〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成することは、きわめて困難でございますので、これら技術を改良し、積み重ねるだけではなくて、新たに非常に精密な管理限界をいかに確保するかが必要になってまいりますし、また、還元触媒などの新技術を採用することが必要と考えております。
これらの考えのもとに、私どもとしましては、次の四つのシステムを主として、その他幾つかの研究開発を鋭意進めておる次第でございます。
四つのシステムは、第一は、デュアルベッド触媒システム、第二は、三元触媒システム、第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加したシステム、第四は、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加するシステムでございます。
これらの個々の詳細につきましても、時間の関係上、省略させていただきますが、お手元の資料でごらんいただきたく存じます。
ここでは、四つのシステムの概要と技術上の課題等について、要点のみ御報告申し上げます。
まず、デュアルベッド触媒と申しますのは、基本的に一酸化炭素、炭化水素を低減するための触媒に窒素酸化物を低減するための還元触媒を追加したシステムでございますが、実験室における初期値では、窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルに達しているものも一部にはございますが、熱対策、性能劣化防止策、耐久性の保持が不十分であって、システムとしての総合適合性についても、さらに研究を要するところでありますし、システムのコントロール技術がきわめてきびしく要求されます関係上、これら制御技術も十分研究を進める必要がございます。
第二に、三元触媒システムでございますが、このシステムは炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物の三成分を同時に転換する特性を持った三元触媒を使用して、電子制御燃料噴射装置、酸素センサーを組み合わせ空燃比のフィードバック制御をきびしく行なう方式でございますが、三元触媒自体の耐久性が乏しいこと、空燃比コントロール技術がきわめてむずかしいので、さらに鋭意研究を進めてまいる所存でございます。
第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加する方式でございます。
第四の方式としては、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加する方式でございますが、この第三、第四の両方式とも、排気還流量をふやすことによって、運転性、燃費が大幅に悪化いたしまして、五十一年規制に対していまだ見通しが得られない状況でございます。
以上が、五十一年排気対策に関する私どもの現状でございますが、さきに環境庁長官殿より、現在開発中の五十年低公害車システムを基本として、当面窒素酸化物をどの程度低減できるかについて、新たに御下問をいただきました。この点につきましては、あらためてその線に沿った実験を追加して、鋭意努力を重ねております段階でございますので、技術的根拠をもってお答えすることはむずかしいわけでございますが、達成可能なめどといたしまして、五十年度規制値の二五%減程度、〇・九グラム・パー・キロメートルを考えております。
しかしながら、かりにこれを実施いたすことにきまったといたしましても、五十年規制車のフォローアップ体制、新しいEGRシステムの開発及びシステム全体の開発から生産に至る諸般の準備を考えますと、相当の準備期間を要しますので、最大の努力をいたしましても、実施時期は五十二年度からになるものと思われます。
当日産自動車の自動車排出ガス低減に関し、特に五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートル達成への企業姿勢及び開発状況につきましては、以上御報告申し上げたとおりでございますが、国民の健康保護及び生活環境保全をはかるため、企業の大切な社会的責任として、さらに一段と研究開発を促進して、もって御期待に沿うよう努力いたす所存でございます。
しかしながら、自動車は、その使用されている実情から考えますと、あらゆる職業の方々、そして性別、年令を問わず、幅広い方々によってみずから運転されているのが実態でございます。しかも、使用される外的条件は、地理的条件、気象条件、道路条件等、千差万別と申し上げても過言ではないと存じます。
あえて言わせていただくならば、専門家が運転される諸機器とは大いに異なり、特に安全性、信頼性、耐久性の点で技術を要請されているものと考えております。万一不十分な研究開発、耐久試験等によって安全性を欠くことがあるような場合、人身事故にもつながる可能性があることを考えますと、自動車メーカーとしての責任を遂行するためにも、慎重な上にも慎重なフォローアップを重ねなければならないと信ずるものでございます。
したがいまして、五十一年度窒素酸化物の規制につきましては、万全を期して努力いたしますので、いましばらくの御猶予を賜わりたく、ここにお願い申し上げまして、御報告を終わりといたします。
なお、お手元の資料でございますけれども、いまお話を申し上げました内容につきまして、それを図表にまとめたものでございまして、いろいろ研究段階と、現在の規制とわれわれのやっております実情等について、まとめて資料といたして御提出いたした次第でございまして、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
この発言だけを見る →参考人といたしまして、昭和五十一年度自動車排出ガス規制に取り組んでおります日産自動車の現状について御報告申し上げます。
現在、わが国の公害問題、特に大気汚染問題につきましては、自動車からの排出ガスがその一因であり、大気清浄化のために定められました規制値を一日も早く達成することが、私どもの大きな社会的責任であると思っております。
このために全社をあげて日夜努力を重ねてまいっておりますけれども、まことに遺憾ながら実験段階における初期値といたしましては、規制値を満足する値も一部得られておりますが、後ほど詳しく御報告申し上げますとおり、走行を重ねるにつれまして満足しなくなり、あるいは耐久上問題を生ずるという状態を来たし、または、運転性能が著しく落ちることによって、いまだ実用化できるめどをつかむに至っておらない状況にございます。全力を振りしぼって努力いたしておりますとは申しながら、大気清浄化計画の中で自動車に課せられております課題を満たし得ない点につきましては、まことに遺憾に存ずるものでございます。しかし、今後とも窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルの目標値を一日も早く達成すべく、全力をあげて開発に努力を引き続き傾注いたす所存でございますことを御報申し上げます。
いささか言いわけめいてたいへん恐縮でございますが、日産自動車の現状について、その内容を御報告させていただきます。
当社が排出ガス低減対策に取り組んでおります概要の一端につきまして申し上げますと、排出ガスを低減させるための技術開発には広範囲かつ多岐にわたる技術と、それに伴う各種の実験を必要といたしますので、中央研究所、設計実験等の各部門がそれぞれ業務を分担いたしまして研究開発を進めますとともに、これら部門の総合的な連携を深めて、より効果的な開発を促進させるために、排気対策委員会を設けて、総合的見地から万遺漏なきを期しております。
一方、自動車産業は総合産業でございますから、たとえば電子制御、触媒、各種制御機器等の排気対策に関連するメーカーさんとの協力体制も大切でございますので、安全公害対策会議並びに安全公害特別委員会を設けて、研究開発の促進をはかっている次第でございます。私は、このために必要とする研究開発費につきましては、技術陣の必要とするものは、すべて認めるという方針のもとに、排気対策関係に限りましても、昭和四十六年から四十九年、本年末でございますけれども、四百七億円余を投入してまいりました。
四十九年度について申し上げますと、全研究開発費の五三%となっておりまして、また研究開発人員といたしましては、現在約千六百名でございますが、日夜、一丸となって努力を重ねておる状況にございます。
ところで、昭和四十一年以降、わが国の自動車排出ガス規制は漸次強化されてまいりましたが、私どもは規制値を上回る諸対策を実施するとともに、実施時期の面でも、規制に先がけて、極力技術開発の段階に応じて実施できるものは先行採用いたしてまいりました。
これらの諸対策によってどの程度排出ガスが低減しているかについて数字で御報告いたしますと、昭和四十年に比較いたしまして、現在の私どもの自動車は、炭化水素約六〇%減、一酸化炭素約七〇%減、窒素酸化物では約四〇%減になっております。五十年排出ガス対策車ではさらに低減され、炭化水素、一酸化炭素では九〇%以上の減、窒素酸化物では約六〇%の減少となる見込みでございます。
それでは、続きまして、五十年排出ガス対策の概要について御報告申し上げます。
私どもといたしましては、五十年型車の排出ガス対策として、三つの方式を基本として進めております。
第一は、エンジン改良方式に酸化触媒を付加する方式、第二は、トーチ点火層状燃焼方式、NVCCで、第三はロータリーエンジンによる方式でございます。
これらの方式の詳細につきましては、すでに御提出申し上げました補足資料をごらんいただくことといたしまして、ここでは時間の関係もございますので、省略させていただきたく存じます。
これらの三方式のうち、現状では省資源の見地から、燃料消費量が最も少なく、また、これまでの開発成果が確立しておりますエンジン改良方式に酸化触媒を付加するシステムを主体として、トーチ点火層状燃焼方式とロータリーエンジンは、開発状況及びこれらの特徴を勘案いたしながら、一部の車種に採用いたしたく存じております。
いずれにいたしましても、五十年排気対策につきましては、規制値達成は可能でございます。
しかしながら、排出ガスを低減させますには、エンジン各部の改良と各種低減装置を採用いたしておりますが、このほかにも車両全般にわたる改造が必要となってまいります。主要な個所といたしましては、エンジンルームの形状、冷却システムの仕様、排気系統、触媒システム装着のための床部の形状、防熱板の採用等、数え上げたら限りがないほどでございまして、自動車全体に及ぶといっても一過言ではございません。現状では、五十年排出ガス対策車を実際の生産に移すために、工場の準備体制、部品供給体制の確立に全力を傾注いたしております。
この五十年排出ガス規制に対処するためには、先ほども御報告いたしましたが、革新的な技術の採用並びに大幅な車両としての改造が必要でございますが、このような大幅な変更は、私どもといたしましては初めての経験でございます。したがいまして、万全の配慮を払ってはおりますものの、革新的技術でありますので、たとえば予期し得なかったようなトラブルが多少なりとも懸念されるのであります。このような事態の発生を未然に防止するために種々の対策を施すなど、従来のいかなる新技術採用のときよりも、はるかに多くの努力を払わせております。
さらに、お客さまのあらゆる使用条件に対応するサービス体制を確立することが必要でございます。端的に申し上げますれば、品質の安定した生産体制、万全のサービス体制が伴わなければ、いかに優秀な排出ガス対策車を開発いたしましても、その効果を十分発揮することは保証できないと考えておるものでございます。
当社では昭和四十五年ごろから排気中の窒素酸化物を大幅に低減するにはどうしたらよいかという研究開発に着手いたしております。現在実験段階における初期値といたしましては規制値を満足する数値も一部得られてはおりますけれども、耐久性の問題とか、運転性が著しく劣るとか等対策技術の諸困難性から、本日までのところ、いまだ実用に供し得るめどをつかむには至らない状況にございます。五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成すべきことを緊急の責務と考え、最大の努力を重ねましたものの、かかる実情を御報告せざるを得ませんことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
五十一年排出ガス規制対策に現在、鋭意開発実験中のシステムといたしましては、先ほど御報告いたしました五十年窒素酸化物の規制基準一・二グラム・パー・キロメートルを目標としたシステムの改良によって、〇・二五グラム・パー・キロメートルを達成することは、きわめて困難でございますので、これら技術を改良し、積み重ねるだけではなくて、新たに非常に精密な管理限界をいかに確保するかが必要になってまいりますし、また、還元触媒などの新技術を採用することが必要と考えております。
これらの考えのもとに、私どもとしましては、次の四つのシステムを主として、その他幾つかの研究開発を鋭意進めておる次第でございます。
四つのシステムは、第一は、デュアルベッド触媒システム、第二は、三元触媒システム、第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加したシステム、第四は、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加するシステムでございます。
これらの個々の詳細につきましても、時間の関係上、省略させていただきますが、お手元の資料でごらんいただきたく存じます。
ここでは、四つのシステムの概要と技術上の課題等について、要点のみ御報告申し上げます。
まず、デュアルベッド触媒と申しますのは、基本的に一酸化炭素、炭化水素を低減するための触媒に窒素酸化物を低減するための還元触媒を追加したシステムでございますが、実験室における初期値では、窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートルに達しているものも一部にはございますが、熱対策、性能劣化防止策、耐久性の保持が不十分であって、システムとしての総合適合性についても、さらに研究を要するところでありますし、システムのコントロール技術がきわめてきびしく要求されます関係上、これら制御技術も十分研究を進める必要がございます。
第二に、三元触媒システムでございますが、このシステムは炭化水素、一酸化炭素及び窒素酸化物の三成分を同時に転換する特性を持った三元触媒を使用して、電子制御燃料噴射装置、酸素センサーを組み合わせ空燃比のフィードバック制御をきびしく行なう方式でございますが、三元触媒自体の耐久性が乏しいこと、空燃比コントロール技術がきわめてむずかしいので、さらに鋭意研究を進めてまいる所存でございます。
第三は、トーチ点火層状燃焼方式に排気還流装置を付加する方式でございます。
第四の方式としては、ロータリーエンジンに排気還流装置を付加する方式でございますが、この第三、第四の両方式とも、排気還流量をふやすことによって、運転性、燃費が大幅に悪化いたしまして、五十一年規制に対していまだ見通しが得られない状況でございます。
以上が、五十一年排気対策に関する私どもの現状でございますが、さきに環境庁長官殿より、現在開発中の五十年低公害車システムを基本として、当面窒素酸化物をどの程度低減できるかについて、新たに御下問をいただきました。この点につきましては、あらためてその線に沿った実験を追加して、鋭意努力を重ねております段階でございますので、技術的根拠をもってお答えすることはむずかしいわけでございますが、達成可能なめどといたしまして、五十年度規制値の二五%減程度、〇・九グラム・パー・キロメートルを考えております。
しかしながら、かりにこれを実施いたすことにきまったといたしましても、五十年規制車のフォローアップ体制、新しいEGRシステムの開発及びシステム全体の開発から生産に至る諸般の準備を考えますと、相当の準備期間を要しますので、最大の努力をいたしましても、実施時期は五十二年度からになるものと思われます。
当日産自動車の自動車排出ガス低減に関し、特に五十一年度窒素酸化物〇・二五グラム・パー・キロメートル達成への企業姿勢及び開発状況につきましては、以上御報告申し上げたとおりでございますが、国民の健康保護及び生活環境保全をはかるため、企業の大切な社会的責任として、さらに一段と研究開発を促進して、もって御期待に沿うよう努力いたす所存でございます。
しかしながら、自動車は、その使用されている実情から考えますと、あらゆる職業の方々、そして性別、年令を問わず、幅広い方々によってみずから運転されているのが実態でございます。しかも、使用される外的条件は、地理的条件、気象条件、道路条件等、千差万別と申し上げても過言ではないと存じます。
あえて言わせていただくならば、専門家が運転される諸機器とは大いに異なり、特に安全性、信頼性、耐久性の点で技術を要請されているものと考えております。万一不十分な研究開発、耐久試験等によって安全性を欠くことがあるような場合、人身事故にもつながる可能性があることを考えますと、自動車メーカーとしての責任を遂行するためにも、慎重な上にも慎重なフォローアップを重ねなければならないと信ずるものでございます。
したがいまして、五十一年度窒素酸化物の規制につきましては、万全を期して努力いたしますので、いましばらくの御猶予を賜わりたく、ここにお願い申し上げまして、御報告を終わりといたします。
なお、お手元の資料でございますけれども、いまお話を申し上げました内容につきまして、それを図表にまとめたものでございまして、いろいろ研究段階と、現在の規制とわれわれのやっております実情等について、まとめて資料といたして御提出いたした次第でございまして、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
角
大
大原榮一#14
○大原参考人 本日、自動車の五十一年度排出ガス規制に関しまして、意見を述べさせていただく機会を得ましたことは、たいへん光栄に存じます。
当社、富士重工業株式会社は、自動車、バス車体、トレーラー、航空機、鉄道車両、汎用エンジン等を製造販売しておる会社でございますが、そのうち、自動車部門は約七〇%を占める主力製品でございまして、その生産車種は、小型の大衆車並びに軽自動車となっております。
あらためて申し上げるまでもないことでございますが、この自動車の排出ガス対策は、大気の汚染防止上まことに重要な問題でございまして、しかも万全を期さなければならない問題でございまして、私どもの責務はきわめて大きいと痛感しておる次第でございます。
したがいまして、当社といたしましても、最重要かつ緊急を要する課題として、技術陣の主力を結集いたしまして強力な推進をはかってきておる次第でございます。このため研究開発費、人員等に全力投球をしてまいりましたが、この五年間の平均で、技術部隊といたしましては、約二百名、現在では三百名を投入いたしております。これは技術部隊の約五〇%に当たる人員でございます。研究費につきましては、四十五年度から四十九年度までのこの五年間に約五十億でございます。その他設備費も十億弱を投入いたしておりまして、研究費は年度ワクの約六〇%を排出ガス対策に使用しておる次第でございます。
当社におきます排出ガス対策について、その基本的な方針並びに現況について御説明を申し上げます。
当社は排出ガス対策のために各種の原動機を種々検討いたしました結果、その基本方針といたしまして、内燃機関を採用いたしまして、その内燃機関の改良、開発で進むことにいたしました。そして具備すべき基本的な要件といたしましては、種々の気象、運転条件下でも自動車として安全性を確保し得ること、そうして性能、燃費の劣化、あるいは価格の上昇を極力小さからしめるように基本的に考えて進めておる次第でございます。
次に、五十年度規制対策でございますが、以上の方針並びに要件に基づいて開発いたしましたのがシークシステムでございまして、スバル・エキゾースト・エミッション・コントロール・システム、略してSEECと称しております。
私どもでは小型自動車に低輩出特性を持ちました独特の水平対向アルミ合金エンジンを搭載いたしております。また軽乗用車につきましては、従来ツーサイクル・エンジンを搭載しておりましたが、五十年度規制に対処するため、いろいろと検討を重ねました結果として、多額の投資は伴いましたが、新しい設計のフォアサイクル・エンジンに変更いたしまして、現在すでにこれを発売いたしております。
私どものこのシークシステムは、これらのエンジンの特徴を生かしまして、エンジン本体のエミッションレベルを極力低減することを重点に開発いたしました排出ガス対策システムでございます。このシステムによりまして、すでに決定されておりますところの五十年度排出ガス規制に対応して、現在鋭意生産準備を進めておる次第でございます。
次に、五十一年度排出ガス規制の対策につきましては、還元触媒方式を中心として開発を続けてまいりました。排出ガスレベルにつきましては、一応初期値といたしましては良好なレベルに達することができましたが、耐久試験を行ないましたところ、劣化の進行がきわめて大きく、短期間で規制値を超過することが明らかでございます。約五千キロ未満で規制値を突破するわけでございます。この結果、このシステムの成功の可否は、一にかかって還元触媒の耐久性の改善に負うところが大きいということができると存じます。
当社といたしましては、これまでに内外の触媒メーカーから数十種類に及ぶ触媒を選択いたしまして、いろいろと試験研究を重ねてまいりましたが、残念ながら耐久性、信頼性がきわめて不満足でございます。これならという還元触媒を見出すに至っていないのが現状でございます。
したがいまして、当社におきましては、NOxの低減のためには還元触媒を使わないで、エンジンの改良と排気ガス再循環方式による制御法につきましても、各種の試験研究を重ねてきたわけでございます。この結果、CO、HCを規制値内に保とうとするためには、現状においてNOxの排出レベルは一キロメートル当たり〇・九グラムから一グラムぐらいが限度かと思われます。ただし、この場合でも、お手元に別に差し上げてございます表にございますとおり、運転性、燃費の劣化は免れ得ません。商品としての万全を期するためには、さらに相当期間の詰めが必要でございます。なお、軽自動車につきましては、機関容積等の制限がございますので、性能、運転性、安全性等の低下が特に問題で、その対策は一そう困難でございます。
最後に、結論といたしまして、五十年度排出ガス規制の対策車につきましては、すでに現在生産準備を進めている段階であることは申し上げましたが、次期の規制対策車につきましては、この五十年度規制対策車を発売後、市場において発生する諸問題及びその改善対策を実施、確認いたしまして、その結果を織り込んでいく必要があると存じます。これは何ぶんにも新しい技術でございますために、発売後の不特定多数のユーザーの千差万別な使用法による不測の問題に対処して、自動車としての安全運転を確保するため車検期間を考慮いたしまして、二年近くのフォローアップ期間が必要と考えております。
また量産面におきましても、耐久性、信頼性、製品のばらつきを狭めるため、すべての関連部品の品質管理を徹底して行なう必要がございます。そのためには量産着手後、少なくとも約二年間を必要とすると存じております。よって、当社の製品につきましては、五十二年十二月の生産車から一キロメートル当たり〇・九グラムの実現を期したいと考えておる次第でございます。
なお、私どもは軽自動車も生産しているメーカーの立場として一言申し上げさせていただきたいと存じます。
御承知のように、軽自動車は中小企業及び一般大衆の方々に愛されている実用車でございます。特に省資源、省エネルギーといった観点から、「節約の倫理」と「小さいことの価値」が再評価されつつあるわけでございます。しかし、排出ガス対策面では、その機関容積、車体寸法が小さくて、制限がございますので、装備性とか安全性等、技術的にはむずかしい問題をかかえておるわけでございます。
当社の軽自動車につきましては、すでに決定されております五十年度の規制に対しまして、小型乗用車系と同様にその対策に万全を期しておりますが、それ以降のNOx規制強化の検討の際には、これらの点について十分に御勘案をいただきまして、排出ガス規制基準制定と同時に、少なくとも機関容積を四百五十cc程度——ただいまの三百六十ccに対しまして、性能劣化二〇%を上のせしていただき、四百五十cc程度にまで増大することについて法制上の御配慮をお願いしたいと存ずる次第でございます。
最後に、自動車の排出ガス対策は、環境の改善、健康の維持のための至上命題でございます。私どもといたしましては、この点を十分認識しております。五十一年度排出ガス規制に対応するため、今後とも一全社をあげまして最善、最高の努力をいたしますが、以上申し上げましたような諸問題もございますので、諸先生方の御高配をお願いする次第でございます。
これをもって終わります。
この発言だけを見る →当社、富士重工業株式会社は、自動車、バス車体、トレーラー、航空機、鉄道車両、汎用エンジン等を製造販売しておる会社でございますが、そのうち、自動車部門は約七〇%を占める主力製品でございまして、その生産車種は、小型の大衆車並びに軽自動車となっております。
あらためて申し上げるまでもないことでございますが、この自動車の排出ガス対策は、大気の汚染防止上まことに重要な問題でございまして、しかも万全を期さなければならない問題でございまして、私どもの責務はきわめて大きいと痛感しておる次第でございます。
したがいまして、当社といたしましても、最重要かつ緊急を要する課題として、技術陣の主力を結集いたしまして強力な推進をはかってきておる次第でございます。このため研究開発費、人員等に全力投球をしてまいりましたが、この五年間の平均で、技術部隊といたしましては、約二百名、現在では三百名を投入いたしております。これは技術部隊の約五〇%に当たる人員でございます。研究費につきましては、四十五年度から四十九年度までのこの五年間に約五十億でございます。その他設備費も十億弱を投入いたしておりまして、研究費は年度ワクの約六〇%を排出ガス対策に使用しておる次第でございます。
当社におきます排出ガス対策について、その基本的な方針並びに現況について御説明を申し上げます。
当社は排出ガス対策のために各種の原動機を種々検討いたしました結果、その基本方針といたしまして、内燃機関を採用いたしまして、その内燃機関の改良、開発で進むことにいたしました。そして具備すべき基本的な要件といたしましては、種々の気象、運転条件下でも自動車として安全性を確保し得ること、そうして性能、燃費の劣化、あるいは価格の上昇を極力小さからしめるように基本的に考えて進めておる次第でございます。
次に、五十年度規制対策でございますが、以上の方針並びに要件に基づいて開発いたしましたのがシークシステムでございまして、スバル・エキゾースト・エミッション・コントロール・システム、略してSEECと称しております。
私どもでは小型自動車に低輩出特性を持ちました独特の水平対向アルミ合金エンジンを搭載いたしております。また軽乗用車につきましては、従来ツーサイクル・エンジンを搭載しておりましたが、五十年度規制に対処するため、いろいろと検討を重ねました結果として、多額の投資は伴いましたが、新しい設計のフォアサイクル・エンジンに変更いたしまして、現在すでにこれを発売いたしております。
私どものこのシークシステムは、これらのエンジンの特徴を生かしまして、エンジン本体のエミッションレベルを極力低減することを重点に開発いたしました排出ガス対策システムでございます。このシステムによりまして、すでに決定されておりますところの五十年度排出ガス規制に対応して、現在鋭意生産準備を進めておる次第でございます。
次に、五十一年度排出ガス規制の対策につきましては、還元触媒方式を中心として開発を続けてまいりました。排出ガスレベルにつきましては、一応初期値といたしましては良好なレベルに達することができましたが、耐久試験を行ないましたところ、劣化の進行がきわめて大きく、短期間で規制値を超過することが明らかでございます。約五千キロ未満で規制値を突破するわけでございます。この結果、このシステムの成功の可否は、一にかかって還元触媒の耐久性の改善に負うところが大きいということができると存じます。
当社といたしましては、これまでに内外の触媒メーカーから数十種類に及ぶ触媒を選択いたしまして、いろいろと試験研究を重ねてまいりましたが、残念ながら耐久性、信頼性がきわめて不満足でございます。これならという還元触媒を見出すに至っていないのが現状でございます。
したがいまして、当社におきましては、NOxの低減のためには還元触媒を使わないで、エンジンの改良と排気ガス再循環方式による制御法につきましても、各種の試験研究を重ねてきたわけでございます。この結果、CO、HCを規制値内に保とうとするためには、現状においてNOxの排出レベルは一キロメートル当たり〇・九グラムから一グラムぐらいが限度かと思われます。ただし、この場合でも、お手元に別に差し上げてございます表にございますとおり、運転性、燃費の劣化は免れ得ません。商品としての万全を期するためには、さらに相当期間の詰めが必要でございます。なお、軽自動車につきましては、機関容積等の制限がございますので、性能、運転性、安全性等の低下が特に問題で、その対策は一そう困難でございます。
最後に、結論といたしまして、五十年度排出ガス規制の対策車につきましては、すでに現在生産準備を進めている段階であることは申し上げましたが、次期の規制対策車につきましては、この五十年度規制対策車を発売後、市場において発生する諸問題及びその改善対策を実施、確認いたしまして、その結果を織り込んでいく必要があると存じます。これは何ぶんにも新しい技術でございますために、発売後の不特定多数のユーザーの千差万別な使用法による不測の問題に対処して、自動車としての安全運転を確保するため車検期間を考慮いたしまして、二年近くのフォローアップ期間が必要と考えております。
また量産面におきましても、耐久性、信頼性、製品のばらつきを狭めるため、すべての関連部品の品質管理を徹底して行なう必要がございます。そのためには量産着手後、少なくとも約二年間を必要とすると存じております。よって、当社の製品につきましては、五十二年十二月の生産車から一キロメートル当たり〇・九グラムの実現を期したいと考えておる次第でございます。
なお、私どもは軽自動車も生産しているメーカーの立場として一言申し上げさせていただきたいと存じます。
御承知のように、軽自動車は中小企業及び一般大衆の方々に愛されている実用車でございます。特に省資源、省エネルギーといった観点から、「節約の倫理」と「小さいことの価値」が再評価されつつあるわけでございます。しかし、排出ガス対策面では、その機関容積、車体寸法が小さくて、制限がございますので、装備性とか安全性等、技術的にはむずかしい問題をかかえておるわけでございます。
当社の軽自動車につきましては、すでに決定されております五十年度の規制に対しまして、小型乗用車系と同様にその対策に万全を期しておりますが、それ以降のNOx規制強化の検討の際には、これらの点について十分に御勘案をいただきまして、排出ガス規制基準制定と同時に、少なくとも機関容積を四百五十cc程度——ただいまの三百六十ccに対しまして、性能劣化二〇%を上のせしていただき、四百五十cc程度にまで増大することについて法制上の御配慮をお願いしたいと存ずる次第でございます。
最後に、自動車の排出ガス対策は、環境の改善、健康の維持のための至上命題でございます。私どもといたしましては、この点を十分認識しております。五十一年度排出ガス規制に対応するため、今後とも一全社をあげまして最善、最高の努力をいたしますが、以上申し上げましたような諸問題もございますので、諸先生方の御高配をお願いする次第でございます。
これをもって終わります。
角
河
河島喜好#16
○河島参考人 本田技研工業株式会社社長河島でございます。
当社は戦後、創業者でございます本田宗一郎の技術を母体といたしまして発足した会社でございます。近く創立二十六周年を迎えますまだ若い会社でございます。
企業規模でございますが、最近の年間売り上げでは約四千三百五十億円、そのうち二千四百億円が輸出でございます。約六割に相当するのでございます。
もともと当社は二輪車メーカーとして成長をしてまいった会社でございますが、十一年ほど前より小型四輪車の生産も開始をいたしたわけでございます。現在四輪車の売り上げに占めます割合は、約四割ということになっております。
自動車の排出ガス規制に関しまして、本年七月、環境庁長官よりの御要請に対しまして、私どもが御報告申し上げました昭和五十一年度規制対策に関する内容を要約して申し上げますと、次のようなものでございます。
すなわち当社では、CVCCシステムをもって五十一年規制値を実験室的には達成してはおりますが、いまの状態では、これが多量生産され、広く社会に受け入れられ、お客さまに喜んで使っていただける自動車とはいえないと現時点では判断しております。
私どもは社会的の責任の一つとして、公害対策の重要性を十分認識し、今後とも引き続き技術開発を積極的に進めてまいりますが、これの実現には、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要とするのでございます。
このような次第でございますので、今後とも適当な間隔で聴聞会のような機会をつくっていただき、その間の技術進歩の状況などを把握していただき、それに基づいて規制の適切なステップアップをはかっていただくようお願い申し上げたわけでございます。
また、私どもが現在生産しております小型車を中心にいたしまして、五十一年規制の暫定値について御説明申し上げました。
これは、当社はすでに五十年規制を満たす車としてシビックCVCC千五百を生産、販売いたしておりますが、そのNOx排出ガスに関する性能を踏まえまして、今後技術開発成果の投入、品質管理水準の向上によって車の性能を維持しつつ、到達し得るNOxのレベルとしては千五百cc、シビックCVCC車においては〇・六グラムパー・キロメートルを目標といたしております。
なお、この数値〇・六グラム・パー・キロメートルは、車両重量やエンジンの特性等から、必ずしもすべての車に共通して適用できるものとは考えておりません。したがいまして、かりに暫定規制値を御決定になるとすれば、前にお話しいたしましたような諸条件などをお考えいただきまして、妥当な水準をきめていただきたいものというふうに申し上げた次第でございます。
すでに御高承のとおり、私どもはこの排出ガス対策を進めるにあたって、幾つかの排出ガス防除技術を並行的に研究してまいりましたが、それらを総合的に評価した結果、最も望ましい方法として、やはりエンジン本体の燃焼過程を改善し、できるだけ排気をもとできれいにすることのできる方式が一番よいということを決定し、その実用化に研究開発の重点をもっぱらしぼってまいりました。これがCVCC方式でございます。そしてこれをホンダシビックの車体に搭載いたしまして実験を重ね、実用化の問題点を解明してきたものでございます。
排出ガス対策という新しいシステムの開発にあたって、それを構成する個々の部品や材料に、私どもの未知な分野をなるべく持たないことが、まず第一に大切なことだと考えました。未知な分野に属する技術を導入しないことによって将来意外な災いを起こさないで済ますことができると考えたからでございます。また、現在の生産ラインの大部分の設備が流用できて生産ができるということは、排気対策を時間的により早く実施できるという点をシステム選択の重要なファクターと考えた次第でございます。
当社の限られた研究開発力を集中し、力の分散防止をはかり、構造的には従来のレシプロエンジンの改造型によって排気対策とする方針をとってまいった次第でございます。
排出ガス特性の相反するCO、HC、NOxの三成分を同時に低く押えるために、薄い燃料と空気の混合比を使って、ゆっくりと燃やす、その場合の着火性能を確保するために、もう一つの小さな燃焼室を設けたもの、これがCVCCエンジンでございます。
CVCCシステムによる五十年対策車は、昨年末より生産を開始いたしまして、現在までに約一万五千台をお客様にお渡しいたしました。現在もこの生産、販売を継続しており、十月からは対米輸出車の生産を開始する予定でございます。
この低公害車の対米輸出車の生産開始の準備、それからシビックCVCC一五〇〇以外の車種の五十年規制への生産切りかえ及び五十一年対策技術の研究開発、これが現在の当社技術陣、研究陣の最大かつ最重点の業務となっておるわけでございます。
今日、国民的な関心事であり、かつ社会的な強い要請として承知しております五十一年規制の問題でございますが、当然私どもはこれに対して、企業として最大の努力をしなければならないことは十分に認識をいたしております。
五十一年規制対策として、私どもはこれを五十年規制対策の延長としてとらえ、すでに生産ラインに乗せたCVCC五十年規制対策エンジンを、さらに改良し、NOxのレベル低減の可能性を求めるという線に沿って努力してまいりました。
このアプローチが政府の規定する五十一年規制値〇・二五グラム・パー・キロメートルに対して、実験室で排出ガスNOxの数値だけはクリアするものが出ておりますけれども、自動車としての総合性能という見方からいたしますと、残念ながら不合格と判定せざるを得ません。言いかえますと、とてもこれでは社会が求めております自動車への期待を満たしきれず、このまま市場に出しても、とても使っていただけないであろうと判断せざるを得ないのが現状でございます。
この問題点と申しますのは、第一は、運転性能の低下でございます。第二が、燃料消費量の増大、第三が、エンジンの燃料供給装置の品質管理の困難さであり、第四は、付加装置の信頼性、耐久性の不安でございます。
これらはメーカーという立場から申し上げますと、とてもお客様に使っていただける状態の自動車ではないということでございますが、品質管理の困難さ、耐久性、信頼性等の問題は、これはメーカー自身が解決しなければならないことでございます。もし時間をいただけるならば、何らかの技術的方法を見出し、よりよい方向に近づけてまいりたいと存じておる次第でございます。
運転性能の低下や燃料消費量の増加等については、その完全な解決というものは、理論的には、はなはだむずかしいものがございます。今後いろいろの技術方策の組み合わせで改善の方向にあるはずとは考えておりますけれども、これは使用過程の未対策車との混合使用の状態における安全問題、交通の流れの不円滑、不経済性が問題となるところでございます。いずれも自動車に対します価値観の問題であり、公害対策の優先性から考えますれば、新しい価値観が社会に生まれてくるものと考え、またそう願っております。
CVCCシステムをもっての五十一年規制への挑戦は、社会、ユーザーに受け入れられる限界として、千五百ccクラスの軽量車においては〇・六グラム・パー・キロメートル付近に現在の困難件があると判断せざるを得ません。この困難を乗り越え、さらに〇・二五グラム・パー・キロメートルという排出レベルを実現するためには、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要といたしますが、環境の保護、交通安全、省資源の重要性は深く認識しており、したがって私どもは、私どもの責任を果たす意味合いからも、引き続き技術開発を積極的に進めて、〇・二五グラム・パー・キロメートルを目標として、一そうの努力を重ねてまいる所存でございます。
以上をもちまして、私どもの御報告とさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →当社は戦後、創業者でございます本田宗一郎の技術を母体といたしまして発足した会社でございます。近く創立二十六周年を迎えますまだ若い会社でございます。
企業規模でございますが、最近の年間売り上げでは約四千三百五十億円、そのうち二千四百億円が輸出でございます。約六割に相当するのでございます。
もともと当社は二輪車メーカーとして成長をしてまいった会社でございますが、十一年ほど前より小型四輪車の生産も開始をいたしたわけでございます。現在四輪車の売り上げに占めます割合は、約四割ということになっております。
自動車の排出ガス規制に関しまして、本年七月、環境庁長官よりの御要請に対しまして、私どもが御報告申し上げました昭和五十一年度規制対策に関する内容を要約して申し上げますと、次のようなものでございます。
すなわち当社では、CVCCシステムをもって五十一年規制値を実験室的には達成してはおりますが、いまの状態では、これが多量生産され、広く社会に受け入れられ、お客さまに喜んで使っていただける自動車とはいえないと現時点では判断しております。
私どもは社会的の責任の一つとして、公害対策の重要性を十分認識し、今後とも引き続き技術開発を積極的に進めてまいりますが、これの実現には、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要とするのでございます。
このような次第でございますので、今後とも適当な間隔で聴聞会のような機会をつくっていただき、その間の技術進歩の状況などを把握していただき、それに基づいて規制の適切なステップアップをはかっていただくようお願い申し上げたわけでございます。
また、私どもが現在生産しております小型車を中心にいたしまして、五十一年規制の暫定値について御説明申し上げました。
これは、当社はすでに五十年規制を満たす車としてシビックCVCC千五百を生産、販売いたしておりますが、そのNOx排出ガスに関する性能を踏まえまして、今後技術開発成果の投入、品質管理水準の向上によって車の性能を維持しつつ、到達し得るNOxのレベルとしては千五百cc、シビックCVCC車においては〇・六グラムパー・キロメートルを目標といたしております。
なお、この数値〇・六グラム・パー・キロメートルは、車両重量やエンジンの特性等から、必ずしもすべての車に共通して適用できるものとは考えておりません。したがいまして、かりに暫定規制値を御決定になるとすれば、前にお話しいたしましたような諸条件などをお考えいただきまして、妥当な水準をきめていただきたいものというふうに申し上げた次第でございます。
すでに御高承のとおり、私どもはこの排出ガス対策を進めるにあたって、幾つかの排出ガス防除技術を並行的に研究してまいりましたが、それらを総合的に評価した結果、最も望ましい方法として、やはりエンジン本体の燃焼過程を改善し、できるだけ排気をもとできれいにすることのできる方式が一番よいということを決定し、その実用化に研究開発の重点をもっぱらしぼってまいりました。これがCVCC方式でございます。そしてこれをホンダシビックの車体に搭載いたしまして実験を重ね、実用化の問題点を解明してきたものでございます。
排出ガス対策という新しいシステムの開発にあたって、それを構成する個々の部品や材料に、私どもの未知な分野をなるべく持たないことが、まず第一に大切なことだと考えました。未知な分野に属する技術を導入しないことによって将来意外な災いを起こさないで済ますことができると考えたからでございます。また、現在の生産ラインの大部分の設備が流用できて生産ができるということは、排気対策を時間的により早く実施できるという点をシステム選択の重要なファクターと考えた次第でございます。
当社の限られた研究開発力を集中し、力の分散防止をはかり、構造的には従来のレシプロエンジンの改造型によって排気対策とする方針をとってまいった次第でございます。
排出ガス特性の相反するCO、HC、NOxの三成分を同時に低く押えるために、薄い燃料と空気の混合比を使って、ゆっくりと燃やす、その場合の着火性能を確保するために、もう一つの小さな燃焼室を設けたもの、これがCVCCエンジンでございます。
CVCCシステムによる五十年対策車は、昨年末より生産を開始いたしまして、現在までに約一万五千台をお客様にお渡しいたしました。現在もこの生産、販売を継続しており、十月からは対米輸出車の生産を開始する予定でございます。
この低公害車の対米輸出車の生産開始の準備、それからシビックCVCC一五〇〇以外の車種の五十年規制への生産切りかえ及び五十一年対策技術の研究開発、これが現在の当社技術陣、研究陣の最大かつ最重点の業務となっておるわけでございます。
今日、国民的な関心事であり、かつ社会的な強い要請として承知しております五十一年規制の問題でございますが、当然私どもはこれに対して、企業として最大の努力をしなければならないことは十分に認識をいたしております。
五十一年規制対策として、私どもはこれを五十年規制対策の延長としてとらえ、すでに生産ラインに乗せたCVCC五十年規制対策エンジンを、さらに改良し、NOxのレベル低減の可能性を求めるという線に沿って努力してまいりました。
このアプローチが政府の規定する五十一年規制値〇・二五グラム・パー・キロメートルに対して、実験室で排出ガスNOxの数値だけはクリアするものが出ておりますけれども、自動車としての総合性能という見方からいたしますと、残念ながら不合格と判定せざるを得ません。言いかえますと、とてもこれでは社会が求めております自動車への期待を満たしきれず、このまま市場に出しても、とても使っていただけないであろうと判断せざるを得ないのが現状でございます。
この問題点と申しますのは、第一は、運転性能の低下でございます。第二が、燃料消費量の増大、第三が、エンジンの燃料供給装置の品質管理の困難さであり、第四は、付加装置の信頼性、耐久性の不安でございます。
これらはメーカーという立場から申し上げますと、とてもお客様に使っていただける状態の自動車ではないということでございますが、品質管理の困難さ、耐久性、信頼性等の問題は、これはメーカー自身が解決しなければならないことでございます。もし時間をいただけるならば、何らかの技術的方法を見出し、よりよい方向に近づけてまいりたいと存じておる次第でございます。
運転性能の低下や燃料消費量の増加等については、その完全な解決というものは、理論的には、はなはだむずかしいものがございます。今後いろいろの技術方策の組み合わせで改善の方向にあるはずとは考えておりますけれども、これは使用過程の未対策車との混合使用の状態における安全問題、交通の流れの不円滑、不経済性が問題となるところでございます。いずれも自動車に対します価値観の問題であり、公害対策の優先性から考えますれば、新しい価値観が社会に生まれてくるものと考え、またそう願っております。
CVCCシステムをもっての五十一年規制への挑戦は、社会、ユーザーに受け入れられる限界として、千五百ccクラスの軽量車においては〇・六グラム・パー・キロメートル付近に現在の困難件があると判断せざるを得ません。この困難を乗り越え、さらに〇・二五グラム・パー・キロメートルという排出レベルを実現するためには、さらに新しい研究開発成果の誕生を必要といたしますが、環境の保護、交通安全、省資源の重要性は深く認識しており、したがって私どもは、私どもの責任を果たす意味合いからも、引き続き技術開発を積極的に進めて、〇・二五グラム・パー・キロメートルを目標として、一そうの努力を重ねてまいる所存でございます。
以上をもちまして、私どもの御報告とさせていただきたいと思います。
角
久
久保富夫#18
○久保参考人 私は、三菱自動車工業の久保でございます。三菱自動車工業といたしましても、自動車の排出ガス問題を私たちに課せられた最重要の課題と信じ、社の総力を結集して研究開発につとめております。
当社は、一方において三菱重工業、三菱電機等のいわゆる三菱グループを含む関係諸会社の協力を得て研究を進めておりますし、他方において、すでに昭和四十三年から世界の他企業との研究グループ、すなわち、インター・インダストリー・エミッション・コントロール・プログラム、略称IIECPというグループに加盟して、米国のフォード社、モービルオイル社、イタリアのワイアット社並びにわが国の日産自動車、東洋工業社等とともに、排気ガス対策技術の共同研究も行なっております。
これらの研究開発を行なうために当社が投入しております費用と人員について申し上げますと、昭和四十二年から四十八年までにガソリンエンジンの排出ガス対策のための研究開発費は百六十六億円に達しており、昭和四十九年度は約三十五億円の研究投資を行なうこととしております。また人員は、常時約二百三十人の技術者を投入し、最大限の努力をしております。
研究開発方針について申し上げますと、当社も広範囲にわたって数多くの研究プロジェクトを設けております。将来エンジンについては、たとえばガスタービンであるとか電気自動車等の研究を行なっており、またガソリン・レシプロエンジンについても、燃焼に関する各種の方法について研究を実施しております。しかしながら、当面の規制に対する最も具体性のある方式としては、レシプロエンジンの排出ガスを可能な限りきれいにすることに重点を置き、それで規制を満足できない分は、あと処理装置を取りつけて改善する方法を進めております。
現在、生産販売中のものは、すでに排出ガスに重点を置いた、従来どちらかというと、出力に重点を置いたものにかえて、排出ガスに重点を置いたエンジン設計に改めたものでありまして、これをMCAI、三菱クリーンエアー型と名づけております。このMCAIにエアポンプを取りつけて、さらに排出ガスをきれいにしたものをMCAIIと名づけて、国内には昭和四十七年から販売しており、これと同様のものをカリフォルニア州を除く米国の四十九州向けに一九七五年対策車、日本における五十年度対策車に該当するものでありますが、として輸出する予定であります。
わが国の五十年度規制に対しましては、排出ガス再燃焼装置、すでに説明がありましたサーマルリアクターを取りつけ、またNOx低減のために排出ガス再循環装置、EGRを使用する予定であり、これをMCAIIBと称しております。この方式による千六百ccの低公害車は、運輸省から五十年度規制適格車として、型式指定並びに税制優遇車としての認定を得ましたので、去る八月三十日国内に発表し、まさに発売を開始しようといたしております。なお、このMCAIIBをやや簡素化した方法で、米国としては最もきびしいカリフォルニア州の一九七五年、わが国の五十年に対応する規制に対応させていく予定でございます。
五十一年度規制に対しては、さらに範囲を広めて各種の方法につき研究中でありますが、本日は、次の二つの方法について御説明を申し上げます。
第一の方法は、サーマルリアクターとEGRによるもので、つまり五十年度対策車と同様の方法でありますが、これをより一そう改良していくものであり、第二の方法は、還元触媒と酸化触媒を使う方法であります。これらについては数多くの実験を行ないましたが、現在時点では次の状況にございます。
第一の方法では、NOxを五十一年度規制目標値、すなわち〇・二五グラム・パー・キロメートル以下にすることは実験室においても、まだ達成しておりません。今後一そうの研究を進める所存でありますが、現時点では〇・九グラム・パー・キロメートル程度ならば、軽自動車から二千cc級の範囲で五十一年度から実施可能の見込みでございます。
また第二の触媒方式についても、世界じゅうの触媒メーカーから多種類の試作品の供給を受けて研究しております。この方法では還元触媒が新しいうちは、NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルを満足するものができておりますが、長距離走行した際に浄化性能が低下し、〇・二五グラム・パー・キロメートルを超過し、まだ耐久性のいい安全な触媒が確保されていませんので、さらに研究を続けていく所存であります。
これらの研究には、理論的にも技術的にも未知の分野があり、発明と発見にまたねばならぬ点が多々ありますので、今後の研究見通しを立てることもなかなか容易でございません。これまで当社がMCAシステムで申請した特許と実用新案だけでも百五十件に及んでおります。また実験室でいい成績が出ても、これを実用化するまでに多くの車を用いて実用性と耐久性についてのテストが必要であります。当社でも、この五年間に延べ約一千台、走行距離一千万キロメートルの走行テストを昼夜兼行で行なってまいりました。
このように五十一年度規制に対応するための研究開発は複雑であり、また時日を要するものでありますが、社をあげて、あらゆる努力を傾けていることを御理解いただきたいと存じます。
最後に、五十一年度規制に対する希望を申し上げます。
NOxが〇・二五グラム・パー・キロメートルという目標値は実験室でも、私のほうではまだ到達していないのが現状であり、目標値の達成が可能か不可能かの見通しを得るまでに今後少なくも二カ年ぐらいの研究を必要とする見込みでございます。技術開発の進展により、すでに昭和四十八年度NOx二・一八グラム・パー・キロメートルから五十年度は一・二〇グラム・パー・キロメートルまで約四五%低減される見込みでありますが、今後の低減は、ますますむずかしくなるものと予想しております。したがって、今後のNOx規制は、開発状況に対応して段階的に策定されることを希望します。
当社といたしましては、五十一年度の暫定規制値としてNOx〇・九グラム・パー・キロメートルを希望しますが、引き続き研究を進め、さらに少しでもNOxを減少させるよう努力をする所存でございます。
以上で、私の説明を終わります。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →当社は、一方において三菱重工業、三菱電機等のいわゆる三菱グループを含む関係諸会社の協力を得て研究を進めておりますし、他方において、すでに昭和四十三年から世界の他企業との研究グループ、すなわち、インター・インダストリー・エミッション・コントロール・プログラム、略称IIECPというグループに加盟して、米国のフォード社、モービルオイル社、イタリアのワイアット社並びにわが国の日産自動車、東洋工業社等とともに、排気ガス対策技術の共同研究も行なっております。
これらの研究開発を行なうために当社が投入しております費用と人員について申し上げますと、昭和四十二年から四十八年までにガソリンエンジンの排出ガス対策のための研究開発費は百六十六億円に達しており、昭和四十九年度は約三十五億円の研究投資を行なうこととしております。また人員は、常時約二百三十人の技術者を投入し、最大限の努力をしております。
研究開発方針について申し上げますと、当社も広範囲にわたって数多くの研究プロジェクトを設けております。将来エンジンについては、たとえばガスタービンであるとか電気自動車等の研究を行なっており、またガソリン・レシプロエンジンについても、燃焼に関する各種の方法について研究を実施しております。しかしながら、当面の規制に対する最も具体性のある方式としては、レシプロエンジンの排出ガスを可能な限りきれいにすることに重点を置き、それで規制を満足できない分は、あと処理装置を取りつけて改善する方法を進めております。
現在、生産販売中のものは、すでに排出ガスに重点を置いた、従来どちらかというと、出力に重点を置いたものにかえて、排出ガスに重点を置いたエンジン設計に改めたものでありまして、これをMCAI、三菱クリーンエアー型と名づけております。このMCAIにエアポンプを取りつけて、さらに排出ガスをきれいにしたものをMCAIIと名づけて、国内には昭和四十七年から販売しており、これと同様のものをカリフォルニア州を除く米国の四十九州向けに一九七五年対策車、日本における五十年度対策車に該当するものでありますが、として輸出する予定であります。
わが国の五十年度規制に対しましては、排出ガス再燃焼装置、すでに説明がありましたサーマルリアクターを取りつけ、またNOx低減のために排出ガス再循環装置、EGRを使用する予定であり、これをMCAIIBと称しております。この方式による千六百ccの低公害車は、運輸省から五十年度規制適格車として、型式指定並びに税制優遇車としての認定を得ましたので、去る八月三十日国内に発表し、まさに発売を開始しようといたしております。なお、このMCAIIBをやや簡素化した方法で、米国としては最もきびしいカリフォルニア州の一九七五年、わが国の五十年に対応する規制に対応させていく予定でございます。
五十一年度規制に対しては、さらに範囲を広めて各種の方法につき研究中でありますが、本日は、次の二つの方法について御説明を申し上げます。
第一の方法は、サーマルリアクターとEGRによるもので、つまり五十年度対策車と同様の方法でありますが、これをより一そう改良していくものであり、第二の方法は、還元触媒と酸化触媒を使う方法であります。これらについては数多くの実験を行ないましたが、現在時点では次の状況にございます。
第一の方法では、NOxを五十一年度規制目標値、すなわち〇・二五グラム・パー・キロメートル以下にすることは実験室においても、まだ達成しておりません。今後一そうの研究を進める所存でありますが、現時点では〇・九グラム・パー・キロメートル程度ならば、軽自動車から二千cc級の範囲で五十一年度から実施可能の見込みでございます。
また第二の触媒方式についても、世界じゅうの触媒メーカーから多種類の試作品の供給を受けて研究しております。この方法では還元触媒が新しいうちは、NOx〇・二五グラム・パー・キロメートルを満足するものができておりますが、長距離走行した際に浄化性能が低下し、〇・二五グラム・パー・キロメートルを超過し、まだ耐久性のいい安全な触媒が確保されていませんので、さらに研究を続けていく所存であります。
これらの研究には、理論的にも技術的にも未知の分野があり、発明と発見にまたねばならぬ点が多々ありますので、今後の研究見通しを立てることもなかなか容易でございません。これまで当社がMCAシステムで申請した特許と実用新案だけでも百五十件に及んでおります。また実験室でいい成績が出ても、これを実用化するまでに多くの車を用いて実用性と耐久性についてのテストが必要であります。当社でも、この五年間に延べ約一千台、走行距離一千万キロメートルの走行テストを昼夜兼行で行なってまいりました。
このように五十一年度規制に対応するための研究開発は複雑であり、また時日を要するものでありますが、社をあげて、あらゆる努力を傾けていることを御理解いただきたいと存じます。
最後に、五十一年度規制に対する希望を申し上げます。
NOxが〇・二五グラム・パー・キロメートルという目標値は実験室でも、私のほうではまだ到達していないのが現状であり、目標値の達成が可能か不可能かの見通しを得るまでに今後少なくも二カ年ぐらいの研究を必要とする見込みでございます。技術開発の進展により、すでに昭和四十八年度NOx二・一八グラム・パー・キロメートルから五十年度は一・二〇グラム・パー・キロメートルまで約四五%低減される見込みでありますが、今後の低減は、ますますむずかしくなるものと予想しております。したがって、今後のNOx規制は、開発状況に対応して段階的に策定されることを希望します。
当社といたしましては、五十一年度の暫定規制値としてNOx〇・九グラム・パー・キロメートルを希望しますが、引き続き研究を進め、さらに少しでもNOxを減少させるよう努力をする所存でございます。
以上で、私の説明を終わります。どうもありがとうございました。
角
角
角屋堅次郎#20
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
参考人に対する質疑を行ないます。なお、本日の質疑時間につきましては、理事会での申し合わせもございますので、その線を踏まえまして、質疑を行なわれるようお願いいたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。登坂重次郎君。
この発言だけを見る →参考人に対する質疑を行ないます。なお、本日の質疑時間につきましては、理事会での申し合わせもございますので、その線を踏まえまして、質疑を行なわれるようお願いいたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。登坂重次郎君。
登
登坂重次郎#21
○登坂委員 本日は、当公害対策並びに環境保全特別委員会に参考人の各位には御出席いただきまして、種々有益なる意見の御開陳を承り、感謝にたえません。
さて、本日当国会においでいただいた趣旨は、御案内のとおり、目下自動車公害というものに対しまして、国民的宿望であるところのこの公害をぜひとも解決してもらいたい、また解決せねばならない、こういうふうな気持ちで、皆さんとともに、本日はお願いかたがたあるいは意見の交換を交えながら、公開の国民の前に皆さま方の決意のほどを御披瀝願いたい。同時に、私ども公害関係を担当する委員会といたしましても、与野党を問わず、国民の健康保全、環境の改善ということについてのそういう趣旨から今日の御出席をいただいたわけでありまするから、その点ひとつ御協力のほどをお願いいたしたいと思います。
さて、今日、わが国の自動車工業は、皆さんの御努力によって非常に著しい進歩を遂げまして、昨年度の統計を見ますると、二千六百二十八万台という、世界においても有数な自動車生産国となったのであります。
わが国の現状は、国土が狭隘であり、また都市政策においても欧米各国とは違いまして、自動車のこういう激増することを対象としていなかったという、そういう環境の差異もありますので、この際、皆さま方の自動車生産に伴いまする激増と同時に公害ということが国民の間に非常に大きく関心事となり、かつまた都市公害、人口過密のところにおきましては、工場地帯等においては、川崎市あるいは四日市市、そういうところにおいては非常な健康被害を続出するに至ったのであります。もちろん自動車のみの原因とは思いませんけれども、今日、世界にも類例のないところの健康被害補償法という法律を、われわれは制定しなければならなくなった、あるいは大気汚染の総量規制という、そういうきびしい規制をわれわれはこの国会において制定いたしたのであります。
こういう中にありまして、その公害の発生源たる種々の原因はあります。けれども、まず自動車公害についての国民の要望は、何とかしてNOx、CO、HCをもう少しきびしく規制してもらいたいというのが一般の世論となっておるわけであります。そこで、これは先進国アメリカにおいても、そういう背景のもとに、かつてマスキー法という法律が提唱され、それが世界の世論となって、わが国においても環境庁を中心にこの規制の基準をきめたのであります。
それに関しまして、きょう承りました各参考人の皆さま方は、非常に努力しておられるということはよくわかるのでありまするが、ただ内容を承ってみますると、いずれも環境基準に対しましては、きびしく批判的である。それは技術的において現段階では不可能であるというふうに私どもは受け取ったのであります。それは、今後国民の健康を保持する上においてその環境基準なるNOx〇・二五ははたして正しいのかどうか。これは今後また学者の論をまつところでありましょうけれども、しかし目標は高いところに掲げておかなければならない。また参考人各位も、その目標に向かって努力されておることは、よく承ったのでありまするが、ただ、皆さま方の今日の態度といたしまして、環境庁にそのタイムリミットに対する延期の要望とか、あるいは環境庁に対する不信感か、そういうものが何かあるやに世間には流布されておるのであります。いわゆる国民の間には正しくこれを理解されていないものもありましょうし、その真意が那辺にあるか、これを私はまず伺いたいのであります。
そこで、先ほど来の御陳述の中で、トヨタさんあるいは日産さん等の大量メーカーの方が、ややもすれば、〇・九ないし一・〇程度にしか目標値を置くことが、いまの場合では不可能である。あるいはロータリーエンジンは〇・六、CVCCも〇・六までは不可能である、こういう技術的な見解の表明があったことを承っております。
でありますから、こういう各社のいわゆる研究目標、あるいはその主眼とする研究目標が、はたしてそれで来年度あるいは二年後あるいは何年か後には同じ基準にまで達し得るという、そういう自信があるのかどうか、それから、まずひとつお伺い申し上げたいと思います。まずトヨタさんと日産さんにお願いいたします。
この発言だけを見る →さて、本日当国会においでいただいた趣旨は、御案内のとおり、目下自動車公害というものに対しまして、国民的宿望であるところのこの公害をぜひとも解決してもらいたい、また解決せねばならない、こういうふうな気持ちで、皆さんとともに、本日はお願いかたがたあるいは意見の交換を交えながら、公開の国民の前に皆さま方の決意のほどを御披瀝願いたい。同時に、私ども公害関係を担当する委員会といたしましても、与野党を問わず、国民の健康保全、環境の改善ということについてのそういう趣旨から今日の御出席をいただいたわけでありまするから、その点ひとつ御協力のほどをお願いいたしたいと思います。
さて、今日、わが国の自動車工業は、皆さんの御努力によって非常に著しい進歩を遂げまして、昨年度の統計を見ますると、二千六百二十八万台という、世界においても有数な自動車生産国となったのであります。
わが国の現状は、国土が狭隘であり、また都市政策においても欧米各国とは違いまして、自動車のこういう激増することを対象としていなかったという、そういう環境の差異もありますので、この際、皆さま方の自動車生産に伴いまする激増と同時に公害ということが国民の間に非常に大きく関心事となり、かつまた都市公害、人口過密のところにおきましては、工場地帯等においては、川崎市あるいは四日市市、そういうところにおいては非常な健康被害を続出するに至ったのであります。もちろん自動車のみの原因とは思いませんけれども、今日、世界にも類例のないところの健康被害補償法という法律を、われわれは制定しなければならなくなった、あるいは大気汚染の総量規制という、そういうきびしい規制をわれわれはこの国会において制定いたしたのであります。
こういう中にありまして、その公害の発生源たる種々の原因はあります。けれども、まず自動車公害についての国民の要望は、何とかしてNOx、CO、HCをもう少しきびしく規制してもらいたいというのが一般の世論となっておるわけであります。そこで、これは先進国アメリカにおいても、そういう背景のもとに、かつてマスキー法という法律が提唱され、それが世界の世論となって、わが国においても環境庁を中心にこの規制の基準をきめたのであります。
それに関しまして、きょう承りました各参考人の皆さま方は、非常に努力しておられるということはよくわかるのでありまするが、ただ内容を承ってみますると、いずれも環境基準に対しましては、きびしく批判的である。それは技術的において現段階では不可能であるというふうに私どもは受け取ったのであります。それは、今後国民の健康を保持する上においてその環境基準なるNOx〇・二五ははたして正しいのかどうか。これは今後また学者の論をまつところでありましょうけれども、しかし目標は高いところに掲げておかなければならない。また参考人各位も、その目標に向かって努力されておることは、よく承ったのでありまするが、ただ、皆さま方の今日の態度といたしまして、環境庁にそのタイムリミットに対する延期の要望とか、あるいは環境庁に対する不信感か、そういうものが何かあるやに世間には流布されておるのであります。いわゆる国民の間には正しくこれを理解されていないものもありましょうし、その真意が那辺にあるか、これを私はまず伺いたいのであります。
そこで、先ほど来の御陳述の中で、トヨタさんあるいは日産さん等の大量メーカーの方が、ややもすれば、〇・九ないし一・〇程度にしか目標値を置くことが、いまの場合では不可能である。あるいはロータリーエンジンは〇・六、CVCCも〇・六までは不可能である、こういう技術的な見解の表明があったことを承っております。
でありますから、こういう各社のいわゆる研究目標、あるいはその主眼とする研究目標が、はたしてそれで来年度あるいは二年後あるいは何年か後には同じ基準にまで達し得るという、そういう自信があるのかどうか、それから、まずひとつお伺い申し上げたいと思います。まずトヨタさんと日産さんにお願いいたします。
豊
豊田英二#22
○豊田参考人 お答えを申し上げます。
ただいま御質問がありました、今後の見込みの問題でありますが、私どもは従来環境庁でお示しをいただきました〇・二五という数値を目標にしぼりまして努力をしてまいりましたので、先ほども御説明申し上げましたように、新たに暫定値についての意見を言えというようなお話が出まして、私どもはいろいろ検討をいたしました。しかしながら、現在五十年対策で到達しております程度ならば、もちろんできるわけでありまして、それは現在一部の車種については一・〇ないし一・であります。さらに私ども一は〇・九を目標にいたしまして至急検討を続けていきたいというふうに思っておりますが、そのためには一年ほどの余裕をいただきまして、その結果について御報告さしていただくようにしたいということを申し上げた次第であります。
はなはだ簡単でありますが、これで終わらしていただきます。
この発言だけを見る →ただいま御質問がありました、今後の見込みの問題でありますが、私どもは従来環境庁でお示しをいただきました〇・二五という数値を目標にしぼりまして努力をしてまいりましたので、先ほども御説明申し上げましたように、新たに暫定値についての意見を言えというようなお話が出まして、私どもはいろいろ検討をいたしました。しかしながら、現在五十年対策で到達しております程度ならば、もちろんできるわけでありまして、それは現在一部の車種については一・〇ないし一・であります。さらに私ども一は〇・九を目標にいたしまして至急検討を続けていきたいというふうに思っておりますが、そのためには一年ほどの余裕をいただきまして、その結果について御報告さしていただくようにしたいということを申し上げた次第であります。
はなはだ簡単でありますが、これで終わらしていただきます。
岩
岩越忠恕#23
○岩越参考人 ただいま登坂先生からの御質問でございますけれども、当社といたしましては、環境基準に示されております内容につきまして、いささかの疑問も持っておりませんで、ぜひこれをクリアいたしたいというふうに考えて努力をいたしております。
しかし、先ほど申しましたように、当社といたしましての研究段階から、当社は車種を非常にたくさん持っておりますので、そのいずれにもクリアするということが会社としては求められることでございまして、そういう意味から従来は〇・二五をどうしてもやらなければいけないんだということで研究をいたしておりましたので、五十一年の暫定値ということの御質問がございまして、暫定的にそういう数値を求められますと、それに対しての実験、研究を重ねてから、お答えするのがほんとうでありますけれども、とりあえず現在の状況から判断して開発目標をきめて、それを進めたいということで、先般の数値をお答えした次第でございまして、研究の努力目標というものは初めにお示しになった〇・二五をやり遂げたいということで、いささかの妥協も許さないという態度で従来研究いたしました結果、先般お答えいたしたようなことになった次第でございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →しかし、先ほど申しましたように、当社といたしましての研究段階から、当社は車種を非常にたくさん持っておりますので、そのいずれにもクリアするということが会社としては求められることでございまして、そういう意味から従来は〇・二五をどうしてもやらなければいけないんだということで研究をいたしておりましたので、五十一年の暫定値ということの御質問がございまして、暫定的にそういう数値を求められますと、それに対しての実験、研究を重ねてから、お答えするのがほんとうでありますけれども、とりあえず現在の状況から判断して開発目標をきめて、それを進めたいということで、先般の数値をお答えした次第でございまして、研究の努力目標というものは初めにお示しになった〇・二五をやり遂げたいということで、いささかの妥協も許さないという態度で従来研究いたしました結果、先般お答えいたしたようなことになった次第でございます。
以上でございます。
登
登坂重次郎#24
○登坂委員 次に、エンジンシステムのツーサイクルとフォアサイクルによって、片やHCはよろしい、片やNOxは不可能である、むずかしいという御意見を承ったのであります。まず鈴木さんに、あるいはその他のツーサイクルエンジンのメーカーの各位にお願いしたいのでありますけれども、五十年度規制はもう来年に迫ったのでありますが、はたしてツーサイクルで、現在のままでHCが環境基準に達する自信があるのかないのか。それは可能であるのかないのか。その点をまず鈴木さんから伺いたいと思うのであります。
この発言だけを見る →鈴
鈴木修#25
○鈴木参考人 お答えをさしていただきます。
当初にありましたツーサイクルエンジンの測定法としてホット・テン・モードの測定法がございますが、これはかなり長い前からのことでございまして、現在の段階ではHCをテンモードの対策として進めておるのが実情でございます。ただし、私どもでも、いままで延べ二百台ぐらいのものをつくって実験を繰り返しておるわけでございますが、現在のところ耐熱の問題とバランスがよくない、いわゆる流れる量が安定しないために燃えないときが出てくる。こういうようなことで、実は非常に困難に思っております。
なお、先ほども御説明申し上げましたように、コールド・イレブン・モードの測定法というものは、ことしの一月、実は告示をされまして、現在のところまだ半年ばかりしかたっておりませんのですが、ツーサイクルの場合は、午前中にも御説明申し上げましたように、始動直後の非常に冷えている段階をイレブンモードでやるために、テンモードと違いまして、またもう一つ新しい装置をつけなくてはならない。こういう状況でございますので、今日のところは、テンモードのテストを繰り返しているのが実態でございます。以上です。
この発言だけを見る →当初にありましたツーサイクルエンジンの測定法としてホット・テン・モードの測定法がございますが、これはかなり長い前からのことでございまして、現在の段階ではHCをテンモードの対策として進めておるのが実情でございます。ただし、私どもでも、いままで延べ二百台ぐらいのものをつくって実験を繰り返しておるわけでございますが、現在のところ耐熱の問題とバランスがよくない、いわゆる流れる量が安定しないために燃えないときが出てくる。こういうようなことで、実は非常に困難に思っております。
なお、先ほども御説明申し上げましたように、コールド・イレブン・モードの測定法というものは、ことしの一月、実は告示をされまして、現在のところまだ半年ばかりしかたっておりませんのですが、ツーサイクルの場合は、午前中にも御説明申し上げましたように、始動直後の非常に冷えている段階をイレブンモードでやるために、テンモードと違いまして、またもう一つ新しい装置をつけなくてはならない。こういう状況でございますので、今日のところは、テンモードのテストを繰り返しているのが実態でございます。以上です。
登
伊
伊瀬芳吉#27
○伊瀬参考人 お答えさせていただきます。
われわれとしましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ一生懸命に、その目標に到達するということでやらしていただいているいま現状でございますが、ただいまの見通しとしますと、先ほど来繰り返しいろいろと話が出ましたように、ツーサイクルの特性としてのハイドロカーボンによる高熱問題、これに対する材料問題等々がありまして、非常にむずかしいという判断をいたしております。残るがんばりは続けますけれども、実情について、ぜひそういう点の御高配を賜わりたいというのが私のいまの気持ちでございます。
この発言だけを見る →われわれとしましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ一生懸命に、その目標に到達するということでやらしていただいているいま現状でございますが、ただいまの見通しとしますと、先ほど来繰り返しいろいろと話が出ましたように、ツーサイクルの特性としてのハイドロカーボンによる高熱問題、これに対する材料問題等々がありまして、非常にむずかしいという判断をいたしております。残るがんばりは続けますけれども、実情について、ぜひそういう点の御高配を賜わりたいというのが私のいまの気持ちでございます。
登
登坂重次郎#28
○登坂委員 自動車は、私ども非科学的な人間から考えますと、非常に高度な芸術的なものである、スピードがあり、あらゆる科学の粋を集めたものである。でありますから、そのむずかしさについては、一般の国民も了承してくれると思うのでありますが、今日、自動車はすでに私どもの生活の中に入った必需品となったのであります。でありますから、国民の願いとしては、いつも安全な耐久性を要求し、そして人にも健康被害を与えないような、そういう車であってほしい、これはひとしく使用者であるわれわれ国民の願望であろうと思います。
でありますから、環境基準はきつい、あるいはこういうものの考え方の基本となるべき環境庁の、皆さまのそういう研究の標準となるべきものがあってほしいと思うのでありますが、現在政府に、そういう自動車公害防除のための研究のセンターなり、あるいは自動車研究所なり、皆さま方が御相談になれるような政府機関がおありでありましょうかどうか、どなたかひとつ。松田さん、ひとつそういうものをどういうふうにお考えになるか。
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松