大蔵委員会

1975-04-15 衆議院 全142発言

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会議録情報#0
昭和五十年四月十五日(火曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 浜田 幸一君
   理事 村山 達雄君 理事 山下 元利君
   理事 山本 幸雄君 理事 佐藤 観樹君
   理事 山田 耻目君 理事 増本 一彦君
      大石 千八君    鴨田 宗一君
      瓦   力君    小泉純一郎君
      齋藤 邦吉君    塩谷 一夫君
      中川 一郎君    原田  憲君
      宮崎 茂一君    毛利 松平君
      高沢 寅男君    広瀬 秀吉君
      藤田 高敏君    武藤 山治君
      村山 喜一君    山中 吾郎君
      荒木  宏君    小林 政子君
      坂口  力君    広沢 直樹君
      内海  清君    竹本 孫一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  森  美秀君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       西沢 公慶君
        大蔵省主計局次
        長       辻  敬一君
        大蔵省主税局長 中橋敬次郎君
        国税庁次長   磯辺 律男君
        国税庁間税部長 星野 孝俊君
 委員外の出席者
        日本専売公社副
        総裁      泉 美之松君
        日本専売公社総
        務理事     斎藤 欣一君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    —————————————
委員の異動
四月十五日
 辞任         補欠選任
  内海  清君     小宮 武喜君
同日
 辞任         補欠選任
  小宮 武喜君     内海  清君
    —————————————
三月二十九日
 企業組合に対する課税の適正化に関する請願
 (田中伊三次君紹介)(第一七二〇号)
 同(梅田勝君紹介)(第一七三六号)
 同(梅田勝君紹介)(第一七五五号)
 同(梅田勝君紹介)(第一八〇五号)
 同(村上弘君紹介)(第一八〇六号)
 同(梅田勝君紹介)(第一八三九号)
 同(梅田勝君紹介)(第一八七〇号)
 個人立幼稚園の事業用財産に対する相続税の減
 免に関する請願(粕谷茂君紹介)(第一七二一
 号)
 同(千葉三郎君紹介)(第一七二二号)
 同(濱野清吾君紹介)(第一七二三号)
 同(栗原祐幸君紹介)(第一七五六号)
 同(葉梨信行君紹介)(第一七五七号)
 同(八田貞義君紹介)(第一七五八号)
 同(西岡武夫君紹介)(第一八〇七号)
 土地譲渡所得重課制度の運用に関する請願(正
 示啓次郎君紹介)(第一八六八号)
 住宅ローンの緩和に関する請願(正示啓次郎君
 紹介)(第一八六九号)
四月三日
 企業組合に対する課税の適正化に関する請願
 (梅田勝君紹介)(第一九〇六号)
 同(梅田勝君紹介)(第一九二四号)
 同外三件(玉置一徳君紹介)(第一九二五号)
 同外三件(寺前巖君紹介)(第一九五三号)
 同外一件(坊秀男君紹介)(第一九五四号)
 同(梅田勝君紹介)(第一九五五号)
 同(梅田勝君紹介)(第一九九八号)
 同(梅田勝君紹介)(第二〇四三号)
 個人立幼稚園の事業用財産に対する相続税の減
 免に関する請願(福田篤泰君紹介)(第一九五
 六号)
 同(塩崎潤君紹介)(第二〇四二号)
 音楽・舞踊・演劇・演芸等の入場税撤廃に関す
 る請願(石母田達君紹介)(第一九九九号)
 同(石母田達君紹介)(第二〇四四号)
 同(坂本恭一君紹介)(第二〇四五号)
同月九日
 企業組合に対する課税の適正化に関する請願
 (梅田勝君紹介)(第二一二三号)
 同(梅田勝君紹介)(第二一七五号)
 同(梅田勝君紹介)(第二二〇三号)
 同(梅田勝君紹介)(第二二六一号)
 音楽・舞踊・演劇・演芸等の入場税撤廃に関す
 る請願(石母田達君紹介)(第二一二四号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第二一二五号)
 同(金子みつ君紹介)(第二一二六号)
 同(清水徳松君紹介)(第二一二七号)
 同(高橋繁君紹介)(第二一二八号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第二一二九号)
 同(馬場昇君紹介)(第二一三〇号)
 同(広沢直樹君紹介)(第二一三一号)
 個人立幼稚園の事業用財産に対する相続税の減
 免に関する請願(福田篤泰君紹介)(第二一七
 六号)
 大企業本位の財政・金融政策反対等に関する請
 願(増本一彦君紹介)(第二一七七号)
 自衛官の退職年金制度是正に関する請願外一件
 (江崎真澄君紹介)(第二二五八号)
同月十四日
 個人立幼稚園の事業用財産に対する相続税の減
 免に関する請願(河野洋平君紹介)(第二三三
 七号)
 企業組合に対する課税の適正化に関する請願
 (広瀬秀吉君紹介)(第二三九六号)
 同外三件(竹村幸雄君紹介)(第二四四九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第四
 号)
 製造たばこ定価法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五号)
 国の会計に関する件
     ————◇—————
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上村千一郎#1
○上村委員長 これより会議を開きます。
 この際、当面の財政事情について政府より発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
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大平正芳#2
○大平国務大臣 昭和四十九年度の税収につきましては、先般、参議院予算委員会におきまして、最近の経済情勢を反映して税収が相当落ち込む懸念があり、いずれ具体的な計数が判明した際に、処置してまいりたいと考えておる旨申し述べたところでございます。
 現段階では、まだ最終的な計数は確定いたしておりませんが、最近までの収納状況等から見ますと、四十九年度の税収につきましては、八千億円程度の不足を生ずると見込まれるに至りました。
 四十九年度に多額の税収不足が生じましたのは、企業収益の著しい低下、土地譲渡の減少等が税収面に反映し、予期せざる減収をもたらしたことによるものと考えます。今後の安定成長下におきましては、従来のように自然増収に多くを期待することは困難となり、わが国財政は、財源面から厳しい制約に直面せざるを得ないと思われます。この際、当面の財政事情について御説明いたしますとともに、各位の御理解と御協力をお願いしたいと考える次第であります。
 四十九年度の税収不足につきましては、税収の所属年度区分の改正によって新たに四十九年度所属となる税収があるほか、税外収入にかなりの増収が見込まれ、また、歳出面においてもある程度の不用を生ずる見込みでありますので、これらによって補てんし得るものと考えております。
 税収の所属年度区分につきましては、本日、国税収納金整理資金に関する法律施行令の改正について、閣議決定を行ったところであります。この改正の趣旨は、四月に収納される税収を新旧いずれの年度に所属させるかについて、区分する基準を合理化し、納税義務が成立する日によって区分することに改めるものであります。この改正により、新たに四十九年度所属の税収となる額は、約四千億円と見込まれます。
 次に、このような四十九年度税収不足に関連して、五十年度財政が直面する問題について申し述べます。
 歳入面につきましては、四十九年度の税収減が五十年度税収にも影響を及ぼすことは避けられないものと思われますが、五十年度の税収が最終的にどのようになるかにつきましては、現在、年度開始直後でもあり、確たることを申し上げることは困難であります。今後の経済情勢の推移を十分注視してまいるほかはないと考えますが、いずれにいたしましても、従来のように自然増収を期待することは困難であり、むしろ、自然減収が生ずる事態も考えておかなければなりません。この場合、公債の増発によって対処すべしとする考え方もありましょうが、安易な公債の増発は厳に慎むべきことは言うまでもないところであります。
 このような歳入面の制約に対しては、まず、行政経費の節約を初めとする既定経費の見直しにより、極力歳出の節減を図る必要があると考えます。さらに、公務員の給与改善問題、米価問題等年度途中に予想される追加財政需要につきましては、厳に慎重な態度で臨む所存であります。なお、これらにつきましては、別途、各省庁と十分協議しながら、具体的な措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、地方財政につきましても、最近の経済情勢を反映しまして、五十年度の財政事情は国と同様厳しいものになると思われ、さらに、国税三税の減収が生ずる場合には、これに伴って地方交付税にも当然影響が及ぶことになりますので、国と同一基調のもとに経費の節減等に努め、節度ある運営を図るよう要請いたしたいと考えております。
 以上申し述べたとおり、五十年度の財政は財源面において深刻な困難に直面しておりますが、今後の財政は、安定成長下において、引き続き財源面に厳しい制約を免れ得ないものと思われます。このような制約条件に対応していくためには、財政のあり方を抜本的に改善してまいる必要があります。
 このため、財政支出の面におきましては財政の負担によって実施すべき施策を厳しく選択し、補助金等の既定経費について、従来の制度、慣行にとらわれず根本的な見直しを行いますとともに、定員、機構の簡素合理化等によって行政コストの節減を図る必要があります。
 一方、財源面におきましては、新たな税収確保の方策について検討するほか、社会保険についても費用負担のあり方を見直す必要があります。また、公共料金につきましては、物価の安定に極力配慮することは申すまでもありませんが、安易な財政依存を厳に排除し、利用者負担の原則に立って、コストとの関連における適正な水準の料金を設定する必要があります。
 これらの問題につきましては、財政制度審議会、税制調査会等の御意見も伺いながら早急に検討を進め、結論を得たものにつきましては速やかに実行に移していく所存であります。
 以上、四十九年度の税収不足に関連して、当面の財政事情について申し述べましたが、わが国財政の直面する困難を打開するため全力を傾ける所存であり、重ねて各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
 なお、最後に、当面の財政金融政策について一言申し述べたいと思います。
 財政金融政策の運営に当たりましては、物価の安定を第一の政策目標として、すでに長期にわたり総需要抑制の政策基調のもとで各般の施策を行い、着実にその成果を上げてまいっております。
 この間にあって、政策の遂行に伴うひずみや摩擦現象に対処するため、きめ細かい配意を行ってまいったところでありますが、さらに本年二月十四日、三月二十四日の二回にわたり経済対策閣僚会議において当面講ずべき景気対策を取りまとめ、実施に移してまいりましたことも御案内のとおりであります。
 最近の経済情勢を見ますと、景気はおおむね下げどまりの状況に入ったと見られますけれども、今後の政策運営に当たりましては、物価の安定に配慮しながら、景気を着実な回復軌道に乗せるため、当面すでに実施した景気対策の効果を見守りながら、経済情勢の推移に即応し、引き続き適切かつ機動的な政策運営を行ってまいる考えでございます。
     ————◇—————
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上村千一郎#3
○上村委員長 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。高沢寅男君。
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高沢寅男#4
○高沢委員 酒税法それから製造たばこ定価法に関してこれから御質問をいたしますが、私はその前に、いま大臣から御説明のありました当面の財政事情、これについてはあした一般質問が予定されておりますので、またわが党の同僚議員から十分御質問もあると思いますが、しかし、私のいま感じたことは、この国会の初めに大臣から行われました財政演説の中身よりも、きょうのこの御説明の中身の方がはるかに重大な、しかもまたいろいろな意味で具体的な内容が含まれていると思うのであります。したがいまして、この中身自体をこれから国会の場でどう審議するかというふうなことについては、私たちも十分そういう審議の場を持たなきゃならぬと思いますし、そのことについてはひとつ政府側においても十分配慮をお願いしたい、こう思うわけであります。
 それで、酒、たばこの審議に入る前提として、いま問題になっております四十九年度の税収の不足の問題でありますけれども、これについてはそれぞれその不足を埋めるための見通しはあるというふうな大臣のきょうの御説明であるわけですが、しかしこの施策については、最終的には当然予算の補正という問題になってくると思うわけですが、これは扱いとしてはいかがでしょうか。
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大平正芳#5
○大平国務大臣 四十九年度につきましての税収は、いま御披露申し上げましたように、大幅に予想以下の収入にとどまりそうな気配でございます。しかしながら、一方、歳出の不用を立てましたり、税外収入で補いますと同時に、先ほど御披露申し上げましたように、国税収納金の整理資金の法律施行令の改正によりまして、四十九年度に帰属する収入として五十年度の四月中に入った税金で納税義務が四十九年度に成立しておるというものが四千億程度ございますので、そのように整理させていただくことによって補正予算を伴うことなく処理できるということで、行政府の責任で処理させていただきたいと存じておるわけでございます。
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高沢寅男#6
○高沢委員 いまの説明で四千億の御説明はあったわけですが、しかし歳出不用分の振りかえであるとか、あるいはまた専売納付金も含めて、そういうような税外収入が見込みより増収になる分があるとかいうふうなことになってくるとすれば、これは当然歳入の補正ということになるのじゃないのか。あるいはまた、歳出不用分の振りかえということになれば、これは歳出の補正ということになるわけであって、補正の手続が不要であるという説明はちょっと私理解できないのですが、もう一度御説明を願いたいのです。
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大平正芳#7
○大平国務大臣 歳入予算は私の理解しておるところでは、一応見積もりにすぎないわけでございますので、その見積もり以上に入る場合、見積もりより以下に入る場合、それはあり得るわけでございまして、その都度予算の補正を伴う必要はないものと私は考えております。
 それから歳出予算につきましては、国会の議決によって初めて行政府に歳出権が付与されるわけでございますので、その限度額を超えての歳出を行う場合は、当然仰せのように予算の補正を伴うものでございますが、いま申し上げておりますのは、歳出の不用がその限度内において起きたということでございまして、それは使用するに至らなかったということでございますので、改めて予算補正の必要はないものと私は心得ております。
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高沢寅男#8
○高沢委員 制度論の問題はあるいは大臣の方が私よりよく御存じかと思いますが、さっきも言いましたように、いま大臣がこれからの財政執行に当たってこういうふうな考え方でいかなければいかぬと言われた中身は、私はいろいろ重要な問題を含んでおるという感じがするのです。
 たとえば「公務員の給与改善問題、米価問題等年度途中に予想される追加財政需要につきましては、厳に慎重な態度で臨む」、私はこれは抽象的な表現だけれども、中身はかなり厳しい感じがします。そういうような問題とか、あるいは「行政経費の節約を初めとする既定経費の見直し」、これは私は行政機構の問題にも絡んでくるということにもなるんじゃないかという感じがいたします。
 ですから、その意味では、これから租税の自然増収もまた期待できない状態になってくるという情勢評価もあるわけであって、そういうふうな情勢評価の前提に立って、いままで毎年ある程度恒例的に行われてきた給与問題あるいは米価問題等等の扱いについても、これからは厳しく臨むというふうになってくれば、私はきょうのこの中身は、実質的には非常に重大な政策の方向を意味しておると思うのです。そうすると、この政策方向というものは、これはたとえば予算委員会なら予算委員会という場を持ってその年の予算の審議の中でその年の基本的な政策方向を論議される、あれと同じような場を持って、十分政策論議をなされるほどの重要性を持っておる、私はこう思うわけなんであります。
 私が予算の補正の扱いはどうかということをお聞きしたのは、この関係で言えば、あえて補正予算も組まれて、そして予算委員会を持って、そこでこうした基本的な政策問題を論議されるという場を持たれるだけの必要性、重要性があるんじゃないか、こういう意味で実はお尋ねをしたわけですが、これについては大臣のお考えはいかがですか。
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大平正芳#9
○大平国務大臣 五十年度の会計年度は始まったばかりでございます。御指摘のように、今度私どもがとりました措置は、確かに財政政策といたしまして大きな問題をはらんでおると思います。それは御指摘のとおりだと思います。
 これが従来のように経済が成長し、成長財政のもとである程度の自然増収が期待できたというような状況のもとにおきましては、年度途中に追加財政需要が起きましても、行政府がこれに対応いたしましてある程度の措置を講じて、補正予算の段階で国会の御審議を得まして措置してまいるという、そういうパターンでずっと繰り返してきたと思うのでございます。
 それで、いまあなたが言われる趣旨は、五十年度の予算が始まったばかりだけれども、事柄は重大なんで、こんな重大な内容をはらんだままの状態では、この五十年度の予算と並行して五十年度の補正予算をこの段階で本当は考えるべきじゃないかという御意見だと思うのでございますが、私はそれは一つの見識だと思います。そういう考え方もあり得ると思うのでございますが、私どものとっておる立場は、五十年度は始まったばかりでございます。そうして、五十年度は確かにいままでと違ったような経済状況、財政状況が予想されます。漫然としていて税の自然増収が期待できるような状況ではない、まかり間違えば自然減収が起こりかねないような状況であることを私どもも認めておるわけでございます。
 そこで、政府はこれから慎重な経済政策の運営を通じまして、ことしの日本経済に秩序と活力を与えていかなければいかぬわけでございますが、そしてそれを通じてわれわれの期待しておる税収をこの経済からくみ上げてまいらなければならぬわけでございますが、この状態は確かに自然増収が期待できるような状態ではない、相当政府が努力をいたしましても自然減収になりかねないような事態ではあるまいかという私は懸念を持っております。持っておりますが、これはこれからしばらく、いま私の発言でも申し上げましたように、経済の運営を慎重にやってまいりまして、ある段階に参りまして、補正を必要とするようになるのかならないのか、これは判断すべき段階が来るだろうと思いますが、いまあなたがおっしゃるように、ことしの経済を予想して、事柄が重大だからもう一遍補正予算案を組むというまでには踏み切れないわけでございます。
 われわれのいまの態度は、せっかく成立さしていただきました予算は忠実に執行さしていただきたい。ただ、この予算に計上されていない追加財政需要につきましては、厳に慎んでいかないと、この予算の執行はよほど困難だという意味のお願いを、各方面にいまとりあえずお願いしておかなければいけないというのが私の心境でございます。
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高沢寅男#10
○高沢委員 五十年度の予算がいま成立して、これから始まるばかりのところでその補正ということもできぬという大臣のお答えですが、私は、その五十年年の予算がいま成立したその途端に、その五十年度の歳入に自然減にすらなりかねない大きな税収の欠陥が予想されるという、このことに一体予算の編成と成立を進めた政府の重大な責任があるのじゃないのか。その重大な責任という観点から考えれば、普通の常識でない措置かもしれないけれども、この段階でもう一度その歳入を含めて見直すというような補正予算というものはあっても私は当然なことじゃないか、こういうふうなことに考えるのですが、成立したばかりで補正というわけにいかぬという行政上のお考えでしょうが、成立した途端にそれだけの歳入の穴が予想されるというふうな、この責任ということは一体大臣はどういうふうにお考えなんですか。
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大平正芳#11
○大平国務大臣 八千億という膨大な税収の減がただいま予想されておるわけでございます。これを分析いたしますと、あしたいろいろ御審議いただくと思うのでございますけれども、源泉所得税が千二百億、申告所得税系統で三千九百億、法人税が千二百億、その他が千七百億というようなことになりそうでございます。この申告所得税のうちで、二千四百億ばかりが土地の譲渡所得税なんです。それから相続税、印紙税、関税で千七百億でございます。
 したがって、これは土地の譲渡所得税というのが二千四百億、四十九年度特有の現象としてあるわけです。つまり八千億というのが、一体四十九年度に税制上特有のものとしてどれだけあるのか、一般的な経済の停滞を反映したもので五十年度に尾を引くやつがどれだけあるのか、そういった点の分析をこれから私どもはいろいろやっていかなければいかぬと思うのです。
 それで、五十年度の経済がどのように回復してまいりますか、その足取りを見ながら、われわれがエスティメーションをやりましたことしの歳入予算、そして皆さんの御審議を得ました歳入予算が果たして執行できるかどうかという検討は、やはりこれから慎重にわれわれも検討せなければなりませんし、国会の方でも御関心を持って御検討されることと思うのでございますが、いまこれを、あなたがおっしゃるように、これに違いないという断案をいまの段階で下せと言っても私は無理だと思うのであります。
 そこで、私がきょうの発言を通じましてお願いしてありますのは、いずれにしても、順調にこの経済状態が推移してうまくいっても、大きな自然増収を期待できるような状態には恐らくならぬだろう、へたをすると自然減収になりかねないんじゃないか。だから、国会で今度認められた歳出権を越えるような追加財政需要は、理由のいかんを問わず厳にこれはひとつ御遠慮いただくことの方向で財政運営をやらぬと、ことしは大変だという気持ちで私はお願いしておるわけでございます。
 いまの分別はそれが精一ぱいのところでございまして、これからいろんな分析を通じまして五十年度の財政運営、経済運営というようなものをずっと見ていきながら、四月二日に成立さしていただきました予算の適切忠実な運営を図って、経済の安定成長路線への軌道に早く乗せていきたいというのが、いまの政府の念願するところでございます。そういうわれわれの願いを御理解をいただきたいと思うのでございます。
 ただ、これだけの減収が起きたということにつきましては、かなり大きな責任を私は感じております。
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高沢寅男#12
○高沢委員 この問題だけで時間をとるのはあれですから、あとはあした予定される一般質問や、そういう場で十分御論議をいただきたいと思います。
 ただ一つだけ、そういうふうな税収の欠陥が生まれている中で、それを埋める対策の中で、専売納付金は予定されたものから一体どの程度の増収が見込めるのか。これは主税局長にお尋ねするのか、あるいは専売公社の泉さんにお尋ねするのか、どちらかからひとつ御説明願いたいと思います。
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泉美之松#13
○泉説明員 専売納付金につきましては、五月末に決算をいたしまして納付いたしますので、目下のところ正確に申し上げかねますけれども、現在の見込みで申し上げますと、御存じのように、四十九年度の当初予算におきましては専売納付金を三千四百四十億円と見込んでおったのでありますが、その後物価の値上がり及び給与の改善等によりまして、補正予算でこれを二百八十二億減額いたしまして、専売納付金の見込み額は三千百五十八億円に相なっておったわけでございます。
 ところが、御存じのように、たばこの定価改定問題が起きまして、十二月以降かなり売れ行きが伸びまして、当初予定いたしておりました一兆二千四百億円に比べまして約三百二十億ほど収入がふえました。もちろん経費もふえますのでそのまま納付金がふえるわけにはまいりませんけれども、納付金が約二百六十億円、補正予算で予定いたしておりましたよりもふえます。しかし、もちろん当初予算の三千四百四十億には達しない数字になります。
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高沢寅男#14
○高沢委員 もう一度私は税制の問題に戻りたいと思うのでありますが、これは直接税と間接税の関係ということでお尋ねをしたいと思います。
 前にも私この場でそのことを申し上げたのですが、いま税制のいろいろな機能はありますけれども、一番大事な機能は所得再配分の機能だというふうなことを申し上げたわけです。その点においてその機能が一番よく働いている税は何といっても所得税、この超過累進制というものがそういうふうな役割りを果たしているわけですが、しかし考えてみると、その所得税の中でも、たとえば利子なり配当なりというふうなものは、これはいろいろなそういう特別措置の対象になっているということで、結局、源泉所得税だけがそういう機能が一番働いておる税になっているのじゃないかというような感じがいたします。
 それに対して特に間接税、消費税というふうなものになってくると、そういう機能は全然ないどころでなくて、いわゆる逆進性というふうな性格が強く出てくる。今回のたばこの値上げあるいは酒の値上げというふうなことになってまいりますと、この税の負担の増加分というものはむしろ低所得の、所得税という関係で言えば、所得税を納税する対象になる人たちよりも所得税の納税対象にすらならぬ、そういうふうな階層のところへは負担が非常に重くかかる、こういう意味での逆進性ということをこの場合特に非常に問題にせざるを得ないのじゃないか、こう思います。
 それで、過去において税制調査会でそういう間接税、消費税の逆進性というものを調べて、そうしてパーセントを出された経過がありますが、昭和三十六年十二月の税制調査会の答申では、納税世帯の間接税の負担率が五・一八%、それに対して所得税を納めない世帯の間接税の負担率は八・四四%、こうかなりはっきりしたパーセントで逆進性というものを税調が出された前例もあります。そういうことで、今回の酒、たばこの税の引き上げがこの逆進性を当然進める効果をもたらす、こういうことに対して、そこに対する何か手当てが私は当然必要になってくると思うわけです。
 それで、いま租税の自然増収ということも大臣との間でちょっと問題になったわけですが、いままでは所得税であれば、自然増収というものが出て、その非常に大きな部分をとるか少しの部分をとるかは別として、そういう自然増収の中から減税に向けていく、もう毎年必ずそういう形がとられるということできたわけですが、これから先そういうふうな自然増収が期待できない、いまの大臣のお話によれば、自然減収すら起こりかねないというふうな状態になってくると、このいままでの自然増収そして減税という一つの毎年重ねてきたこの形もこれからはどうなるかわからぬ。こういうふうな事態になってくると、この減税ということのやり方もむしろ間接税という面で考えなければならぬということすら出てくるのじゃないのか、そしてそこへいま言った所得の再分配という機能を結びつけていくというふうなことを考えるとすると、たとえば酒あるいはたばこ、その他ほかの間接税も当然対象になりますが、そういうものの税の決め方の中に、低所得者には負担が軽く、それから高額の所得者にはそういうものの負担が重いというようなやり方、これをかなり意識的にとっていく必要があるんじゃないのかという感じがするわけですが、そういう間接税の面において減税というものをどう考えるべきか。
 それから、その中でいま言った高額所得者と低額の所得者の間における所得再分配という機能をここに結びつけるやり方を果たして考えられるのかどうか、私はこれを主税局長からお考えを聞きたいと思うのです。
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中橋敬次郎#15
○中橋政府委員 いまお話しのように、累進税率をとっております所得税なり相続税といいますものが、所得なり財産の再分配機能に一番適しておることはそのとおりでございます。
 もちろん、わが所得税制の中におきまして、租税特別措置によりましてその総合課税の分野が若干フラットな税率で終わっておるというところはございますけれども、やはり基本的には、たとえば所得税を見ますれば、その累進性、所得の再分配機能というのはかなり達成せられておると思います。
 四十八年の数字で申しましても、たとえば納税者の中の一割の人間が所得税額総体の中の約二七%を負担しておるわけでございます。もう少しその納税者の数を上からとってまいりますれば、ますますその負担部分というものはふえてまいりますから、何といいましても所得税制といいますのは、おっしゃいますような所得の再分配機能ということを所期しておりますし、また現にわが国におきましてもそういう機能を果たしておると思います。
 もちろん、間接税につきましては、それを所得階層別に見ましたときには所得税制とはそれは比べものにならないようなフラットな負担でございますから、収入に対しましてあるいは所得に対しましての逆進性というのは、それは避けがたいことだと思います。
 ただ問題は、そういう所得税制などを中心といたします直接税体系とそれから間接税体系といいますものはやはり相当バランスのあるものを持っておりませんと——本来は所得再分配機能を果たすものあるいは財産の再分配機能を果たすものとしては所得税制なり相続税制だけによればよろしいわけでございますけれども、何と申しましてもそういった一つ、二つの税目によりますと所期しないような執行上の不均衡というものがまたあるわけでございますから、やはり各国とも所得税制を補完する意味において、あるいは所得税制を上回る割合をもって間接税をとっておるわけでございますから、わが国におきましてもおっしゃいましたような所得なり財産の再分配機能ということを考えながらも、やはり執行面の難易あるいは納税者の税制に対しますところの摩擦的な感覚というものを考えながら、バランスのいい体系をとらなければならないと思います。
 ただ、自然増収のことになりますれば、御指摘のように、所得税でございますとか法人税でございますとかなり弾性値というものが間接税の場合よりも高うございますから、特に景気の動向、所得の変動に一番左右されやすい所得税あるいは法人税におきましては、より一層その税収におきます反映が大きくなってくるわけでございます。
 私どもといたしますれば、税収を見積もります場合にはできるだけ新しいデータをとり、できるだけ数多くのデータを求めて正確を期するわけでございますが、残念ながら今日のような大きな見込み違いがあったことにつきましては非常に遺憾に思っておりますけれども、それは間接税につきましても、どうしても決算になりますれば、毎年度ごらんいただきますように、若干の差異というのは免れがたいわけでございます。
 その点が何といいましても景気に敏感な直接税、特に所得税、法人税はそれが一番大きい、しかもそれが累進構造をとっておればおるほど大きいということでございますから、それの自然増収あるいは自然減収ということがかなり大きな問題としてあるわけでございます。これに対しまして、われわれはもちろん今後とも税収を見積もります場合には、直接税であれ間接税であれ、できるだけ正確を期さなければならないことは申すまでもないところでございます。
 そこで、いままでは毎年毎年経済成長が非常に急速に、しかも大幅に伸びてまいりましたから、特にこの所得税、法人税におきます自然増収というものが大きゅうございましたので、それを毎年の減税財源に充てる。しかもかなりの歳出規模の増加にも充て得るということでわが国の財政は経過してきたものと思いますけれども、今後経済が安定的な成長をたどるということになりますれば、恐らくそういった大きな自然増収というものは、今後そう期待はできないのではないかというふうに考えられます。
 そういう場合に、それでは減税ということができないのではないか、そのために間接税の財源によるべきではないかというお話でございますけれども、それは一にかかりまして正確な見積もりをし、それに対応しますところの財政需要というものを測定いたしまして、その上でなお年度当初におきましてあるいは年度経過中におきましてそういう財源があればまた減税ということも起こり得ましょうけれども、自然増収という観点から申しますれば、やはり所得税であれ間接税であれ、特に今後におきまして間接税により多くの減税財源を求め得るという事態もなかなか予測できないのではないかというふうに私は思っております。
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高沢寅男#16
○高沢委員 私がいま主税局長にお尋ねしたもう一つのことは、そういう間接税の財源による減税の見通しをお聞きしたのと同時に、間接税の負担の中における再分配的機能、つまり高額所得者の人は同じ間接税でも負担が非常に重くなる、低額の所得者の人は同じ間接税でも負担が軽いとかあるいは負担がないとかというふうな、たとえば非常に安いたばこと一方では高い税を含んだたばこ、お酒にしても、特級酒というものは非常に高いけれども二級酒は非常に安いとかいうような形のそういう差のつけ方というものは、間接税の中でも私は当然政策的に十分考えられてしかるべきではないか、そのことを一つお尋ねしたのです。
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中橋敬次郎#17
○中橋政府委員 間接税を考えます場合に、おっしゃいますように、その課税対象といたします物品なりサービスの質的な内容につきまして、いろいろ税負担を違えるということは十分考えなければならないことだと思っております。現に今日のわが国の間接税はすべて個別消費税でございますから、いろいろな物品、サービスのその内容を勘案いたしまして、たとえばそれが嗜好品に対するものであるとかあるいは必需品に対するものであるとかということでいろいろな配慮を加えております。戦後かなり余裕もございましたから、戦争中に課税範囲を広げてまいりましたものをその後なるべくは必需品については課税をしないように、あるいは便益品についてはもっと奢侈品よりは低い税率で課税するようにということをやってまいりまして、今日の体系全体とすればまさにそういった考え方がかなり入っておると思います。
 それはやはり個別消費税をとっておりますからそういうこともできるわけでございますけれども、またその中で、たとえばお酒で申せばいわゆる高級な酒類、小売価格が高いお酒についての酒税の負担をより高くしますとか、たばこにつきましても、私は専門でございませんから後ほどお答えがあるかもしれませんけれども、値段の高いたばこの中のいわゆる税金相当部分というのは、値段の低いたばこの中の税金相当部分よりは高くなっておる、こういうような配慮はおっしゃいますようにいろいろやらなければならないと思っております。
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高沢寅男#18
○高沢委員 その直接税と間接税の関係で直間の比率を見ますと、これはもう御承知のところであるわけですが、昭和九年−十一年という戦前の標準の状態のときには直接税は三四・八%、間接税は六五・二%で、戦前では間接税の方がずっと比重が高かった。それが戦後はその関係がずっと変わってきて、昭和五十年度の今度の予算ベースでは、直接税で七三・五%、間接税で二六・五%で、大まかに言って三対一というふうな形になってきておりますが、私は、この姿は従来の経済高度成長という一つの構造の中でなってきたというふうにも考えられますけれども、これは大蔵省から見てある程度政策的にこういう三対一というようなバランスにしたのか、あるいはそういう政策意図はなかったが結果としてそうなったということなのか、この辺はどうなんでしょう。
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中橋敬次郎#19
○中橋政府委員 直接税と間接税をどのようにバランスのいい体系としてとるかということはそれぞれの国の事情によっても違いますけれども、わが国におきましては、おっしゃいますように、戦前におきましては、国税、地方税を含めましたところで直接税は約五五%でございました。その後シャウプ勧告当時で、国税、地方税を通じまして直接税は約六割でございまして、あの当時はほぼこれくらいのウエートでいいのではないかということも言われましたし、またある時期におきましては、昭和三十年代の初めぐらいでございますけれども、直間の比率がほぼ半々くらいがいいのではないかということも言われたわけでございます。
 その後、税体系としては余り大きな変動をとっていなかったのでございますけれども、何しろいまお話しのような高度経済成長の結果、所得税、法人税というものの税収そのものが非常にふえてまいりまして、だんだんこのウエートが高くなってまいりました。四十年代の初めにはこれが約六〇%直接税のウエートとしまして占めておったわけでございます。それがまた、十年たった今日におきましては、いまお示しのような数字でございます。
 私どもといたしますれば、あるいは税制調査会の御議論もそうでございまするけれども、さっきお答え申しましたように、直接税に過度に依存するということもやはりいろいろな弊害を伴いますから、バランスのいい体系、特にわが国におきましては直間の比率から言いまして——わが国よりも直接税の高い国と言いますのは、実はアメリカぐらいでございます。そういう意味におきまして、もう少し間接税のウエートを高めてはどうかという御意見があるわけでございますが、どうもいまの構造そのままを置いておきながらそういうことを期待いたしましても、今日まで税収がもっぱら所得税、法人税にウエートがかかってまいりまして今日のような状態になったわけでございますので、やはり直間比率ということを考えますれば、相当大きな税制改正ということを考えないと、なかなかこうした傾向というのは私は変わらないのではないかというふうに考えております。
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高沢寅男#20
○高沢委員 いま局長の言われた、直間比率にある程度の変更を加えるとすれば相当大きな税制の改正をしなければならぬじゃないか、こういうことですが、今後の行き方としてそういうことをやることになるのかどうか。
 これは結局、私がお尋ねしたいのは付加価値税の問題ということになってくるわけですが、さっきの局長のお答えの中でも、従来の間接税は個別の商品に対する消費税、間接税、こういうふうな性格であったから、それぞれの商品ごとの政策判断で一定の、高くするあるいは低くする、こういう選択もできた、こういう御説明であったわけですが、これが付加価値税という一般的、普遍的な消費税になってくると、そういうことも今度はできないというふうなことにもなってくるわけです。
 したがって、税負担の適正化を図るということからすれば、間接税というものはやはり個別商品に対するものということの中で取捨選択をするというような行き方が当然望ましい、私はこう思うわけですが、これからその法人税一所得税というふうな直接税関係では自然増収が余り期待できないということが一方ではある。そうなってくると、間接税の方へ大きくその比重を移していく必要が出てくるわけで、そこに付加価値税の必要が出てくる、これはこれで一つのあなた方の立場からの論理じゃないかと思うのですが、そこのところをこれから、まあこれからと言う場合には二年なり三年なりというふうなことも含めてのことになりますが、そこのところを出してくるお考えがあるのかどうか。これはむしろ大臣からお聞きをしたいと思うのです。
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大平正芳#21
○大平国務大臣 そんな大きなことは考えておりません。私どもやはり政府・与党といたしまして、着実に予算に計上した歳入をいかにかして確保するかということを主眼にいたしまして、じみちに考えていきたいと考えておりまして、直間の比率でございますとか付加価値税の採用でございますとかというアカデミックな議論はありますけれども、そういうことをやり遂げるような政治状況にはございませんので、いまある税制の中でじみちに、どういう点を改善したらいいか、少し克明に考えて国会の方の御審議を願いたいものと思っておるわけです。それは税制ばかりではございませんで、何によらず、いま大きな胸のすくような改革なんてなかなかできないことでございますことは、あなたもよく御承知のとおりでございます。
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高沢寅男#22
○高沢委員 私は、いまの大臣のお答えは非常にはっきりしていたと思うのです。これはひとつわれわれも十分に記録にとどめていきたいと思います。
 今度は具体的な問題でお尋ねをしたいと思います。
 今回のたばこの値上げの理由の中に、たばこの専売益金率が六〇%というものからずっとパーセントが割り込んできたというようなことが一つの理由になっているわけであります。しかし、これを考えてみますと、いまの制度が納付金制度というふうな制度で行われているわけであって、結局たばこの事業に関して総売り上げといいますか総収入といいますか、そこから総支出あるいは総損失といいますかを差し引いたその残額を国庫に納付する、これが専売納付金、こういうような制度になっているわけです。
 そういたしますと、その納付金と、一方では今度は地方のたばこ消費税、これを合わせて益金率というふうなことでパーセントを出してこられたわけですが、その納付金がどの程度の額になるか、あるいはまた納付金の総売り上げの中でのパーセントがどのくらいのパーセントになるかということは、これはむしろあらかじめこうするというふうな考え方よりは、むしろどのくらいのたばこの製造のためのコスト、たとえば葉たばことかあるいは製造のための人件費であるとか販売経費であるとかというようないろいろなコスト要因というものは、これはそのときの経済情勢で動くわけですから、そういうコスト要因というものによって、この総支出、総損失というものがいろいろに変動しながら結局固まってくる。すると、その全体の売り上げとそれとの差額でもって納付金の金額が決まる。
 つまり、この納付金というものは、結果論で決まる性格のものじゃないのか。その結果論で決まる性格のものを、これは何%でなければいかぬというような形でもって一つの決まった益金率の土台に乗せようということ自体が、制度の性格からいってこれは無理があるんじゃないのか、私はこういう感じがするわけですが、泉さん、そこのところをひとつまずお考えをお聞きしたいと思うのです。
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西
西沢公慶#23
○西沢政府委員 ただいま先生のお話のとおり、たばこ事業の益金率は、ここのところずっと下がってきておるわけでございます。この前定価改定をお願いいたしました四十三年度におきましては、これが六三%程度にまで回復いたしたわけでございます。自来四十七年度までは大体六一、二%で推移をしてまいったわけでございますが、四十八年度以降これが六〇%を割り五九・三、四十九年度の見通しでは五四・三というふうに下がってきておるわけでございます。
 それで、このたばこ事業益金率につきまして何%でなければならないということはございませんけれども、過去の経緯を見ますと大体六〇%を超えたところで推移をしてきていたということと、それからさらに諸外国のたばこ消費に対する税負担率を見ますと、これは先生すでに御案内のとおり、七割を超えておるというようなことが実態になっておるわけでございます。したがいまして、たばこの消費に対しまする税負担が余りにも減少することは、われわれの方では意図せざる減税ということで申しておりますけれども、やはり適当でないのではないか。やはり適正な税負担をたばこの消費者にも御負担いただくということが今回の定価改定の理由になっておるわけでございます。
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高沢寅男#24
○高沢委員 この前の、いま説明された四十三年度の値上げをされたときも六〇%を割ったからということで値上げをして、値上げの結果六三%になった。それがまただんだんと下がってきたということから今回の値上げがまた出ているわけですが、とにかく、そうしているわけじゃないと言われるが、実際上六〇%というパーセントが何か目安になり、基準になっているということは間違いないと思うのですね。この六〇%というものは一体どこからそういう数字が出てきたのか、またその六〇%でなければいかぬということは一体どこからそういうことが行政目標として出てくるのか、これをもう一度聞かしてください。
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西
西沢公慶#25
○西沢政府委員 ただいま申し上げましたとおり、六〇%でなければならないということは特に定まっておるわけではございませんけれども、過去のたばこ消費に対する負担が六〇%を超えたところで推移してきていたという経緯と、わが国におきますたばこ消費の負担が諸外国に比して決して高くないというふうなところを見まして、やはりわれわれとしては一応六〇%が一つのめどではないかというふうに考えています。
 ただし、今回の定価改定におきましてはいろいろな物価抑制の問題等々がございまして、なかなか六〇%台までは行っておりません。今度の定価改定をお認めいただいた場合におきましても、たばこ事業の益金率は大体五六・九%程度になるのではなかろうかということでございまするので、六〇%が絶対的なものであるというふうには考えておりませんけれども、一応のめどとしては六〇%ということがわれわれの念頭にあることは事実でございます。
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高沢寅男#26
○高沢委員 いまの御説明のように、今回の値上げが実現をしてもその益金率は五六・九%ということで、しかもそれがまた来年、再来年と、こう年度を追って先を見ていくと、これはもちろん見込みであるわけですが、昭和五十三年度にはもう五一%くらいにまたなるという、そういう見込みを専売公社の方でも持っておられる。こういうことだとすると、ことし値上げをした、また一年か二年たったら値上げだ、こういうことになるのじゃないかと私は思うのですが、その見込みはどうなんでしょうか。
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西
西沢公慶#27
○西沢政府委員 ただいまのお話にございました公社の方での将来の見通しでございますけれども、これは先生すでに御案内のとおり、各種の推定、推測が入ってできておるものでございます。要は、私は二つになるんだろうと思います。
 一つは、公社自体の経営努力、これを今後ともますます積極的に推進していくことは当然でございます。それから二番目としましては、やはり将来の見通しに関しまするいろいろな前提がございます。人件費がどうなるであろうかとか、あるいは葉たばこの収納価格が将来どうなるであろうかとか、こういうふうないろいろな原価要素の上昇見込みがどうなるかということが大きな決め手になるわけでございまして、これをせんじ詰めますれば、経済全体の運営が安定的な基調でいくかどうかということにかかってくるのではないかと思います。
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高沢寅男#28
○高沢委員 過去の益金率の推移を見ても、四十八年度は五九・三で、六〇を割ったとはいってもほぼ六〇ですね。それから四十九年度が五四・三とここでかなり大きく落ちますね。それから五十年度がその定価の改定をしないとすると四六・五で、ここで物すごく落ちるというようなことになっていますが、この四十九年度、五十年度というここで非常に益金率が大幅に落ちている。このことは、つまりこの四十九年度、五十年度というふうなところで非常にコスト要因が上がっておるということの結果であって、そのコスト要因の上がったということは何かというと、これはまさに政府の経済政策、われわれの言うインフレ政策ということからそうなったというふうにしか、もうほかの要素は考えられないですよ。
 そうすると、そのことで値上げだ、こうなる。これはつまり国民の負担であります。政府の経済政策の結果が、このたばこの場合もそのための値上げだ、こういうふうになってくる。そしていまのお話では、値上げを仮にしたとしても五十年度の益金率は五六・九。それがまたその後一、二年たつと、いろいろな要素を含めて公社で予測されておるところで見ても、また上げなければならぬような、そういう益金率を見込まざるを得ない。
 これは私は、何と申しますか、全く政府の責任ということの結果としてこうたびたびたばこの値上げという、国民の負担の増加という、こういう結果が出てくるということでは、これは国民の側からすればとうてい納得ができないということになるわけですが、この益金率の大きく落ちておる要素はどこからきているかということについては、ここではっきり、私は政府の責任だ、こう申し上げるわけですが、その点は公社の側ではどう見ておられるか、ひとつお聞きしたいと思います。
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斎藤欣一#29
○斎藤説明員 ただいままで先生から御質問のありました点、監理官からお答えいたしました経過で数字の足取りはおわかりいただいたと思いますが、確かにたばこの場合、御承知のとおり、余り過去から定価改定というものはやっておりません。公社が発足いたしましてから全般的な定価改定をやりましたのは前回の四十三年でありまして、その間、二十年近くの間定価を捉え置いておる。それから四十三年からいままで七年間据え置いておる。
 たばこと申しますものが一般の消費者の皆さんに大変かかわり合うということ、公社の使命といたしまして、片一方では、たばこの場合は財政専売という使命を帯びておるわけでございます。そういった財政専売という使命を達成する、片一方にそういった目的があると同時に、たばこを消費される多数の、三千五百万と称しておりますが、そういった方々にできるだけ安くていいたばこを供給するという使命もあるわけでございます。そういうわけで、一度決めた価格というものはできるだけ守っていきたいという立場を持っております。財政に対する貢献とそれから消費者に対するそういった貢献という両方、場合によっては矛盾するような二つの目的をかかえながら公社というものはやってまいりました。
 それで、今度値上げをいたしますのは、確かに御指摘がございましたように、原料費、材料費が上がってきている、あるいは人件費が上がってきている、これは一体だれの責任なのかというのが御質問でございますけれども、そういうことに対して私たちが、これはだれの責任だということを申し上げる立場にはございませんが、現実の問題として公社が企業として運営していく中におきまして、そういったものが上がってきておるという現実があるわけでございます。片方財政という目的に寄与しながら、片方消費者の方々に対する影響というものをできるだけやわらげながら、これをどういうふうに運営していくかということが私たちのまさに努むべきことであると思います。したがいまして、そういった両方の兼ね合いの中から今年度の定価改定というものをお願いしておる次第でございます。
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