経済・産業委員会

1998-04-09 参議院 全170発言

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会議録情報#0
平成十年四月九日(木曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     小山 孝雄君
     西田 吉宏君     釜本 邦茂君
     鈴木 和美君     谷本  巍君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                釜本 邦茂君
                小山 孝雄君
                斎藤 文夫君
                成瀬 守重君
                吉川 芳男君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                谷本  巍君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   堀内 光雄君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       村田 成二君
       通商産業大臣官
       房審議官     杉山 秀二君
       通商産業省通商
       政策局次長    佐野 忠克君
       通商産業省貿易
       局長       今野 秀洋君
       通商産業省環境
       立地局長     並木  徹君
       通商産業省機械
       情報産業局長   広瀬 勝貞君
       特許庁長官    荒井 寿光君
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       中小企業庁計画
       部長       中澤 佐市君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   説明員
       大蔵省主税局主
       税企画官     細溝 清史君
       大蔵省証券局証
       券市場課長    柏木 茂雄君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      内藤 純一君
   参考人
       日本銀行理事   本間 忠世君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する
 法律案(内閣提出)
○日本貿易振興会法及び通商産業省設置法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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吉村剛太郎#1
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動についで御報告いたします。
 本日、鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君が選任されました。
    —————————————
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吉村剛太郎#2
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案の審査のため、本日、日本銀行理事本間忠世君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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吉村剛太郎#3
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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吉村剛太郎#4
○委員長(吉村剛太郎君) 中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小島慶三#5
○小島慶三君 おはようございます。大臣、お出ましをいただきましてありがとうございます。
 私、通産省の関係ではいろいろお伺いしたいことも多々あるわけでございますが、本日は中小企業の問題に限りましてお伺いをいたしたいと思います。
 これは私ごとになりますけれども、私は実家が足袋屋でございまして、足袋の製造販売というのをずっとおやじの代からやってまいったわけで、中小企業の問題については中小企業の汗も涙もよく知っているつもりでございます。
 そういった意味で大変関心を持っているわけでございますが、そういうこととは外れまして、まず中小企業の位置づけということでございます。例えば、事業所の数にしてみれば中小企業のウエートというのは九九・一%と大変高い率、小企業に限りましても相当に高い。それから、従業員数にしてみれば四千二百二十七万というのが最近の数値でありまして、これは日本の全体の従業員の七五%、これも非常に高い。それから、付加価値にいたしましても大体五三%前後を推移しておりまして、もっとも小企業になりますとずっとこれが落ちますけれども、しかし大変にこれも高い数値であるというふうに思っております。輸出のウエートもかなり高いということで、中小企業のウエートというのは私は非常に高い位置を占めていると思うんです。
 しかし、残念ながら、予算の数値になりますと千二、三百億台というのがずっとでございます。もちろん来年度の緊縮予算についてはさらに締められているということで、よその省庁に委託している予算が八百億台ございますから、それを加えるともうちょっとふえますが、しかし全体の予算七十何兆に比べますと〇・二、三%という大変低いウエートしかない。これは少しおかしいんじゃないかと前から思っているわけでございますが、もうちょっとあれしないと中小企業軽視ということになりかねないと思うのでございますが、この辺はいかがでございましょうか。
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堀内光雄#6
○国務大臣(堀内光雄君) 委員の御指摘のように、中小企業の占める位置というものは日本の産業を支える一番大きなものであるというふうに思っております。事業所数あるいは全従業員の占める割合、ただいま先生のお話のとおりでございますし、我が国の経済社会において極めて重要な地位を占めておりますし、日本国内における雇用を支え、地域を支え、国民生活を支える基盤になっていると認識をいたしております。
 また、中小企業はその持ち前の機動性といいますかそういうものを発揮できる、小回りができる、同時に創造性を発揮して大いに活動ができるということから、産業構造の変化の担い手となって我が国の経済の発展を支えてきたものでありますし、また同時に、これから先も支え、大変重要な役割を果たしていただくものであるというふうに考えております。
 その点でまいりますと、ただいま委員のお話のように、我が通産省の中小企業庁だけでまいりますと千三百十三億、他省庁のものを入れても千八百五十八億というような数字は極めて少ないと私も存じております。中小企業の重要性を考えましたとき、この中小企業対策の予算というものはもっと積極的に拡大をしてまいらなければならぬというふうに私は思っております。
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小島慶三#7
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういった意味で、ひとつ中小企業関係予算のかさ上げということを何としてもやっていかなければならないんじゃないかと思っております。日本経済の活性化という場合に、まず中小企業に元気がなくなったらこれはもうおしまいだと私は思っております。
 それから、これももう一つ私ごとで申しわけございませんが、私、そういうことで実家が実家なものですから、大学へ参りましたときにも中小企業の勉強をしたいということで、当時、後で学長になりました上田貞次郎先生に入門をしたわけでありますが、山中篤太郎先生がその学問の後を継がれまして、中小企業論というのを確立したわけでございます。
 そのときに両先生から言われたことで非常に頭に残っておりますことが一つございまして、それはどういうことかと申しますと、日本は中小企業論なんだよというわけなんです。外国には大企業と小企業というそういった議論はある。産業構造論としてそういう議論はあるけれども、中というのはない。日本にはミドルというものがあって、それが非常に大きな意味を占めているんだと。それがあるから産業構造の上で非常に弾力性があるということを先生から懇々と言われたわけなんです。中企業の問題の重要性ということをやはり日本は考えなきゃいけないということを言われたわけであります。
 それに照らして考えますと、最近私が心配しておりますのは、大企業と小企業・零細企業の二極分化というか、そういう動きが非常に目立ってきております。そういうことになりますと、これは単に大企業と小企業の格差が拡大するということだけではなくて、この格差の拡大というのも最近は非常に顕著でありまして、九三年当時は大企業と中小企業で〇・五%ぐらいの生産指数の上での格差しかなかった。それが九五年は四・九になり、最近では一〇を超えてきております。そういうことで、格差の拡大というのは非常に大きな問題であります。
 それと同時に、この二極分化ということが起こると、これは大企業と零細企業の分化ということで、真ん中に立つ中企業というもののウエートの減少ということにもなりかねないというふうに思っております。
 そこで、先生方から教えられた中企業の重要性ということから見るとこれは大変なことであって、日本経済の特殊性といったようなものを失わせる傾向ではないかと思っておりますが、この辺についてはどうお考えでございましょうか。
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林康夫#8
○政府委員(林康夫君) 先生御指摘の二極分化の傾向、そして中小企業と大企業の格差の問題はおっしゃるとおりでございまして、最近の規模別製造工業生産指数でも、これは平成二年を一〇〇とした数字でございますが、平成十年二月の速報で大企業が一〇一・一、中小企業が九一・四というふうにその格差が広がってきている状況でございます。
 この原因でございますけれども、最近、電気機械あるいは輸送機械、自動車等の生産がふえたときの中小企業への波及効果が非常に低い。ちなみに、一単位の需要がふえた場合の例えば自動車産業における中小企業の生産増は〇・七一でございまして、半導体に至りましては〇・二八。これらはいずれも海外展開とかあるいは大企業が内製化を進めているといった構造変化を背景にしておるわけでございます。ただ、中には流適合理化という側面も背景にあるわけでございまして、こういった構造変革が原因になっているわけでございます。御指摘の中企業も、こういった大きな構造変革の流れの中で二極分化の傾向を強めていることも事実でございます。
 私ども、中企業も含めて中小企業が我が国の経済活力の源泉ということで極めて重要な地位を占めていると認識しておりまして、今後ともこういった企業に対する円滑な資金供給、人材育成、技術開発支援等中小企業の経営資源の強化を図ることは極めて重要だと思っております。実は、本日御審議いただいているこの法案を初めとしまして、中小企業の発展を支える環境の整備によってダイナミックな中小企業の発展に貢献していきたい、こう思っております。
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小島慶三#9
○小島慶三君 ありがとうございました。
 それで、そういうふうな中小企業の構造の変化というか、そういうことが最近起きてきて非常に注目を要すると思うんですが、特に最近の動きとしては、不況の第三局面という言葉が私適当かと思うんですけれども、金融デフレというものが非常に目立った動きになってきております。これは、私、前回の委員会でも申し上げましたので詳しくは申しませんけれども、やはりこの点はよくよく考えて対処していかないと大変大きな傷を後に残すということになるのではないかと思っております。
 それで、七日でございましたか、衆議院の方で委員会に大銀行のトップのお歴々九人をお呼びいただきまして、そこでいろいろ最近の金融の問題、不祥事とかそういうことも含めまして、金融の貸し渋りといったような点が大分問題になっていたようでございます。
 例えば、それに対しまして富士銀行の方は、増加資金手当の一切のものを中小企業につぎ込む、こういうことをおっしゃっておられた。あるいは東京三菱のトップの方は、最近の時点でも前年比七千三百億増、その中の四千八百億を中小企業につき込んだ、非常にウエートをかけてきておるということを言っておられる。それから、住友の方はたしか、余裕のできた資金一兆円をこれから中小企業につぎ込むというふうなことで、大変頼もしい回答が返ってきたというふうに新聞で私拝見をいたしました。
 しかし、考えてみますと、果たしてそれだけの決意、それだけの方向というものが銀行全体に、支店の末端に至るまで周知徹底しているのかどうか、そういうふうに銀行の考え方というものが上から下までもう徹底して行われるという状態になっているのかどうか、その辺ちょっとまだ不安な気がいたします。
 銀行からすれば、利益率ということを当然考えなければならない。利益率という点を考えると、大企業に対する貸し金の利益率と中小企業に対する貸し金の利益率では、むしろ中小企業の方が利益率としては高い。だから、そういう方向に全体の金融のマネジメントを持っていくという可能性はあるといたしましても、目先の問題として当面課せられた銀行の資本充実健全化のそういったテーマというのは、これは余りにも大きい。したがって、果たして中小企業に重点的にこれから金が出ていきます、貸し渋りはなくなります、そういうことをまともに受け取っていいのかどうか、非常に私疑問に思っているわけでございます。
 私の先輩である今度日銀総裁になられた速水さんあたりも、貸し渋りというものの解消にはかなり時間がかかるということを言っておられるんですが、この辺はどういうふうにごらんになっておられますでしょうか、お聞かせいただきたい。
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堀内光雄#10
○国務大臣(堀内光雄君) 中小企業に対する貸し渋りの問題、これはなかなか現状も厳しい状況だというふうに感じております。通産省が三月の中旬に実施いたしました調査でも、民間金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったというものが全体で三割を超えているわけであります。地域的には北海道、関東、近畿において非常に数字が高くなっておりますし、特に近畿においては四割の事業者が民間金融機関の貸し出しが非常に厳しくなったということを言っております。そういう状態の中で、先般金融機関への公的資金の投入というものがございました。
 そこで、私どもといたしましては、中小企業に対する政府系金融機関の対策というものは緊急避難的なものであって、本来は民間金融機関が行うべきものであって、それがなかなか貸し渋りという形でうまく流れできていない。今までまだ公的資金を投入されていなかった段階ではまだしも、公的資金を投入した以降においてもさらにこういうものが続くとなっては問題であるということから、特に大蔵大臣、総理大臣も、これから先の貸し渋りは徹底してないようにということで、総理からも各金融機関のトップに対して貸し渋りをなくすようにという強い要請を行いました。その後において形としては相当緩和をされてきたというふうに認識をいたしておりますが、いまだにまだ厳しい面が残っているというふうに感じております。
 そういう意味で、私どもの方の中小企業に対する対策といたしましては、政府系金融機関及び信用保証協会における特別な相談窓口の設置だとか、新たな融資制度を設けたり、マル経資金というものの拡充を行ったり、この制度の幅を非常に広げたり、今まで保険限度額が倍額になる業種が非常に少なかったものを八十一業種にまでふやしたりというような対策を行ってまいりました。
 その結果、十二月から先月の末までに、政府系中小企業金融機関全体で約二兆七千億円、前年同期比で二五%のプラスということになっております。また、無担保無保証の例のマル経資金というものについては千八百億円、前年同期比で六一%増ということになっております。また、信用保証協会におきましては約六兆円、これは前年同期比で九%増という伸びになっているところでございます。こういうことを見ましても、相当の対応は政府系金融機関で行っているということがおわかりいただけると思います。
 さらに、中小企業を取り巻く環境というものは、五月の決算発表というものをにらんでまいりますとさらに威しくなる面が予測されるところでございますので、引き続き予断は許さないということから、先般も政府系金融機関のトップに全部集まってもらいまして、私の方からさらに中小企業者の立場に立った対応を徹底するようにということで実施をいたしまして、さらに非常に前向きに取り組んでもらっているというふうに考えております。
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小島慶三#11
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういう手段で、通産省の方からもぜひこの貸し渋りの解消ということについてさらにお骨折りをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それから、最近の不況感、これを一段と強くしたのはビッグバンということでございます。ビッグバンのメリットにつきましていろんなことが書かれており、報道されておりますけれども、これはやはり長期的に効果をもたらすものであって、当面は非常に深刻な不安感というものを中小企業に与えていると私は思っております。
 そういう点で、このビッグバンの根拠も、流行と言っては失礼ですが、最近の規制緩和万能論というものの一環としてこれは出ていると思うんですけれども、規制緩和は決して万能ではない。これは市場の欠陥と申されるようなものがそうでありますが、規制緩和のもたらす弱肉強食といったような傾向、これはやはり深刻な影響を一般的には与えざるを得ない。したがって、このビッグバンというものの実行、これはやる必要のあるものもあると思いますが、この手順それからタイミング、この辺はぜひお考えをいただきたい。これは希望だけ申し上げておきます。
 それから、本日の議題につきまして少しお尋ねをしたいと思います。
 今回の法律事項としては、これはアメリカで行われているシステムというものを大体見習っているというふうに思うわけでございますが、日本でこういう法律に沿った新しいシステムを導入してどのような効果が期待されておるか、まず総括的に通産省のお考えをお聞かせいただきたい。
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中澤佐市#12
○政府委員(中澤佐市君) この法律のシステムが入ることによりましてどのような効果を期待するかということでございます。御案内のとおり、日本の中小ベンチャー企業、これまではほとんどが事業を始めたりあるいは事業を新たな分野に展開していくときに、大体銀行からの資金の借り入れでやってきておったわけでございますが、まさにベンチャー企業の信用力、物的担保力が不足しているということで、そういうときに資金調達がなかなか困難だったわけでございます。
 そういう中で、資本という形でいわゆるリスクマネーを供給するということがこういうベンチャー企業を支援するのに重要であるわけでございます。日本にも現在までのところ民法上の組合という形でそういうリスクマネーを供給するという仕組みはあったわけでございますが、それにもいろいろと問題点がございました。今回この法律によりまして、今委員が言われましたアメリカのシステムということでございますが、ある意味では現在のグローバルスタンダードのシステムでございます、こういうシステムを入れることによりましてベンチャー企業に対して担保不要のリスクマネーを供給することをどんどん促進できるような仕組みをつくるということで、ベンチャー企業あるいは新分野に出る企業の後押しができるのではないかというふうに考えてございます。
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小島慶三#13
○小島慶三君 このベンチャー企業というものの育ち方、こういうものを私ども見ておりますと、日本ではベンチャー企業というものはスタートすることが非常に難しい。
 まず、リスクマネーという考え方が非常に日本ではおくれてきたというふうに思うんです。先般、私どもお願いをいたしましてベンチャー企業の株式上場という問題について御配慮をいただき、そういった法律もできたということで喜んでおりますが、その反面、全体としてはベンチャー企業のスタートというのはなかなか難しい。一つには、資金がなかなか集まらない。それから一つには、例えばスタートした後の事業の保証といいますか、販売先の確保とかそういったことはなかなか一遍には難しい。それから一つには、人がなかなか集まらない、殊に創造性を持った人材の確保ということはなかなか難しい。もう一つは、やっぱりリスクマネジメントというものに対する自覚も、それから周りの理解も不足であるということがいろいろあると思うんです。
 しかし、アメリカの事例を見てまいりますと、初めから非常に金が集まる。日本の場合には殊に最初の金を集めるというのが非常に難しい。アメリカの場合にはそれが非常に活発に最初からリスクマネーが集まる。これは何か年金の運用というふうなことが言われているようでありますが、年金の運用ということがアメリカの場合にはどうして非常に活発に行われているか、その辺お聞かせをいただきたい。
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堀内光雄#14
○国務大臣(堀内光雄君) 委員のお話のとおり、ベンチャー企業を育成する場合にはリスクマネーの供給というものをしっかり行わなければまずスタートができない。同時に、有能な人材を確保するということが二つ目に重要であります。三つ目に、独自の技術開発の推進ということが行われることが重要だということになっております。
 そういう意味で、今度の問題を含めまして、資金の面と人材の面と技術の面についてのベンチャー支援ということに取り組んでいるわけであります。今の委員のお話のように、アメリカでは年金資金などが投入できるけれども日本ではどうしてできないんだろうかという面がございましたけれども、その点を今度のこの法律によってカバーしようということでございます。
 具体的に言いますと、昨年、投資信託、上場しないでスタートしたところのベンチャー株もその対象に織り込んでよろしいというふうに法律を改正いたしましたので、これがまず一つ資金の投入ができるようになったということ。
 と同時に、今度の場合には、本日御審議をいただいている投資事業組合法案、これを成立させていただきますと、今まで日本の場合には組合員各自がすべての無限責任を負うという形になっておりましたので、事業に何か問題があったり失敗しますと厚生年金の出た元まで波及をするということになっておりますのを、今度は組合員の方は有限責任に切りかえるということになっております。これによりまして、米国と同じように年金資金などの非常に広範な投資家からのベンチャー企業への資金供給が促進されることになるということでございます。この法律案が通ることによって、先生の御心配のような、あるいは疑問をお持ちいただいたような、アメリカのようになぜいかないかという点を解消することができるというふうに思っております。
 また、人材面では、企業の人材確保のためにこれまたストックオプションの制度をいち早く取り入れまして、有能な人がその企業の中で会社を発展させればストックオプションによる報酬が人材に戻ってくるということが可能になるような制度をつくり上げておりますので、これまた非常に大きな成果が上がるのではないかというふうに思います。
 もう一つ、大学の技術で休眠した特許がいっぱいございます。そういう休眠した特許をベンチャービジネスの中で大きく活用できるようにするというような、知的財産権の取得や成果を民間に移転できるような大学等技術移転促進法、これを今回の国会においで御審議いただいているわけでございます。
 こういう三点セットができ上がりますと、ベンチャーに対する支援とまた将来に向かっての大きな発展が可能になってくるというふうに考えております。
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小島慶三#15
○小島慶三君 ありがとうございました。
 そういった三点セットでぜひこの法律が成果を生むように私どもも祈りたいと思います。
 それからもう一つ、アメリカで非常に活発であり日本でそうでないという一つの比較面といいますか、これには個人のファイナンスということがあるのではないか。最近、エンジェルという言葉で呼ばれているようでありますが、そういったエンジェルというものはなぜ日本とアメリカではビヘービアがそう違うのか、この辺はどういうふうに御説明いただけますでしょうか。
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林康夫#16
○政府委員(林康夫君) エンジェルの違いでございますが、基本的には投資に伴うメリットという点で現在のアメリカの方が若干進んだ仕組みを持っているのではないかということがあると思います。
 ただ、今回の投資事業組合法も、無限責任を有限責任にするという観点からそういった彼我の格差を是正するという役割を持つものでございます。ただ、私ども昨年の暮れにいわゆる高額所得者に対する調査をいたしたのでございますけれども、実は非上場非公開株、実はこれは縁故債なんかも多いんですけれども、に投資をした経験がある方というのは三割ぐらい日本でもおられるんです。そして、第三者的な企業の非上場株に既に投資した経験があると言われた方も実は一五%ぐらいおりまして、日本のエンジェルの候補者と申しますか、ポテンシャルはかなり大きなものがあると私どもは認識しております。
 したがって、こういった今回提案させていただいていますような法案あるいはさまざまな税制のメリット等がそろえば、かなり日本においてもエンジェルが大きく広がっていくのではないかという感じがしております。したがって、私どもはできるだけ制度を充実して環境を整えるという点に重点を置いて推進してまいりたいと考えておるわけでございます。
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小島慶三#17
○小島慶三君 ありがとうございました。
 この日本とアメリカのいわゆるエンジェルと言われる金持ちの投資ビヘービアの差といいますか、これについてはもっと突っ込んでいけば相続税の問題とかいろいろと出てくると思うのでありますが、これはまた別な日に別な課題として扱わなきゃならないと思いますので、本日は御質問申し上げません。
 人の問題というのは、やはりこの問題を推進していく場合に非常に重要であろうというふうに思っております。いろいろ制度ができまして、新しい制度でなれないものですから、いろいろ役所とか自治体に頼っていく面がかなりあると思うんですけれども、これはマネージをする人の自主性といいますか、独立性、創造性、そういったものにできるだけ任せていった方がいいというふうに私は思っております。余り手とり足とりということでありますと、このシステムはうまくいかないのではないかと思っております。
 これも私の事例でございまして、お聞かせするのもちょっとなんでございますが、私は小島塾というのを全国で三十五持っております。その小島塾の中で非常に創造性に富んだ中小企業、こういった連中もたくさんおります。
 その一つとして、分社制というのを推進している人がありまして、これは大体何か仕事を推進していく場合に百人単位、せいぜい百人までの人数ぐらいでないとそれに参加している従業者のあらゆるところまで見るというわけにはいかないと。例えば、どういうふうな性格でどういうふうな処世観を持って、またどういうふうな人生経路を経て、どういうふうに事業にそれを生かしていくか、こういったことを一々上から見で見分けがつくのは百人までだというので、どんどん会社を細胞分裂していっております。大体今三十七、八会社ができておりますけれども、これがいわゆる小企業でなくて、非常にハイレベルの技術を持った小企業としてどんどん伸びている。
 彼に言わせると、株式上場ということをいろいろ人に勧められる、また勧めに来られるお役人もある。しかし、自分はそういうふうには持っていかない。なぜかというと、金を借りれば借りたなりに非常に制約が多い、いろいろ注文も多いということで、自分の個性というものがそういうことだとマネジメントに生きてこない。だから、そういうふうに頼るようになってはおしまいだということを言うわけであります。
 だから、このベンチャーキャピタルの今回の推進に当たっても、余り手とり足とりで指導されるということがないように私はぜひその辺のことを御注意いただきたいというふうに思っております。この辺はいかがでございましょうか。
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林康夫#18
○政府委員(林康夫君) 実はベンチャーという言葉自体にもむしろ自主性という言葉が反映されていると思うんですけれども、まさにベンチャー振興というか、ベンチャーが発展していくためにはアメリカのように自主性を重んずるべきだという点は全く同感でございます。
 私どもは、基本的にはベンチャー育成のためには環境整備が重要だと認識しておりまして、今御指摘の小島塾のある企業のように、依存せずに立派に自分で立ち上がっている企業も数多くベンチャーの候補の中にはある、またベンチャー企業の中にもあると思っております。こういった企業については、できるだけ自主性を尊重して活力を引き出すという環境を整備するという観点で考えております。この法案もまさにこのような環境整備を行うものといたしまして、実は非常に異例の法案なんですけれども、行政庁によるベンチャー企業の認定等は一切この法案の中には入っておりません。そういう観点でこの法案をお願いしているわけでございます。
 企業の分社化も一つの重要な手段ではありますけれども、できるだけこういった分社化等によって、また自分の最も適切なリスク管理という観点から、大胆な事業展開あるいは各事業分野ごとにおのおのに最も適した雇用形態、労働条件等を採用していくことがまさにこのベンチャー企業のあるべき姿、こういうふうに認識しております。
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小島慶三#19
○小島慶三君 そろそろ時間が参りますが、あと一、二問御勘弁をいただきたいと思います。
 今回、予算が通ったわけでありますが、それに加えて景気振興策としての追加の財政出動といったようなものが既に議論され始めようとしているわけでありますが、その一つのめどとして従来の公共事業のかわりに新しい社会資本といいますか、そういったものを大きな柱にしてそれに金をつぎ込んでいくという発想があるようでございます。
 私、大変それは結構なことではないかというふうに思っております。予算が最初に議論されましたときから私もそういう主張をしているわけでありますので、大変結構だと思うんですけれども、そういった金が一兆八千億円とか言われておりますが、せっかくそういうふうな金が出るのであれば、これはやはり今回のベンチャーキャピタルの推進についてもそれとかみ合わせてと申しますか、何かベンチャーキャピタルの推進になるような仕組みの予算編成というものが考えられないかどうか。これは全くの素人考えでございますが、そういうことができれば非常にこの推進についても役に立つと思うのでございますが、そういうことは可能でございましょうか。
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堀内光雄#20
○国務大臣(堀内光雄君) きょうから今のこれからの景気対策の問題がスタートするわけでありまして、どういう方向でどういう取り組みをするかということは、まだ全く方針も出ているわけではございません。きょうの三時以降に総理の記者会見において一つの方向づけが出てくるかもしれないというふうに思っておりますし、また私どもの閣僚も二、三、総理の官邸に呼ばれることになっておりますが、私はこちらの委員会がございますので次官を差し出すことにいたしております。それらの検討の結果の中で、今先生の御指摘のような問題、中小企業問題というものを通産省としては強くいろいろ出してまいりたいというふうに思っております。
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小島慶三#21
○小島慶三君 私の質問をもう一問で終わりたいと思うんですが、さっきこれは聞き漏らしたんですけれども、ベンチャーキャピタルの推進ということの中の一つに大学との連携ということがあるのではないかというふうに思っております。
 例えば、アメリカのケースでも、大学の先生方が中心になってベンチャーをつくるとかそういうふうな動きもかなりあると、現実にそういうことがあるようでございますが、日本の場合には、大学は大学で、事業化とかそういったことには非常に無関心というか、そういうところが多い。大学によって、大学の先生方によってこういったベンチャーキャピタルが成功し、またそれがどんどん実を結んでいくというふうな動きではどうもないように思うのでございますが、その辺、通産省としてはどういうふうにお考えでございましょうか。
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杉山秀二#22
○政府委員(杉山秀二君) ただいま先生から産学連携の重要性についての御指摘がございました。ベンチャー企業等の新規産業をつくり出していくためには、産学連携によります技術開発あるいは大学におきます研究成果などが産業界に円滑に移転をされまして、大学の研究成果あるいは研究機能といったようなものが活用されることが大事であるというのは先生の御指摘のとおりだと思っております。
 この点につきましては、科学技術基本計画とかあるいは産業構造改革プログラムといったようなところにおきまして指摘をされているところでございますが、そういう指摘にのっとりまして、最近、私ども政府といたしまして産学連携の促進を図るための体制整備をいろいろ進めてきておるところでございます。
 例えば、大学の人材の活用という観点からは、一定の範囲内で兼業の規制を緩めるとか、あるいは通産省でやっておりますようないわゆる提案公募型の研究開発制度をつくるといったような施策の充実を行っておるところでございます。
 また、このような産学連携施策に加えまして、先ほど大臣から御説明をいたしましたように、大学におきます研究の成果というものをできるだけ円滑に民間事業者に移転を進めるという観点から、今回、産学連携法案といった法律につきまして現在国会で御審議をいただいているところでございます。
 当省といたしましては、文部省といったような関連の官庁とも十分連携をとりまして、先生おっしゃいますような産学連携施策ということに力を注いでまいりたいと考えております。
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小島慶三#23
○小島慶三君 終わります。
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加藤修一#24
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。
 まず第一番目に、投資額の見通しということについて質問をしたいと思います。
 通産省は今回の法律で厚生年金基金等年金資金から、あるいは海外の年金資金からのベンチャー企業投資、それを引き出せるように考えて法案化されているわけでございますが、アメリカのベンチャーキャピタルほど収益性が高くないと、そういった指摘も多くあるわけですけれども、そういった点から考えていきますと非常に心配だなというところもございます。果たしてうまくいくのかなという感じがしているわけでございますが、果たしてこの法律でアメリカと大きく開きのある投資額がどこまで伸びるのか、そういったことは非常に大きな問題だと思いますけれども、そういった点について通産省はどのような見通しをお持ちでしょうか。
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林康夫#25
○政府委員(林康夫君) お答え申し上げます。
 本法案に基づく投資事業組合でございますけれども、今回新たに有限責任を確保するということで、また組合員による組合業務に関する情報入手の権利も確保されるということから、この法案が成立いたしますれば、かなり海外を含めて年金基金を含む機関投資家等によるベンチャー投資が円滑に行われるようになると思っております。
 具体的にどの程度ふえるのだ、こういう御質問でございますが、一つは米国の年金基金等による本法案に基づく組合への出資というのがあるわけでございますし、第二には我が国の企業年金等の機関投資家による信託銀行あるいは生命保険会社を通じた本組合への資金供給、これも期待できるわけでございますし、また今後は運用規制を緩和していただければ我が国企業年金等による本組合への直接的な出資の道も開けるわけでございまして、私どもとしてはこれらを通じてかなり大きな伸びが期待できると考えております。
 実は、現在の我が国のベンチャー投資残高は八千億円強でございますが、仮に我が国の企業年金等が今後三年間で米国における一九八〇年代並みに全資産運用中の二%程度を投資事業組合への出資に回すようになると想定いたしますと、二〇〇一年におけるベンチャー投資残高は約二兆円を超える規模にまで増大するものと試算しております。
 ただ、御指摘のように現在景気が停滞しているということもありますし、アメリカの状況と比べでそういうビジネスチャンスは少ないのではないかというお話でございますが、確かにそういう要素はあります。ただ、現状でもアメリカの年金基金が現在の民法上の投資事業組合を通じて若干の投資を行っておりまして、現に日本の資金需要というのは大変大きなものがございまして、これは諸外国と比べましても規模において相当大きなものがございますので、海外の投資家の目からはかなり熱いまなざしが日本のマーケットに注がれているのも事実でございますので、私どもはこの程度は期待してもいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
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加藤修一#26
○加藤修一君 そのように期待どおりいくことを私も願うわけでございますけれども、なかなか私は厳しいという認識を持っているところでございます。
 この法案に関連しまして、より一層ベンチャー企業投資が拡大していくようにという観点から、関連のいわゆるサポートするような法案ということも考えていらっしゃるんでしょうか。
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林康夫#27
○政府委員(林康夫君) 実はこれは民法の特例法でございますけれども、ベンチャー振興のためには、先ほど大臣の方からも御答弁いたしましたが、基本的にはストックオプション制度の充実あるいはエンジェル税制の活用といったような点が必要でございますし、また人材養成の施策等さまざまな施策が相まってこういった施策が前進していくのではないかと考えておりまして、これは予算面あるいは今後の検討課題として必要な措置を考えていくということになると思います。
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加藤修一#28
○加藤修一君 現時点では関連のサポートするような法案については考えていないという理解をしたいと思いますけれども、それでよろしいですか。
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林康夫#29
○政府委員(林康夫君) 法案の形ではこの法案をまずお願いしたいということでございますけれども、当然のことながら予算措置あるいは金融措置等で大きな前進ができるような措置をさまざま検討中でございます。
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