予算委員会

1961-03-07 参議院 全242発言

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会議録情報#0
昭和三十六年三月七日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
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  委員の異動
本日委員杉原荒太君及び久保等君辞任
につき、その補欠として井川伊平君及
び大矢正君を議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     館  哲二君
   理事
           梶原 茂嘉君
           中野 文門君
           平島 敏夫君
           米田 正文君
           阿具根 登君
           占部 秀男君
           松浦 清一君
           千田  正君
   委員
           井川 伊平君
           泉山 三六君
           太田 正孝君
           大谷 贇雄君
           金丸 冨夫君
           小林 英三君
           小柳 牧衞君
           小山邦太郎君
           塩見 俊二君
           重政 庸徳君
           白井  勇君
           手島  栄君
           一松 定吉君
           武藤 常介君
           村松 久義君
           村山 道雄君
           山本  杉君
           湯澤三千男君
           横山 フク君
           大矢  正君
           小酒井義男君
           小柳  勇君
           羽生 三七君
           森 元治郎君
           森中 守義君
           東   隆君
           山田 節男君
           白木義一郎君
           辻  政信君
           森 八三一君
           岩間 正男君
  国務大臣
   内閣総理大臣  池田 勇人君
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
   大 蔵 大 臣 水田三喜男君
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
   厚 生 大 臣 古井 喜實君
   農 林 大 臣 周東 英雄君
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
   郵 政 大 臣 小金 義照君
   労 働 大 臣 石田 博英君
   建 設 大 臣 中村 梅吉君
   自 治 大 臣 安井  謙君
   国 務 大 臣 池田正之輔君
   国 務 大 臣 小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 迫水 久常君
   国 務 大 臣 西村 直己君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   防衛庁教育局長 小幡 久男君
   防衛庁装備局長 塚本 敏夫君
   経済企画庁調整
   局長      中野 正一君
   外務省アジア局
   長       伊関佑二郎君
   外務省アメリカ
   局長      安藤 吉光君
   外務省経済局長 牛場 信彦君
   外務省条約局長 中川  融君
   外務省国際連合
   局長      鶴岡 千仭君
   大蔵省主計局長 石原 周夫君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
   大蔵省理財局長 西原 直廉君
   大蔵省銀行局長 石野 信一君
   大蔵省為替局長 賀屋 正雄君
   農林大臣官房長 昌谷  孝君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
   電気通信監理官 松田 英一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
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  本日の会議に付した案件
○昭和三十六年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十六年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十六年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
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館哲二#1
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。
 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑を続けます。
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大谷贇雄#2
○大谷贇雄君 議事進行。きのうも、一時開会がまさに三十分遅刻、きょうも開会が三十分近く遅刻であります。衆議院で予算が通過したから、もう参議院の予算委員会は少し緊張の度をゆるめてもよかろうと、こういうようなことであるのか。総理大臣は、もう定刻にぴたっと来て席についておられる。大臣諸公は、それぞれ御用事があるであろうけれども、こういうことであっては、参議院の予算審議は遅々として進んでいかぬことになる。ことに、私は質問を要求しておいたのに、この私すら総括質問を委員長はやめさした。そういうように、時間をセーブしようというように、委員長が名委員長としてやっておる。しかるに、総理が来ておられるのに、山田節男議員の要求をしておられる大臣諸公がそろわぬので、この開会がおくれておる。こういうことでは、夕方になって、まただんだんおくれていって、そのために、また質問の日にちを延長しなければならぬというような事態が起こってくる。委員長は、これに対して今後どういう処置をなさるか。衆議院で予算が通過したら、参議院の方は予算委員会はどうでもいい——まさかそんなことはないと思うが、もしそういうような気持ちが閣僚諸君の中にあるとすれば、総理大臣は一番初めから来ているのだが、これは、はなはだ私は参議院軽視のそしりを免れないものと思う。また館名委員長の威令が届かぬということになる。委員長の所懐をこの際伺って、今後の対策について御所信を承っておきたいと思います。
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占部秀男#3
○占部秀男君 関連。今、大谷議員が言われたことは、しごくもっともなことで、そこで委員長にお伺いをしたいのですが、きょう定刻に開くということは、きのうから予定しておることであって、各大臣の方に委員長としてはおそらく通告をされたろうし、また各大臣の方からも、委員長に対していろいろな点について話し合いがあったと思うのです。それにもかかわらず、こういうような形が行なわれているということは、私は非常に遺憾に思うのです。そういうような取り扱いの点について、委員長としてはどういうようにやられたのか。ことにきょうは、午後には総理がおられなくなる。こういうようなことになっておる。そういうようなときに、こんなに時間をとるようでは、われわれは十分の審議ができないということになる。これは野党側としても非常に重大な問題ですから、委員長、その点について、御答弁をあわせてお願いをいたしたいと思います。
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館哲二#4
○委員長(館哲二君) ただいま大谷君並びに占部君の議事進行に関する御発言は、おそらく全委員のお考えだと思うのであります。この際委員長として、政府に今後ともできるだけ御勉励を願うことを申し上げておきます。
 議事を進行さしていただきます。質疑を続けます。山田節男君。
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山田節男#5
○山田節男君 最初に、私ちょっと政府閣僚の皆さまにお願い申し上げたいと思いますことは、わが党に割り当てられております質問時間が非常に制約されておりますので、質問者はしかも二名でございますので、短時間の間に、かなり多岐にわたった質問を申し上げますので、関係諸大臣の御列席が十分でないと時間をとりますので、能率上この点を特に申し上げておきます。
 まず最初に、私は昨日の羽生並びに杉原両委員から御質問がありました国連中心主義の外交について、若干質問いたしたいと思います。
 池田内閣が第一次内閣ができまして以来、外交方針は、自由国家群の一員として、あくまでこの国連中心の平和外交を推進していく、こういうことをおっしゃっておるのであります。ところで御存じのように、昨年の九月の第十五総会以来、国連の機能というものが、麻痺したとは申しませんけれども、非常に理想とする国連の機能というものが薄らいできておるということは現実でございます。そういう点から、さらに第十五総会におきましては、フルシチョフ首相は、国連の機構改革、事務総長を三人制にしろ、その他国連の機構改革の案を出したのでございますが、その後の国際情勢の転換をみますと、ことに最近のコンゴーにおきまするあの紛争問題、これは国連の緊急警察軍が行っておりますけれども、今朝のジャパン・タイムズを見ますと、この国連緊急警察隊は、コンゴーは撤退しなくちゃならぬのじゃないかというようなことを報じるような工合でございまして、今日の国連の機能というものは、まさに危機に直面しているのであります。換言いたしますと、国連そのものが一つの転換期に今立っているのじゃないか。かように考えるのでありますが、この点につきまして、私は池田総理の、この国連が危機に直面している、あるいは転換期にあるかどうかというこの御認識の点について、まずお伺い申し上げたいと思います。
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池田勇人#6
○国務大臣(池田勇人君) コンゴーの問題が起こる以前から、そういう傾向が見られたのでございまするが、コンゴー問題が起こりまして、ほんとうに転換期と申しまするかあるいは危機と申しますか、私はどちらかというと非常にむずかしい——危機とは申しません、むずかしい状態になったことと考えているのであります。われわれはむずかしい状態をできるだけ早く解決するよう、努力しなければならぬと思うのであります。
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山田節男#7
○山田節男君 今の総理のお言葉によれば、国連の機能が、その目的とすることに十分に効果を発揮してないということについては、私は同じ意見を持たれたことと理解いたします。そこで、私どもの解するところによりますると、なぜ国連が本旨とする機能を失うかというその原因を考えてみますると、御承知のように、国連憲章はドイツが無条件降伏いたしました直後、すなわち一九四五年の六月二十六日に、サンフランシスコでこれは署名されたのであります。それから約二カ月いたしまして、日本が無条件降伏いたした。この国連憲章が成立しましたのは、いわゆるこの広島、長崎に原子爆弾が投下されました二カ月前にこれができた。すなわち、この国連憲章の前文にありまするように、一生において二度も悲惨な大戦争を味わったと、こういうことを再び繰り返してはならないという、非常に強い平和への意欲をもって作られたのでございまするけれども、この原子力時代に入りまして、すなわち国連憲章が作られた後のいわゆるこの原子力——原子爆弾あるいはその後のICBM、そういうようなものの時代と、ちょうど境目にあったのであります。私は今後の国連が、原子力の時代、すなわち核兵器の時代、すなわち今日は、こういう核兵器を所有する国、これが含まれるところの全面的戦争になった場合は、たとえばよしんば、これが局地戦争であっても、その交戦国間だけのこれは勝敗ではなくいたしまして、全人類の破滅になるというふうな時代なんです。そういう今日と、それ以前のときの国際情勢からいたしまして、また国際連盟の過去の失敗に省みまして、国際連合というものを作ったのであります。そこに私は、今日のこの国際連合の機能というものが、現在の国際情勢にミートしないという、この根本的な国連の欠陥と申しますか、弱点があるのじゃないかと私は思うのですが、この点についての総理並びに外務大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
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小坂善太郎#8
○国務大臣(小坂善太郎君) 現在の国連が非常に総理の言葉のように、試練に直面しているということは、非常なことでありまして、われわれとしては、この唯一の世界平和の維持機構である国連を何とかして盛り立てて参りたいと、かように考えているのであります。しかも今お言葉のように、一たび核戦力を用いるにおきましては、非常な人類のためにおおうべからざる災厄を招くということは、これは各国において認識せられていることだと思います。しかも、なおその認識のもとにおいて、国連が現在のような情勢を来たしているのは何のゆえであるか、結局私は国連というものに対する各国の協力のよって来たる認識の問題だと思うのであります。私は国連という場所を、決してプロパガンダの場所にしたり、相互がこの場所において、ただ票をもって争うというような考え方を捨てて地道に話し合って、そこに良識と理性の場として国連を育て上げていくという覚悟に徹しなければならない、非常に大切な認識の問題があるのではないかというふうに考えるのでございます。私どもとしては、そういう場として国連を作り上げるということに努力したいと思っておるのでございます。
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山田節男#9
○山田節男君 一月三十日の池田総理の施政演説の中に、また、続いて小坂外務大臣の外交演説の中にも、国連を強化する、こういう言葉が入っておるのであります。昨年の第十五国連総会におきまして——私は当時ニューヨークにおりまして、大臣の演説を直接聞くことはできませんでしたけれども、そのテキストをニューヨーク・タイムスで拝見いたしました。その中でも、やはり日本政府の代表といたしまして、国連を強化しなければならない。それは要するに国連の機能を強化し、そうして国連の権威——インフルエンスというものを高揚するということが加盟国全員の最高の義務であると、こう言っておるのでありますが、これは趣旨としてはまことにいいのでありますが、しからば、一体具体的に言えば、こういうふうに国連のインフルエンスを高め、そして機能を強化する。これは具体的にはどういうことをお考えになって、こういうことを表明されたのか、その内容を御説明を願いたい。
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小坂善太郎#10
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は国連というものを話し合いの場にするということを強調いたしておるのであります。とかく新しい国が多く入って参りまして、そしていまだ議事にもいろいろ習熟しない点もございまするので、何か国連が一つの宣伝の気球を上げたり、あるいはそこで決議案を出すというようなことだけが国連であるというように持っていかれがちでございますから、決議案を出すことも必要でございまするけれども、そうしたことよりも、いかにしてお互いに平和の問題を話し合うということにする場にするかという雰囲気を持つことこそ大事であるということを強調したつもりでございます。
 しかしながら、その具体的な方法におきましては、現在の国連のあり方というものは、かつての参加国が非常に少ない時代に作られたものでございまするから、たとえば安保理事会あるいは社会経済理事会といったようなものの構成が非常に片寄っており、とかく、ともすれば大国中心主義になり、あるいは新たに加盟したところのアジア・アフリカの諸国の利益あるいはその繁栄をもたらす声が十分に反映しないような傾向になりがちな構成になっておるという点を改めてもらいたいということが一つでございます。
 それからもう一つは、国連の憲章自身について、これをやはり変えていく。その中には、御承知のように山田さんもかねてから御主張になっておられますように、旧敵国に対する条章というものがあるわけでございます。これは一九四五年にできた当時の国連憲章としては必要であったと思いまするけれども、今日においてはこの条章は必ずしも適切ではない面もあるわけでございます。そこでこの条章改正に対するところの委員会というものを作ったらどうかというふうにも思うのでございます。そしてそういう条章を改正することを中心とした論議の中から、今後の国連はいかにあるべきかということを各国が寄って話し合うということが意義があろうかと思うのであります。しかし御承知のようにこの条章改正については、ソ連が強い反対を示しております。私は現在のいき方としては、条章改正の研究のための委員会を設けるという行き方あたりから始めたら言うかというような提案をいたしておるような次第であることは、すでに山田さんも御承知いただいておると思います。
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山田節男#11
○山田節男君 小坂外務大臣も昨年の第十五回国連総会の、ことに九月十四日のフルシチョフが演説をいたしましたその後の数日間のあの状況をごらんになればわかりますが、今日の国連というものは、これは全く職業外交官の何と申しますか、ネゴシエーションと申しますか、各国の代表としての一種の交渉舞台になっている。でありまするから、これらの代表のバックは常に政府なり国があるのでありまするから、今小坂外相の言われるように国連を静かな話し合いの場にする、理性が支配する場にすべきだとおっしゃいますけれども、現実はそうじゃない。なぜそうならないかと言えば、この国連の機構そのものが、組織そのものが各国を単位としての代表より成り立っているから、そこに私は静かな話し合い、理性の通らない場になっているのじゃないかと、私はかように考えるのであります。
 そこで、ただいま小坂外相からのお話もございましたが、国連憲章の改正の問題であります。これは国連憲章の改正の条項が百八条、百九条にございまして、百九条によりますれば、もし第十回総会に国連憲章改正の議題が載らなかった場合には、特別の委員会を作って、そしてなるべくすみやかに国連憲章の改正の時期、場所等を、これを審議決定するように取りはからうべきだというような規定があるのでございます。第十回の総会に出ませんので、それを第十二回総会、第十四回総会、一九五九年までには必らずこれを出さなくちゃならぬ。岸総理も国連総会に出席し、松平国連大使もともども国連憲章再審議のすみやかに行なわれるように要請したのでありまして、国連憲章の改正ということにつきましては、賛成の討論をいたしておるのであります。しかし、ただいま小坂外相が言われますように、このことが常にソ連の拒否権の発動によって成立しない。こういう現状であるということはわかるのでございますが、先ほど申し上げましたように今日の国連というものは、これは一九四五年に作られますときに、これはどうせこういうものが十年も二十年も同じような憲章でいくものじゃない。必ず国際情勢の変化があるから、そういう改正条項を行なうということを意識として持っている、ところが、この国連憲章の改正ということが依然としてソ連の拒否権の発動のためにこれが成立しない。こうなるというと、国連が、先ほど申し上げましたように、今日の国際緊張を緩和し、戦争の脅威を撲滅し、国連機構を確保するためにどうしても国連の憲章を改正しなければならない。そこで私は、これはやはり池田総理並びに小坂外務大臣にお伺いするのでありまするが、国連憲章の改正、これは総会におきまして三分の二以上の賛成があれば、これはできることになっているのであります。御承知のように今日におきましては、おそらく百国をこえております。昨年の十五総会に九十七カ国と覚えておりまするが、その中で少なくとも私は過半数のものは、一国一票とすれば三分の二は確保できるのじゃないか。また確保するために私は日本としましては日本の憲法の建前から申しましても、私は日本の政府がイニシアチブをとり、そして国連憲章を改正する委員会を作って実現するように努力すれば、これは私は不可能じゃないと思うのであります。この点に関しまして、日本の政府としてはそれだけの、国連憲章を改正して今日の国際緊張の緩和、戦争の撲滅、核兵器の禁止、あるいは軍備撤廃まで持っていくような国連機構の改善のために努力なさる御決意があるのかどうか。この点を一つ総理並びに外務大臣両方からお伺いしたい。総理は政治哲学としての理想をお持ちであろうから、私はあえて御答弁をお願いしたい。
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池田勇人#12
○国務大臣(池田勇人君) その点につきまして、十分検討を続けていきたいと思います。
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小坂善太郎#13
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま総理からお答えになりましたように、非常にいろいろな障害があるわけでございます。われわれ強い意思を持っておりますけれども、山田さんすでに御承知のように、ソ連の態度というものは非常にこれに反対をしておるのでございます。そこで、われわれといたしましては、まずそれの実行可能なる一つの方法といたしまして、改正するとすればどういう点が問題であるかということの研究を始めようではないか、その研究の委員会を作るからということで各国を説いておりまして、これについては徐々に問題が理解されつつあるのでございますが、私どもは、今、山田さんの仰せられたような気持をもちましてこの研究委員会を作ることをまず手がけたいという気持でおる次第でございます。
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山田節男#14
○山田節男君 国連の憲章の審議会を組織いたしまして、国連憲章の改正をするために国際的に働きかけると、これは、私はまことに必要なことだと思いまするが、その前に、やはり日本の平和憲法の建前からいたしましても、やはりこの国連憲章を改正する場合には、世界平和を永遠に確保し得る、それがためには戦争をなくするんだ、それがためには各国が軍備を撤廃してもいいんだ、撤廃できるような状態に持っていくような国連に——国連と申しますか、そういう一つの世界機構に持っていかなくちゃならない。そのためには、これは各国に働きかけるにいたしましても、やはり日本としては国連憲章をどういう工合に変えたらいいんだかという私はアイデアがなくちゃいけないと思う。これはついでだから申し上げまするが、一昨年の三月にアメリカの上院、下院におきまして、いわゆる世界法を通じての世界平和確立という決議案を——これはすなわちアイゼンハワー大統領に対しまして、先ほど申し上げましたような第十四回の総会、一九五九年までに、アイゼンハワー大統領は政府の所轄のかなり高い程度のレベルにおいて国連の憲章を、いかに、どの点を改正すべきかということを、これを至急調査研究して、そしてアメリカとしては国連憲章の改正委員会においてこういう点を提案しよう、こういうような上下両院の決議によりまして——アイゼンハワーは、御存じのように国連改造問題研究に着手いたしまして、国連憲章の改正の調査研究特別委員会を作ったこともありました。これは外務大臣も御存じのことと思いますが、日本としましても、やはり外務省に国連局がございますので、国連局がそれだけの機能を持っておるかどうか存じませんが、私は、日本の政府もアメリカ以上に真剣に、この国連の憲章のどの点をどういうように変えるかということを、国内的にも早急に研究し、調査いたしまして、結論を持つべきだと思いますが、そういう御計画はお持ちになっておらないのですか。
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小坂善太郎#15
○国務大臣(小坂善太郎君) 世界の恒久平和と人類の福祉を目ざして、各国が主権を放棄して一つの世界連邦的な機構のもとに入るべきであるという非常に高い理想を掲げて運動を続けておられる各位に対しまして、私は常々深く敬意を表しておるのでございますが、現実は、しかしながら御承知の通りでございます。国連のハマーショルド事務総長が言っておりまするように、人間は立って歩くことを覚える前に、まず、はうことを覚えねばならぬということを言っておるのは、非常に私は明言だと存じますが、現在の国連を通じて、まず世界各国に世界連帯の意識を生ぜしめていく。その世界連帯の意識を高めつつ、漸次世界国家的な方向に持っていくということを考えるしかないと思うのでございます。国連憲章の改正につきましては、国連局を中心といたしまして、いろいろ研究をいたしておりまするが、まだその具体的にどうという段階までは達しておりません。さしあたり旧敵国条項の改正というようなことが一番主体になるべきだと思いますが、これもまた非常にデッド・ロックがあることは山田さんも御承知の通りの事情があるわけでございまして、なかなかこの道は遠いのでございます。しかし道は遠く険しくとも、われわれはその理想に向かってできるだけの努力を進めていきたい、かように考えております。
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山田節男#16
○山田節男君 ただいまの小坂外務大臣の御答弁にもありますように、要するに今日の国連というものが、各加盟国がおのおの従来の完全主権、すなわち国防というものもこれは今日の主権においてはなくてはならぬものだというような観念のもとに各国が存在しておるというところに、戦争の脅威が起きてくるので、そういう意味で、私は単なる戦争防止、戦争の撲滅というのみならず、やはり今後の国際開発その他の問題にいたしましても、結局私は、従来のように各国が古い意味の国家完全主権を主張するような今日の国連では、とうてい世界平和の確保というものはできない、人類の平和というもの、幸福というものは、もたらせない。交通通信の進歩しました今日におきましては、もうすでにいわゆる各民族の見地から立って、国家主義の政治というものは、これはすでに時代錯誤でございまして、やはり世界人類という立場から見た世界政治が実現されないというと、どうしても私は戦争の脅威というものが絶えないと思います。そういう意味におきまして、私は、政府のただいまの御意見にもありますように、国連憲章の改正、しかしながらこの改正は、要するにいわゆる国防に関して超国家的な、たとえば国防に関する主権に関しては、これは新しくできる国連あるいは世界政府に対してこれを移譲するということになって、しかもその問題は、国際警察隊にいたしましても、国際警察隊が各国から志願者を募集いたしまして、国連に忠誠を誓い、国連の装備したものによって、またその共助によって組織されておる国際警察というものが、たとえば二十万、世界のコンゴー、スエズその他危険な地域にこれが国際的な治安を保つためにおるというようにするためにも、これはやはり今までのいわゆる国家の主権の重要なるエレメントとして国防というものを持たしておる今日のいわゆる主権の観念では、とうていこの世界の平和というものは確保できない、私どもはかように考えるのであります。そういう意味から、これは小坂外務大臣も世界連邦運動には非常に御理解があり、またこの運動に御援助願っておるのでありますが、アメリカあるいは西ドイツあるいは英国のマクミラン首相にいたしましても、いわゆるどうしても世界政府、ワールド・オーソリティというようなものを、これを国連に……。ここまで持っていかないというと世界平和は確保できないということを申しておるのでありまして、私は国会の同僚のみならず、ことに行政の府にあられる総理、外務大臣に、この点に一つ十分意を用いていただいて、時代にミートするように世界各国に呼びかけるのみならず、大いに努力して、そういう趨勢をすみやかに実現するようにお願いを申し上げて、この問題については質問を打ち切りたいと思います。
 次に、貿易振興の問題でございまするが、この問題につきましては、すでに衆議院におきましていろいろな角度から質問をされておるのでありまするが、私は、ただその中で貿易振興の条件、これはいろいろな条件がございまするが、その整備について二、三御質問申し上げたいと思います。
 御承知のように日本は西ドイツあるいは英国と同じように、やはり貿易に依存する国である、いわゆる貿易立国ということの政策が最も私は重要であると思うのであります。しかしながら、この貿易を振興する、貿易によってわれわれは生存しなくちゃならぬというこの宿命の上に立って、しかも国際条件というものは非常に変わってくるものである。そういう点から、今日の日本が置かれておりまする国際情勢のもとにおきまして、きわめて計画的なまた何と申しますか、西ドイツが戦後実施いたしましたような、きわめて計画的なこの貿易産業政策と申しますか、いわゆる外国と競争しにくいドイツ独特の、しかも安くて非常に品質がいい、こういうものに重点を置いて戦後復興したドイツの貿易というものが、非常な繁栄を来たしたということは、先年こちらに参りましたエアハルト大臣の言うたところであり、また奇跡のドイツの繁栄というものが、そこに根本があったということは、これは周知の事実でございます。そこで、私はお伺いしたいのでございまするが、この日本の貿易振興は、いろいろ通産省あるいは経済企画庁あるいは大蔵省、運輸省——国際観光上から申しますれば運輸省もこれに参加しているわけでありますが、こういう点から、私は貿易国策というものに対しまして、一つの総合的な計画というものが必要であると思うのでありますが、これはまず主管大臣である通産大臣より、この問題についてどういう考えをお持ちになっておるのか、具体的にお示し願いたい。
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椎名悦三郎#17
○国務大臣(椎名悦三郎君) 貿易振興の問題は、きわめて重要な課題でございます。で、これに対して、もちろん総合的な計画を持って臨まなければならぬのでございますが、しかし各地域ごとにそれぞれ打つべき手が違ってこなければならぬという関係もございますから、総合性を持つと同時に、また個別的に各地域ごとに対策を考えていかなければならぬのでございます。そこで、まず前提といたしまして、貿易向けの輸出品、一体どういうものを作って、どういう所に向ければいいかというようなその前提の調査、その調査が正確にないと、総合計画も個別計画もみな狂って参ります。そういう関係で、わが国の貿易政策といたしましては、ジェトロを、前提の調査をする機関として、これの機能を高めるというところに重点をまず置いているのであります。それから総合計画といたしましては、やはり各国の、ことに低開発国に共通な現象といたしましては、外貨が十分にないのに物がほしいという関係にありますので、延べ払い制度を大幅に認める必要がある。そのためには輸出金融というものを潤沢にしなければならない、そういったような関係を重視しております。そうして個別的に各市場対策によって輸出の振興を推進するという、大体そういう構想でやっている次第であります。
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山田節男#18
○山田節男君 どうも今の通産大臣の御答弁だけでは、日本の貿易に企画性があるというようには思われないのでありますが、特に日本の輸出は、御承知のように雑貨品が多いのであります。それは主として中小企業、中小工業の生産物であるという点におきまして、私は特に貿易につきましては政府がもっと企画性を持たしてやるべきだと考えますので、こういう問題を提起したわけでありますが、私どもがことに東南アジア地域諸国につきまして感じますことは、たとえばタイであるとかバンコックであるとか、あるいはラングーン、カラチ、こういう所に参りますというと、そこに四十社に余るような商社の代表がおりまして、しかも繊維関係が四社も五社も、鉄鋼関係も三社ございます。こういうように同じ商品別、あるいは電気器具等におきましては、私の知るところ、カラチにおきましては六社ある。そしてそういう物の売りさばきにつきましての激甚な競争を日本の商社同士がやる、こういうありさまであります。これは一体買う方から見ましても、こういうように日本の商社が過当競争を現地でやるというこの事態が、私は日本の貿易に対する非常な不信を買う要素になっていると思うのであります。こういうものに対して、一体、政府としては、何かの規制を加える方法があるだろうと思うのですが、この点についての具体策があるかどうか、一つお伺いしたいと思います。
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椎名悦三郎#19
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御指摘のように、海外市場において見られる現象は過当競争であります。そしてこれを排除する方法といたしましては、やはりその本元である国内の本部そのものの態度を改めなければならぬ。そのために輸出入取引法が施行されておるのでありますが、さらに施行した現況にかんがみて、不備の点が多々認められますので、新しくこれを補完するよう、ただいま研究しておる次第であります。やはり秩序ある進出、秩序ある取引、お互いにたたき合いをして、そしてお互いが損をするというような、そういう過当競争を排除するには、やはり法制が必要であるということでありますので、その法制について考究しておる次第でございます。
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山田節男#20
○山田節男君 この日本の貿易振興のための市場開発にはいろいろな方向がございましょうが、政府としては、これは外務省、外国公館としてございまするし、また私の了解する限りにおきましては、かなり多数の通産省の事務官が大公使、総領事館等に駐在しておることも私は知っておるのであります。私の見る限りにおきましては、どうも外務省の出先におきまして通産官と外務省との密接なタイ・アップといいますか、連絡協調というものがないのではないか。これは、私は、一カ所ばかりではございません、そういうものを南米においてもあるいはヨーロッパにおいても見ておるのでありますが、この点について、私は特に印象を深くいたしますのは、一九五〇年と思いますが、駐日ドイツ大使館におきましては、二名の通商参事官、事務官を併置いたしまして、北は札幌から南は鹿児島に至るまで、ショー・ウインドーまで精細に調査し、品質、価格、生産工場の調査はもとよりでありますけれども、そういう工合にやりまして、本国ドイツ政府の貿易省と外務省とにこのレポートを送る、しかもそれを、今度は貿易業者あるいは生産者に対する連絡、情報の提供ということもきわめて迅速、正確であり、ここらあたりがドイツが全く奇跡の繁栄を来たした大きな原因がある。今日、七十億の外貨を保有する大きな私は原因だと思うのでありますが、こういう点につきまして、一体外務省、通産省、少なくともトップの大臣の間におきまして、貿易振興のために何らかこれを調整するような道をお考えになっておるのかどうか、その点を一つ両大臣からお答えいただきたいと思います。
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小坂善太郎#21
○国務大臣(小坂善太郎君) まことに御指摘の点は非常に重要な点だと存じまして、きわめて同感でございます。われわれの在外公館におきましては、出先の商社の連絡会というようなものを必要に応じて作りまして、いろいろ指導いたしておるのでございますが、とにかく通産省との関係は非常に重要だと存じます。現在外務省から通産省へ出向しております者は十四名でございます。また、通産省から外務省に出向しておられる方は、本省において十名、在外において三十七名おられるのでございまして、これらの諸君がよく連絡をとるということは、これまた非常に必要なことだと存じます。ただ、貿易全体としていえますることは、たとえば北米地区に非常にわれわれの輸出が多いわけでございまするが、ある商品をとってみますと、ある国に対して、真空管を例にとってみますと、三十三年度は二十三万個出ております。これが三十四年になりますると二百五十万個になり、これが三十五年になると五百万個近くになる。そこで、非常にフラッドしてしまう。従って、先方から強いクレームが来るというようなことがございますので、通産大臣が言われましたように、どうしてもここに秩序ある輸出というものをもっと考えていかなければいかぬのじゃないかと思います。
 また、東南アジア地区におきましては、これは何といっても一次産品の買付をこちらがするという必要もございます。やはり貿易は片貿易では先方はとても満足せぬのでございますから、そういう点ももっと配慮せねばならぬ点であろうかと思います。これらは、国内の大臣レベルにおいてよく連絡をとって解決をして参りたいと、かように思っておる次第でございます。
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椎名悦三郎#22
○国務大臣(椎名悦三郎君) 外務省と通産省との連絡関係は、ただいま外務大臣からお話し申し上げた通りでありますが、さらに、私、若干追加して申し上げますが、専門の海外調査員、先ほど申し上げたように、ジェトロが大体それに当たっておりますが、さらに専門調査員を各市場に配置をして、絶えずその商況あるいは日本品の市場における成果等を調べておるのであります。そのほかに、調査員とまでいかない派遣員を合わせますというと、調査員三十数名、それに五十名ほどで八十数名、これが海外の調査に当たっておる。これは、各商社の調査員がやらないような主として基本的な調査をやっておるのでございます。かなり成功を納めておると思うのであります。それで、この調査の結果は、今度国内におきましては貿易相談所に——各地の商工会議所等にありますが、その貿易相談所にその資料を持ち込んで、そして海外の市場というものは大体こうなっておる、であるからして、ここに力を入れることが必要であるというような、その相談に応じて、海外における市場の知識を国内の中小企業に与えておる、こういうような状況でただいま進んでおる状況でございます。
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山田節男#23
○山田節男君 これに関連しましてプラント輸出の問題でありますが、私は現実の例をもって御質問申し上げますが、ブラジルのサンパウロにトヨタ自動車が進出することになっておりまして、ブラジル政府としても非常にこれを歓迎しておりまして、かなり特権的な待遇を与えるように聞いておったのであります。しかるところ、現実にトヨタ自動車が一体どういうものをあそこで作ったかと言いますと、全く初めの計画の十分の一にも足りないような、単なる組み立て工場程度のものしか作らない。それがためにブラジル政府は非常に失望し、かつ憤慨いたしまして、日本のそういったようなプラント輸出に対してはもう将来絶対に信用できないというので、今度はドイツのベンツ、それからフォルクス・ワーゲン、フランスのシムカ、これらの自動車工業が進出いたしまして、私、一昨年参りますというと、非常にりっぱな工場、しかも、部品まで作るという工場を作って、ブラジルのバス、トラックのほとんど九割を製造しておる状態であります。私はこのとき現地で、これは外務省の公館の諸君、通産省の参事官とも話したのでありますが、こういうことを、これはいかなる国内事情があろうとも、少なくとも一国に対して、これは政府も——外務省も通産省も中に入って、仲立ちしているに違いないのでありますから、それが全くだましたようなことになるということは、これは私は日本の信用というものを非常に落としておると思う。現地も非常にこれに対しては憤慨しておるような状況であります。こういうようなことが今後重ねて起きるようなことがございますというと、やはりこのプラント輸出というものに対しまして——東南アジア諸国におきましてもそうでありますが、そういう事例がもし今後もあるといたしますれば、私は重大問題だと思いますが、もし、こういうことが再び起きるというようなことになりましたら、政府としては、これは十分——私は一たん約束したものは、いかなる事情があろうとも、やはり実現させるのが、私はこれは政府の義務であるとも思うのでありますが、こういう事例がある。私は将来、そういうことのないことを希望するのでありますが、こういうことに対し、一体通産大臣として善処する道はあるのかどうか、この点を一つお伺いしたい。
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椎名悦三郎#24
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御指摘の事実はまだ十分に通産省に知られておりません。ただ推測を交えて申し上げて恐縮でありますが、ブラジルとの間で相当貸し越しができまして、そのような関係で対ブラジルの進出が非常ににぶった事例が過去においてあったそうでありますが、何かそれに関連したことでもあったのではないか、かように考えるのでありますが、よく調査をいたしまして、いやしくも海外に信を失うような経済進出をやるということのないように調査をいたしまして、該当の事実がもし見当たりますならば、十分に善処したいと思っております。
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山田節男#25
○山田節男君 時間の関係上、もう一点ございますが、これを打ち切りまして、次には、御承知のように、為替自由化の趨勢は、日本といえどもこれを払いのけることはできない。ことに原綿、原毛等が四月からこれが自由化しますというと、日本の貿易もほとんど六〇%近くは自由化するということになってくるのであります。通貨の交換性回復とこの為替自由化の拡大ということは、これは日本の貿易振興ということにつきましても、これはもとより重大な問題であり、政府もこれについてはいろいろ対策を講じられておることと私は思うのでありますが、特に従来ガットの委員会におきましてしばしば問題になっておる、日本の代表も答弁に苦しむような問題でございますが、例の日本の農産物の問題であります。農産物を自由化する——特に米、麦、大豆、この自由化というものは、これは私は将来、農業の保護の見地からいたしますならば、実施は、これは日本におけるそういう方面の態勢が準備できるまでは、これは私は実施すべきではないと思います。しかし、おそかれ早かれ、これが二、三年後であるか、あるいは五年先であるか、これはわかりませんけれども、とにかくこれは、農産物の自由化というものは、当然私どもは覚悟しなければならぬ。過日、政府から農業基本法も提案されました。これもやはり一方から考えますならば、農業の体質改善、農業経営の合理化、生産性の向上あるいは農産物のコストを引き下げるということに主たる目的があると私は思うのであります。この点は、農産物の自由化という問題につきましては、政府としてただいま具体的には申されないと思いますけれども、昨今続いてくる外国からの貿易使節団等を見ましても、個人的に会いましても、こういうことは常に話題になる。この点に対しまして一体政府、これは農林大臣、通産大臣、むしろ農林大臣の御所管と思いますが、農産物の貿易自由化というものに対して一体どういう御準備をなさっておるか。また、はっきりは申されないでしょうけれども、少なくとも五年以内、あるいは三年以内、こういうようなことをもしお示し願えますれば御答弁願いたい。
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周東英雄#26
○国務大臣(周東英雄君) ごもっともなお尋ねでございますが、私ども貿易・為替自由化につきましては、日本の産業発展に関連いたしましても、これは原則的には必要なことと思っておりますが、その間にありまして、御指摘の農産物に関する問題に関しましては、御承知のように、日本の農産物はかなりまだ国際競争力の弱いものが多いのであります。従いまして、ただいま御指摘になりました米麦、また今後われわれが成長農産物として国内における増産をはかっていこうというような畜産製品等につきましては、当分自由化はいたさないつもりでございます。
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山田節男#27
○山田節男君 これは質問でございませんが、要するに、日本の貿易を振興するとなれば、もとより輸出を増大しなければなりませんけれども、輸出を増大するためには、やはり外国から買わなければたらない。たとえば麦の問題にいたしましても、大豆の問題にいたしましても、米の問題にいたしましても、やはり外国から——こっちから買ってもらうためには、この農産物を買わなければならない。そういう今日の貿易の実情から申しまして、貿易振興ということになれば、やはりカナダの木材であるとか、豪州の酪農、バター、チーズ、こういうものもやはり買わなければならない。でありますから、こういうものをいつまでも自由化しないということになると、私は貿易振興上から言いまして、一つの隘路と申しますか、ハンディキャップになる、かように考えますので、もとより農業保護の立場を捨てるわけではありませんけれども、農業基本法もできることでありますから、特に意を用いていただきたいということを申し上げまして、この点に関する質問を終わりたいと思います。
 それからドル防衛の問題でございますが、これまた衆議院におきましてかなり詳しく論議されておりますので、私は深くは入りません。ただ昨今新聞に報ぜられますところによりますと、ドイツのドル防衛に対する協力はかなり具体的なものが、しかも多くなった、新聞を見ますと、マルクを切り上げて、そうしてこのドル防衛の協力まですることを決定した。金利も下げた。そうしてこのレートの引き上げということは、やはりレート引き上げは、ドイツのアメリカからの輸入もふえるのだということで、かなり積極的にやっておるわけです。このドイツが初めはしぶっていたドル防衛の協力ということが後進地域の経済援助であるとか、あるいはガリオア、エロアの資金の返済であるとか、こういうようなかなり積極的態度をとっておる。これは必ず日本に対しましても、ことに池田内閣のもとにおける日米安保条約の基本に立つ、むしろ向米一辺倒と申していいくらい仲のいい国であります。アメリカからドル防衛に対しての内輪話ぐらいあったろうと私は思うのであります。ドル防衛について、日本政府に対しまして正式に、あるいは内々何かの申し出があったかどうか、この点をまずお伺い申し上げます。
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小坂善太郎#28
○国務大臣(小坂善太郎君) ドルが今日世界、ことに自由世界の通貨として非常に大きな地位を占めていることは申すまでもないことでございまして、われわれ自身、やはりドル価値の維持ということは、人ごとと考えられない重要な問題だと思っております。しかし、この問題について、公式にも、また内輪話としても、われわれはアメリカから何ら要請を受けた事実はございません。ただ、昨年暮れ、非常にドル防衛の問題が日程に上がりまして以来、ICAの援助その他の打ち切りが日本に対して大きな影響をもたらすのではないかということが話題になりましたとき、私の方から進んでこちらにおられるマッカーサー大使に会いまして、この問題はどうだという点についてただしたことはございます。その結果、非常にわれわれに対しての影響は少なかろうという判断を得たことはございますけれども、先方から進んでこうこうこういう措置をやってくれとか、あるいはこういうことが望ましいのだというような話は、公式的にも、内輪話としてもございません次第でございます。
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山田節男#29
○山田節男君 これはドイツは現在七十億ドルの外貨、ことにドルを持っておりますし、日本はわずか十七億ドルか十八億ドルくらいのドルしか持っていないのであります。もとよりドイツに対するドル防衛の協力と日本に要請するであろうドル防衛の協力というものとは差がありましょうが、私は先ほど申し上げました今日の一連の関係から申しても、当然そういうことは申し出るだろうということは、政府は予想しておられるだろうと思うのであります。そこで、これは仮定の上に立ちますが、先ほどお話のICAの問題、あるいは日本における各基地の要員あるいはPXに納めている日本の製品あるいは特需の問題、いろいろ響くでありましょうが、あれこれ勘案いたしまして、ドル防衛が、予想の上に立つことになるかもしれませんが、これは必ず日本にそういう協力の要請があるということを前提といたしますというと、一体、日本のことに貿易方面においてどういう影響を及ぼすかという、これは私は経済企画庁なり、あるいは通産省なり大蔵省におきましては、その目安ぐらい立つだろうと思うのでありますが、この点について、もしお示し願える程度のお考えがあればお伺いしたい。
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