法務委員会

1961-10-17 参議院 全79発言

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会議録情報#0
昭和三十六年十月十七日(火曜日)
  午前十一時三十五分開会
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 委員の異動
本日委員迫水久常君及び高田なほ子君
辞任につき、その補欠として徳永正利
君及び亀田得治君を議長において指名
した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     松野 孝一君
   理 事
           井川 伊平君
           増原 恵吉君
           松澤 兼人君
           大谷 瑩潤君
   委 員
           青田源太郎君
           大川 光三君
           徳永 正利君
           林田 正治君
           大森 創造君
           亀田 得治君
           辻  武寿君
  国務大臣
   法 務 大 臣 植木庚子郎君
  政府委員
   法務大臣官房司
   法法制調査部長 津田  実君
   法務省刑事局長 竹内 寿平君
  最高裁判所長官代理者
   事務総局事務次
   長       内藤 頼博君
   事務総局総務局
   第一課長    長井  澄君
   事務総局人事局
   長       守田  直君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
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  本日の会議に付した案件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○検察官の俸給等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付、予備
 審査)
○検察及び裁判の運営等に関する調
 査
 (被疑事件の処理状況に関する件)
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松野孝一#1
○委員長(松野孝一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。十月十七日付、迫水久常君辞任、徳永正利君選任。以上であります。
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松野孝一#2
○委員長(松野孝一君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 では、ただいま出席の当局側は法務省の津田司法法制調査部長、最高裁の内藤事務次長、同じく守田人事局長であります。
 これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言下さい。
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井川伊平#3
○井川伊平君 御質問申し上げますが、御出席の政府委員の方どなたでもお係りの方の御説明をちょうだいいたしたいと思います。
 今回のただいま上程されております両法律案の骨子は、提案理由に説明されているように、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般政府職員の給与を改善しようとする一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案がすでに提出されているので、これに伴って一般政府職員の例に準じて裁判官、検察官の給与を改善しようとするもので、今回の改正点に関する限り特に問題とすべきものはないのであるが、裁判官の報酬が現在特に問題とされている訴訟遅延と密接不離の関係にあるため、この際次の点が検討されなければならないと思いまして質問をいたします。
 一、訴訟遅延の最大の原因は、裁判官の絶対数が不足しているためであると当局はしばしば言明されているが、欧米諸外国と比べ、その人口比あるいは裁判官一人当たりの負担件数等の点でどのようになっているのか、また訴訟遅延の現象を解消するためにはどの程度の増員を必要とするのか、また充員方法をどうしようとするのか等の点について、研究ないし計画されたものがありますならば、この際承っておきます。
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内藤頼博#4
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) ただいまの御質問にございましたように、裁判官の数が今日不足しておりますことは御指摘のとおりでございます。日本の現状が諸外国に比べて一体どういう状況かという御質問でございますが、これを人口との比例において比べてみますと、まあ大体欧米諸国の裁判官の数は日本の十倍見当ということが言えるのでございます。もちろん、これは各国によりましてその法制を異にしております。したがいまして、裁判官と一口に申しましてもいろいろなまあ種類があり、国によって制度が違うわけでございますけれども、裁判所で事件を裁判するという仕事に当たっております者すべてを数えますと、そういったような数になるわけでございます。特に英、米におきましては非常に多数のいわゆる治安判事というものを持っておりまして、比較的軽微な事件を処理しておるわけでございます。ドイツにおきましては区裁判所というものが非常にたくさんございまして、やはりこれも小さな事件を多くの裁判官が処理しておるわけでございまして、まず大体私どもの計算では、人口との比較におきましては、調べますと十倍見当になっているということが申せるのでございます。で、負担件数でございますが、この点につきましては、やはりこれも法制の違いからいろいろ事件の種類も違いますし、これはちょっと私ども係数が手元にございませんので御説明いたしかねますが、大体私どもは人口との比較において裁判官の数というものは考えていいのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 そこで、こういった日本の裁判官の不足の現状におきまして、どうしてもやはりそれが訴訟遅延の原因になっているということは明らかであると申さざるを得ないのでございます。そこでその対策として一体どうすればいいかということになるのでございます。現在私どもといたしましては、裁判官が忙しい、負担が多いと申しましても、実際にどう忙しいのか、どういう仕事をしてどう忙しいのかということについての実態を十分に従来把握しておりませんので、ただいまそういった裁判官の執務自体についての実態の調査をいたしております。これは大体全国の裁判所に行なうのも容易でございませんので、いろんな大きさによりまして代表的な裁判所を十カ所足らず選びまして調査をいたしているわけでございます。これがことし中にはその調査を終わりまして、裁判官の忙しさの実態が判明いたしますし、その過重な負担の内容が明らかになると存じます。そういった調査の結果を待ちまして、裁判官の執務内容の再検討、あるいはそれに基づくところの増員の要求ということが具体的に出てくると存ずるわけでございます。もう一面私どもが考えなければならないのは、その足りない裁判官で一体どうしたら事件を最も能率的に処理し得るかということでございまして、それにはやはり審理の充実、すなわち最も能率的な法廷における審理という方式を考えなければなりません。さらに公訴制度、上告制度も十分に考えまして、最も少ない裁判官で最も能率的に合理的に事件が処理され、国民の信頼を得るような手続というものを考えなければならないと存じております。この点につきましても、御承知のようにまず第一審の充実、集中審理あるいは審理の充実ということを年来考えているわけで、これも順次軌道に乗っているわけでございます。そういった不足に対する面の対策を講じながら、一方やはりこれは増員を考えなければならないわけでございます。これにつきましては、終戦までは御承知のように司法官試補という制度がございまして、判事、検事に任官する希望者は高等文官の司法試験をパスいたしますと、司法官試補を命じられたわけでございます。この司法官試補は相当の希望者がございまして、その中から選ばれて司法官試補を命ぜられる、毎年おそらく百人ぐらいと存じますが命ぜられる、それが裁判所、検察庁におきまして一年半の修習を経まして、判事あるいは検事に任命されたわけでございます。ところが終戦後憲法が変わり、裁判所の制度が変わりまして、この司法官試補の制度も廃止されました。御承知のように今日は司法修習生の制度をとっているわけでございます。この司法修習生と申しますのは、これも御承知でございましょうが、従来の司法官試補、同時にやはり弁護士試補というものを一つにいたしまして修習の制度を立てたわけでございます。そこで裁判官になる希望の者、検察官になる希望の者、弁護士になる希望の者も一緒に司法修習生として二年間の修習をいたすことになったわけでございます。結局これは二年の修習を終わりましたときに裁判官を希望し、検察官を希望しあるいは弁護士を希望するということが具体的にきまりまして、そうしてその中から判事補に任命される、あるいは検事に任命される、あるいは弁護士になるということになったわけでございます。こういった制度になりました関係上、修習を終わりますまで、自分が弁護士になろうか、裁判官になろうか、検察官になろうかということは全くその人たちの自由にまかされているわけでございます。したがいまして、そのときのと申しますか、今日のいろいろの状況や若い人たちの考え方によってそれが決定されているわけでございまして、まあ私どもが裁判所におりまして期待するほどの希望者が判事補に得られないということが実情でございます。もう一方裁判官の制度が変わりまして、判事補の上に、——判事補を十年いたしますと判事になります。この判事になるためには判事補十年のほかに、あるいは弁護士、検察官十年の経験を経た人を任命することになっておりますが、一体それではこの判事に弁護士や検察官から希望者があるかと申しますと、これがやはりなかなか得られない現状でございます。
 こういった現状でございますけれども、今日の法制のもとにおきましては、何といたしましても判事はやはり弁護士から、あるいは検察官から得るという道を開かなければなりません。また判事補も先ほど申し上げましたような制度のもとにおける司法修習生の中から得なければならないわけでございます。これにつきましては、やはり裁判官の待遇、——待遇ばかりではございません、いろいろ条件がございますけれども、待遇であるとか、あるいは裁判官の執務の環境であるとか、あるいはそういうような面についての手当を必要とするわけでございまして、これにつきましては私どももいろいろ検討いたしております。ことに法務省あるいは弁護士会の方々とも機会があればそういう問題について検討を重ねている次第でございますけれども、なかなかこれが一挙に解決し得ない、そのために今日は裁判官不足の現状にあるわけでございます。これは私ども何としてもそういった方向において解決しなければならぬ問題だと考えている次第でございます。
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井川伊平#5
○井川伊平君 ただいまのお答えで大体その点については要領を得たわけでありますが、しかし裁判官何名をもって定数とするかという事柄については、ふやせばいいのだというだけではなしに、先進の諸外国では非常に敏速に行なわれているのが、日本においては非常に遅延をする、その原因は担当する一人当たりの事件数が非常に多いのであるとするならば、これはもう改善の余地はない、人をふやすほかに道がないことである。担当事件数が多いのではないけれども、実際に仕事をする仕事のやり方あるいは環境、そういうもののためにおくれるのであるとするならば、大いに反省し改良を加えなければならぬということであって、数をふやすということだけではないようでありますから、この点は十二分に御研究を賜わりたいと存じます。
 次にお伺いいたしますことは、ただいまもお話のありましたように、裁判官の供給源と申しますか、裁判官を採用するのには弁護士とそれから司法修習生とからでありますが、そのいずれからの志望者も満足するに足る数に達することができない。この現状は今回の報酬、俸給を増額するということによって、判事になりたいという志望者の数がふえるというような見通しがあるかないか、見通しがないとするならば、現在の定数を満たすことのできない現状をどうしても満たさねばならぬと思うが、その満たす具体的な考え方はどういう点にあるのか、この点を二点、簡単にお伺い申し上げておきます。
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津田実#6
○政府委員(津田実君) 今回の二法律案によりまして若干の裁判官の報酬、検察官の俸給の改善がなされるわけでございますが、これは御承知のとおり人事院勧告に基づきまして一般職の給与に関する法律の一部を改正いたしますことに準じまして改善をいたすわけでございまして、この法律案の内容によって裁判官に対する待遇が根本的に改善されるという性質のものではないわけでございます。もとより裁判官の待遇の問題につきましては、かねてから種々の検討なり研究なり調査をいたしておるわけでございまして、今日その点につきまして、画期的な根本的な改善を要するという結論には到達しておるわけでございますけれども、具体的にしからばいかなる形において、いかなる程度に、いかなる標準をもって行なうかということにつきましては、いまだ具体案を得ていないのが現状でございます。もとより、この現在の裁判官の定員につきましても、不満足な点が多々あるわけであり、さらに、差の定員の充足すら困難であるという現状については、十分の認識を持って去るわけでございまするけれども、これらの裁判官の充員が困難である。したがって、裁判官の定員の増加が困難であるという原因に至りましては、はたはだ複雑なものがあると言わざるを得ないというわけでございます。
 その二、三の点を申し上げるわけでございますが、まず、裁判官の報酬の問題、これが主として裁判官の給源になる法曹の中において、いかなる地位を占めているかということであります。現在、裁判官は法曹一元の理想を実現するためには、在野法曹、あるいは当事者たる検察官から選ばれるべきであるのでありますが、検察官の給与につきましてはさておきまして、弁護士の現在の所得と裁判官の報酬との間には、格段の相違があるということが言われておるわけです。その点におきまして、新たに修習生から任官し、あるいは弁護士となろうとする者において、少なくとも弁護士のほうが魅力があるということが出てくるわけで、その点で裁判官になり手が少ないという一つの原因があるわけでございます。これは裁判官の仕事の内容の問題についてもいろいろ問題があるわけでありまして、裁判官の仕事そのものに、はたして現在の司法修習生、すなわち若い法曹志願者の魅力があるかということが問題になるわけであります。現在の裁判官におきましては、あまりに日常の仕事が複雑多岐にわたっておるというようなことでありますので、裁判官のなすべき職務の範囲というような点についても、相当の整理と申しますか、整理を加える必要があるということが考えられるわけであります。これは、主として訴訟法等の問題、あるいは裁判官に相当の補助者を付するというようなことも考えなければならぬわけです。そういう意味におきまして、裁判官の職務そのものに魅力を持たせる、現在のように、裁判官が仕事におぼれると申しますが、用語はまずいかもしれませんが、おぼれて、自分の本来なすべき修養等に時間をさくことが非常に困難であるという実情は、やはり裁判官に対する魅力を失わせる多くの原因の一つであるというふうに考えられます。
 それからもう一つは、やはり裁判官の任地その他の問題であります。弁護士でありますれば、みずから好んだ所に事務所を設けて弁護士の業務を営むことができるわけでありますけれども、裁判官はそれが認められない。少なくとも、裁判官におきまして、任地にある程度の保障はありますけれども、これは、一たん任官いたしました以上、特別の事情がない限りは、それぞれの任地におもむくべき必要があることは当然でありまして、やはりその義務はあるものとなるわけであります。そういたしますと、子弟の教育とか、そういう面に非常に困難を感ずるというような事情がありまして、そういうこともやはり裁判官に対する魅力を減殺する原因となると思うのであります。したがいまして、これらの諸原因をいかにして除去するかということの問題に結局帰着してくるということに考えられるのでありまして、その原因の一つ一つを除去する何らかの方法をとらなければならないわけでありますが、これにつきましては、やはり裁判官の仕事なり、その地位についての一般国民の認識というものが得られなければ、とうていその満足な実現は困難であると考えられますので、それらのいわば一般大方の方々の認識を得るということに努力をしなければならぬというふうに考えておるわけであります。それと同時に、いかにして技術的にかような、いわば裁判官の魅力を減殺する諸要素の除去ができるかということについては日夜その研究をいたしておる次第でございます。
 なお、具体的充員の問題につきましては、最高裁からお答えを願いたいと思います。
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守田直#7
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 司法修習生からの裁判官志望者の実情というお尋ねがございましたので、ちょっと申し上げます。
 昭和二十四年度から昭和三十六年度までの司法修習生から判事補になりました者の数は、多いときでは昭和二十五年の百六名、少ないときで昭和二十九年の四十五名という、数には多少の出入りはございますけれども、合計いたしますと九百二十名でございます。年間平均いたしますれば、毎年七十一人半、これを全体の修習生の年間平均との比をとってみますと、二八%だけ判事補になるということになるわけでございます。それから弁護士から判事に——判事が裁判官の中枢でございますので、弁護士から第一線の判事に任用された者が何名おるかということでございますが、これは昭和二十三年から三十五年までの分を考えますと、昭和二十三年、二十四年は四十名程度になって非常に多い。しかし以下順次減少して参りまして、昭和三十四年、三十五年は年間七名程度になっております。二十三年から三十五年までを合計いたしますと百七十三人になっております。年間平均十三人程度になっております。
 以上でございます。
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井川伊平#8
○井川伊平君 ただいまの御答弁によりまして、弁護士から判事になろうとする者の希望がだんだん薄らいで参っておるようでありますが、長い間弁護士をしておりまして、判事になりましても、判事として恩給年令に達するような長期にわたる奉職は困難である。だからそういうような意味合いで、初めから長い間判事をしておる人と、弁護士から上がって、判事を勤めてやめた人との間の老後の待遇というものに非常に大きな開きができてくる。こういうことが弁護士から判事になろうとする熱意を持つ人が出てこないというような原因の一つであろうかと存じますが、そういう点はどうであるか。もしそうであるとするならば、何らかそれに対する救済の方法として、弁護士から判事に任官いたしました者等につきましては、短期年金受給資格の付与の特例を何か設ける必要があるのではないか、こういうようにも考えられますが、これらの点につきましての御意見をお伺いいたします。
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守田直#9
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 弁護士から裁判官になる人数が非常に少ないというその一つの原因に、やはりただいま御指摘のように恩給年金といったようなもの、あるいは退職金といったようなものが非常に裁判官としての在官年数が少ない関係上わずかしか支給されない。そのために自分の地盤を捨てて裁判官になっていくというような決意を鈍らしておるということは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましても、現在の退職金制度が在職年数が長くなければ有利にならない、それから恩給制度もそのとおりでありまするので、この点を解決するために、従来からいろいろ財政当局に交渉して参りましたし、現に交渉しつつあるわけでございます。できれば弁護士としての職務をとった年限の何分の一かを在官年数として組み入れて、退職金を計算する。それから恩給年金のことでございますが、現在では、昔のようにいわゆる恩給という制度がなくなりまして、共済組合法によりまして、保険システムによる掛金制度で退職年金というものが支給されておる状況でございます。したがいまして、掛金をしないで、よけいの退職金をもらうということになりますと、他人の掛金で不当に利得をするということになるわけでございます。そこで私どもといたしましては、そういう他人の掛金を食うというような状況にならないように、すなわちその部分は国庫で負担するというような扱いで退職年金制度というものを弁護士に有利に解決し得るようにひとつ考慮してほしいということで、現在も財務当局及び総理府その他に対しまして、その理解を得るために努めておる状況でございます。
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井川伊平#10
○井川伊平君 そうしますと、その今求めておるという具体的な案の内容というものは、今すぐ言えますか。今できなければ、数字にわたることでもありましょうし、あとでもよろしいが。
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守田直#11
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 詳細なことは申し上げられませんけれども、要するに裁判官は、御承知のように憲法によりまして十年の任期制でございます。すなわち、一般の行政官吏のように、何年でも続けて在職し得るという制度にはなっておりません。いわゆる十年の任期でございます。したがいまして、裁判官の報酬はもちろんのことでございまするが、退職年金及び退職金などもやはりこの任期制を前提として考えられるべき性格のものだというふうに私どもは考えております。したがいまして、たとえば弁護士から裁判官になった人は、一任期すなわち十年勤めたといたしますならば、その十年で相当の退職金、相当の退職年金、すなわち現在普通は二十年にして退職年金をもらうことになっておりますが、やはり任期十年を終了いたしますならば、それに準ずる退職年金が支給されるような扱いにしてほしいということを根本的な原則として、それを理解させながら有利に解決したいというふうに考えております。
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井川伊平#12
○井川伊平君 裁判官の定数が足りないという結果は、どこかの裁判所にきまっただけの判事がいないということになるわけでありましょうが、これはそういうふうに判事の少ない裁判所というのは、大体北海道であるとか、その他僻地の裁判所、そういうところが常に判事が足りないのだ、判事が足りないのは、きのうまでは甲の裁判所が足りなかったが、今度は乙の裁判所が足りないといったように変わっていくものではなしに、いつでも足りない裁判所は大体足りないということになっておるのではないかと思いますが、これはいかがですか。
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守田直#13
○最高裁判所長官代理者(守田直君) ただいま裁判官の欠員の点をお尋ねでございますが、裁判官は全体として足りないことは先ほどから申し述べたとおりでございます。ただいまお尋ねの点は、足りないところはいつまでも足りないのじゃないかという点、たとえば東北の仙台高裁管内、あるいは北海道の札幌高等裁判所管内といったような勤務条件が他と著しく違っているようなところ、そういったところは欠員が非常に多く、しかもその欠員が恒常状態になっているのではないかというお尋ねと思いますので、その点について御説明を申し上げますが、大体北海道を中心といたしますならば、各地方裁判所、家庭裁判所の本庁の定員は大体充足しております。それから支部も甲号支部以上はほとんど充足しております。たとえば札幌地裁管内の岩内支部とか、あるいは函館地裁管内の江差支部とか、寿都支部、旭川管内の紋別、留萌、釧路地裁管内の根室支部、こういったところはもともと一人の判事をそこに配置いたしましても、事件が非常に少ないので、もったいない、それよりは、ほかの足りないところに充足する方がより合理的だという点がございますので、これは本庁からそれぞれ填補することにいたしまして、ここには事件の様子を見ながら定員を置かないでいるという状況でございます。すなわち判事の定員を置いておりません。それはそれぞれ本庁から填補して、そこでいわば巡回裁判みたいなことをやっているという状況でございます。この点を御指摘になったのならば、実は今のような事情でございますので、裁判官を充員しないところが恒久的になっているというのは、こういう点のことではないか、それは今のような事情でございます。それからなお簡易裁判所は非常なへんぴなところではやはり欠員になっておりますが、それも実際上そこへ裁判官を派遣することはなかなか困難でありまして、したがいまして、現在のところでは七カ所ほど札幌高裁管内の判事は填補でまかなっているという状況でございますが、このうち三カ所は来年の四月には充員する予定になっております。以上でございます。
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井川伊平#14
○井川伊平君 一般的に辺地のところに裁判官が行きたがらないという、希望者が少ないという事柄は事実であろうと思いますが、それらの原因をどういうふうに御研究済みになっているかを聞きたいのでありますが、裁判所の庁舎が非常に古い、それで裁判官が執務する場所としては何か権威にかかわるようなお粗末なものがたくさんある。私の見聞した範囲から申しましても、函館地方裁判所の管轄の中にあります瀬棚の裁判所のごときは、昔村の役場が使っておったところの庁舎を村役場がもう役に立たんようになりまして、別の村役場の庁舎ができた、そのお古を裁判所がもらい受けて、相当長い間そこにいる。それは日本海の風の当たる非常に海岸に接近したひどいところでありますが、私がそこへ参ったときなどは、風の吹く日だったが、二階へ上がるのは危険を感ずる。はしご段がゆれる。板でこさえたはしご段でありまして、へたすると落ちるのじゃないかという不安を与える。それから窓がよく締まらない。窓を締めても柱との間に細長い三角、一つの辺が三寸ぐらいずっとこうあいて締まらない。冬どうするのかと言ったら、新聞紙を突っ込んで雪の降り込むのをふさぐのだ。これは最もひどい例でありますが、旭川の地方裁判所へ行きましても、釧路の地方裁判所を見ましても、相当お粗末である。ああいうところで裁判官に裁判官としてのお仕事をしてくれということは無理じゃないのか。そういう方面へ裁判官に行ってくれと言うことが無理じゃないかと考えます。ことに、また官舎を調べてみましても、雪どけになりますと必ず雨が家の中に漏る。向こうでは、すが漏りと申しておりますが、すがという意味はよく知りませんが、氷という意味ではないかと思います。雪どけ期になりますると、屋根の雪が日中の太陽熱でとけて流れて大きな雨だれができる。雨だれを基本にいたしまして、そこに氷の山ができる。その氷の山からとけた水が軒端の方から屋根の方に向かって流れるということになる。だからかわらの間、あるいはいろいろそうした屋根をかぶっておりますものの間から逆流して部屋に水が落ちる。これをすが漏りと申しております。そういうものが非常に多い。こういうような庁舎であるとか、官舎であるとかというものに対しまする当局の思いやりが足らぬのではないか、こういうようなことも考えられますが、そういう点についてはどういうようなふうにお考えになるか。予算の御要求についてはどういうような御熱意を持って予算の要求をなさるのであるか、こういう点につきまして御意見を承りたいと思います。
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内藤頼博#15
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 裁判所の庁舎、官舎につきまして、大へん具体的な御意見、御指摘をいただきましたことは恐縮に存ずる次第でございますけれども、裁判所の庁舎、官舎がただいまお話しのように整備されておらないという実情にございますことは、私どもまことに遺憾とするところでございます。御承知のように、裁判所は全国に非常に多くの庁舎を持ち、官舎を持っているわけでございますが、その整備につきましては、年々私どもとしては努力をいたしておるつもりでおります。全国各地にただいま御指摘のような、それほどはなはだしくはなくても、ある程度のはなはだしさを持つと申しますか、現在もうすでに庁舎としてどうかと思われるような個所が相当数あるのでございます。もちろん、この改築ということにつきましては一日もゆるがせにできない問題ではございます。したがいまして、私どもといたしましては、毎年相当額の予算要求をしているわけでございます。しかし、実際の問題といたしますと、やはりこれは財政上の制約その他そういう条件がいろいろ加わりますので、なかなか私どもが思うとおりの予算が得られない結果になるわけでございます。まあ、私どもが年々予算の増額に努力いたしまして、御承知のように国会のほうの方々の御尽力もございまして、年々増額はいたして参っているわけでございます。ただ、しかしながら先ほど申し上げましたように、いかにも手当てをしなければならない庁舎の数が多いものでございますから、十分にまだ行き届くまでに至らないわけでございまして、現在私どもが実際に改築を必要とする場所、それにつきましてだんだんに改築をしていくということにならざるを得ない現状でございます。大体現在の予算のテンポで参りまして、何年かのうちには必ずやそれは整備することになるわけでございますが、これを一日も早くそういった個所をなくすように、私どもとしては努力したいと存じているわけでございます。
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井川伊平#16
○井川伊平君 ただいまの問題につきましては、この夏大森委員及び私、さきの委員長松村民、三人で北海道各地を回って見まして、驚いた事実でありますから、そのうちに漸を追うてといったようなお考えもさることながら、もう少し御熱意をもちまして御研究を賜わり、対策にご努力を願いたいということを特に申し上げておきます。
 次に、もう一点お伺いいたしますが、最近裁判官の報酬について各省連絡会のごときものが設けられ、検討されていると聞いておりますが、連絡会の設けられたる趣旨、その構成、及び今日までどういうことを審議しておられるか、その概要、こういうことにつきましてお伺いを申し上げます。
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津田実#17
○政府委員(津田実君) 昭和三十五年度の補正予算案を実質的に決定いたしました閣議におきまして——と申し上げますと、これは前回の給与改定の際のことでありますが、その際に、一般職と裁判官、検察官との給与の関係といかにすべきか、つまり、一般行政職に対しまして勧告されました改定額を同額をもって裁判官、検察官の給与を改定すべきかどうかということの議論をされました際に、将来の問題といたしまして、裁判官の給与問題は重要問題であるから、委員会のようなものを設けて検討をしていく、こういうことがその当時了解されたわけでございます。で、それに基づきまして、その給与改定がなされました後、すなわち昨年の六月二十一日から、関係各省庁におきまして、この閣議の了解に沿うような連絡会議を開催することになったわけでございます。そのメンバーといたしましては、総理府の総務長官、それから公務員制度調査室長、法務省の司法法制調査部長及び人事課長、大蔵省の主計局次長、主計局給与課長、それから最高裁判所事務総局人事局長、同給与課長、人事院給与局長等々、こういう関係各省庁の係官が、まあほぼ常時メンバーといたしまして、連絡会議をその六月二十一日以降数回開催いたしておるわけでございます。で、ここにおきまする問題点は、まず裁判官の給与水準をいかにすべきか、裁判官の給与体系をいかにすべきか、それから裁判官に対する諸手当の問題をいかにすべきか、あるいは裁判官の特別退職手当制度、これは先ほど当委員会におきましても御審議をいただいたわけでございますが、その特別退職手当制度をいかにすべきかというような問題を主として論議をして、関係各省庁間において問題点の整備をし、そしてその意見の調整をはかるということが目的でございまして、ただいまのところは、今申し上げました項目につきまして、それぞれ各省庁から意見を述べ、あるいは具体的問題点の指摘を行なっておるわけでございます。で、まだその問題点の個々につきまして整備をし、意見の調整をはかっておるという段階には至っておりませんが、次回あたりから、さような点に議論が及ぶものというふうに考えております。
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井川伊平#18
○井川伊平君 よろしゅうございます。
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大森創造#19
○大森創造君 今の井川委員の質問に関連して、二、三御質問いたしますが、第一点は、この判事になる者が少ないということの中で、弁護士から判事になる人が年間四十名、少ないときは七名ということですが、弁護士から判事になるという理由はどういうことですか。逆に、条件の悪い判事になるという弁護士の方々の条件はどういうことなんですか。
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守田直#20
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 大体弁護士から判事になろうという人は、元裁判官の経験を有し、途中で病気の関係で退職して、また元気になって帰ってくるというような人とか、あるいは自分の性格上どうもやはり弁護士より裁判官のほうが向いておる、そういう自覚のもとに立って判事を志望されるという人でございます。ただ最近におきましては、私どもは弁護士連合会を通じまして、法曹一元の点からぜひ裁判官に弁護士からなってくれるように勧めてほしいということで、慫慂を依頼したわけでございますが、そういった関係で、弁護士会の長老たちが比較的若い弁護士に対しまして裁判官になることを慫慂した関係で、判事を志望した者が現に六名ほどでございます。大体以上でございます。
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大森創造#21
○大森創造君 先ほどお答え願ったうちで、足りない裁判官——判事になるうち司法修習生から二八%とおっしゃいましたが、どういうふうなパーセントで充足されておりますか、この判事は、パーセントで言いますと。おわかりになりませんか。
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守田直#22
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 司法修習生は各年度によって違います。したがいまして、また、判事補になる人も必ずしも毎年同じ人数というわけには参りません。そこにでこぼこがありますが、昭和二十四年から三十六年までの司法修習生の全卒業者、修了者が三千二百三十五名おるわけでございます。それから判事補になった者が九百三十名おるわけでございます。そういう関係で大体二八%が判事補になったわけでございます。
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大森創造#23
○大森創造君 法務委員会の質疑を聞いておりますというと、この裁判官の定員の充足の問題がいつでも議題になります。そこでその結果として、その他にもございますが、裁判事務の遅延の問題がいつでも問題になりますが、遅延の理由としては、今お話のように仕事の内容の点が一つあるわけです。それから給与の問題もあるだろうし、その他いろいろございますが、私は、それを体系的に関係方面で勉強をして、そして成案を得て、その問題ごとの対策を長期的に立てる必要があるだろうと思います。これは御了解のとおりだと思います。
 そこで、先ほどのお話の中に、今度の給与の改正は一般公務員に準じて人事院勧告に基づくものですが、そうでなくて、裁判官並びにこういった特殊な業務に携わる者の給与は特別であるべきであるという考えのもとに、その委員会が昨年六月二十一日にできたというお話ですが、これとは別に御研究なんですね、裁判所方面で給与の問題は。このことをおっしゃるのですか。去年各省庁の関係部課長のほうで構成されている閣議了解によるところの、まだ結論は出ていないが、そろそろ具体的になってくるこの委員会のことをお話しなんですか。
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津田実#24
○政府委員(津田実君) 先ほどの井川委員の御質問に対しまして、裁判官の給与に関する各省庁の連絡会議は昨年六月二十一日からと申し上げましたが、これは誤りでありまして、これは本年六月二十一日に訂正さしていただきます。
 この給与の問題は財政当局、それから国家公務員に関する事項を政府部内で扱っておりますところの総理府当局、それから司法制度を扱いますところの法務省、それから最高裁判所、それから一般職の関係におきまして、まあ一般職の考え方をある程度披瀝できるという人事院、こういうものの集まりで構成をいたしまして、連絡会議をやっておるわけでございますが、これを設けました主たる事情は、先ほども申し上げましたように、一般職の職員の給与と、裁判官の給与との水準の問題はいかにあるべきかということに端を発しておるわけであります。したがいまして、もちろん検討の内容自体は、裁判官の給与自体はいかにあるべきかということなんでありますけれども、それのこれに至りました端緒は、やはり水準の比較というような問題から出てきておるわけであります。ところが、一方、裁判官の給与自体につきましては、その裏には裁判官の任用制度の問題があるわけであります。そこで、この各省庁の連絡会議におきましては、任用制度について論議をする権限はおそらくないということになっておりまして、任用制度については少なくとも当面は議論をしない。したがって、当面の給与の問題を議論するということで進んでおるわけであります。しかしながら、この裁判官の任用制度の問題は、御承知のように法曹一元の理想を実現するにつきましては、これは法務省、弁護士連合会、最高裁判所、学会等を通じましていろいろ研究されておりまして、ある程度の試案もできておるわけであります。したがいまして、任用制度との関連において裁判官の給与体系を考えるということは、これはまた、次の段階に当然必要なことであるということになるわけでございます。したがいまして、当面一般行政職、その他一般の国家公務員との関係において、裁判官の給与はいかにあるべきかということと、裁判官の任用制度が改善されました暁における給与制度とは、これはやはり関連はありますけれども、当面は別個に考えるべきだということに進んでおるわけでありますが、任用制度の改善の問題は、これは非常に議論が多くてなかなか実現に相当の困難があるわけでございますが、それについてはそれぞれ法曹一元の理想に向かって邁進しようということになっていたわけであります。しかしながら、ここ一、二年を目標に、それが実現するとはとうてい考えられないわけであります。当面の問題としまして、やはり当面の裁判官の給与をいかにすべきか、その問題は結局裁判官の充員が困難である今日をいかに改善すべきかということにつながる重要な問題になるというふうに私どもは考えまして、当面のその問題をいかにすべきかということにつきましては、その連絡会議を別にいたしまして、法務省といたしましても十分検討いたし、研究調査もいたしておりますし、海外における調査もいたしており、現在調査官を派遣いたしておるような状況でもあるわけであります。最高裁判所におきましても、もちろん検討いたしておりますし、私どもも随時いろいろな会合において意見の交換もいたし
 ておるわけでございます。
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大森創造#25
○大森創造君 今の御説明で大体了解しましたけれども、さらにこれは重要だと思いますので、念を押してお聞きしておきますが、今年の六月二十一日に、一般的な公務員の給与の改訂についての勧告があったということを契機にして、従来諸外国に比べてこの裁判事務の遅延がはなはだしい。そういうことの理由はいろいろあるにしても、給与の問題が一つものを言うということと、それからもう一つは論理的に、理論的に考えても、法曹一元化の建前からいっても、この職務に従事する人は、本来もっと高い水準になければならないという論理的な、そういう意見があって、そしてこういう委員会が発足されたのですか。
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津田実#26
○政府委員(津田実君) 裁判官の報酬、給与制度の問題につきましては、これは新憲法下の裁判官の報酬はいかにあるべきかという憲法論の問題といたしまして、この憲法改正当初、つまり新しい裁判所発足以来論議された問題であり、その当時すでにある程度の一般行政職に対する優位というものも認められておるわけでありまして、その状況は今日において若干変化はありますけれども、一般職に対する優位ということは、今日においても、なおかつ、相当認められておるわけであります。しかしながら、一般職に対する優位を認められながらも、なおかつ、裁判官の充員が不足である。結局新しい修習生における裁判官への希望者が少ないということは、何を意味しているかということになれば、やはりその一つの原因として考えられるのは、やはり待遇の問題であり、待遇の問題ということは、要するに在野法曹のほうが結局において待遇がよろしいということになるわけであります。そういたしますと、在野法曹との待遇の比較において裁判官の報酬を考えることが必要になってくるわけでございまして、これは一般行政職との比較において裁判官の給与を考えるということよりも、むしろ在野法曹がその根源になっているということを考えれば、その中において裁判官の給与はいかにあるべきかということを考えざるを得ないということになるわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、この在野法曹との給与所得の格差というものをある程度排除しなければ、とうてい今日の事態を改善できないのではないかというふうに考えておるわけであります。したがいまして、その方法はやはり裁判官の報酬の絶対額を上げるよりほか方法がないわけであります。まあ、そのほかにいろいろ宿舎の問題でありますとか、あるいはその他勤務環境の問題とか、いろいろございますが、やはりそれらの問題を合わせて、在野法曹との比較においてものを考えるというふうにしていかなければならないというふうに考えておりまして、そういう方面に努力を重ねておるわけであります。
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大森創造#27
○大森創造君 これは私ども、裁判官になる人は特殊な仕事をやって、非常に優秀な人がわれわれの仲間でも多いのですが、非常に給料が安いということも昔からの定説になっております。最近は幾分改善されておる。これは閣議の了解によって法務省やあるいは関係者が言い出したこともございますが、とにかく世間の世論が——各省庁の間にこういう空気がびまんして、こういう委員会なり連絡会の発足になった。これを契機として、今までの不均等な在野法曹——一般の弁護士に比べてもさらに高い水準の給与を獲得できるように、そればかりではございませんが、これがワン・ステップ上昇することになりますから、これは格段にひとつ力を入れて実現せられるように要望いたします。
 もう一つお伺いしますか、先ほど井川委員が言われた施設の問題、裁判所の施設の問題具体的には北海道の瀬棚地区、函館地検ですか、これをお伺いしますが、別紙に今年度の施設についての三十六年度の予算要求が書いてありますのをちょうだいいたしましたが、この予算要求について全部予算化できれば一番いいことなんですが、だんだん削られて、例年そういう削られていくことがあると思いますが、そういう場合に予算要求をする裁判所なり法務省のほうでA、B、Cとかなんとかマークでもつけておいて、そして、ここのところは最小限度今年度に確保して——棒ほど願って針ほどかなうで、だんだん修正されて施設が充実していくということですか。今年度の予算要求についてはそういう順序がなく、あくまで獲得したいという要求書でございますか。
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内藤頼博#28
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 最高裁判所の予算のことですから、私からお答えいたします。営繕の予算要求は、毎年相当額要求いたしておるわけでございまして、ただいま御指摘いたされました庁舎につきましても、新しい営繕要求をいたしておるわけであります。私どもとしては、その全額を要求して、あくまで庁舎整備を考えておるわけでございまして、現在の段階において別にどれがA、どれがBということは考えておりません。私どもとしては全部必要であると考えております。
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大森創造#29
○大森創造君 当然そうあるべきだと思いますので、これをがっちり取ってしまう、予算を獲得するということでございますね、了解いたしました。
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