文教科学委員会

2006-03-16 参議院 全200発言

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会議録情報#0
平成十八年三月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中島 啓雄君
    理 事
                大仁田 厚君
                北岡 秀二君
                佐藤 泰介君
                鈴木  寛君
    委 員
                有村 治子君
                荻原 健司君
                河合 常則君
                後藤 博子君
                中川 義雄君
                山崎 正昭君
                神本美恵子君
                西岡 武夫君
                広中和歌子君
                水岡 俊一君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
                井上 哲士君
   国務大臣
       文部科学大臣   小坂 憲次君
   副大臣
       文部科学副大臣  馳   浩君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       有村 治子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       荻野  徹君
       警察庁長官官房
       審議官      巽  高英君
       財務省理財局次
       長        日野 康臣君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   田中壮一郎君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     石川  明君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  金森 越哉君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       小田 公彦君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       文部科学省国際
       統括官      井上 正幸君
       文化庁次長    加茂川幸夫君
       経済産業省商務
       情報政策局消費
       経済部長     谷 みどり君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
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中島啓雄#1
○委員長(中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官荻野徹君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中島啓雄#2
○委員長(中島啓雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中島啓雄#3
○委員長(中島啓雄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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北岡秀二#4
○北岡秀二君 おはようございます。一番最初に質問させていただきます自民党の北岡秀二でございます。
 最初からちょっと通告外の質問をさしていただきたいと思います。と申しますのは、小坂大臣、今まで文教関係御関心もおありでしたでしょうし、政治活動の中でもそれなりに活動されていらっしゃっただろうと思いますが、この委員会の絡みの中で出てこられるのは初めてと。そしてまた、なおかつ、私どもも大臣自身が文教行政に対してどれだけいろんな分野に、そしてまたどういう方面に力を入れていきたいのかというのを、所信ではいろいろお話をいただきました。しかし、所信の場合は全般にまたがって広範にいろいろなお話をいただいておりますので、まず一番最初に、大臣が在任をされる期間というのはそう長期間在任できるわけでございません。小坂大臣が大臣として在任をされておる期間中に、特にこれだけは力を入れておきたいと、政治家小坂大臣としてお考えがあれば、まず最初にお伺いをしたいと思う次第でございます。よろしくお願い申し上げます。
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小坂憲次#5
○国務大臣(小坂憲次君) 北岡委員が御指摘のように、私は文部科学委員会といいますか、従来の文教委員会、私は委員としては、実は一期、二期を通じて文教委員にさせていただきました。そのときには地域が、選出されておる長野が長野オリンピックに立候補し、そういった意味でスポーツ、文化、そういったものに関心を高めていく、その必要性からやはり文教委員に所属しようと思ってスタートしました。
 そこでの蓄積が今の基礎になっているような気はいたしますが、皆様から見れば全くふだん見ない顔が急にやってきたという感じもあるかと思います。西岡先生の勉強会等も出たこともあるわけでございまして、そんな意味では、いろんな文教にも力尽くしてきましたけれども、まず、まあ珍しいことでございまして、内閣の期限が切られたなんという話は余り聞いたことございませんが、総理は九月には御退任されるということを明言をされておられますので、取りあえずそこまでの期間に何ができるかと考えますと、甚だ時間は短いです。しかし、意欲的と思われるかもしれませんが、まず私は、この任に当たって文部省の改革をしたいと。
 すなわち、典型的な役所と思われているんですね、文部省というのは。お役人スタイルでいろんなものを進めているというふうに思われておりますので、私は児童生徒、そういった教育を受ける側、また保護者を始めとして教育というのは国民全員の関心事でございます。そういった皆さんから見て身近な文部科学省になり、そういった皆さんの考え方を理解した施策の立案、推進ということを文部科学省の皆さんに取り組んでいただきたい、そんな視点で毎日の職務の中で私として自分の考え方を述べ、啓蒙し、また質問のやり取りの中で皆さんに、私はこう考えているんだけどこういう考え方はどうだろうといって問い掛けをしながらやっているのがまず第一でございます。
 それから、やはり明るくて、そして活力ある安全な学校現場というものをつくっていきたいと、今日的課題でございます。私は、副大臣をさせていただきました総務副大臣のときに、危機管理というもの、そして安全というものに対しての取組を副大臣会議でやろうではないかと提案をしたりしまして、そんなこともあって、学校現場における今日的課題としてその問題に取り組みたい。
 また、トリノ・オリンピック終わったわけでございますけれども、やはり競技力の向上ということ、やはりスポーツ、国民がみんなスポーツに親しんでいただくためには、そのリーダーである、イメージのリーダーである競技スポーツの分野で活躍をしていただくことが、まあカーリングを例に取るまでもございませんが、急にファンが増えて、それをやってみたいという人が増える、国民みんながスポーツに親しむいいきっかけにもなります。そういう意味で、競技力向上のための施設の整備を始めとした人材育成にやはり道を付けていきたい。これを、やっぱりスタートを切るぐらいしかできないと思いますが、そういう道を付けていきたい。
 また、私は理科好きでございますが、やはり理科、科学というものに興味を持つ子どもたち、そういった好奇心を育成する、そういう取組をしたい。それから、やはり海外に長く生活をしたり交わりを持ってきた者として、日本文化というものをもっと海外に発信をして日本人を理解してもらい、日本人に対する、尊敬されるような、そういう日本人像というものを作り出したい。
 まあ、各分野、担当分野に言うなら、そんなことを日々考えながらやっておるわけでございます。
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北岡秀二#6
○北岡秀二君 はい、ありがとうございました。
 通告もなしに突然にお伺いをして、今大臣なりのお考えをいただきました。当然、今まで就任されて以来、いろんな部署やいろんな場所で就任のあいさつかたがた大臣の決意をいろいろお話をされていらっしゃるだろうと思います。その辺りは、広範にまたがる分野もございますが、私は特に、常に就任する大臣すべてに通じて言えることなんですが、守備範囲が広いだけに、是非とも大臣として焦点を絞って確実に成果を出すという姿勢で今後臨んでいただきたいなということをお願いするためにあえてお伺いをさせていただきました。
 それと、この質問さしていただくに当たって、私は改めて大臣の所信を二度、三度読み返しをさしていただきました。「はじめに」のところで、これはもう表現の違い、多少の違いはありますが、それぞれに同じような表現は毎度されるわけでございますが、特に人材こそ国の宝であると、こういう表現、そしてまた教育が国の将来を左右する国政上の重要課題であると、こういうくだりは私は大変了とすべきことでございまして、更に言うならば、国の最重要課題だというぐらいの意気込みで取り組んでいただきたいなというふうに感じております。
 それに関連して、ここにも書いておりますが、いろんな場所に、こういうところで同じような表現がございますが、心豊かな、ここはどういうふうに書いてあるかな、「心豊かでたくましい人づくり」ですね。心豊かな子どもを育てたいとか、豊かな心を持った青少年になってもらいたいとか、そういう表現がございます。
 これはもう私は大変すばらしい言葉であり、なおかつ正にそのとおりだろうと思うんですが、よくよく考えてみますと、心豊かなって一体何なんだろうと。そしてまた、なおかつ、いろんなところで心豊かな子どもに、そういう場をつくりましょうとかそういう育成をしましょうとかいうことを言われておりますが、おぼろげながら、何とはなくああそうかなと思いながらも、じゃこの心豊かなことをするためには何したらいいんだろうなと、その辺り戸惑いもございますし、取りあえず指導要領見ましても、学習指導要領見ましても、総則の前段のところには心豊かな子どもを育てるんだというようなくだりがございます。ちょっと非常にこれ分かったようで分かりづらい。心豊かなということは、文科省としてはどうとらえているんでしょうか、まず最初、これをお伺いしたいと思います。
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銭谷眞美#7
○政府参考人(銭谷眞美君) 豊かな心の育成ということは現行学習指導要領の道徳教育の目標の部分に掲げているわけでございますが、その豊かな心そのものにつきましては学習指導要領の解説の中で六点ほど内容を例示をいたしております。
 六点申し上げますと、一つが他人を思いやる心や社会貢献の精神、二点目が生命を大切にし人権を尊重する心、三点目が美しいものや自然に感動する心、四点目が正義感や公正さを重んじる心、五点目が他者とともに生きる心、そして最後の六点目が自立心や責任感ということで、指導要領の解説の中では豊かな心をこの六点で例示をしているところでございます。
 なお、学習指導要領ではこういった内容を道徳の内容として具体的に示しているわけでございますけれども、道徳の内容は大きく四つのくくりでこれらの内容を示しております。
 一つが目標や理想の実現を目指してやり抜く強い意思を持つなど自分自身に関すること、二つ目が思いやりの心など他の人とのかかわりに関すること、三点目が自然や崇高なものとのかかわりに関すること、四点目が公徳心や公共の精神など集団や社会とのかかわりに関すること、この四つの視点から学校や学年段階に応じて道徳の中で具体的な内容を示しているところでございます。
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北岡秀二#8
○北岡秀二君 多分、現場の学校の先生に、あるいは教育現場、いろんな立場の方にお答えをいただくと結構ばらばらなお答えになるんじゃなかろうかと思います。そしてまた、なおかつ私が最初に申し上げたとおり、非常に分かったようで分からない状況のままで受け取られておるんじゃなかろうかという印象は私はぬぐえないものを持っております。
 もう一点、今の教育ということを考えてみると、この豊かな心というところに一番我々は大きな課題を抱えておるんじゃなかろうかというふうに、今の教育改革の大きなポイントになっておるように感じております。なおかつ、今我々が教育現場を考えてみたときに、起こってくる社会的なその出来事ですね。学級崩壊であったり、あるいはいじめ問題であったり、あるいはいろんな社会の事件、事故を考えてみますと、行き着くところは最終、心豊かな子どもたちを育成しなければならないというところに行き着いてしまう。我々は、今、教育の中の問題、確かに学力を向上させる、科学技術力を向上させる、あるいは文化的な部分の造詣を深めていくという問題もございますが、大きな大きな要因の問題の一つには、この心の豊かさをどう追求するかというところに私は大きな問題があるように感じております。
 さらに、我々国民、再認識をするというか、改めて客観的に感じることの一つに、毎年毎年、ちょっと今日は資料は持ってきておりませんが、あれ一ツ橋文芸教育振興会というんですかね、千石さんのところで日本と中国とアメリカとの十五歳の子どもを対象にした、最近は韓国も含めたりヨーロッパの国も含めたり意識調査をしておるようでございますが、この意識調査の数字がつい先日も発表されました。そしてまた、この時期に毎年毎年発表される中に、我々は、日本の十五歳の子どもたちが考えておること、あるいは人生に対する思いを数字として提示をされながら愕然とするものを感じておる国民、大勢いらっしゃるだろうと思います。そしてまた、なおかつ、それと同時に、なるほどなあと言ったらもう非常に変な言い方なんですが、さもありなんと、今の状況からするとさもありなんという思いも再認識をしておるだろうと思います。さらに、じゃどうすればいいんだろうと、じゃどうすればいいんだろうでなかなか、そのどうすればいいんだろうの何をやっていいか分からないというのも、もう複雑な要因が絡んできておるだけに現実だろうと思います。
 これには私は、過去から現在に至るまで、教育の改革や心の問題ということを議論されている過程の中で、家庭の問題があったり社会全般の問題があったりして、じゃどうするかというところの一つに宗教の問題が出てきたり、ここの大きな憲法で規定されている政教分離の絡みの中で、学校教育やあるいは社会教育の中に宗教に絡むようなことには触れてはならないと。まあコンクリートされているわけではないんですが、そういう反省の上に立って、なかなか核心に触れることができない、そういう壁があったりですね。あるいは、イデオロギーですね。イデオロギーというか、六十年前の戦争の問題に絡んでくるんですが、その問題に起因して、また思想教育がどうだこうだ、あるいは戦前の日本がひところすべて悪かったような風潮があったりして、いろんな意味で、この心豊かな子どもを本当の意味で具体的に醸成する過程の中で、あるいは学校教育の現場の中で具体的に指導していく過程の中で、我々自身大きな壁というか障害物を感じておることも一つです。
 さらに、これはもう私は個人的な思いなんですが、かつては日本の国の中では修身という非常にすばらしい一つの指針がございました。これも、最近の世の中では、修身はすばらしいじゃないかと。天皇陛下の問題に関しては、確かに時代の変遷があったから、この扱いやこの表現に関しては何とかちょっと手直しはしなければならないが、外国から見ても、あるいは今の状況から見ても、修身はすばらしいから何とか修身に似たようなと言ったらおかしいんですが、復活さしてもいいじゃないかというような議論もございます。しかし、これも、先ほど申し上げました六十年前の問題や、戦後のいろいろ日本の民主主義の過程の中で大きな障害があってなかなか、かつて日本が執り行ってきたことが、まあ復活と言ったらおかしいんですが、再現ができないという壁があります。
 私はここで何を申し上げたいかというと、今私がもろもろ申し上げたような状況の中で、文科省は特にそうだろうと思うんですが、基礎、基本のはっきりしたことを指し示すのに非常に臆病になってきておるんじゃなかろうか。それを避けて通らなければならないがゆえに、今局長、いろいろ御説明いただきました。確かに、説明していただいて、箇条書きに、羅列書き、いろいろおっしゃるとおりです。しかし、分かりづらい。分かりづらいし、トータルからいうと、全部聞いてみて御無理ごもっともで、じゃ一体何なんだろうというところがあります。
 私は、いま一点申し上げます。私なりに豊かな心、大臣は大臣でお持ちでしょうし、各先生方お持ちだろうと思うんですが、一つには幅広い見識を持つ。見識を持つことによって心がいろいろ刺激されますよね。幅広い見識を持つ。
 それともう一点は、これも表現もございましたが、これも俗に言われる人の気持ちを分かる。人の気持ちを分かるためには、つらい、苦しい、悲しい、惨めである、そしてまた、なおかつ愛情の心も含めて、感動の心も含めて、いろんな意味でその人の気持ち、いろんな場面場面の心の体験を、まあ学習するのは実際体験しなければ学習でき得ないところもありますが、疑似体験も含めてできるだけ体験をする。
 それともう一点は、これが私は大きな大事なことだろうと思うんですが、ちょっと横道それて話申し上げますが、昨年、私ども文教委員会で萩へお邪魔しました。萩へお邪魔したときに非常に感銘を受けたんですが、志教育と。志教育ということで、学校自体が、それぞれの志を立てましょうと。大きくなって社会にどう貢献するか、どう大人として生きていくか志を立てましょうと。いろんなところで、朝礼やあるいは節目節目に、学校の中で、志のいろんな関連する、まあ吉田松陰の文章もあるだろうと思うんですが、朗読しながら、志について子どもながらに、何とはなしに志を目指せるような子どもを育成している。
 正に私は、今の世の中、キレる子どもを考えてみると、損か得か、あるいは面白いか面白くないか、苦しいか楽しいか、心の価値基準、物差しがそれしかない。そういう物差しで事に臨んでいって、社会に出ていったときにキレるのが私は当たり前だろうと思います。そのキレる部分をカバーするのは、これは大人として、皆さん方、私ども考えてみたときに、私どももそういう場面に直面する。非常に苦しい場面に直面したり嫌な場面に直面する過程の中で、それを通り抜けられるのは、志があったり目標があったり私はこうなりたいんだという思いがあるからこそ辛抱ができる、あるいは乗り越えることができる、頑張ることができる要因があるんだろうと思うんです。
 ですから、私は、ちょっと話が横道にそれ過ぎましたが、心豊かな子どもの中の大きな要因の中に、表現の方法は別にして、志、これはもう志という表現でなくてもいいんですよ、志というのは大事なんじゃなかろうかと。今、学校教育現場で、志を持ちましょう、人生の志を持ってますか、まあ志という表現でなくてもいいんですよ、例のあの、中川先生いらっしゃるから、北海道のあのクラーク博士の少年よ大志を抱けの大志でもいいんですよ。大志を持ってますかと、そういうことを聞いたときに、多分きょとんとする生徒が大半ではなかろうかと思います、小学校、中学校、高校を通じて。何なんだろう、何なんだろうと。で、私は将来何になりたい、これになりたい、一切ない。損か得か、楽しいか楽しくないか、楽しければいいと、そういうふうに思ってらっしゃる多分子どもさんの現場が今の現実じゃなかろうかというふうに感じてます。
 そういう観点からいうと、何度も申し上げますが、志という言葉じゃなくてもいいけど、志というのも豊かな心の醸成の中の大きな私は大事な要因だろうと思います、今申し上げましたとおり。広い見識を持つ、そして人の心が分かる、そして志を持たそう。私は是非とも、先ほどから申し上げたとおり、豊かな心をつくるというのが我が国の教育現場の最大課題の一つであるということからすると、この豊かな心という抽象的な表現じゃなくて、もう一つ具体的に指し示すべき、はっきりと、いろんなところで、学校の先生にお伺いしてもこうなんですと言えるような状況をつくるというのが私は大事なことの一つのように感じておりますが、この辺り、大臣、是非とも、今後そういう観点で私は大事な分野だろうと思うんですが、大臣の所感、ちょっとお伺いを申し上げたいと思う次第です。
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小坂憲次#9
○国務大臣(小坂憲次君) 大変根幹的な問題意識だと思いますが、今回、ここに豊かな心という表現を使っていることについて、国民の皆さんまた教育の現場の皆さんにとって非常に抽象的な表現になるかもしれませんが、ある意味で今日的な問題意識をうまく表した言葉であることも事実じゃないかなと思うんですね。それを解説して、今局長が申し上げたようなこと、それを一つ一つ取ってみて、いや、それはごもっともだとおっしゃっていただけるように、そういったものの大切さというものについてみんなが今意識を持っている。これを実現するにはどういうふうにするかというと、昔のような社会を取り戻すということであってはこれはなかなか難しいものなんですね。今、無い物ねだりみたいになってしまいます。開発の済んでしまった田んぼのなくなった都会を田んぼを作れと言っても無理でございます。
 私は、豊かな心というのは北岡委員がおっしゃったものと非常によく似ていると思っております。いろんな事象に対して感応する心だと思います。それはすなわち、我々の育った環境を振り返りますと、人間が生まれて育っていく過程の中でいろんなことにぶつかります。人は自分の体験したことをもって人の体験を測ることができるわけで、思いやりの心というのは、自分が痛みを感じたときに、同じ事象に至ったときに相手が同じ痛みを感じるだろうと想像できるわけでして、自分が体験したことのないことについて相手の立場を想像することは非常に難しいんですね。
 ですから、そういう意味で、いろんなことに感応する心を持つためには、それらの幅広い体験を持つことにつながってまいりますから、私ども、昔は田舎と都会の差というのはそんなに大きくなかった。都会にあっても、交通機関は発達しているけれども、同時にちょっと行けば田んぼもあり田園風景もあった。ところが今は都会というところは幾ら行っても田園風景がないんですね。ですから、同じような体験をみんなが持とうと思ってもその範囲は非常に限られてまいりました。逆に、都会で感じることを我々地元へ帰ってみるとなかなか体験しにくい。文化のレベルにおいてもそうでございます。
 したがって、この豊かな心というものを醸成するためには、できるだけいろいろな体験を教育現場で、いろんな道具を使いながら、疑似体験も踏まえながら体験を増やしていくということでそれに補っていくということしか今はできないのかもしれません。私は、そういうことを通じて、この豊かな心の醸成について各現場が取り組んでいくことが現実的な手法であろうと思っております。
 今委員が御指摘いただきましたように、体験学習や萩に行ったときの志の教育と。志を持つということは本当に大切なことであり、クラーク博士のボーイズ・ビー・アンビシャスという言葉を習って、当初は何だろう、大志って何だろうと思っていても、だんだん自分が人生を重ねるに従って、その言葉に対して、ああ、分かってきたような気がする、だんだん分かってきたような気がすると。
 やはり、教育というのは、最初分からなくても、自分の経験を積む中で理解できるようなことも教えておくこと、それも必要なんだと思いますから、そういった幅広い教育を行えるような環境をつくること。特に、最近欠けている、今日的な課題と言われるような公徳心だとか思いやりの心だとか、そういったものをつくるにはどうしたらいいかといえば、やはりこの学習指導要領の改訂の中で今議論されているような、そういったことが逆に言えば実現できるような学習指導要領をまとめなきゃいけないわけでございまして、そういった形でこの豊かな心というものを皆さんに理解いただけるように、またそれを、こういった数少ない言葉ではありますけれども、その中から感じ取っていただけるような表現で努力していきたいと。私は、この豊かな心というのは、それぞれの皆さんが感じる感じ方が若干違っていても、しかし大宗において方向性は御理解いただける、またそれを取り戻すことが今日の社会を正していく一つの道筋になるだろうと考えているところでございます。
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北岡秀二#10
○北岡秀二君 今のお話で、まあ基本的にはいいんですが、私が申し上げたいのは、多分、現場の先生、あるいは現場に行けば行くほどなかなか漠然としてとらえられてしまって、はっきりと、まあ何から何まで指導するというのもちょっと、これもまたいかがなものかとは思うんですが、基本的な、基礎、基本の根幹にかかわることだけに、私は多少踏み込んでもいいから明示をすべきだと。これとこれとこれはやりなさい、あるいはこれとこれとこれは指導しなさいと。
 何度も申し上げますが、今の教育の、日本の将来を心配することも含めて、何にぶつかっているかというと、豊かな心の子どもがなかなかできづらい環境になっているというところに一番大きな教育の問題があって、ここの部分がなかなか分かりづらいし、分かってない方も大勢いらっしゃるし、やることが例えば十あるとしたら、十の中のうちのプライオリティーを決めて、二つでも三つでもはっきりと指し示すべきだということを是非ともやっていただきたいなと。
 今の大臣の話をお伺いしながら、私はもう一点思い出したんですが、私もある哲学者にいろいろ指導していただいた経験があるんですが、その方のおっしゃっていることに、こういうこともおっしゃっていました。人間というのは弱さを分かっている範囲で人が分かると。自分の弱さをどれだけ分かっているか、その幅で人が見れますよと。今の教育現場、自分の弱さを知らしめることをしない教育現場になっています。何か難しいことが起こったり何か苦しいことが起こったりしたら、ついつい親も助けてしまうし社会も助けてしまうし、教育現場も、ちょっとこれまた父兄に怒られたり、いろいろ批判が来るから、もうここんところで置いとこうということで、どうしても手を差し伸べてしまう。で、子どもたちにとっては、自分の弱さを、本当の意味で真正面から見て、真正面から見据えておる中で、本当の意味で人の気持ちを分かれる環境になかなかなりづらい。そういう面での心の豊かさを阻害する環境になっておるということも私は大臣の話を聞きながら感じました。
 まあ、そういう面では分かっていただいておるだろうと思うんですが、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。これはもう議論していれば尽きません、言いたいことが、もう時間が大分たってしまいましたが。
 この豊かな心に関連して、つい先日も日経新聞の「春秋」の欄で、本を読むことが大事であるということの一説が載っておりました。確かに私は、最近の現代社会の中の活字離れ、活字離れの中で、いろんな物の考え方や疑似体験をさしていただく上からいうと、読書というのは大変大事な分野だろうと思うんですが、その辺り見事に「春秋」の欄で書いておりましたが。最近、読書運動というのがここ数年間教育現場でも展開をされて、その成果を確実に上げておると。その辺りがどんどんどんどん浸透しておるというようなくだりの話でございましたし、私も現場からはいろんなところで漏れ聞きます。しかし、今の状況から、今の、先ほどの話とも絡めて申し上げると、まだまだこの読書も振興さして、情操教育も含めて、まだやっていかなければならないと思うんですが、この辺りと現状と課題、どういうふうに更に振興していくおつもりなのか、お伺いをさしていただきます。
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有村治子#11
○大臣政務官(有村治子君) 北岡先生の信念に基づいた御質問、心して拝聴しました。共感しながら拝聴しておりました。
 子どもの読書活動は、人が言葉を学び、言の葉を培い、感性を磨いて渡り合う表現力を高めるとともに、人生をより深く豊かに生きていく力を身に付けるために欠くことのできないものであり、その推進を図ることは極めて重要だと考えております。
 文科省としては、子どもの読書活動の推進に関する法律を受けて策定されました子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画に基づき、地域、家庭、学校を通じて子どもが読書に親しむ機会の提供をしたり、図書資料の整備など、諸条件の整備充実を図っていきたいと考えております。
 ただ、この点も御報告さしていただこうと存じます。学校における読書活動の充実のためには、当然、学校図書館の図書の整備が大事な課題であることに変わりはありません。しかし、現在、この費用は市町村の一般財源で賄われることになっておりますが、地方財政措置に算入された額が実際には図書整備に充てられていないという現状がございます。むしろ図書費に充てられている額が下降しているのが実情です。今後、学校図書館の図書整備に対する財源保障の在り方については再検討することも必要ではないかとも考えております。
 以上です。
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北岡秀二#12
○北岡秀二君 予算面でも我々協力して、その獲得に努力をしなければならないと思いますので、一緒になってまたやらしていただきたいと思います。
 時間が経過しましたので、ちょっと私、飛ばして質問をさしていただきますが、最近の、これも一点だけお伺いさしていただきたいと思うんですが、これも大臣の所信の中に入っておることなんですが、学力低下がここ数年間、まあ以前からいろいろ取りざたをされておりましたが、話題になっておりますし、それをじゃどうするかということで指導要領の見直し等々も取り掛かるようでございますが、特に我々が衝撃を受けたのは、国際調査の中で、いろんな、具体的な数字として日本の子どもたちの学力が国際的に比較をして落ちているんじゃないかというような数字がはっきりと指し示されたこと。これも我々の幻想でございまして、今まで日本人というのは勤勉で、手先も器用だし、あるいは非常に優秀な民族であるということで、数学から始まって国語から、いろんなところの、何は他国から比べたら非常に優秀だという幻を我々は持ってしまっておりましたが、その崩壊も崩れ去りつつあるというところの部分で慌てておるのも一つの現実です。
 所信の中にも入っておるようでございますが、全国的な学力調査の実施にも大臣は触れておられます。学力低下が危惧されている中、大臣自身、今までゆとり教育の是非云々いろいろ言われておりました。これも、確かに現場や国民の中でゆとり教育の本質を誤解されていろいろ言われている部分もあっただろうし、その辺りの文科省としてのいろんな思いもあっただろうと思うんですが、その辺りの反省も含めて、前提に立って、今後、学力の向上に対して文科省としてどういうふうに取り組んでいかれるのか、大臣のお考えも含めて、お伺いをさしていただきたいと思います。
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有村治子#13
○大臣政務官(有村治子君) 北岡先生から御質問がありました学力調査のことだけ私が担当させていただきます。
 全国的な学力調査については、児童生徒の学習到達度を全国的に把握して国として一定以上の教育水準の確保を図ること、また、各教育委員会、学校に対して広い視野で教育指導の改善充実を図るための機会を提供することを目的として、十九年度の早い時期に小学六年生の国語、算数、中学三年生の国語、数学について原則として全児童生徒を対象に行いたいと考えております。
 中教審、昨年十月の答申においても、学校間の序列や過度な競争等につながらないよう十分な配慮が必要と指摘されておりまして、これはしっかりと課題として踏まえた上で、問題作成や公表の在り方、フィードバックの仕方など、心して取り組んでまいりたい。特に具体的な実施方法については、専門家による討論、会議において議論を進めていただいておりまして、来月、四月をめどに取りまとめを行う予定であります。
 その上で、市町村、それから実施していただく児童生徒、学校現場の先生方、また保護者の方々にも理解をしていただくような努力を重ねてまいりたいと考えております。
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小坂憲次#14
○国務大臣(小坂憲次君) 今の委員のお話、結論から申し上げれば、国がしっかりと目標、指針を定めて、そして現場にお願いをし、現場は創意工夫を凝らしてそれぞれの目標に従って進む、そして国は更にそれがちゃんとその線、指針、目標に向かっているかどうか、それをはっきりと確認するチェックをして、そしてそれに必要なアクションを取るという、PDCAの、プラン・ドゥー・チェック・アクションのサイクルを確立することだと思うんですね。そのために、今申し上げた全国学力調査を通じて、一体この国の現状がどうなっているか、これを共通の認識に持っていただくこと、そしてまた言葉や体験を重視した学習や生活の基礎づくりを進める、これらを学習指導要領という形で具体的に現場に私どもとしては提示をしていくということが必要だと思いますから、この学習指導要領を早期にまとめて提示すること、これが今必要なことだと思いますし、総合的な学習の時間含めたこのゆとり教育全体に対しての国民の皆さんの理解というものをやはり再度求めなきゃいかぬと思っております。
 すなわち、ゆとり教育が学力低下をもたらしたんではなくて、むしろそのゆとり教育の目指したところが何であったかを皆さんにはっきり理解していただくことが必要だったということだと思っております。教科にまたがる福祉や、あるいはそういった福祉のような学習をしっかりとやっていただくとともに、指導要領の目標に従って新たな今日的な課題に取り組む内容も盛り込んで、まあできれば、できればといいますか、私の今日の考え方では十八年度中に学習指導要領をしっかりまとめて提示をすることが必要だと、こういうことで取り組んでまいりたいと存じます。
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北岡秀二#15
○北岡秀二君 是非とも、これも喫緊の課題だろうと思います。私、文教関係で結構携わっておる関係上、大学の先生とかあるいは学校の先生方にお会いさせていただく機会が大変多うございまして、大臣も文科省のお役人の皆さん方もそういうことはもう御承知だろうと思うんですが、最近の学生の勉強に取り組む姿勢、二極化している部分もあるみたいでございますが、大変憂慮する部分があるという話をいろんなところから私は聞かせていただきます。
 それともう一点、これも私がお話を聞いた、まあこれ一人の話を聞いてそれがすべてだと言うつもりはありませんが、シンボル的な話なんですが、ある大学の先生とお話を、金融関係の先生なんですが、させていただくと、こういう質問をさせていただきました。最近の大学生の学習、学習というか状況はどうですかということを聞くと、象徴的にこういうことをお話しされました。専門分野と役に立つところのことはかなり習得していると、しかしそれ以外に関してはもうほとんど無知に近い状況の学生がたくさんいると。その先生は金融関係の先生でしたから、こういう表現していました。金融関係の勉強をする生徒であっても源氏物語や夏目漱石ぐらいは知っとかないかぬわねと。もう全く知らない、もう自分の直接該当するところ以外のところ。
 私も、これ本当に漫画みたいな話なんですが、身近なところの子どもさん、子どもさんって、高校生ですよ、それもそこそこの高校生。パリって知っていますかと、パリってどこですかということを言われて私、愕然としたことがあるんですよ。パリ知らぬのかと、フランスの首都じゃないかと。本当にその子は、聞いてみたら理科系を志望している子どもさんでした。ですから、その言い訳がですね、いや、地理とか世界史とか、そういうのを全然知らぬのですと、勉強していませんと。これまあ具体的なことを言うとちょっと名誉にかかわることですから私も余り言いませんが、そんな話を、やり取りをしたことも経験しています。
 もう本当にそういう面では非常に学力低下、それと先ほどの心の問題にもつながってきかねないような私は現状も進行しておるだろうと思いますので、是非ともその辺り、学習指導要領の改訂を目指しておるんであれば、しっかりとその辺りを見据えた上で対応していただきたいと思います。
 時間が経過したので中をカットして、ちょっとそちらでしておる分からすると九番目ぐらいになるんですが、教育委員会の問題に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 今、自由民主党の中で教育委員会の問題をどうするかという議論をさせていただいております。教育委員会の問題はかつてからいろいろな議論がされていました。教育委員会、形骸化しておるんじゃなかろうかと、あってもなくてもいいんじゃないかと、一体何なんだというような話がございますし、私も地方議会を経験して、地方議会経験しながら田舎の町村の教育委員会やあるいは県教委を拝見をさせていただいておりまして、果たしてどこまで機能しているんかなと。特に市町村ですね、市町村の教育委員会、これはもう大変な状況です。
 私は、このことについてまず大臣にお伺いしたいのは、最近、地方分権というのがどんどんどんどん、小泉さんもおっしゃっておられますし、地方分権の将来の姿の中で国と地方の役割のあるべき姿というのをよく言われます。これに関連して、まず最初に大臣の方から、教育に関して国と地方の役割分担、基本的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、これは今申し上げました将来的な地方分権が進行しておるということも前提に含めて、どういうふうにお感じになっていらっしゃるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
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小坂憲次#16
○国務大臣(小坂憲次君) これはずっと文教に携わっていらっしゃる委員はよく御理解をいただいているところだと思いますが、義務教育の根幹であります、国は機会の均等、水準の確保、無償制というものを、義務教育の実施に当たってそれを保障し、そして責任を持っていくという立場であります。また、都道府県は域内の広域的な市町村現場での物事を調整をしていく立場でございますから、そういった中にあって、その機能を十分に果たしながら、市町村はそれぞれの義務教育の実施主体として大きな権限と責任を担う、そういう立場でございますから、創意工夫を加えながらそれに取り組んでいただく。
 したがって、それぞれの、国が大きな枠組みをつくり、そして県が調整機能を発揮し、そして市町村の、また学校の教育現場はそれの実行部隊として創意工夫を加えてやっていく、これが一つの理想といいますか、現実的に推進する形だと思っているんですね。
 これを今、国と地方の分権の中でそれでは一体どこまでということになりますが、私は、人事権というのは一つ大きな教育を動かす上での力になってまいります、実際問題としては。したがって、都道府県が持っている人事権というものをある程度市町村の現場に移していくという方向性もこれは検討しなきゃいかぬと、こう思っているところでございます。
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北岡秀二#17
○北岡秀二君 私は、今大臣おっしゃられた、基本的にはそういう方でいいんだろうと思うんですが、やっぱり今、中教審でも議論されていらっしゃるだろうと思うんですが、大きな問題に、問題というか、問題としてこう携わっている、根っこに携わっておるのは、役割分担しっかりもうこれからはっきりとさすべきだろうと。特に現場の教育委員会、まず言えることは、これも教育委員会の問題に関連して言われておることの一つに、責任の所在が一切無責任状態になっておると。ここが大きな、これはもう教育現場すべての大きな問題だろうと思うんですよね。
 無責任状態になっておる裏には、これも私は過去から現在に至るいろんな経過を考えてみますと、これはもう教育委員会だけじゃなくて日本の国全体がそうなんですが、ひところ権力あるいは権限の集中を否定してきた。権力を否定してきた、権限の集中を否定してきたがゆえに、いろんな審議会ができたり、それを分散しましょう、集中させることはやめましょう、いろんなところで議論しましょう、いろんなところでもっともっと、何というかな、分担して、分担というか分散しましょうというような過去の歴史的な経緯の変遷を踏んできて、これはもう光と影みたいなもので、権力や権限を否定してきて、流れをそういうふうにつくればつくるほど、ある意味でいうと無責任状態が発生するというのが、私はこれは表と裏だろうと思うんです。特に、私はこの教育委員会行政、この教育行政に関しては、それがもう露骨に出てきたんじゃなかろうかと。
 そういう面では私は、ちょっと先ほど質問をやめた分野なんですが、評価というのをしっかりすると。本来、私は、権限に基づいてしっかりやってくれさえすれば評価も本来はしなくてもいいんでしょうけど、無責任状態のいい加減な状態が続いているから、じゃしっかりした評価をしていただきましょうと。質問は評価に戻りませんよ。しっかりした評価をしていただきましょうと、評価をすることによっていま一度責任体制の確立をしていきましょうという一つの時代のトレンドになってきておるんだろうと思うんですよ。私は、評価の話はもうしませんが、基本的には、教育委員会の問題も、究極は責任の所在、役割分担のしっかりとした区分けをしっかりとしていくことから始めていかなければ立ち直りは私はできないんじゃなかろうかと。
 更に申し上げると、これはすべてがそうではございませんが、教育委員会さえしっかりしていれば、今の私どもが抱える教育の問題のかなりの部分は解決できると私は思っております。ただ、教育委員会自体がしっかりと機能していないがゆえにこういうことになってきておる。で、継ぎはぎのいろんな対策を立てざるを得ないというのが今の現状だろうと思います。
 ですから、その辺り、私はしっかりと区分けをしていただきたいんですが、片や、今、地方制度調査会や規制改革会議で教育委員会の選択制やあるいはその廃止の議論が出ております。文科省として教育委員会に対して、今後いろんな議論がなされるだろうと思うんですが、今の段階でどういうスタンスで臨んでいかれるおつもりなのか、お考えをお伺いしたいと思います。
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小坂憲次#18
○国務大臣(小坂憲次君) また担当の局長からも答弁させたいと思いますが、私は、今委員が御指摘になりましたように、地方制度調査会あるいは規制改革・民間開放推進会議等で指摘をされている教育委員会の見直しの議論にあって、私は、教育委員会というのは非常に重要なものであって、委員が御指摘のように、教育委員会が十分に機能すれば今の教育のいろんな問題の解決に大きな力が発揮できる。そこにおける役割分担としての合議体である教育委員会とそれから教育長という、何といいますか、事務実行の責任者としての、ここの役割を明確にして、そして教育長の人材を得るということですね、まず。そして、その教育長の権限を強化して、そしてその責任体制を明確にする。
 また、教育委員会の構成の中に、今必ずしもそういうふうに配慮はされておりませんが、保護者や、あるいは特に保護者の中でも女性を加えていく。また、保護者に限りませんが、女性の意見というものがもっと反映できるように教育委員会の構成を考えていかなきゃいかぬと。
 そしてまた、会議を、どういう形というのはまたインターネット等もありますからいろんな方法を考えた方がいいと思いますが、原則公開でやるということですね。そして、何が議論されていて、何が問題意識としてとらえられているのかということを、地域の住民に対しても教育現場に対してもそれを示していくということ。
 そして、更に言うならば、いろんな悩みを持って教育委員会に訴えたい人は一杯いるんですね。ところが、一体だれにいつどうやって訴えたらいいかというのが分からないんです。ですから、何かメールを、手紙を書いてみたり、知事に書いてみたりあるいは市長に書いてみたりする。そうじゃなくて、教育委員会にしっかりとした窓口を設置して、ここでしっかり受けますと。受けたものはこういうふうに評価されて、それはこのように議論されたことを公開します、公開していきますということを入れれば私はかなり機能していくんじゃないかと思いますし、今、地方制度調査会等で言われているように、廃止、機能していないなら廃止してしまえというのは、やはり問題が大きい。その代わりとして首長にその責任を持たせるということになりますと、首長は本来、そういった教育に対してというよりは行政全般に対する人選という中から選挙で選ばれてくるわけですから、そこにすべてを課すのはちょっと間違いであろうと思っております。
 そんな意味で、この教育委員会の議論には、私としては参加を、そういう形で指導してまいりたいと、こう思っております。
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銭谷眞美#19
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま大臣の方から、都道府県、市町村の教育委員会の事務処理体制を含む教育における言わば自治体制の強化ということについてお話がございました。
 私ども文部科学省といたしましても、平成十四年の四月に施行されております地教行法の改正を受けまして、教育委員会活動の活性化につきまして、教育委員の構成の多様化、教育委員会会議の原則公開、教育行政に関する相談窓口の明示等をお決めをいただいたわけでございますので、それに沿って教育委員会の活動が活性化するように指導をしているところでございます。
 あわせて、その前のお尋ねで大臣の方から御説明がございましたように、国、都道府県、市町村と、この三者の教育行政における立場を考えたときに、義務教育諸学校の設置者であり、直接の実施主体である市町村の教育委員会の体制の強化ということが喫緊の課題であるというふうに思っております。そのために、教職員人事について市町村の権限を強化をするという方向を含め、この市町村の教育委員会の体制の強化について文部科学省としてしっかり取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
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北岡秀二#20
○北岡秀二君 この教育委員会の改革というのは、中教審の答申も含めて、今後の地方分権絡み、あるいは改革という、大きな枠の中での改革という中で大きくこれからクローズアップされてこられるんじゃなかろうかというふうに私は感じております。
 大臣もおっしゃりましたが、教育委員会さえしっかりと機能すれば、かなりの部分の教育の問題点というのは解決します。そういう面では、私は大事な大事な大きな問題だろうと思いますので、先ほどおっしゃられましたとおり、国と地方の役割分担どうするか。これはもう、一説にはすべて地方に任せろというような議論もございますが、これは私、私見を申し上げますが、教育というのは、これは大事な部分でございますので、国がしっかりと所管する領域はどこまでだ、掌握するところはどこまでだということを私はしっかりと打ち出しをしていただきたい。
 これも今お話がございましたとおり、県と市町村の教育委員会とのかかわりも、これも明確ではございませんし、責任の所在がかなりあやふやであるがゆえになかなか機能してこないところがございます。これは、この際、いろんな指針を打ち出す過程の中でしっかりと打ち出しをしていただきたいなと。
 さらに、もう一点、これも、最近の議論の中で特に言われておる人事権の問題も絡んできますが、小規模町村にあっては、一つの町村では私はなかなか機能は難しいところも現実だろうと思います。ですから、今、町村合併をやっておるからということで言うわけではございませんが、広域的な教育委員会のあるべき姿の模索も必要であるでしょうし、逆に申し上げると、大きな市に関しては、逆に多少なりとも分割して、本当に血の通った教育行政ができるような教育委員会の単位というものを私は個人的にはしっかり考えた上で、その辺りの指針も出すべきだろうというふうに感じております。
 いずれにせよ、この教育委員会の問題に関しては、議論はこれからでございます。前段に私が申し上げましたとおり、権限を集中することを排除するために分散をすればするほど無責任社会が横行してくると、この方程式は、私はいつの世とも、いつの時代とも変わらないだろうと思います。要は、取るべきは、権限の集中が世の中の悪になるときもございますし、分散で今の世の中みたいに無責任社会が横行して、結果としてもうめちゃくちゃになってしまうときもあります。
 大事なことは、私は、時代の環境をしっかりととらえてバランスを図っていくということが大事だろうと思います。ですから、その辺りしっかりと考えていただいた上で、共々に今後方向性を打ち出さしていただきたいと思いますので、大臣始め文科省の皆さん方はよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう時間がなくなりましたので、科学技術の分野で、もうこれ簡単に質問をさしていただきたいと思います。
 私ども国会でも承認をさしていただきましたが、日本は科学技術立国であると。貿易立国であり、大臣が一番最初に言われました人材立国です。そういう面からいうと、日本の生きていく道の大きな大きな頼りとなる道は、科学技術振興というのはこれはもう避けて通れない大事なことだろうと思います。
 もう既に基本計画、第一期、二期、今年で二期計画が終わりというような状況の中で、主管が内閣府ですか、中心になっておるのが。しかし、現場としてかなりの領域を文科省が占めておるわけでございますけど、こういう状況の中で、二期計画が終わった中で、達成状況について文科省としてどのように評価をされていらっしゃるのか、まず一点お伺いしたいと思います。
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小田公彦#21
○政府参考人(小田公彦君) ただいま御質問のありました第二期の科学技術基本計画の達成状況についてでございますが、これにつきましては、科学技術の、科学技術政策研究所におきまして達成状況のレビュー調査といったようなものを実施したほか、科学技術・学術審議会におきましてもこの議論をしてきたところでございます。
 この基本計画におきましては、計画期間中は厳しい財政事情の中、政府研究開発投資の総額が二十一・一兆円という総額の研究開発費が投入されたわけでございますが、その中で科学技術の戦略的な重点化と科学技術のシステム改革を目指して政策を進めてきたところでございます。
 一つ、科学技術の戦略的重点化に関しましては、大学などを中心とした独創的、先端的な基礎研究の推進とともに、ライフサイエンスなどの重点分野を中心といたします国家的、社会的な課題に対応しました研究開発の推進を図ってきたところでございますが、その結果、一つは研究水準についてでございますが、これは論文などの質と量、両面におきまして研究水準が向上、着実に向上してきているところでございますし、また世界的な成果、そうした事例もございます。例えば、垂直磁気記録技術だとか光触媒、あるいは重粒子線がん治療装置といったようなものなどの事例も生み出しているところでございますし、また、この計画期間中、ノーベル賞受賞者も三名が輩出しているところでございます。
 また、科学技術のシステム改革についてでございますが、まず特記したいことは、この期間中に国立試験研究機関が独法化したこと、さらには国立大学法人が法人化したという制度的な改革が行われましたほか、一つは競争的資金の倍増とその制度改革でございますが、倍増目標には至らなかったわけでございますが、約一・五倍の拡充が実現し、競争的な研究環境の形成に大きく寄与したものと思っています。
 また、科学技術関係の人材の育成確保についてでございますが、着実に進展はしていると思っておりますが、ただ、やはり若手の自立性向上、さらには女性が十分に能力を発揮できる環境整備といったようなものが今後の課題ということでございます。
 また、大学などと企業の共同研究などの産学官連携活動、あるいは地域における知的クラスター創成などの地域の科学技術の振興などにつきましては取組が進展しておると承知しておりますが、これは更にイノベーションといった経済的、社会的な価値の創出に至る、そういった過程については今後一層図っていく必要があると思っております。
 いずれにしましても、この評価、新たな課題といったものにつきましては、今月の下旬に決定される予定になっています第三期科学技術基本計画の策定の審議の中で反映されているものと思っております。
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北岡秀二#22
○北岡秀二君 もう御承知のとおり、財政再建の中でこの科学技術分野だけは何とかということで、当初の目標の金額までは到達しなかったかも分かりませんが、かなり力を国として上げようという姿勢を指し示しておる。そしてまた、なおかつ今の状況の中で、今も御報告をいただきましたが、それなりに成果も上げつつあると。
 私は、もう本当に今の状況から見ると、国際的な経済競争というのは更に更に過激な状況をこれから迎えてくるだろうと思います。何としてでも日本はその競争に勝ち抜かなければならないという観点からすると、大きな中核を担っておる文科省としても是非ともしっかりとその辺りに取り組んでいただきたい。二期計画が終わると同時に三期計画もうそろそろ、ほぼその辺りの中身が、形ができつつある状況でございます。
 その中核を担う文科省として、大臣の三期計画に対する意気込みをお伺いを申し上げまして、私、質問を終わらしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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小坂憲次#23
○国務大臣(小坂憲次君) 北岡委員御指摘のとおり、資源のない我が国にとって技術開発というのが産業の源泉でありまして、新たな技術開発によって世界のデファクトスタンダードを構築する、あるいは先端的な取組によりまして、宇宙開発技術、宇宙輸送技術を始めとしたこういった新たな分野について、日本としての商業ベースに乗るような力を付けていく、また同時に、そこから得た知見によって新たな科学技術分野を創造していく、そういったことが重要だろうと思っております。
 第一期の十七兆、そして第二期の二十四兆を上回る予算の獲得に向けて、第三期の科学技術基本計画の策定に当たりましてその予算折衝を行ったところでございますけれども、北岡委員始めとしました皆様の力強い御支援をいただきまして二十五兆円を確保することができました。第二期の実績ベースの二十一・一兆円に比べ大幅な増ということでございまして、この着実な推進をこれから図ってまいりたいと存じます。
 具体的には、若手研究者や女性研究者の活躍促進など、優れた人材の養成確保。そして二点目として、基礎研究の充実と産学官連携を通じたイノベーションの創出。そして、国家基幹技術と言われる次世代スーパーコンピューター、汎用スーパーコンピューターの開発、そして宇宙輸送システム等、我が国の基幹的な技術。その中には、エックス線自由電子レーザー、また高速増殖炉サイクル技術、海洋地球観測探査システム。この海洋探査システムの中には、地上の生命体よりも地下の生命体の方の数が多いと言われております。そういった意味で、新たなバイオリソースとしての分野でも期待をされるところでございまして、こういったものを通じて、この二十一世紀の科学技術の進展のために第三期の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。
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北岡秀二#24
○北岡秀二君 終わります。
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大仁田厚#25
○大仁田厚君 おはようございます。自民党の大仁田厚です。
 大臣に二、三、お聞きしたいんですけど。大臣は、今回、文部科学省の大臣になられたんですけど、人生の中で、人生の中で何を目標に、何を掲げて、何を描いて今まで生きてこられたのか。僕は、人って、思うんですけど、人生の中でやっぱり目標を持つと思うんですよね、子どもも全部そうですけど。その中で、大臣自身、なぜ頑張ってこられたのか。基本的なことですけど、なぜ頑張ってこられたのか。基本的なことをお聞きしたいんですが、大臣。
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小坂憲次#26
○国務大臣(小坂憲次君) 余りに根本的なことで、突然の御質問でございますが、私としては、やはりこの世の中に生まれてまいりました。自分がこの世に生を受けた以上、何か形を残せるものを残していきたい、そう思っておりますが、基本、端的に言えば、私は政治家の家系に生まれたということで、常にあなたは将来政治家になるんだろうと言われてまいりました。当初、私はそれに反発をし、そうとは違う道で何とか身を立てていきたいと、こう思って会社に就職をし、その道で人に負けない成績を上げるということを目標にやってまいりました。しかし、いろんな周囲の環境その他がありまして、また、自分の仕事を通じて、やはり国を動かすということの重要性、また、社会に不満を言うんではなくて、その不満を変えられる立場にもしなれるならばと思って政治の道に進出をいたしました。
 今、大臣になりまして、大臣という立場から、自分が変えたいと思うことに対して、より大きな立場でそれを実現するチャンスを与えていただきましたので、先ほど御質問もいただきましたが、この大臣という立場の中で当面の目標として、この任期中に小坂であったからできたというようなものを何かつくっていきたい、こう思って努力をしたいと思っております。
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大仁田厚#27
○大仁田厚君 そういう人生に今納得されていますか。
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小坂憲次#28
○国務大臣(小坂憲次君) 人生、それぞれ目標を定めて進みますが、だれもがその目標に必ず到達するということ、チャンスに恵まれる世の中ではないかもしれません。しかし、一人でも多くの人がその目標に近づけるようにみんなが努力していると思います。私は、今与えられた立場をしっかりと守って、その中でベストを尽くすと、それが今、私の考え方です。
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大仁田厚#29
○大仁田厚君 やっぱり、へこんだりすることもあると思うんですけど、大臣も。人生過渡期のときに政治家一家で育てられてやっぱり反発というのがあるんですが、僕もおやじに反発した方ですから。十五歳のときにリュックと寝袋持って長崎から神戸まで三十日間掛かって歩いた男ですから。
 そういったときに、どうやって自分の中で切り替えてきましたか、大臣。だから、自分の環境がある、それで自分ではこういった方向性に進みたい、だけど、自分でその夢をあきらめなきゃいけない、ある種の、そういったときにどういうふうにお考えになられました。
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