環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会

2016-11-14 参議院 全266発言

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会議録情報#0
平成二十八年十一月十四日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     舟山 康江君
     中野 正志君     和田 政宗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                石井 準一君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                三宅 伸吾君
                山田 修路君
                小川 勝也君
                大野 元裕君
                浜田 昌良君
                紙  智子君
    委 員
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                佐藤 正久君
                進藤金日子君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                滝波 宏文君
                中西  哲君
                中西 祐介君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                相原久美子君
                石上 俊雄君
                江崎  孝君
                田名部匡代君
                徳永 エリ君
                浜口  誠君
                舟山 康江君
                河野 義博君
                熊野 正士君
               佐々木さやか君
                平木 大作君
                大門実紀史君
                辰巳孝太郎君
                片山虎之助君
                儀間 光男君
                山本 太郎君
                行田 邦子君
                和田 政宗君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣   松野 博一君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   山本 有二君
       経済産業大臣   世耕 弘成君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松本  純君
       国務大臣     石原 伸晃君
   副大臣
       国土交通副大臣  田中 良生君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       消費者庁次長   川口 康裕君
       外務大臣官房審
       議官       森 美樹夫君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   相川 一俊君
       外務省中東アフ
       リカ局長     上村  司君
       外務省経済局長  山野内勘二君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      北島 智子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   水田 正和君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    今井  敏君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       国土交通省政策
       統括官      舘  逸志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環太平洋パートナーシップ協定の締結について
 承認を求めるの件(第百九十回国会内閣提出、
 第百九十二回国会衆議院送付)
○環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関
 係法律の整備に関する法律案(第百九十回国会
 内閣提出、第百九十二回国会衆議院送付)
    ─────────────
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林芳正#1
○委員長(林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中野正志君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として和田政宗君及び舟山康江君が選任されました。
    ─────────────
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林芳正#2
○委員長(林芳正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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林芳正#3
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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林芳正#4
○委員長(林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。
 両案件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山田修路#5
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 TPP協定の質疑についてトップバッターということで、大変いい機会をいただきました。感謝を申し上げたいと思います。
 私は、参議院議員になる以前、国家公務員をしておりました。農林水産省に勤務していた当時、民主党の菅総理、そして野田総理のときでありますけれども、TPP交渉に参加できないかどうか検討していた時期でもあります。私は、農林水産審議官という役職でありまして、農林水産省で国際交渉の事務方の責任者という立場でございました。民主党政権の下で交渉参加の可能性について模索をし、そして自公の連立政権、安倍総理の下で交渉に参加をし、そして合意に達して、今こうして国会で審議をしているというところでございます。
 この委員会には、与野党を問わず、TPP交渉に関わってこられた方、たくさんおられます。また、内容をよく知っている方もたくさんおられるということでございます。これまでの経験も生かしながら、内容のある、また分かりやすい審議をしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、TPP協定の発効についてお伺いをしたいと思います。
 日本はこれまで、EPA、FTA、自由貿易協定、そして経済連携協定、これを推進してまいりました。その中でも特に経済規模の大きないわゆるメガ協定の交渉を同時並行的に進めてきたというふうに思っております。一つは、このTPP協定でございます。太平洋を取り巻く十二か国が、このパネル、資料にもありますけれども、十二か国が構成員となって交渉をしているこの協定、そしてもう一つは、RCEPというものがあります。(資料提示)
 ASEANの十か国、そして日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、そしてインド、十六か国が構成員となっている交渉、そしてまた日本とEUの間で行っている日EU、これは、EUは大変大きい経済圏でありますけれども、こういったメガ協定を並行して同時に進める、こんな交渉をやってきた。これはもうそれぞれの交渉が好影響を与えてお互いに促進していくと、こういった面があるということでございます。そのようなことで進めてきたわけであります。
 こういった通商政策を進める中で、今、先週アメリカの大統領選挙がありまして、トランプ氏が当選をしたということでございます。トランプ氏は、TPP協定だけでなくてNAFTA、北米自由貿易協定、これについても賛成しないというような発言をしております。トランプ氏の当選でTPP協定の発効について懸念が広がっている、また、イギリスがEUから脱退をするというようなこともあって保護主義が台頭してきているのではないか、こういった懸念もあります。
 そこで、今後、我が国の通商政策、これをどのように進めていくのか、そしてこの見直しが必要なのかどうか、この点について基本的な方針を総理にお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦前は、まさにそれぞれの国の版図の広さが経済力につながっていったわけでございます。そして、日本は敗戦によってその版図の多くを失ったわけでございますが、しかしあの敗戦、荒廃した国土から見事に日本を立ち上がらせ、そしてGDP世界三位の国にしたわけであります。
 なぜそれが可能となったか、版図を多く失ったにもかかわらず。それは、自由貿易の恩恵と言ってもいいんだろうと思います。自由で公正な貿易を堅持し、そしてそれを発展させていく、これこそが、大企業のみならず中小企業、ひいては労働者や消費者にとって適切な経済的機会をつくり出すものであり、世界経済の成長の源泉と言ってもいいんだろうと思います。
 しかしながら、TPPを含め、グローバル化の中での自由貿易に対しては、多国籍企業のみが利益を得ているとの誤解があるのも事実であります。このような誤解が広がれば自由貿易に対する支持が揺らいでしまうわけでありまして、各国が国民の理解と支持を得て自由貿易を推進することによって保護主義の蔓延を食い止めなければならないと思います。戦後、自由貿易体制の下で経済成長を遂げてきた我が国こそがその先頭に立たなければならないと思います。
 国会でTPP協定が承認され、整備法案が成立することで、自由貿易を主導する我が国の決意と結果を出す力を世界に示すことができます。これはTPP以外の通商交渉も刺激をし、加速させ、保護主義の蔓延を食い止める契機となるものと思います。TPP協定は、厳しい交渉を経て、我が国にとって高い戦略的、経済的価値を持つものとなったと言ってもいいと思います。米国が政権交代期にある今、我が国こそがその早期発効を主導しなければならないわけでありまして、TPP協定の国会承認により、再交渉はしない、早期発効を目指すとの立法府も含めた我が国の意思が明確に示されます。今後、様々な機会を通じて米国並びに他の署名国に国内手続の早期の完了を働きかけていく考えであります。
 また、TPP協定に結実した新たなルールは、TPPにとどまらず、日EU経済連携協定、RCEP、さらにはアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPなどにおけるモデルとなるものであり、まさに二十一世紀の世界のスタンダードになっていくことが期待されるわけでありまして、いずれにせよ、自由で公正な自由貿易こそが我が国の経済を発展させていくものであろうと思います。
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山田修路#7
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 自由貿易を進めていく、保護主義の蔓延を防いでいく、またTPP協定の意義についても御説明がありました。まさに、私も申し上げましたけれども、自由貿易、あるいは保護主義が蔓延していくことを防いでいくということ、そして経済連携協定については並行してそれぞれ進めていくというお話、この方針は基本的には変わらないということだと思います。このような基本方針の下でTPP協定について我が国としてどう対応していくのかということだと思います。
 週末の新聞などの記事を見ましても、トランプ氏の当選によってTPP協定の発効は非常に困難になったのではないかとか、そういった記事も見られるわけでありますが、一方で、トランプ氏は通商政策には必ずしも精通しているわけではない、理解を求める可能性も十分あるんではないかというような意見もございます。総理は、十七日にニューヨークでトランプ氏と会談をされるということであります。もちろんここで会談の発言についてお聞きするわけにはいきませんけれども、是非、トランプ氏にはこの経済連携協定、TPPの重要性なりについて御理解をいただけたらというふうに思っております。
 さて、このアメリカの大統領選挙の結果、今申し上げましたように、TPP、なかなか厳しい局面にあるということであります。しかしながら、先ほどお話がありましたように、我が国の通商政策、これまでやってきたことを更に進めていくというのが基本的な立場ということでございます。今この時点でTPP協定の国内手続を進める、このことの意義について石原大臣から改めてお答えをいただけたらと思います。
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石原伸晃#8
○国務大臣(石原伸晃君) 山田委員にお答えいたします。
 ただいま委員が御指摘のとおり、アメリカの大統領選挙をめぐりまして、トランプ候補が次期大統領に決定したことによりまして様々な報道があることは私も十分承知をしております。
 しかし、総理もおっしゃられましたとおり、TPP協定というのは、二十一世紀の新たな共通ルールをこのアジア太平洋、パシフィックにつくり上げる、自由で公正で巨大な一つの経済圏を構築するという大きな目標があるわけでございます。これについてはアメリカも大きな恩恵を被る。さらに、その地域が経済的にも政治的にも不安定な状況の中で、私たちは共通な価値観を持っております。自由、民主主義、基本的人権、法の支配、こういうものを共有する国々、地域が経済のきずなを強めることによりましてその輪を広げていくことで更なる地域の安定を図るといったような戦略的な意義というものも十分にあるんだと思っております。
 国会で協定が承認され、この整備案が当委員会で成立させていただきますと、自由貿易を推進し、TPP協定の早期発効を目指すべくという立法府の明確な意思が明らかになる。我が国が主導することによりまして早期発効に向けた機運を高めていく、政府全体として様々な機会を通じて米国並びに署名国に国内手続の早期完了を働きかけていく考えというものには何ら変わりはございません。そのためにも、今国会での協定承認と整備法案の成立を目指していきたいと考えております。
 TPP協定の各規定の内容の趣旨、解釈等については、引き続き当委員会で丁寧に説明に尽くさせていただきたいと考えております。
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山田修路#9
○山田修路君 どうもありがとうございます。TPP協定の意義、そして国内手続を進めていくというお話でございました。
 それでは、そのTPP協定の経済効果についてお話をしたいと思います。
 これもパネルあるいは資料でお配りをしておりますけれども、このTPP協定、太平洋を取り巻く十二か国で構成をしている、そして世界のGDPの四割近くを占める大きな経済圏を形成するものであります。
 このTPP協定につきましては、先ほどFTAAPというお話もありましたけれども、APECの二十一の国・地域がこのFTAAPを目指してこれから活動をしていくということですが、その原型となるもの、つまり、APECの二十一か国には開かれた、参加国が今後増えていくというような意味合いのある協定でございます。
 TPP協定が日本経済にどのような効果を及ぼしていくことを意図されているのか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
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安倍晋三#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になったように、TPPはこのアジア太平洋圏に四割のGDP、四割経済圏を新たにつくり出すわけでございまして、そこでは自由で公正な貿易・投資ルールが作り出される、そして適用されるわけでありまして、世界の自由で公正な貿易・投資ルールを牽引していく役割もあるんだろうと、こう思うわけでございます。
 大筋合意の後、韓国、台湾、インドネシア、タイ等がTPP参加に強い関心を表明したわけでございます。TPPはいわゆる昔のブロック経済とは違います。開かれているわけでございまして、開かれたまさに新たな経済圏と言ってもいいんだろう。この我々が作り上げた、高い志を持って作り上げたこのルールにのっとって貿易をしていこうという国であれば受け入れていくということになるわけであります。
 TPP参加に強い関心を表明した国々があるわけでありまして、TPPは巨大市場の求心力で当初の十二か国を超えて大きく拡大していくことが期待されます。日本経済が国内の人口減少を乗り越えて中長期的に力強く成長していく基礎になるわけであります。残念ながら、日本の人口は減少をしていくわけであります。人口が減少していくということは消費者も減少していくわけでありますが、この十二か国、またそれ以上に広がっていけば、そこでは同じようなルールで様々な仕事ができるということになれば、商売もできる、物を売っていくことができるということになれば、日本の消費者は減っていきますが、このTPP圏内の消費者はどんどん増えていくことが期待されるわけであるわけであります。
 TPPにおいては、日本以外の交渉参加国の関税はほぼ一〇〇%撤廃されます。特に、工業製品の即時撤廃率は品目数ベースで約八七%に及びます。新たなルールの下では付加価値が正当に評価されることになります。これまで様々なリスクを懸念してきた地方の中堅・中小企業や農業者も安心して海外展開できるようになる、域内のどこで生産してもTPPの低い関税が適用され、国内にいながらにして海外進出ができるようにもなるわけでありまして、サプライチェーンの一環として、日本にいながらその一翼を十分に担うことができるようになりますし、中小企業、外へ出ていくと、果たしてルールを途中で変えられるのではないか、あるいは模造品や海賊版がどんどん出されてしまうのではないか、頑張ってしっかりとつくり上げた新しい付加価値がほかの国に盗まれてしまうのではないかという心配がこの圏内ではなくなっていくわけでありまして、むしろ中小企業にとってチャンスが出てきたと言ってもいいんだろうと思います。
 TPPのメリットは、直接輸出する企業にしかもちろん及ばないのではなく、輸出企業と取引のある企業、そこで働く人々にも及んでいくことになります。安倍政権は、輸出拡大を通して得た大企業の収益が全国の津々浦々の下請の中小企業の収益として波及していくように国内の取引慣行の適正化に取り組んでいるわけでありまして、引き続き進めていく考えであります。各企業における賃上げも引き続き働きかけを行い、国内経済の好循環を促していく考えであります。
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山田修路#11
○山田修路君 総理、ありがとうございました。TPP協定が発展性のある協定である、そして日本経済に大変大きな好影響を与えるというお話でございました。
 続けて、また総理にお伺いをしようと思います。
 これまでのそのTPP交渉の経緯といったものについてちょっとお話をしようと思います。
 元々、このTPP交渉、この協定の原型というのは、全ての関税を直ちにゼロにするという、ある意味非常に硬直的なルールであるということで交渉が開始をされたものであります。このような全ての産品について直ちに関税を撤廃する、ゼロにするという前提は、日本経済だけではなくて、いろんな国の経済について急激な変化、変更を及ぼすものであり、また混乱を生ずるというような可能性もあるということであったというふうに思います。
 民主党政権の下で、先ほど言いましたように、交渉参加の可能性を随分模索をしたわけでありますけれども、結局参加に踏み切らなかったのは、この硬直的なルール、全ての関税を直ちにゼロにするというようなことに対する懸念があったからだというふうに思っております。
 しかしながら、平成二十五年の二月に安倍総理がオバマ大統領との間で、両国間にはそれぞれ貿易上のセンシティビティー、困難な事項があるということを確認されて、この硬直的なルールも交渉次第で変更できるんだという見通しを立てた、その中で交渉参加に踏み切ったということであります。各国がそれぞれ、やはりそれぞれの国のセンシティビティー、困難な問題を抱えている、そしてそれを踏まえながら交渉を行うということで各国が受入れ可能な合意に到達できたというふうに思っております。
 この日本の交渉参加の前に安倍総理とオバマ大統領の間で柔軟性を確保するような合意ができたということが、結局、最終的に各国が合意可能なものとして合意できた、妥結できたということだと思っております。
 三番目のパネルでございます。
 先ほど総理から工業製品の関税撤廃率についてお話がありました。この資料では、全品目の関税撤廃率、日本は九五ということでございます。これまでのEPA、FTAに比べて高い率ではありますけれども、かなり日本の産業にも配慮した中身、そして農林水産物品では八二%ということで、どこの国よりも関税撤廃率を低く抑えることもできた。つまり、それぞれの国の柔軟性に配慮した交渉の中で、我が国については、我が国の産業、農業や第一次産業に配慮しながらうまく交渉ができたんではないかというふうに思います。
 このような安倍総理とオバマ大統領の合意、そして最終的な決着が得られたこのことについて、特に総理の御感想なりあるいは御意見なりがあればお伺いをしたいと思います。
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安倍晋三#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権が誕生した当時、既にTPP交渉は開始から二年が経過をしていたわけでございまして、その間のことは委員も農林水産審議官としてもこの責任者として経緯はよく御承知のとおりだろうと思いますが、当時は全ての関税の撤廃を目指して進められていたのは事実でございます。
 しかし、日本にとって農は国の基であります。農業に従事している皆さんが毎日土と向き合い、その結果、私たちの食を支え、地域を守り、環境を保全してきたと言ってもいい。同時に、日本のふるさと、伝統を守り、さらには国柄を守ってきたということではないかと思います。
 この国柄を守ることとTPPに参加すること、これを両立させることはできないか、そのために私たちは自らその道を切り開いていくべきだと、こう考えたわけであります。この考え方の下、政権発足後間もない日米首脳会談におきまして、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められていないことなどを直接確認した上で交渉参加を決断をいたしました。
 我が国は、交渉を主導することで農林水産品の約二割について関税等による保護を維持をしたわけであります。我が国以外はほぼ一〇〇%関税撤廃されるわけでありますが、我が国は約二割の関税等による保護を維持をし、そして自動車部品の対米輸出額の八割以上の即時撤廃を確保したところであります。
 厳しい交渉を経て国益にかなう最善の結果を得て、TPPを高い戦略的、経済的価値を持つものとすることができたと考えているわけであります。
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山田修路#13
○山田修路君 ありがとうございました。
 TPP協定については様々な懸念がいろんな方から出されているわけでございます。その懸念について質問をしたいと思います。
 いろんな懸念をお聞きをするんですけれども、私の受けた印象は、情報が不足しているんではないか、あるいは誤解に基づいた懸念なんではないかということでございます。
 こういった誤解がどこからくるものかということでございますけれども、今総理からもお話がありましたように、TPP交渉に日本が参加する以前、全ての関税を直ちに撤廃をしていくんだというような原則がありましたし、そして実際に参加してみないとどういう交渉が行われているのかもよく分からない、そういった中で様々な懸念がいろんな方面から出されたということだと思います。
 このような交渉参加前の懸念事項、それは交渉の決着によってそういうことがないんだということはもうはっきりしているわけですけれども、その不安が依然として国民の中に残っている、元々あった不安がそのまま残って今のいろんな不安につながっているのではないかというふうに思います。この不安を解消すること、これもこの国会での審議の重要なテーマであるというふうに思います。
 まず、農林水産業についてお伺いをいたします。
 交渉決着後の昨年十二月に公表しておりますこの二つ目の資料でございますけれども、経済効果分析というものがあります。農林水産物の生産減少額、千三百億円から二千百億円ということで分析をしております。一方で、交渉開始前、平成二十五年の三月に試算をしたもの、これはお示しをしませんけれども、三兆円程度の農林水産物の生産額の減少があるとしていたわけでございます。
 交渉前と交渉後を比べると二十分の一ぐらいに影響が減っている、少なくなっているということなんですけれども、なぜこのように生産減少額が少なくなったのか、農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
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山本有二#14
○国務大臣(山本有二君) TPPと申しましても、交渉前のTPP、そして交渉後のTPP、さらには国内対策を盛り込んだTPP、こうした、TPPと一概に言いましても、私は三つの概念がそれぞれ独自に移動し、また評価をされているというような懸念を持っております。その意味におきまして、交渉前のTPPというのは全ての関税が即時撤廃されるということでございまして、追加的な国内対策も全くしないというようなことでございます。これを単純化して試算しますと、三兆円の生産減少額があるという位置付けでございました。
 一方、今回の試算では、対象品目は前回同様でございますけれども、交渉結果は既に明らかになっておりまして、関税撤廃の例外を二割獲得しております。そして、そのほかにも長期の関税削減期間、あるいはセーフガード措置というようなことが獲得できておりまして、交渉は最善を尽くされたというように思っております。
 さらに、国内対策でございます。総合的なTPP関連政策大綱に基づく国内対策がございまして、二度の補正を行ったわけでございまして、それを踏まえて考えていきますと、先生御指摘の生産減少額は千三百億円から二千百億円になったということでございます。
 今後、国内対策を更に充実、加速していきたいというように思っております。
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山田修路#15
○山田修路君 ありがとうございます。
 まさに交渉の結果が反映され、そして国内対策の内容についても反映した結果、このように生産減少額が少なくなったということでございます。
 今お話しのように、政府はそれぞれの農林水産物の特徴、状況に応じながら交渉し、また対策を講じようとしているということでございます。具体的に幾つかの品目についてお伺いをしたいと思います。
 まず、米でございます。米については、これも地域の、私の地元の方も、米がこれからどんどん入ってくるんじゃないかと、そういった心配をされている方がおられます。米については、もう皆さん御存じのとおり、国内の消費量に比べて生産の能力が高いということで、生産調整を実施をしております。
 このような中で、アメリカそしてオーストラリアに輸入の枠を設定をしました。この両国合わせて最終的には最大で七万八千四百トンの輸入枠になるということでございます。国内の消費量、約八百万トンと言われておりますので、そのうちの一%ぐらいに該当するわけでありますけれども、生産調整を実施していることもあって、国内農業への影響を遮断していくこと、これは非常に重要なことだと思っております。
 政府としてどのような措置を講じようとしているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
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山本有二#16
○国務大臣(山本有二君) 米は重要五品目の中の最大の懸案でございました。その米につきましては、枠外税率一キロ当たり三百四十一円の関税、これを維持することができました。この一キロ三百四十一円は六十キロに直しますと二万円でございますので、これで枠外で輸入されるということはほとんどあり得ない話となったわけでございます。
 そして、WTOの七十七万トンは既にありますけれども、さて、それ以外で米が海外から輸入される枠はあるのかと問われますと、発効当初から三年間は五・六万トンございます。それが十三年目以降七・八万トンになると、こういうことでございます。この七・八万トンの懸念でございます。七・八万トン入ると大変だということでございますが、この枠は全てSBSでございます。SBSというのはこれは入札でございまして、この入札に応ずる者がなければ、あるいは契約が成立しなければ言わば入ってこない可能性もあるわけでございます。
 特に、このミニマムアクセス米というのは、SBSで入ってこない場合でもそれは輸入義務がありますから、またそれは七十七万トン、満額入れなければならないわけでございますが、この七・八万トンというのは、契約がなければこれは入れなくてもいいという、そういう交渉結果となっております。
 その意味におきましては、十三年後でございますし、必ずしも入れなくていいというこれはTPP枠でございます。そんな意味におきまして、我々は、もし入りましても、これは国内市場から遮断しよう、備蓄米として買い上げる対策をしていきまして、その上において国内市場では価格が下がるという懸念を払拭するというようにしているわけでございます。
 その意味におきましては、米に対しては私は万全の体制が取れたという評価をしておるところでございます。
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山田修路#17
○山田修路君 それから、備蓄政策の見直しということも含めて、この七万八千四百トンについて、そのものはできませんけれども、国内の生産があったものについて備蓄の見直しを行うということも聞いておりますけれども、その点についてはどうでしょうか。
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山本有二#18
○国務大臣(山本有二君) おっしゃるとおり、現在、米市場は八百万トンの規模でございます。そして、TPPで国別枠が七・八万トンでございます。一%でございます。そして、この一%でも入りますれば、その分それに応じて備蓄米で国内産の主食用米を買い取るというようなことで、市場に需給というバランスの上におきましては値段の変化がない、値段が生産者の心配から解き放たれるというような備蓄運用をしたいというように考えておるところでございます。
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山田修路#19
○山田修路君 ありがとうございました。
 七万八千トン余りの輸入枠が設定されるけれども、それに見合った量を国内から備蓄として買い上げるというようなこともやっているということだと思います。
 また、いろんな品目がありますけれども、外国の農産品と差別化が可能なものもあるということだと思います。例えばリンゴでございますけれども、リンゴ、今、例えば東京の大田市場ではキログラム当たり三百円ぐらいという、年によって違いますけれども、そんな価格になっております。一方で、外国から輸入されるリンゴ、これは例えば横浜の埠頭に着いたとき、これはキログラム当たり大体二百円ぐらいということでございます。これに関税が今一七%付いて二百三十円ぐらいになって荷揚げされるような状況です。
 この外国産のリンゴ、それから国産のリンゴが例えば金沢のスーパーに出回るとした場合に、流通経費もあって、国産のものは例えばキログラム当たり五百円ぐらい、そして外国産のものが出回るとすれば、二百円のコストが掛かって四百三十円と、こんな価格でスーパーに並んでいる状況であります。
 そして、しかし現実には、国内のスーパーマーケットで外国産のリンゴを見ることはほとんどありません。ほとんどそういった価格差において、やはり高くても日本のリンゴを日本の消費者の方は選んでいただいている、これが今の例えば差別化ができる商品の現状であります。
 そして、例えば金沢のスーパーマーケットで今まで四百三十円で売られるかもしれなかったリンゴが四百円になったと。そのときに、消費者は三十円下がったから、じゃ国産のものから外国産のものに移るだろうかということでございます。そのことはまずほとんど生じないんだろうというふうに私は思っております。
 しかしながら、一部競合するリンゴについては価格が下がっていくかもしれない、そのことを評価をして、農林水産省では三億円から六億円の生産額の減少の可能性があるというような試算をしております。リンゴの国内の生産額は約二千百億円ということでございますので、この価格の低下、可能性のあるものは〇・二%とか〇・三%という、そういったレベルの問題でございます。しかし、リンゴ農家にとってはそれも心配であろうかというふうに思います。国内で、しっかり国内対策を講じていく必要があるのもまた事実かと思います。
 どのような国内対策を講じていくつもりなのか、農水大臣にお伺いしたいと思います。
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山本有二#20
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、リンゴは品質においても、またその信頼、ブランド化においても、国内産リンゴというのは圧倒的なものがございます。
 実際、七十四万トン、国内で二〇一三年生産されておりまして、輸入は二千三百トンですから、国内生産の〇・三%しか輸入されていないという、そういう強みがございます。しかしながら、それに甘んずることなく、更に産地パワーアップ事業で生産者の輸出力あるいは品質の下支えをさせていただきたいと思っております。
 まずは、省力的な栽培体系への転換、あるいは品質向上を図るための改植及び未収益期間への支援、そして作業効率化のための園内道の整備、そして濃縮果汁から高品質なストレート果汁への転換のための施設導入、そして農産物加工処理施設や選果施設の整備、高付加価値化や生産コストの削減、こういった目標を掲げて取り組みたいと思っております。
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山田修路#21
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 交渉の結果を受けて国内対策をしっかり講じていくということで、農業についての不安も解消されていくというふうに考えております。ほか、それぞれいろんな品目について交渉方針を決め、そして国内対策を講じているということであろうかと思います。
 農業についてのいろんな対策、これについては今お聞きをしたところですけれども、それ以外にもいろんな懸念が表明されています。
 私の地元の金沢でお母さん方とお話をする機会がありました。一番心配をされているのは、食品の安全性についてでございます。現在、日本で使用が認められていない農薬や食品添加物が使われた食品が外国から輸入されることになるのではないかとか、あるいは日本で流通できないことになっている遺伝子組換えの食品がこれからは輸入されてくるんではないか、あるいは食品表示のルールについて、アメリカのルールが日本に押し付けられて、いろいろな消費者が知りたい情報が知ることができなくなるんじゃないか、そんなような懸念をおっしゃっておられる方がおります。
 これは私は全くの誤解であるというふうに思っております。先ほど言いましたように、交渉開始前のいろんな情報、それがまだ消費者の方に残っているのかなというふうにも感じるわけであります。
 改めて、この遺伝子組換え食品や、あるいは農薬、食品添加物についての安全性のルール、そして食品表示のルールについて変更されるのかどうか、石原大臣にお答えいただきたいと思います。
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石原伸晃#22
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま山田委員が御指摘されました漠たる不安でございます、食品に関する。これは確かに存在するということは私も様々な場でお話を聞かせていただいております。
 しかし、総理がいつも御答弁させていただいておるんでございますが、国産品であれ輸入品であれ、安全性が確保されていないものは流通を許してはいけない、これがやはり私は基本だと思っております。食品行政上の大原則と言ってもいいんだと思いますし、この考え方は何ら、一ミリたりとも変更はいたしません。
 そして、じゃ、今委員が御懸念でお示しをされましたように、TPP協定の中にそういうことができるようなところがあるのかと申せば、TPP協定には我が国の食品の安全を脅かすようなルールは一切ございません。こんなふうに認識をさせていただいております。
 もう少し詳細をお話をさせていただきますと、いわゆるTPP協定のSPS章、第七章でございますけれども、WTOのSPS協定と同様に、各国に科学的根拠に基づく適切な措置をとることを認める、すなわち科学的に影響のあるものは駄目よと我が国で決めれば、それは認めると明確に書かれておりますし、我が国の食品安全に関する制度に何ら変更を強いるものでは、その結果なっておりません。我が国が必要と考える食品の安全に関する制度の変更をする場合には新たな制約が加わるということは、この七章をお読みいただきますと一切ないということが確認できると思っております。
 そしてもう一つ、委員御指摘になりましたいわゆる表示の方でございます、こういうものを使っている使っていないといったような。ここもやはり御懸念があると承知をしております。
 これはTPP協定の貿易の技術的障害、いわゆるTBT章、第八章に書かれておりますけれども、これは、過去に私どもが結びましたWTO・TBT協定と同様に、表示ルールなどを定める際の手続や透明性の確保等について定めるものでございまして、我が国の食品表示制度に何ら変更を及ぼすものではない。ですから、圧力が掛かってこの表示を変えるということは一切ないと明記されているところでございます。我が国が必要と考える食品表示制度の変更をする場合に、やっちゃいけないよとかというような新たな制約が加わるものではないというふうに理解をしていると御理解いただければと存じます。
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山田修路#23
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 時間も大分迫ってきておりますけれども、ISDS条項についてお伺いをしたいと思います。
 このISDS条項、投資家と国との間の紛争を解決する手続ということでございます。TPP協定の投資に関する章の中の様々な義務、例えば内外無差別の義務、外国企業と国内企業を同等に扱えと、こういったことに国が反した場合にその救済の手続を決めているものでございます。
 これについて、裁判所でなく、国際的な仲裁機関に救済を求めていくということでございますが、この制度が日本の様々な国内制度を変更されるようなことになっていくんではないかというふうな懸念があります。これに対して、様々なそのような安易な訴えを防ぐ措置を規定しているというふうにしておりますけれども、その内容について御説明をいただきたいと思います。
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澁谷和久#24
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。
 ISDSにつきましては、先生御指摘のとおり、様々な御指摘があるわけですけれども、まず、我が国の制度を変えるような訴えがなされるのではないかという、そういう誤解もありますが、今先生御指摘のとおり、投資受入れ国がTPP協定に違反して投資家が損害を受けた場合に、損害に関して損害賠償あるいは原状回復を求める訴えを提起することができるというものでございまして、制度変更を求めるような訴えができるわけではございません。
 また、投資受入れ国が、環境や健康などの公共の福祉に係る正当な目的のために、必要かつ合理的な規制措置を差別的でない態様で講ずることを妨げるものではないということも規定上明記されているところでございます。
 それから、濫訴防止の規定も幾つか用意されておりまして、例えば仲裁廷の権限の範囲外であるという申立てがなされた場合に、その申立てを迅速に却下することを可能にする規定、あるいは全ての事案の審理、判断内容等を原則として公開すること、これ義務付けでございます。また、申立て期間を一定の期間に制限するとか、投資家の請求に根拠がないと認められる場合に費用を投資家に負担させることができるなど、濫訴を防止するための様々な規定が盛り込まれているところでございます。
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山田修路#25
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 外務大臣にお聞きをしたいと思います。
 今御説明のあったような濫訴防止等の措置が規定をされているということでありますけれども、ただ、ISDSについての心配はやはり完全には払拭できないのではないかと私は思っております。そういう規定があったとしても訴え出る人はまたいるわけですし、また、その裁判所あるいは仲裁機関がどう判断するかというのもやってみなければ分からないというところがあると思います。そういった中で、しかし、やはりこのISDS条項は受け入れるべき、あるいは必要だというふうに私は思っております。
 日本が締結したEPA、FTA、経済連携協定においてISDS条項がこれまで盛り込まれてきたのかどうか、そしてその設定をされている場合に日本がこれを求めてきたのかどうか、そしてそれはなぜなのか、そのことについて外務大臣にお伺いしたいと思います。
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岸田文雄#26
○国務大臣(岸田文雄君) まず一つ目の、我が国が結んできた経済連携協定の中にISDS条項は含まれているのかという質問につきましては、今日まで我が国が締結した経済連携協定を含む投資関連協定、ほぼ全てにISDS条項は含まれております。
 そして、我が国が望んだのかという御質問につきましては、そもそもISDS条項、これは、投資受入れ国が投資関連協定に違反したことによって当該国で事業展開をする日本企業が不利益を受けた際に当該国の政府を訴えることができるとするものであります。我が国企業が海外で投資活動をする上において、予見可能性あるいは法的安定性、こうしたものを向上させることに資する、こういった制度であるという認識に立っています。よって、協定上の投資保護を実効的なものにする上で有効であるとして我が国の経済界も重視している協定です。
 こういった観点から、我が国は投資関連協定の締結交渉に際してISDS条項が含まれるよう取り組んできております。その結果として、ほとんどの投資関連協定にISDS条項は含まれているというのが現状であります。
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山田修路#27
○山田修路君 ありがとうございました。
 このISDS条項は、言わばもろ刃の剣というんでしょうかね、こちらがやられた場合あるいはそうでない場合、双方あると。しかし、日本としてはやはり有効な条項だということだと思います。
 これまで質問を続けてまいりましたけれども、このTPP協定については日本に多大な好影響を与える、そして日本の国内の被害は最小限に抑えられ、また対策も講じているということだと思います。是非、また今後の国会審議を通じてこの中身を国民の方々に分かってもらって是非速やかに決定をしていく、こういうふうにしていきたいというふうに思っております。
 本日はどうもありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
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三宅伸吾#28
○三宅伸吾君 自由民主党の三宅伸吾でございます。
 本日は質問の機会を賜りまして、林委員長を始め理事、委員の各位の皆様に心より御礼を申し上げます。総理始め政府関係者の皆様にはどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、安倍総理に二点お聞きしたいと思います。(資料提示)
 総理は今年四月の衆議院本会議におきまして、TPP協定は国家百年の計だと述べられておられます。今から三十数年前のことでございます、大平元総理が環太平洋連帯の構想を提案されておられましたけれども、これを安倍総理はどのように評価をされるのかというのがまず第一点目でございます。
 そして、第二点目の質問でございますけれども、TPP協定の今国会での承認を国民の圧倒的多数が支持をしているわけではございません。世論調査によりますと、国論を二分しているという見方もできないわけではございません。米国のオバマ大統領はTPP交渉を日本とともに牽引をしてまいりましたけれども、次期大統領に決まったトランプ氏が反対をしているというのはもう皆さん御承知のことだと思います。総理は、今週木曜日にTPP協定に反対だという米国の次期大統領とお会いになります。こうした情勢の中で、今国会で協定の承認を求める理由をお聞かせください。
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安倍晋三#29
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、委員が挙げられました大平元総理の環太平洋連帯構想でありますが、太平洋地域において自由で開かれた国際経済システムの構築を目指すものでありまして、これに基づき、一九八〇年に開催された環太平洋共同体セミナーが太平洋経済協力会議、PECCを経て、今日のAPECにつながっているのは御承知のとおりでございます。
 TPP協定は、アジア太平洋地域において、自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配といった基本的価値を共有する国々が新しい経済ルールを作るものでありまして、単に関税をなくしていくということではなくて、新しい自由で公正なルールを作っていく、これは言わばTPPの特徴の一つと言ってもいいんだろうと思います。これは、二十一世紀にふさわしい国際秩序を誰が構築するかという問題でもあります。まさに国家百年の計であり、大平元総理の構想がなければ生まれなかったものと考えています。
 協定の今国会での承認を求める理由についてお尋ねがございましたが、TPP協定は、厳しい交渉を経て、我が国にとって高い戦略的、経済的価値を持つものとなりました。米国が政権交代期にある今、我が国こそがその早期発効に向けてリーダーシップを発揮をしなければならない。まさに、米国で残念ながら保護主義が台頭する中にあって、今こそ私たちがしっかりと世界に向けてこうした自由で公正なルールを作っていくことの重要性を訴えていく必要があるんだろうと、このように思います。
 TPP協定の国会承認により、再交渉はしない、早期発効を目指すとの立法府も含めた我が国の意思が明確に示されることになります。今後、様々な機会を通じて米国及び他の署名国に国内手続の早期の完了を働きかけていく考えであります。
 今後、様々な機会を通じてそうしたことを行っていくわけでありますが、国会でTPP協定が承認され、整備法案が成立することで、自由貿易を主導する我が国の決意と結果を出す力を世界に示すことができます。これは、TPP以外の通商交渉も刺激をし、加速させ、保護主義の蔓延を食い止める契機にもなると思います。日本はこれ受け身で他国の動きを待つのではなくて、日本にとって、アジア太平洋地域にとっても望ましい結果を実現する取組を主導していくべきだろうと、このように考えております。
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