予算委員会

1964-03-02 衆議院 全168発言

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会議録情報#0
昭和三十九年三月二日(月曜日)
    午前十時十九分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 愛知 揆一君 理事 青木  正君
   理事 櫻内 義雄君 理事 野田 卯一君
   理事 松澤 雄藏君 理事 井手 以誠君
   理事 川俣 清音君 理事 辻原 弘市君
      相川 勝六君    荒木萬壽夫君
      安藤  覺君    井出一太郎君
      井村 重雄君    稻葉  修君
      今松 治郎君    植木庚子郎君
      仮谷 忠男君    川崎 秀二君
      小坂善太郎君   小宮山重四郎君
      重政 誠之君    周東 英雄君
      砂田 重民君    田澤 吉郎君
      登坂重次郎君    中曽根康弘君
      古井 喜實君    古川 丈吉君
      保科善四郎君    松浦周太郎君
      松野 頼三君    水田三喜男君
      湊  徹郎君    山本 勝市君
      淡谷 悠藏君    石田 宥全君
      石野 久男君    岡田 春夫君
      加藤 清二君    五島 虎雄君
      河野  密君    滝井 義高君
      堂森 芳夫君    中井徳次郎君
      村山 喜一君    山花 秀雄君
      横路 節雄君    今澄  勇君
      小平  忠君    永末 英一君
      加藤  進君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        法 務 大 臣 賀屋 興宣君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        文 部 大 臣 灘尾 弘吉君
        厚 生 大 臣 小林 武治君
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        通商産業大臣  福田  一君
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
        郵 政 大 臣 古池 信三君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
        建 設 大 臣 河野 一郎君
        自 治 大 臣 早川  崇君
        国 務 大 臣 佐藤 榮作君
        国 務 大 臣 福田 篤泰君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
        国 務 大 臣 山村新治郎君
 出席政府委員
        内閣官房長官  黒金 泰美君
        内閣法制局長官 林  修三君
        総理府総務長官 町田 武夫君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    高島 節男君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  向坂 正男君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   島村 武久君
        外務事務官
        (アジア局長) 後宮 虎郎君
        外務事務官
        (条約局長)  中川  融君
        大蔵事務官
        (主計局長)  佐藤 一郎君
        大蔵事務官
        (主計局長)  泉 美之松君
        大蔵事務官
        (理財局長)  吉岡 英一君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  高橋 俊英君
        大蔵事務官
        (為替局長事務
        代理)     鈴木 秀雄君
        通商産業事務官
        (通商局長)  山本 重信君
        通商産業事務官
        (鉱山保安局長)川原 英之君
        運輸事務官
        (鉄道監督局長)廣瀬 眞一君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      村上 茂利君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       石田 礼助君
        日本国有鉄道副
        総裁      磯﨑  叡君
        日本国有鉄道常
        務理事     山田 明吉君
        専  門  員 大沢  実君
    ―――――――――――――
三月二日
 委員荒木萬壽夫君、江崎真澄君、小川半次君、
 重政誠之君、堂森芳夫君、湯山勇君及び鈴木一
 君辞任につき、その補欠として田村良平君、砂
 田重民君、小宮山重四郎君、湊徹郎君、村山喜
 一君、淡谷悠藏君及び永末英一君が議長の指名
 で委員に選任された。
同日
 委員小宮山重四郎君、砂田重民君、田村良平君、
 湊徹郎君、滝井義高君及び村山喜一君辞任につ
 き、その補欠として小川半次君、江崎真澄君、
 荒木萬壽夫君、重政誠之君、多賀谷真稔君及び
 堂森芳夫君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十九年度一般会計予算
 昭和三十九年度特別会計予算
 昭和三十九年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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荒舩清十郎#1
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、締めくくりの総括質疑を続行いたします。
 辻原弘市君。
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辻原弘市#2
○辻原委員 私は、ただいまから、社会党を代表いたしまして、締めくくりの総括質問を行ないたいと思います。
 最初に、一昨日私が触れました問題にも関連をしまして、最近国鉄に関する大きな事故、それから昨年の十一月に起きました三井三川の大事故等、さらには去る二十七日に起きました富士航空の墜落事故等々、こういった一連の大事故に関しまして、その事故の防止を一体総合的に、基本的にどうするのか、またそのために生ずる産業災害に対して政府としてはどういうふうに対処をしていくのか。最近の事故を考えますと、まさにこれこそわが国のひずみであり、社会の大きなゆがみからこの問題が生じているように思うのでありまして、国民の不安たるや実にたいへんなものでございます。したがって、これらの相次ぐ大災害、また同時に産業災害と申して差しつかえないでありましょうが、これら一連の問題に対して、政府としてはどういう具体策をもって国民にこたえようとするのか。緊急的な問題それからさらには恒久的な問題、いろいろあるでありましょうが、当面交通機関が毎日この激しい社会の中に動いておるわけであります。したがってこれらに対して国民に安心をさせる。そういう具体的対策というものがなければならぬと私は思いますが、総理としてはこれらの対策について熱意をもって、誠意をもって国民にこたえようとされておるか、その具体策を示していただきたいと思うのであります。
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池田勇人#3
○池田国務大臣 最近炭鉱あるいは鉄道あるいは飛行機事故の発生したことはまことに遺憾でございます。政府といたしましては、炭鉱につきましても、また鉄道、飛行機につきましてもその原因を究明いたしまして、そうして再び起こらないよういろいろ措置をいたしておるのであります。たとえば炭鉱におきましては、災害防止のためのいわゆる労務関係、保安関係等につきまして、各炭鉱ごとに保安の仕事の重大性を認識し、またその保安の万全を期するよういろいろ措置を講じております。また鉄道におきましてもできるだけ改良工事を進めて、そうして事故の発生を防止すると同時に、起こった事故の原因を究明して、二度と繰り返さないようにいろいろ施策を講じております。また飛行機につきましても、飛行機の性能、整備の問題、また操縦者の注意の点等々、原因を調べまして対策を講じつつあるのであります。
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辻原弘市#4
○辻原委員 そこで、私は少しく具体的に伺ってまいりたいと思うのでありますが、まず、国鉄の事故に対する対策であります。きょうこの席上に国鉄総裁もお見えでありますから、責任者としてお答えを願いたいと思いますが、一体最近の打ち続く国鉄による事故というもの――事故は、戦前戦後を考えてみましても、大小いろいろありますし、小さな事故については、これはあながち、ただいまでなくても、以前にもずいぶんありました。しかし最近の事故の特徴というものは、一たび起これば非常に大きな事故になって、貴重な人命が多数それによって損害を受けるという、まことに嘆かわしい状態であります。一体これらの大惨事、大事故というものは何に基因するものであるか、国鉄総裁として、この際あなたの所信をお聞かせ願いたいと思います。
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石田礼助#5
○石田説明員 お答えいたします。
 最近における大きな事故の原因というものは、繰り返し申し上げておりますように、要するに細密ダイヤということが私は最大原因だと思う。要するに非常に細密なダイヤを組んでおる。だから、ダイヤどおりに順調に運行しておるときはよろしいが、一たん事故が起こると、そこに大事故になる危険というものが潜在しておる。問題はその問題だ。それではどうして一体これを解決するかということ、これはなかなか問題です。どうして一体こういう細密ダイヤをやらざるを得ないかということは、これはこの前もここで久保さんの質問に対して私がお答えいたしたのでありまするが、要するに戦争によって国鉄というものはぶちこわされた。その後昭和三十一年までというものは、その修理に対し、また輸送力の増強に対して予算というものがあまりに少なかった。一方、経済の発展というものが非常なもので、輸送需要がふえてきたというようなことで、そこに細密ダイヤを組まざるを得なくなったということでありまして、これは、結局急にわれわれが是正しようと思ったってなかなかできるものじゃない。かすにやはり七、八年の時を得て、少なくとも三兆ぐらいの金をかけてやることによって細密ダイヤの是正というものができる。これができるまでは大きな事故の起こる危険というものが潜在しておる、こういうふうに考えております。
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辻原弘市#6
○辻原委員 当面の事故は、最近の過密ダイヤの結果、きょう起きるかあした起きるかわからぬ状態であることは総裁もお認めのとおり。いまあなたがおっしゃられた過密ダイヤが今日の大被害の原因であるいうことは、全くわれわれも同感であります。しかも国鉄の諮問委員会なり国鉄の特別監査委員会における監査の結果報告等を見ても、異口同音にそのことを指摘しておる。ところがひるがえって、それだけの根本原因がわかっておりながら、一体それでは対策というのは何か、こういうことになれば、いま総裁は七、八年かからなければこの過密ダイヤの解消は行なわれない、しかも現在までの過小投資がその原因だと言われる。しかしそれだけで私は済む問題ではないと思う。毎日貴重な人命を乗せて走っている列車が、いつ起こるかわからないその事故を防止するのに七、八年も年月がかかるなんということは、これはとうてい許さるべき問題ではないと私は思う。なぜそんなに時間をかけなければこの過密ダイヤの解消ができないのか、いま一度お答えを願いたい。
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石田礼助#7
○石田説明員 過密ダイヤということを申しましたが、たとえばこの前起きた鶴見の問題なんかにいたしましても、一日にあそこを通過しておる列車というものは九百六十本もある。東京駅を出入りする列車というものは二千四百もある。こういうような過密のダイヤというものは世界に数がない。フランスの副総裁が数年前に来て、国鉄はまさに軽わざ芸をやっておる、こういうようなことを申したのでありまするが、しかしこれは、どうも日本の財政力をもってしては、ある程度私はいかんともすべからざることであると思う。この間に立って、どうして一体安全輸送をやるかということが、われわれ国鉄人に課せられたる運命だと考えております。ではどうしてわれわれはこれをやるかというと、第一は車内警報装置の問題、それから第二は信号保安設備の問題、それから第三は踏切の対策。御承知のとおり、事故の相当大きな部分は踏切対策であります。フランスだとかドイツのごときは、八千メートルに一本の踏切があるのに対して、上越線のごときは三百メートルに対して踏切があるというようなことで、どうしても事故が起こりやすい。私どもとしては、車内警報装置によって運転手の注意を喫起するような装置をつける。また信号保安設備というものを完備する。それからさらに踏切対策というものに対して重点を置きまして、少なくとも複線以上のところに対しては大部分は三十九年中に、そうして少なくとも四十年の三月までにはこれを完成する、こういうことにいたしまして、軽わざ芸をひとつあやまちない軽わざ芸にしたい。こういうことがいまわれわれが努力しておる点でございます。
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辻原弘市#8
○辻原委員 さっきもあなたが申されましたが、私も委員会で聞いておりましたが、去る二月の八日の久保君に対するお答えの中で、あなたはいまのような過密ダイヤの状況ではまた事故が起こるかもしれないとこうおっしゃった。一体、また事故が起こるであろうというのは、その根本原因はどこにあるのですか。あなたがそういうふうに発言をせられた理由というのは、一体なぜ最高責任者であるあなたが事故がまた起こるだろうと言わざるを得ないその原因というものは何であるか。われわれはあなたの立場に非常に同情しておる。問題の多い国鉄を背負って民間からおいでになっていろいろ苦慮されておる事情を私どもも非常に御同情申し上げておる。だからこの機会に、一体あなたをしてそう言わしめなければならない原因というものをわれわれは突き詰めて、国民の不安も解消したいし、またあなたの言うように、世界各国から見れば日本の国鉄輸送なんというのは軽わざ師みたいなものだ、こんなばかげたことを一日もすみやかに解消したい。しかしほっかっておくと七年も八年も十年もたたなければどうにもならぬというような状況だとあなたは言われておる。一体その原因というのはどこにあるのだ。何が不足している。そのことを明らかにしていただきたい。
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石田礼助#9
○石田説明員 ただいまの御質問は、すでに私が初めに申し上げましたとおり、要するに戦争のために国鉄というものは大部分ぶちこわされた。その後における予算の投資というものがいかに少なかったか。これを、つまり国鉄というものは自己資金によってまかなうべく運賃の値上げというものを国会に再三要求したものであります。ところが国鉄は御承知のとおりスローモーだ。すべてのものが上がったあと、値上げをされたあとにいくものだから、いつもインフレーション対策として運賃の値上げというものは押えられる。その結果、今日物価指数なんというものは昭和十一年に比べて三百六十倍、三百七十倍にもなっておるにもかかわらず、国鉄のこの旅客の運賃なんというものは百五十九倍にすぎないというようなことで、予算のつまり少なかったということと、自分の収入の足らなかったということで輸送力というものを十分につけることができなかった。一方に経済の発展によって輸送需要というものがふえた。その両々相まってここに過密ダイヤをやらざるを得ないようなことになった。国鉄は、つまり輸送というものに対する非常に大きな使命を持っておる。これを遂行するためには、どうしたってダイヤというものを過密にせざるを得なかった。こういうことが原因なんでありまして、これに対してはどうしても輸送力をふやす。輸送力をふやすということになると、なかなかそう急にいくものじゃない。たとえば東海道新幹線やなんかをつくるにいたしましても、初めは千九百億くらいのものが、土地の買い上げその他によってなかなかこれはむずかしい。倍もかかったというようなことでありまして、この過密ダイヤをうまく解決するということに対しては、なかなかそう一年や二年でいくものじゃない。かすにやはり数年の年月をもってして、十分の予算をいただかなければならぬ。こういう意味であります。
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辻原弘市#10
○辻原委員 これは総裁、過去における過小投資の問題をいまここで云々しても問題になりません。一体これからどうするかということについてわれわれは前向きで検討したいということです。そうすると、さしあたって国鉄は第二次五カ年計画というものを今日実施中である。問題は、これは予算において少なくとも過密ダイヤを解消できるがごとく組まれておるかどうか、組まれておるならば、これは過去のことはいたし方がない。今日から一つ一つ積み上げて、できるだけ短い期間にこの過密ダイヤの解消に向かって全力をあげていくということであれば、われわれは了承できる。またあなたも了承できると思う。そこで第二次五カ年計画、ことしの予算について、そこまで過密ダイヤについて認識を持たれておる総裁が、一体どれだけの努力を払われたか私どもは疑わしい。第二次五カ年計画について、これをその期間内に完全にやれるだけの予算措置と万全の対策を一体国鉄としてもお持ちになっておるかどうかということを、私はあなたの御答弁からあらためて伺いたい。ただこれはぶうぶう非を鳴らすだけでは事は済まない重大な問題です。一体、ことしの予算であなたはやれるのか、やれないのか。やれるならば、その予算でもってすみやかにやっていただきたい。やれないならばわれわれも考えがある。一体どうなんですか。
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石田礼助#11
○石田説明員 過密ダイヤの解消をすべく、われわれとしてはことしは昨年に比べて改良費として思い切った予算の要求をしたのでありまするが、これが約千億切られちゃった。しかし、その後、大蔵大臣にお願いいたしまして、約五百億の追加をしていただいた、こういうようなことで、まずこれは、私から言えば、国家財政の大勢上またいかにせん。これでしかし何とかいくようにしようということで、保安対策にまず最重点を置く、事故のないようにする。それには、つまりさっき申しましたような市内警報装置の完成、それから信号保安設備の完成、それから最も大きな事故の数において多い踏切事故を、四十年の春までに、ぜひやる、こういうことと、そしてこの四十五万の職員の指導訓練考査というものを十分にやって、われわれの腕の見せどころをひとつやろうじゃないか、こういう決心でやっておりまして、まあさほどに御心配になるようなことは、私はないんじゃないか。私が一番心配しておるのは、東京近在の通勤、通学の問題、ラッシュの問題、これはあなた、新宿の駅あたり行たってみますると、実におそろしい状態です。しかし、これは国鉄だけの問題じゃない。これは東京都の問題であると私は考えておりますが、このほうが一番危険です。これに対しては思い切って手を打ちまして、もうサービスよりは安全第一ということを主といたしまして、最近においてはプラットホームにおける状態を見て、とにかく出札口を閉鎖してお客を入れないというまでに思い切ったことをやっておるために非常に順調にいっておる。こういう状態であります。
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辻原弘市#12
○辻原委員 東京近郊のラッシュについては、これはあなたから御説明を承らなくても、もうすでに限界を越しているということは、これはもうだれが考えたってわかる。問題はそれに対する対策なんです。ただ列車を少なくして安全を確保しょうというのはだれにでもできる。しかし、時代の要請に従って、進展する社会の状況にマッチして不便をなからしめ、同時に安全性を確保するということに問題のむずかしさがある。あなたのいまおっしゃったようなことは、できるだけ列車運行について、多少乗客に不便であっても安全性を確保する、それも必要です。必要ですが、さっきから言っておるように、前向きでこれを解決するためにはどうするかということをお尋ねしておる。また、列車事故は東京近郊だけではありません。山手線その他の問題だけではなくて、全国至るところ今日事故を発生する要因が潜在しておる。これはあなたも言われておるでしょう。だから、それらを解決するには一体具体的にどうだ。これは経費の問題なんだ。だから、三十八年から三十九年にかけて、一体国が措置をした金でもって、あなたの希望するような過密ダイヤの解消について少なくとも最大限おやりになることができますかと私はお尋ねしておる。まず、過密ダイヤの解消については、何といいましてもこれは改良費が重点でしょう。安全性の確保については、安全対策費が重点でしょう。踏切その他の事故対策について具体的にどう措置しているか。それで少なくとも計画に従って一〇〇%ずつおやりになることができますか。できるなら、あなたが不足を言う筋合いのものではなかろう。不足をおっしゃる必要はないでしょう。しかし、あなたがいままで各委員会を通じて、予言者のように、ともかくまた事故が起きるとおっしゃっている。国民はびっくりぎょうてんしていますよ。最高責任者が、また事故が起きるかもわからぬ、これはたいへんな発言なんです。だから私はこの問題を重視して、一体あなたの心境はどうなのか、これでもって一体国鉄というものが今後国民に安心を与えるようにやっていけるものかどうかをお尋ねしておる。改良費はどうなんですか。かなり満足すべき状態にありますか。安全対策費はどうですか。詳しいことは要りません。ともかくあなたから概略の説明を願いたい。
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石田礼助#13
○石田説明員 国鉄全体における保安対策というものに対しましては、幸いに大蔵省でもよく同情してくださいまして、車内警報装置の問題、信号装置の問題、踏切の問題等については、われわれの要求する予算というものは十分に下すっておりますので、これは大部分は三十九年度に、おそくも四十年の三月までには大体完成する見込みであります。ただ、私は国鉄総裁の責任上からして、ここで大きな事故が起こるというようなことを申しまするのは、どうも私は商売で長くおったために、いつも問題を考えるときには最悪のことを考える。ここにおいて、つまり必ず大きな事故が起こる、こういうようなことを申したのは、少しこれは言い過ぎかもしれぬけれども、起こるチャンスはある、こういう意味なんであります。そこで、一番私が辻原さんに申し上げたいのは、その一番大きな事故が起こるもとはどこにあるかというと、東京近所にある。通勤通学の問題にあると思う。そこにわれわれはいま全力を注いでおりまして、大体において最近は非常に順調にいっておる。これは、ひとつ辻原さんがひとあさ新宿の駅へ行ってごらんになって、どういう方策をわれわれが講じておるかということをごらんになればよく御了解になることだと思う。ただ問題は、客の数はふえるが、輸送力というものは、東京近郊、国鉄に関する限りは当分ふえる見込みはない。これをどうするかということで、最近におけるプラットホームの状態を見てみると――問題が起こればプラットホームなんです。あの状態を見て、とにかく出札口において客どめをするというような非常な思い切った手を打つことによって、大体においてこの輸送というものは順調にいっておるという状態であるのであります。
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辻原弘市#14
○辻原委員 事故が起きるチャンスがあるなんということは、これはたいへんなことなんです。地震とは違うのですよ。無理に無理が重なっているということはだれも知っている。その事故が起きる原因がある。地震のように人間の知恵でもって捕捉しがたいものではない。だから、その事故が起きるチャンスがある、潜在的な理由があるとするならば、これは無理をしたって、少なくとも人命を確保するために、人命尊重の立場から、その事故を除去しなければならぬのが、これが国鉄総裁のあなたの責任なんだ。また政府としての責任なんだ。これはたいへんなことですよ。その事故が起きるチャンスがあるということは、結局はあなたがさっき言われた過密ダイヤにある。過密ダイヤを解消するためには、安全対策、それから改良その他によるダイヤを緩和していくための予算措置なんだ。私の見るところでは――これはあなたが衆参の予算委員会の別の機会にも話をされておる。三十九年度の改良費はわずか千七百億円じゃありませんか。これでもって、当初計画をした第二次五カ年計画というものは四十年で終わりますか、どうなんですか。
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石田礼助#15
○石田説明員 お答えします。
 過密ダイヤの解消をすべく第二次五カ年計画を満足にやったところで、過密ダイヤの解消というものはできるものじゃない。そこで、私は総理大臣にお願いいたしまして、第二次五カ年計画というものはまず三十九年度で打ち切って、四十年からはひとつ第三次計画に移って、根本的にひとつこの過密ダイヤの解消をすべくお願いした結果、新しく、やり方をこれまでと全然変える、これまでは国鉄の予算というものは国鉄だけでつくっておったのを、これからはひとつ政府の予算としてある意味において予算の裏づけのある計画にしたい、こういうようなことで、過密ダイヤの解消ということはひとつ四十年から思い切った計画を立ててやりたい、こういうことに考えておりまして、大体総理の御了解を得ておる次第であります。
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辻原弘市#16
○辻原委員 計画をいくら立てても、いままでの五カ年計画が示すとおり、やれなかったんですよ。そうでしょう。第二次五カ年計画は三十九年度の予算措置では少なくとも四千億以上残るということを、あなたは参議院の予算委員会でも答弁をしておる。そうすると、あなたがいま事故が起きる潜在的理由、チャンスがあるとおっしゃったことは、そういう予算措置を完全なものにならしめて初めてそのチャンスがなくなるのです。しかし、あらためて計画を検討してみたいなんということでチャンスがなくなりますか、どうなんです。これは重要な発言ですよ。あなたは二回にわたって発言されておる。チャンスがある、事故について防止できない、潜在的な理由がある、完全な予算措置ができておらない。言いかえれば、いまの予算措置でもっては、私は事故をなからしめる、そういう潜在的要因というものをなくすことに自信がありませんということなんです。その自信のない予算を私どもはいま審議をしているのだ。あなたが自信がない、事故が起こるチャンスがある、また起こりますよと、こう言っておる、そういう予算をわれわれ国民の側に立って承認できますかということです。承認できませんよ、そういうことは。運輸大臣、どうなんですか。総裁は、これは私は二回にわたって確かめた。この間二月八日には、久保君に対してもそのことをおっしゃっておる。いまのようなこういう過去の過小投資、また現実に計画を練り直さなければならぬような予算措置、これでは潜在的な理由がありますよ。運輸大臣どうですか、所管大臣として。
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綾部健太郎#17
○綾部国務大臣 私どもといたしましては、国家財政の現状にかんがみまして、現予算におきまして最善を尽くして事故をなからしめるよう努力いたしております。さらに根本問題につきましては、本年度の予算が決定する閣議におきまして、最も早い機会に、少なくとも来年度予算を組む機会までに国鉄のあり方について全般的に検討いたしまして、あるいは公共性の問題、あるいは企業性の問題、さらに進んでは運賃の問題、さらに進んでは国家財政等の見地に立ちまして、いかにすべきであるかということを検討いたしまして善処いたしたいと思います。(「四十年度では間に合わぬ、三十九年度はどうする」と呼ぶ者あり)三十九年度は、現在の予算において輸送の安全を期する確信を持っております。国鉄の総裁にその信念のあることは、私は信じて疑いません。
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辻原弘市#18
○辻原委員 根本的検討や信念だけでは事故をなくすることはできません。
 国鉄総裁、伺いますが、本年度の千七百億という改良費では、過密ダイヤを解消するための複線化、ディーゼル化あるいは電化、こういうものが全体五カ年計画の何割に相当しますか。それからもう一つ、安全対策云々を言われました。大蔵大臣が非常に努力してくれて、本年度の追加として百億の財政投融資、五百億の債務負担行為をやりました。それでもって三十九年度に五カ年計画のどれだけがやれますか、お答え願いたい。
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石田礼助#19
○石田説明員 今年度のわれわれの二千七百三十三億という要求に対しまして、政府は、初め千七百五十四億、それに合計して約五百億の追加、そのために約五百億削られたわけでありますが、辻原さんに申し上げるが、実は国鉄としては東海道新幹線という問題がある。(辻原委員「よけいなことを言わないでください」と呼ぶ)ちょっとそれを言わぬとぐあいが悪いのです。初めあれが千七百億くらいでできるものが、結局三千四百億かかったというようなことで、政府に対して非常な大きな負担をかけておるということで、思い切ってこれは出したつもりであるが、しかし、そうもいかぬということで二千七百三十三億という予算を出したのでありますが、決してこれでもってその過密ダイヤの解消ができるとは考えられぬのです。これはさっき申した過去における過小投資の累積なので、これは一年や二年でとてもできる問題じゃありませんが、とにかく、少なくともさっき申し上げたいろいろの保安対策、踏切その他によって何とか切り抜けるということはできるということに私は考えておりますので、大きな事故が起こる危険があるというようなことは、少々これは商売人的の、最悪の場合を考えた説明かもしれません、まずそう御心配になることはないと私は考えております。
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辻原弘市#20
○辻原委員 ぼくの質問に答えてないです。総裁、私が伺ったのは、千七百億の改良費は、五カ年計画の何%が三十九年度にやれるということになるか、それから、保安対策費を追加したというが、重点を――いまあなたが、さして心配ありませんなんというようなことを言った。私は数字的に明らかにして、その上で、あなたの御答弁になったことが了承できるか、了承できないか、私がきめます。お答え願いたいと思います。保安対策費は所期の計画に対してどれだけがやれるか、改良費は過密ダイヤ解消の所期の計画に対して幾らやれますか、これを明らかにしてもらいたい。
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石田礼助#21
○石田説明員 保安対策費は、一体第二次五カ年計画からいえば、ほとんどわれわれの要求したとおりにちょうだいしております、合計でもって。(辻原委員「三十九年度に全体計画としてどれだけやれますか」と呼ぶ)保安対策費としては、大体三十九年度においては、われわれは希望どおりやれると考えております。問題は細密ダイヤの問題です。
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辻原弘市#22
○辻原委員 それでは、五カ年計画全部やれるのなら、計画の再検討は必要ないじゃありませんか。運輸大臣どうなんですか。いま総裁がそれでもってほぼ計画の全部がやれるというなら、五カ年計画は練り直す必要はないじゃないですか。予算を見ますと、改良費は千七百億だ。五カ年計画の数字は私も知っておる。知っておるが、一体国鉄の見込みとしてはどれだけやれますかというのです。
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石田礼助#23
○石田説明員 数字のあまりこまかいことは私はどうも――これは副総裁に説明してもらいます。どうぞひとつ御了承願います。
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磯﨑叡#24
○磯﨑説明員 数字のことでございますので、お許しを得まして私から御答弁申し上げます。
 ただいま御質問の中の保安対策費でございますが、先ほど総裁が申し上げました二百七億、これは一〇〇%できます。それから保安対策費以外のものにつきましては、五カ年計画全体といたしましては五八・四%でございます。そのうちに、先生の先ほどお話しの電化、ディーゼル化という問題は、どちらかと申しますとサービスの向上の問題になりますので、これは順位をあとにいたしております。したがいまして、通勤輸送あるいは過密ダイヤ解消が一番大きな材料になりますいわゆる線路増設、複線化でございます、これは六六%ないし七〇%できることに相なります。
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辻原弘市#25
○辻原委員 それでは少しこまかく聞きましょう。あなたは一〇〇%できると言ったが、それで、保安対策の中で国鉄があげているたとえば踏切対策、それから信号保安の設備、それから車内の警報装置、これことごとく三十九年度には完備すると理解をしてよろしいな。
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石田礼助#26
○石田説明員 いまの保安対策でありまするが、第二次五カ年計画では合計六百二十一億になっております。そのうちでもっていままで使いましたものが二百四十九億、それから三十九年度においては二百七億、四十年度において百六十五億、こういうことになっておりまして、大体この輸送力増強以外の保安対策というものに対しては、予想どおりまいっておる次第であります。
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辻原弘市#27
○辻原委員 三十九年度にどの程度できるかと私は尋ねた。だから、三十九年度ではなお百六十億その他の残ができる。大蔵大臣、いま言われた六百二十一億、これは四十年度に――国鉄としては当然確保されるという前提をお持ちのようだが、それはあなたがいま保証できるのですね。
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田中角榮#28
○田中国務大臣 来年度の予算をいまから申し上げることは、時期的にたいへんむずかしいことだと思いますが、財政当局としてはこれが確保に全力をあげたいと思います。大体できると思います。
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辻原弘市#29
○辻原委員 最後に大蔵大臣が小さな声で、大体できると思いますと育ったから、おそらく明年度は計画の六百二十一億は全額確保されるものと理解をいたします。こまかい点はあるが、その点については触れません。ただ問題は、先ほどの改良費の千七百億というものは全体の五八%にしか相当しておらない。これはいわゆる過密ダイヤの解消についての予算措置は半分強しかできておらぬということです。だから、危険性というものが、依然として三十九年以降においても見通しが立たぬじゃありませんか。どうなんですか。
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